怪物たちのワルプルギス   作:丑こく参り

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墜落

「――で、あんたは誰だ?」

俺が黒いもやから出た先にはいい質感のバーがあった。

そこの中に、手のようなマスクをした若者がいた。

 

飲んでいる物は……ミルクか?

なんというか……シャークがきたら大爆笑していたであろうな。

 

「お前が先生が言っていた『ラース』か?」

「そうだが?」

「ふん、俺よりも若いな。」

 

男がどこか子供っぽい言動で俺を馬鹿にする。

 

まぁ、たかだかその程度のことなら怒らないけどな。まあ、最悪の場合は吹き飛ばせばいいか。

 

「死柄木弔、それが彼の名前です。」

「ふーん……。」

 

どうでもいいが、まぁ知っといていいか。

 

「おい、黒霧。何故こんなやつに名前を教える。」

「彼は今回の計画の為の重要なキーパーソンだからです、死柄木弔。どうか、怒りを静めて下さい。」

「ふん……。」

 

心底イラつきながらコップを指を一つ離して持つという変わった持ち方で持ち、ミルクを飲み干す。

 

奇妙な癖だな……。おおよそ、手に関係する個性でそれを制御出来ていないのか。

 

「それで、何故雄英を選んだんだ?」

「は?そんな事決まってるだろ?オールマイトを殺すためだよ……!」

「ひゅー、それは無謀といっておいたほうが分かりやすいぜ?」

 

オールマイト、世界でも有数なプロヒーローの一人。そう言えば雄英に転勤していたな。

 

だが、いくら雄英の講師になったとしてもまだ現役だ。殺すというのは少し無理があるようだが……。

 

「大丈夫だ。先生が対オールマイト用の秘密兵器を用意してくれている。」

「なるほど、な。なら、俺も今回はあんたらに従うよ。」

 

だが、「ただし、」と付け加える。

 

「黒霧、俺の場所に偶然を装って特定の生徒を含めた複数人をワープできるか?」

「申し訳ございません、私でも姿形を知らなければ……。」

「黒髪の長髪をポニーテール、女子としては大柄、これでどうだ?」

 

俺は黒霧から掠め取ったスマホから情報を言いながら聞いた。

 

「……それなら可能かと。」

 

やはりか。それなら話が早い。

 

「ですが、何故その人物を……?」

「何、少しばかりの興味ってやつさ。」

「おい、どういうことだ?説明しろ。」

 

面倒だからスルーしておくか。

 

「何してん

 

「では、一週間後。」

 

そして、俺の視界は変わり、大型のビルの屋上に出る。

 

うわ、太陽が眩し!?

 

俺の個性の一つ、『転移』。一定圏内の場所に自由に移動できる移動系の個性だ。

ただ、この個性、メリットが多いが、情報量が多いから『マルチタスク』という個性を平行して使わないとうまく使えないというデメリットがあるけどな。

 

「よし、なら始めるか。」

 

俺は片手を上に伸ばし、ボールを投げるように振り下ろす。

 

「成功したな。」

 

次の瞬間、大気圏の外から高速で飛来し、遠くにある山に衝突し、ここまで来るほどの衝撃が伝わる。

俺の『念動』は単純な出力でもかなりの力だが、『マルチタスク』の援護があれば更に火力を上げ、アメリカの()()()()の一つを落としたのだ。

 

「うん、いい感じだ。コレでデモンストレーションとしてはいいかな。」

 

俺はほくそ笑みながら呟く。

 

「さあ、動乱のはじまりだ、人間ども。」

 

 

 




個性一覧

念動:触れずに物を動かす個性。そこに『ある』と認識すればどんなものでも動かすことができる。
威力の調節の為、一つの物しか動かせない。

転移:一定圏内の別の場所に移動できる個性。応用はきくが、遠くになればなるほど脳に負担がかかる。

強化:この世全ての物の特性を高める個性。体や臓器はもちろん、触れているなら個性すらも強化できる。
集中するため一つの物にしか強化できない。

マルチタスク:高速で計算できる個性と平行して計算できる個性の複合型。超高速で計算でき、他の個性と連結することで多くのデメリットを無くすことができる。
脳への負担が大きい。

補助:異なる個性をカバーする個性。基本的にマルチタスクと連結し、負担によって起きた影響を和らげる。
マルチタスクと連結している間、他の個性のカバーが出来ない。
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