「はあ…」
あれからなんとか解放(特にしのぶとカナエ)してもらいトボトボと庭を歩く。
なほ、きよ、すみは慣れてくれたが結局アオイはずっと固まっていてまともな会話ができなかった…凹む。
もう元に戻るまで自分の屋敷に篭ろう。
いや、でも待て私。
ここはポジティブにいこう!男の状態であれば女の体の時よりも厳しい鍛錬ができるはず‼︎体を動かしていたほうがなにも考えずに済むし一石二鳥だ‼︎
「錆兎ちゃーん‼︎まってぇー‼︎」
筋肉バカのようだなー、と頭の端で思っていると前方から見慣れた人物が手を振り走ってきていた。
まじかよ
「蜜璃…」
「はぎゃっ‼︎⁉︎」
「ええ〜…」
大事な友人に回れ右して逃げるわけにもいかず渋々立ち止まると目があった瞬間蜜璃は奇妙な叫び声を上げて転けた…壮大に
「だ、大丈夫か?顔面から思いっきりいったが…」
「大丈夫‼︎(はぁあぁぁ‼︎錆兎ちゃんかっこいいいいい‼︎キュンキュンを通り越して胸がギュンギュンしちゃう‼︎)」
顔を土だらけにしたままソワソワクネクネする蜜璃にちょっと引く。
しかし転けて地面に座り込んだままにさせるわけにはいかず土を払い引っ張り上げ腰を支えて立たせる。
「気をつけるんだぞ蜜璃」
「、はうっ‼︎(近っ‼︎)」
「ちょ、ええ⁉︎蜜璃⁉︎」
気絶⁉︎気絶したこの子⁉︎
待って倒れる倒れる‼︎
くにゃりと力の抜けた蜜璃を慌てて抱え込む。その顔は気絶したのにどこか幸せそうだった。
なんでだよ。意味わからん
とりあえず縁側に寝かせると自分の羽織を蜜璃に被せて考える。
蜜璃は男になった私に迷いなく駆け寄ってきた。まるで私が男になっているのを知っているような…
まさか…
嫌な予感がして顔をひきつらせる。
私の予想が当たっているのであればこれは早急に屋敷に閉じこもらなければ…
「‼︎」
その時突如背後に気配を感じ、すぐさま振り返る。
しかしその人物は思ったより近くにいて1番に見えたのは顎で上を見ると見慣れた綺麗な顔がこちらを見下ろしていた。
「マジでお前男になってんだな」
「なんだ宇髄か」
「この俺様をみてなんだとはなんだ」
力んで損した、と体の力を抜き眠っている蜜璃の隣に座る。
プンスコ怒る宇髄はじっと私の顔を見るとやがてニヤリと笑った。
「…派手に男になってもいいツラしてんじゃねぇか。ま‼︎俺の次にだがな‼︎」
「はいはいありがと。それで薄々わかってはいるんだがなんでお前ら私が男になった事を知っているんだ?」
蜜璃の頭を撫でながら宇髄に問いかける。ここまでくるともう羞恥とかどうでもよくなってきた。
「蟲柱、胡蝶から連絡が来たんだよ。錆兎が面白い事になってるって。他の奴らにも多分伝わってるぜ」
ほらやっぱりーー‼︎
なんなんだよ‼︎どれだけ私で遊べば気がすむんだ‼︎
てへぺろしてるしのぶが想像できてムカつく‼︎
そしてそれで見にくる柱って暇すぎか‼︎鬼斬れよ鬼‼︎
「しのぶめぇ…」
「まあ、俺としては男より女のお前の方がいいがな」
「当たり前だろ、私は女だ」
「そういう意味じゃねえよ地味に鈍感野郎」
「あ?なんだ、喧嘩なら買うぞ?」
「ガラ悪ぃなおい」
「お前に言われたくない」
「あ"?」
いつもなら流せる宇髄の言葉もイラつきで沸点の低くなった私にはいい起爆剤となり、それに感化され宇髄も喧嘩腰で縁側の柱に片手を置いてグッと迫る。
「ふぁっ…へ⁉︎」
そこで今まで眠っていた蜜璃が起き上がり目の前で繰り広げられる状況に驚く…全く、トンチンカンな方向へ。
その2人の表情は大人でもギャン泣きするくらいの威力があるのだが蜜璃からすると見目麗しい男性2人が顔を近付け今にも接吻しそうな光景に見えた。完全に寝ぼけている。
「はぎゅぅ‼︎⁉︎」
「な、蜜璃ぃーーー‼︎」
「また気絶かよこいつ」
結果として何かに目覚めそうだった蜜璃は脳のキャパシティを超え、再度気絶し派手に頭を打ち付けた。
蝶屋敷のメンバーに続き蜜璃と天元様出してみました。
蜜璃とは結局ろくな会話が出来てないですね。でも楽しかった。
しのぶは内心男になった錆兎に対しキュンキュンしてましたがそれを隠すためにはっちゃけてしまいました。顔を真っ赤にするしのぶもいいですね。またの機会に…
その後自分の屋敷に無事到着した錆兎は無心で鍛錬し数日たった朝、起きると元に戻っていました。
鍛錬中義勇とも合流しました。男でも女でも錆兎がそばにいるのが嬉しいので特に態度に変わりはないが背を越されてるのはショックを受けてます。