竈門 炭治郎side
あれから俺は錆兎さんの厳しい指導と真菰さんの助言をもらいまだまだ岩を斬れそうにはないがコツがつかめてきたように感じる。
体がボロボロでうまく動けない俺を錆兎さんは背負って下山してくれて、その道中2人は鱗滝さんの弟子で冨岡さんと同じ鬼殺隊に所属している事を教えてくれた。
そして今回冨岡さんから話を聞き炭治郎と禰豆子の様子を見にきたとも…
その言葉で背中に氷を当てられたかのような感覚になる。冨岡さんや鱗滝さんが信じてくれたからといって他の人が必ずしもそう思ってくれるわけではない。
鬼は人を喰う恐ろしい存在だ。
鱗滝さんのいる家が見え激痛で動かない手足を無理矢理動かし錆兎さんの背中から降りて2人に立ちはだかるように手を広げ対面する。
禰豆子は人を喰ったりしない‼︎俺を守ってくれたんだ‼︎
そう叫ぼうと大きく息を吸い込んだが錆兎さんのまあ、待て。と落ち着いた声にそのままの体制で止まる。
「私は義勇と鱗滝さんを信じている…妹の禰豆子は人を喰わず人を守ると。そして炭治郎、お前に会う前に禰豆子には会ってきた。眠ってはいたが私も禰豆子は他の鬼とは違う、そう思えた。だから私は炭治郎と禰豆子を信じる…安心しろ。」
真っ直ぐすぎる眼差しに、言葉に、視界が滲む。
「勿論私も信じてるよ、2人の事。…炭治郎凄くいい子だもん」
ニコリ、と笑った真菰さんを見てついにポロポロと涙が溢れ止まらなくなる。
俺は恵まれている。
家族を殺されてしまったが唯一禰豆子だけは生きていてくれた。もし禰豆子も殺され俺1人生き残ったら後悔の念に押し潰されどうなっていたかわからない。
そして冨岡さん、鱗滝さん、錆兎さん、真菰さん。この4人が俺と禰豆子を認めてくれている。どれだけ心強いことか、どれだけ頑張れるか…。
「あり、がとう、ございます…‼︎ありがとうございます‼︎」
「…さあ、中へ入ろう。鱗滝さんが夕食の準備をして待ってくれているはずだ」
震える声で礼を言う俺の頭を撫でてくれる錆兎さん。
父さんが死んでからはとんとご無沙汰なそれに涙は更に溢れた。
鱗滝 錆兎side
炭治郎との時間はあっという間に過ぎていき鴉から任務の知らせがきた事で私は鱗滝さんの家を後にする事になった。
家の前で鱗滝さん、炭治郎が見送りのため出てきてくれてい真菰ももう少し滞在できるらしく鱗滝さんの隣でニコニコしている。
「炭治郎、次来た時どのぐらい上達したか見るから覚悟しておけ。」
「はい‼︎」
「まあ、その前に岩を斬れたらいいんだがな」
「ゔっ‼︎」
元気よく返事をした炭治郎に本音を冗談っぽく言うと痛いところを突かれたという顔をしてすこし面白い。
しかし年相応の表情とは裏腹に体は傷だらけで手は豆が潰れて痛々しい。
それでも頑張るしかないんだ。死に物狂いで刀を振るい己を鍛え禰豆子を人間に戻す。
「炭治郎」
「はい…っうわっ⁉︎」
悔しそうにする炭治郎を引き寄せ抱きしめる。
「え、さ、錆兎さん⁉︎」
「お前ならきっと岩を斬れる。そして禰豆子も助けられる。」
「…‼︎」
「頑張れ炭治郎。頑張るんだ。」
「錆兎さん…」
この子がもっと頑張れるよう、負けないようにと願いながらきつく抱き締めるとそれに答えるように落ち着きを取り戻した炭治郎の手が背中に回る。
「私も混ぜてよー」
「わっ‼︎」
「‼︎」
「錆兎がいない間炭治郎の事は任せて。錆兎に一撃いれれるよう特訓させるから‼︎」
「真菰…。ははっ、楽しみにしているよ。」
私と炭治郎に突撃してきた真菰をひっくるめて再度抱き締めた後ゆっくり離れる。
視界の端で鱗滝さんが笑っているように感じた。
そして炭治郎の顔を見ると女性2人に抱き締められたせいか頬は仄かに赤く染まっていて子供だが男の子だなぁ、と和やかな気持ちになる。
「それじゃあ行ってきます。」
「ああ、行ってこい」
「また手紙書くねー」
「はい、行ってらっしゃい‼︎」
手を振ってくれる真菰と炭治郎にこちらも手を振り返し姿が見えなくなったところで任務に頭を切り替え鬼のいる場所へ向かった。
原作のようにつきっきりで炭治郎のところへいられないので休みや合間を見つけては狭霧山を訪れます。
なので急に付き合いの悪くなった錆兎に周りはぶーぶー不貞腐れてます。どんな用事なのかも錆兎は話してくれないので更に不貞腐れます。
一方真菰は柱の錆兎よりは滞在できる時間が長いです。