「…今日はここまでにしよう、義勇」
「?」
「いいから!こっちへ来い」
私の屋敷で義勇と手合わせをしているとなんとなくだが義勇の技に覇気がないように見えて木刀を下ろす。
惚ける義勇の腕を掴んで縁側に座らせると手合わせを見ていた真菰がタイミングよく3人分のお茶を用意してくれていた。
「はいお茶どーぞ」
「ありがとう真菰」
それで、だ
お茶を一口飲み湯呑みを持ったまま固まる義勇に向き直る
「どうしたんだ?何か悩み事か?」
「確かに義勇元気ないよね」
「…」
余程なにか思い詰めているのだろうか、口元が小さく開いて閉じるを繰り返し言葉がなかなか出てこない。
隣に座る真菰と思い当たることがないか目で問うがお互いそんなものはなく首を傾げる。
前会った時には特におかしなところはなかったんだが…
「…不思議な鬼に会った。人を喰わず人を守る鬼」
「‼︎」
漸く話したかと思えば心当たりがありすぎる内容だった。
それは、もしかして…
「他の鬼とは何か違う。そう思って少年とその妹の鬼を先生のところに向かわせた」
炭治郎と禰豆子だ
「そんな鬼が…本当に…?」
「ああ、少年の方は今頃鬼殺隊に入るため修行している」
信じられない、と動揺する真菰そっちのけで内心パニックになる。
湯呑みにヒビが入ったがそれも気にする余裕がない。
原作始まってるんかい‼︎‼︎
嘘だろおい‼︎もうそんな時期なのか⁉︎待て待て待て待て、今どの辺りなんだ⁉︎頃合いを見て炭治郎のところへは行こうと思っていたけども‼︎錆兎が炭治郎の前に現れたのっていつだっけ⁉︎分からん‼︎
「…鱗滝さんが修行をしてくれてるって事はその男の子も鬼の女の子も悪い子じゃないって事だよね…」
真菰の言葉にハッとする。
普通人を襲わない鬼がいるなんて言われて信じる者などいない。
なのに真菰は短時間で義勇の言葉と鱗滝さんの行動を信じて炭治郎、禰豆子を認めた。
すごいなぁ真菰は…私は知っていたからそこへの動揺はなかったが信頼している友人の言葉でもなかなかそう思えないだろうに…
そしてその事をずっと抱えていた義勇も大変だったろう。
家族を鬼に殺された過去と人を喰わない鬼という現実に挟まれ恩師以外誰にも言えずにいたのだ。
そう考えると居ても立っても居られず義勇の背中を優しく撫でる。
「そうだな、他でもない義勇の言葉だ。私も信じるよ」
「‼︎…ありがとう錆兎、真菰。」
表情を明るくした義勇にこちらもホッとして笑顔になる。
「ところで鱗滝さんのところへはもうどのくらいになるんだ?その少年」
「もう少しで1年と半年がくるな」
…これアウトか?セーフなのか?
修行期間は1年が平均的と聞くが…え、ヤバイぞ、え…
戻ってきたパニックにこうしてはいられないと慌てて立ち上がる。
「錆兎?」
「一度その2人に会ってみたい。真菰、お前も行くか?」
「んー、そうだね。鱗滝さんにも久々に会いたいし一緒に行く」
「なら俺も…」
「義勇はこれから任務があるだろう。またどうなったか知らせるから行ってこい」
「…」
あああ、もう、シュンとするな‼︎別に仲間外れにしてるわけじゃないからそうあからさまに落ち込まないでくれ。
「しのぶ達に暫く留守にするって伝えてきて!」
「カァ‼︎」
落ち込む義勇を横目に鴉に伝言を頼む真菰。
その自由すぎる姿に溜息を吐き、今度は励ますように義勇の背中を二度、軽く叩いた。
最近携帯の文字変換がおかしくてねずこの"ね"の漢字が選択すると別の漢字になってしまう…悔しい。
違うとはわかっていますがとりあえず"禰"を使っていこうと思います。
そして原作突入させてみました。
義勇がなんとか立ち直った後、錆兎は鱗滝さん宛にそちらに向かう事を手紙に書き、鴉に届けさせます。