「……何をしているのですか。」
「んー?ちょっとね。」
俺に話しかけてくる死柄木にちょっと反応を示しながら俺はとある作業を進める。
あの二人が買い物に行っているので俺は簡単に言えば暇だ。だから、暇を補うために
「それは構わないのですが……何を作っているのですか?」
「サポートアイテム。名前は『ヨルムンガンド』、空気中にある物質を毒物に変換し圧縮し、凝縮。そしてトリガーを引くことで発射するものだ。」
俺は自分の作り上げた物の簡単な説明を行った後、ヨルムンガンドを構える。
ヨルムンガンドの形状はロケットランチャーのような形状をしており、全体的には黒塗りでトリガーには樹を巻く蛇の刻印してある。
俺の個性なら大抵のヒーローには勝てるが……あのオールマイトと闘うのなら幾つか装備を整えておいたほうが良いだろうしな。
……最も、俺らはあくまで協力関係でしかない。ゆえに連合を離れることだって考えている。その後は……取りあえず、ヴィランとして活動するか。
「ちょっと外に出かけてくるから留守番頼むは。」
「あの……前の事件で貴方の顔は既に出回っているのですが……。」
「なーに、俺が取り込んだ個性を使えば……」
俺は取り込んだ個性を使って自分の姿を変えて角を無くした。
これは『変装』と呼ばれる個性で自分の姿や形を自由に変えれる個性だ。最も、衝撃を受ければ元に戻るし戦闘能力は存在しないから使いどころは困るけどな。
「んじゃ、行ってくるで。」
「わかっていますよ。」
そう言って俺は転移した。
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「よっと。」
俺は適当な街の路地裏に転移した。
俺の転移の個性だと短距離でしか転移出来ないから数年前に『転送』の個性を持ったヒーローを殺して捕食したから長距離の移動も可能となった。
「うーん、どうしたものか。」
俺個人としてはどうでもいいけど……やっぱ、ここはあいつらのいる場所にでも転送したほうが効率よかったかもな……だって、俺はこういった暇な時間を潰す方法なんて知らない訳だからな。
「取りあえず、路地裏からで
「た、助けて……!」
「……あ?」
路地裏から出ようとした俺に頭に角が生えた少女がしがみついてきた。
……俺はガキは嫌いだ。特に、こういった路地裏で助けを求めてくるガキは面倒事を運んでくるものだからな。
まぁ、暇だし助けるか。
「名前はなんて言うんだ、ガキ。」
「え、エリ……。」
俺は泣きそうな顔のエリを背中に乗せる。
別にロリコンではないがガキが泣く姿は見ても面白くもなんとも無いわけだからな。
取りあえず、どこか腰を落ち着ける所にいくか。
……カード、使えるかな……。