「うう……何でこんなことに。」
僕たちは重たい足取りで葬式場に向かう。
あの日、僕は後で知ったけど多くの先生方と同じクラスメイトが殺され、体の部位を奪われた人もいた。
そして、それを行ったのは『ラース』と呼ばれる
人を殺すことを躊躇わず、無邪気に残酷に人を殺す。そして、僕は助けることも出来なかった。
「デクくん……。」
「どうかしたの麗日さん。」
「私たちに出来ることは何かあったのかな……。」
「……分からない。彼は、『ラース』は凶悪な敵だから……もし、オールマイトと戦っても勝てるかどうか……。」
僕は麗日さんと話ながら葬式場に足を踏み入れた。
中では既に親族や関係者の人たちが集まって来ていて多くのマスコミも来ていた。何でも、遺族の人たちの希望で一緒に亡くなった先生方と生徒の合同で葬式を行うらしい。
「……あ、緑谷。」
「緑谷ちゃん、麗日ちゃん。」
「あす……梅雨ちゃんに峰田くん……。」
少し奥に行くとA組のみんなが揃っていた。
けど、全員が何時もの明るい表情をしておらず涙を流している人たちもいる。あのかっちゃんですら言葉を出さずに押し黙っている。
特に一緒に転移させられた口田くんを目の前で殺された八百万さんは特に悲しそうで苦しそうな顔をしていた。
「あれ?上鳴くんと耳朗ちゃんは?」
「ちょっと遅れてくると電話がありました。」
麗日さんの質問に八百万さんが苦しそうな顔で答える。
あの日、上鳴くんは『ラース』に腕を喰われたらしく、それで入院してたから今日退院してすぐにこっちに来るらしい。それを案内するのが耳朗さんらしい。
「……なんでこんなことになったんだろう。 私たちは誰だ ヒーロー目指していただけなのに。」
「あのヴィランが悪いだろ!!」
誰かの呟きを聞いた切島くんが怒りの限界なのか怒りを露にして無意識だろうけど手を硬化させる。
切島くんは熱い性格だから友達を殺されて怒っているのだろう。
「あのヴィラン、ノリで動いているようにしか見えねぇ!男なら男らしく闘えって話だよ!それなのにあんな卑怯な手で殺されるなんて……俺はあのヴィランが許せねぇ!」
「うっせぇ黙ってろ!」
BOM!!
熱弁を言っていた切島くんに向けてかっちゃんが爆風を浴びせた。
「ってぇ……!何すんだよ爆豪!」
「黙ってろ中学上がり!あのヴィランが狙ってものは分かってんだ!それなら来るところも分かってくる!」
「……あ。」
僕はかっちゃんの言葉を理解できた。
「もし、あのヴィラン、『ラース』が強個性の肉体を補食して個性を取り込もうとするのであれば……狙われるのは直接的な戦闘能力を持った人……ヒーローや凶悪やヴィランである可能性が高い、そうゆうことだよねかっちゃん!」
「うるせぇくそデク!」
何時ものように僕を罵倒してくるけどその言葉の裏には僅かに恐怖を滲ませている。
『ラース』が直接的な戦闘系の個性を持つヒーローたちを狙うとすればこの中で狙われる確率の高い人は……かっちゃんだ。
だからかっちゃんはその心を虚勢を張って隠しているのだ。
「おーい、連れてきたよ。」
「うっす。みんな、久しぶりだな。」
「か、上鳴……!その腕は……!」
耳朗さんが上鳴くんの腕を引っ張ってきた。そして、その姿を見てみんな絶句した。
聞いた話どおり、片腕が失くなっていたのだ。いくら知っていても実物を見るとショックは大きい。
「取りあえず……中に入ろうぜ。」
みんな、上鳴くんの声に同調して中に入っていった。