さて、今日は3月19日。私の誕生日だ。プレゼントは何もいらない。ケーキさえ食べられればいい。
「三鈴パン焼けたわよ。」
エプロン姿のお母さんがパンを焼いてくれた。その上にジャムを乗せて食べる。
それと今日は幼稚園はない。春休みに入ったからだ。そしてお母さんも休んだ。お母さん曰く
「一人にしておくのは危ない」
と言っていた。お母さんらしい。
「三鈴は誕生日に何が欲しいの?」
遂に来た。何がほしいかと聞かれる時が。改めて考えて見ても特にない。普通なら、お人形さんや、ぬいぐるみとかかな。
「何もいらない。」
「え?何もいらないの?」
「うん。ケーキ以外何もいらない。」
「うーん。何かないの?ケーキ以外で。例えばお人形さんや、ぬいぐるみとか...」
お母さんと同じ事を考えてたとは...やはり親子だな。と改めて感じた。
「じゃあ、姉妹がほしい。」
するとお母さんはゆでダコみたいに顔を真っ赤にした。
「し、姉妹以外ないの?!」
私はコクコクと頷いた。
お母さんはとても困った顔だ。
「ちょ、ちょっとお父さんに電話してみるね。」
そう言ってお母さんは電話を取り出し、リビングから離席した。
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*三玖視点
困ったことになった。
三鈴の誕生日プレゼントがまさかの姉妹だったとは。フータローに今すぐ電話をしなきゃ。
Prrrr.Prrrr...ガチャ
『はい。上杉です。』
「あ、フータロー?」
『おお、三玖か。どうした?』
「三鈴の誕生日プレゼントの事なんだけど...」
『ああ。三鈴から聞いたか?』
「それが姉妹がほしいだって...」
フータローは驚いたのか机に足をぶつけてしまったらしい。電話の向こうから
『痛って!!』
って聞こえたから。
『ええ、姉妹?!』
「うん。どうしよう...」
『どうしようって言われても...今は用意出来ないって言うしか...』
「そうだよね...一応三鈴に言ってみるね。」
『わかった。一応出来る限りの事はするから。あ、ケーキ買ってくるから。』
プツ
「はぁ〜。」
さて、どうしましょうか...
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*風太郎視点
姉妹かぁ...どうすればいい?!
「係長深刻な顔をしてますが、大丈夫ですか?」
「あ、ああ。大丈夫だ。気にするな。」
「そ、そうですか。」
大丈夫な訳がない。とりあえず仕事はおいておいて今は三鈴の誕生日プレゼントをどうするかを考えなくては...
とりあえず考えて出たものはこうだ。
まず思い付いたのは旅行だ。
三鈴の行きたいところに行く。けどこれは誕生日プレゼントとは言えるのか...
次に思い付いたのはお金だ。
お金を上げて喜ばないやつなんていない。けど6歳になる娘にお金を上げてどうする。何に使うのかわからかい。そしてカツアゲとかされてしまう可能性もある。
三つ目に思い付いたのは
犬か猫だ。プレゼントにペットはいいと思う。けど家のマンションペット禁止なんだよなぁ... 思い付いたのはたったのこれだけだった。
時刻は4時を指していた。
その後何も思い浮かばず仕事が終わって家に帰る時だった。あ、ケーキ取りに行かなきゃ。
Prrrr...Prrrr...
スマホが鳴った。着信主は増田さんの奥さんからだ。
「はい。上杉ですいつも妻がお世話になってます...はい...はい...えっ...三玖が?!はい!すぐに病院に迎えに行きます!!」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺が向かった先は病院だった。
待合席には増田さんの奥さんが座って待っていた。
「あ、上杉さん!」
「すいません!三玖は!どこに!」
三玖は何で病院に運ばれたのか...何で...
頭に死という最悪のワードが出てきてしまう。
倒れた経緯を聞くと三鈴と二人で増田さんの家に遊びに行って増田さんの奥さんと話している時に急に倒れたらしい。
三鈴は増田さんの家で今は預かってもらっている。幸い旦那さんがいたらしい。
「上杉さん。落ち着いて、ほら先生が呼んでるから。」
「上杉さんの旦那さんですか?どうぞ中へ。」
俺は先生に案内された。
そこには...
「あ、フータロー...」
ベッドに横たわっていた三玖がいた。
俺は三玖を思わず抱き締めた。
「先生病名を...教えてください...」
「病名ですか...わかりました。では、言いますね。」
俺は覚悟をした。どんな病気になっても必ず受け入れると...
「――――――です。」
「えっ?!」
俺は驚いて椅子から落ちてしまった。
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*三鈴視点
「お母さん大丈夫かな...」
「大丈夫だよ!三鈴ちゃん!」
「うーん...」
大丈夫なわけない。。目の前で救急車に運ばれてる姿を目の当たりにしたんだ。しかも急に倒れたんだ...病気に違いない。
「ほ、ほらママ達帰ってきたよ!」
私は玄関まで走って一直線にお母さんに抱きついた。
「お母さん!!」
「わぁ!三鈴!ごめんね心配かけて...」
「病気じゃないの?」
「うん。」
私は安心したのか、泣きたくなってきた。
そしてその場で盛大に泣いた。
そして気が付くと家のソファーに横たわっていた。
「あ、起きた。」
「あ、お母さん。それにお父さん。」
「三鈴おはよう。ご飯作ったから食べようか。」
「うん。わかった!」
私はお母さんに満面の笑顔で答えた。
しかし誕生日なだけあって料理は凄く豪華だった。ステーキだった。
「お母さん奮発しちゃった。」
「怒りたいところだが、仕方ない。誕生日ぐらいはな。」
お父さん...ちょっと何言ってるか訳わかんないけど。
「フータロー訳わかんない。」
お父さんへこまないで〜。
「さ、三鈴のお誕生日会始めよっか。」
「やった!」
ステーキは物凄く美味しかった。
そしてメインのケーキを持ってきた。私の大好きな抹茶ケーキだ。お母さんの大好物でもある。お父さんは...うん。
するとお母さんがろうそくに火をつけてお父さんは部屋の電気を消した。
そしてお誕生日会恒例の...
「「Happybirthday to you Happybirthday to you...Happybirthday dear Misusu...Happybirthday to you」」
そしてクラッカーを鳴らした。ちょっと煙臭い。
「三鈴は誕生日プレゼント姉妹がほしいって言ってたよね?」
「うん。」
「ごめんな。誕生日プレゼント用意出来なかった。」
一応予想はしていた。けどお母さんは何で、病院に運ばれたのかな?貧血とか?
「でも、大丈夫だ。後7カ月待ってえれば...」
ん?7カ月?
「お父さんどういうこと?」
「えーっとな...三鈴に妹か弟が出来るって事だな...」
「え...ホント?!」
「うん。ホントよ!病気じゃないから安心して!」
どうやら私に弟か妹ができるみたいだ。病気と勝手に判断して、泣いた自分がとても恥ずかしい。お母さんに聞いたところお父さんも勘違いをしていたらしい。
お父さん、お母さん...
最高のプレゼントをありがとう!