お気に入り登録ありがとうございます。
リクガメ並みの投稿速度ですが、今後ともよろしくお願いします。
誤字脱字がありましたらご報告お願いいたします。
2019/9/24
後書きに用語解説を追加しました。
桜の花が散り、日没が遅くなりつつある今日この頃。
私は今、夕暮れで赤く染まったアパートの一室で資料を整備している。
それは、引越しが行われていないのもあるが、状況が大きく変化したからだ。
まず、この街のノイズの発生率
ノイズの発生自体はおかしくないが、発生率は明らかにおかしい。
私が知っているだけでも、10回以上警報が鳴っている。
元々ノイズの出やすい場所なら納得いくが、過去のデータと見比べるとこの一ヶ月は異常としかいえない。
さらに、二課本部を中心にノイズが発生していることも拍車をかけている。
それは、誰かがノイズを召喚しているかのようにも見える。
アルカ・ノイズの可能性も考えたが、偵察ドローンからの映像を見る限り、人以外の物体のすり抜けやプリマ・マテリアを撒き散らさないことからその可能性は潰れた。
ただの偶然と思いたいが、そう思えないのが実情だ。
次に二課のシンフォギア装者、「ガングニール」と「天羽々斬」
レポートには、ガングニールの装者は二年前に戦死、以後戦線には天羽々斬しか確認されていないと記されていたが、実際の現場を見てみれば装者は二人いる。
後にわかったことだが、私が日本に到着するほんの少し前に存在が確認されたとのことだ。
ただでさえ適合者を見つけるのは容易ではないのに、よくこのタイミングで見つけたなと敵ながら感心した。
だが、ガングニールの動きは
厄介なのは天羽々斬の方だ。
彼女は素早いうえ動きに無駄がなく、目もいい。
さらに表の顔が歌手とシンフォギアとの相性も抜群。
磨き抜かれた剣術に芸能活動で鍛え上げられた歌声から発せられるフォニックゲインの相乗効果は、現代にサムライを蘇らせたと言ってもいいだろう。
間合いに入れば敗北は必須。
狙撃による意識外からの攻撃で仕留めたいが、ギアを纏えばアウフヴァッヘン波形が発生するため対処されかねない。
それに、車内が見えなければデュランダルを誤射する可能性もあり、それだけは避けなければならない。
そもそも目的が奪取である以上、防衛側である相手の間合いに入ることは必然。
戦闘を最低限にしつつ奪わなければならない。
直接的な支援もなく、傭兵を雇ったところで装者の前では無意味。
考えたくなかったが装者の暗殺も案に上がった。
だが、目立つ目立たない関係なく常時護衛が張り付き装者を護っている。
また、下手に手を出せば、警戒どころか私を特定してくる可能性すらある。
そうなれば行動をマークされ強奪どころではない。
つまりはドツボに嵌ってしまった。こういう時に取る方法はただ一つ。
「神よ。どうか私に運気をください」
その返答はノイズ警報であった。
偵察ドローンがもたらした映像は、まさしく神からのプレゼントであった。
突如として現れたアメリカ側の少女。
その少女―仮称「ホワイト・ガール」は、天羽々斬を容易くねじ伏せる謎の聖遺物を纏い、そればかりか戦時中のどさくさに紛れて奪われた「ソロモンの杖」まで使いこなし、ノイズを召喚・操りガングニールを磔にしてみせた。
天羽々斬は相手の圧倒的な力の差にボロボロになりながらも後輩を守るため、切り札である「絶唱」を繰り出したところで、映像は途切れた。絶唱の余波でドローンが破壊されたようだ。
確認はできていないが、数ヶ月は絶対安静。当分前線には戻ってこれないだろう。
それはホワイト・ガールにも当てはまる。
いくら圧倒的な聖遺物を纏っているとはいえ、絶唱を直に食らってタダで済むとは思えない。
ガングニールは無事なはずだ。絶唱は破壊の唄であるとともに誰かを守護する唄でもある。絶唱の反動と効果は私自身、よく知っているからこそ断言できる。
何にせよ、強敵二人が手痛いダメージを受けてくれたことは有難い。
また、アメリカが裏で糸を引いている証拠を見つけたのも大きい。
そうなるとホワイト・ガールは、確実にデュランダルを奪いに二課を襲う。私と同じタイミングで。
引越しの日は決まっていないが、ホワイト・ガールが負傷しているこの期間を二課が逃すとは思えない。近日中には行われるはずだ。
ガングニールに不安はあるが、襲い掛かってきても今回よりかはマシ、運が良ければ足止めできるだろう。
そして二勢力とも私という存在を知らない。
さらに、一対一になったため、互いは互いに潰し合いをするはずだ。
そうなればデュランダルの守りは薄くなり、奪いやすくなる。
ひっそりと過ごしてきたのが功を奏した。
あとは時が来るまでこの生活を続けるだけのこと。
用語解説
・偵察ドローン
隠密性と情報収集能力に特化したドローン。
手のひらサイズでありながら高感度カメラ・生体反応感知センサーが標準搭載されている。
また、彼女のにはシンフォギアを纏う際に出るアウフヴァッヘン波形を感知する特別なセンサーを追加で搭載している。
・アルカ・ノイズ
錬金術によって作り出されたノイズ。
通常のノイズと比べ、防御性能は低いが、分解に特化している。
分解されたものは「プリマ・マテリア」と呼ばれる赤い塵と化す。
バトンによる召喚・操作が可能。