季節は初夏。桜がピークの4月。
2ヶ月前お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいると知った。私はとても嬉かった。姉妹か兄弟のどちらかが産まれることになる。絶対に可愛がると決めた。しかも誕生日の時点で妊娠3ヵ月と聞いた。産まれるのは10月辺りだそうだ。楽しみだ。
そしていつも通り朝起きる。そして朝御飯を食べる。しかしお母さんは何かと慌ただしい。
「三鈴早く食べて!バス来ちゃうから!」
時計を見ると8時20分だ。バスは8時30分に到着予定だ。
案の定バスに乗り遅れました。そのあとお母さんに怒られました。
Prrrr...Prrrr...
「あー!もう!」
お母さんはイライラしながら電話の受話器を取った。 説教されている間に電話が鳴ってくれたお陰で説教が中断された。電話の主ありがとう。
「はい!上杉ですが...」
『俺だフータローだ。』
「フータロー...どうしたの?」
あんなにイライラしていたお母さんがお父さんとお話しただけで治まった。お父さん恐るべし...
『実は今日会議で使う資料を忘れてしまって、出来れば届けてほしいんだが...』
「わかったわ。いつまでに届けてくれればいいの?」
『出来れば12時までに届けてくれればありがたい...資料は机に置いてあるから。頼む。』プツン
「あ、フータ...もう!」
お母さんは何故だが深刻な顔をしている。
「三鈴を幼稚園に送っていくとしても、時間がかかるし...三鈴今日は幼稚園休もうか。」
まさかの幼稚園を休むことになるとは...勿論休みます。
「休む!」
「わかった。じゃあ準備して。お父さんの会社まで行くわよ。」
「え?何で?」
「フータ...お父さんが大事なものを忘れちゃったから。届けに行くのよ。ほら、三鈴もちゃんと準備しなさいよ。」
「はーい。」
という事でお父さんの会社に突撃します。
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お父さんの会社に行くにはここから徒歩で10分の駅に行けなければならない。そこから電車で20分さらには徒歩で20分したところにお父さんの働いている会議で着く。
「電車久しぶりだねお母さん。」
前に電車に乗ったのはお正月にお父さんのひい祖父ちゃんの家に遊びに行った時に乗った。ひい祖父ちゃんに、ひい祖母ちゃん、後金髪のおじいちゃんにお年玉を貰った。それとらいはお姉ちゃんにも遊んで貰った。とても楽しかった。
そして駅のアナウンスがなる。
『まもなく○番線に電車が参ります。黄色線までお下がりください。』
「あ、電車が来た。」
プラットホームに入ってきた電車のなかには人がぎゅうぎゅうほどではないけどイスは満席だった。だから席があくまでたってなきゃいけない。
「席満席だね。」
「あくまで待とうね。」
とりあえず次の駅まで我慢することにした。
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次の駅に着いて、席があいた。しかも優先席だ。これでやっと座れる。ちょうど二人分。
「ラッキー空いてた!」
しかし電車に入ってきた高校生辺りのお兄さん二人が席に座ってしまった。
「お母さん...」
「ちょっと待っててね。」
お母さんは優先席に座ったお兄さん達に注意をしに行った。しかしそのお兄さん達は常識を守らない悪い人達だった。
「なんだよおばさん。俺らが先に座ったんだから勝手だろ。」
「え?何?もしかして障害者?まじで笑えるわ笑笑。」
お母さんは怒りをこらえてた。これだけ言われても怒らないお母さんはとても凄いと思った。内心では泣いているのかもしれないけど。
「お姉ちゃんここ座る?」
すると優先席に座っていたおばあちゃんが席を譲ってくれた。
「え、いいんですか?」
「ええよええよ。あんた妊婦さんでしょ?」
「え、何で妊婦ってわかるんですか?」
「そんなのわかんないわよ。けどあなた上杉さんのでしょ?」
聞いたところによるとおばあちゃんは偶然にもお母さんが通っていた病院に勤めていたらしく診察の時にいたらしい。
そのため顔を覚えていたらしい。
そしてお兄さん達は唖然としていた。そして他の席に座っている人達からも冷たい視線を浴びせられていた。
「うわぁ。常識ないなぁ。」「やだぁ。どこの学校の生徒かしら?」「全く親の教育がなってない。」とか言われてた。
そして偶然にもお兄さん達の学校の先生がいたらしくお兄さん達はみっちりと怒られたらしい。そしてお母さんにも謝罪をした。先生が。
そしてなんやかんやで終点の駅に着いた。
『まもなく○○駅に着きます。お忘れの内容お気をつけてください。』
「着いた!お母さん早く行こ!」
「はいはい。」
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そして駅を出た。
いつもはマンションのベランダから見ていた。高層ビルが間近にあった事に驚きを隠せない。
「高ーい!」
そして歩くこと20分。
お父さんの働いている会社に着いた。
「涼しい!」
会社の自動ドアを通ると中はクーラーが付いており物凄く涼しかった。
お父さんはここにはいなさそうだ。受付する人に聞いてみることにした。
「すいません。」
「何でしょうか?」
「上杉風太郎という社員はいらっしゃいますか?」
「はい。少々お待ち下さい。」
受付の人はどこかに電話をかけているようだ。そしてしばらく待っているとお父さんが来た。
「三玖、三鈴!」
「フータロー...」
「お父さん!」
お母さんはお父さんに会えて嬉しかったのか抱きついた。内心で思ったことは...
「お母さん...ここ会社の受付するところだよ...」
しかも色んな人がこっちを見てるし。しかもお父さんとお母さん顔真っ赤だし。
「と、とりあえずし、資料を渡してくれ。」
そうだった。資料を渡すために来たんだった。すっかりわすれていた。
お母さんは鞄の中から資料の入った封筒をお父さんに渡した。
「こういうの無いように注意してね!」
「胆に免じておきます。」
「わかればいい。」
その後お父さんは会社に戻っていった。
「さて、帰ろっか。」
「うん。」
「せっかく来たから色々と寄り道してこうか?」
「するする!」
お父さんが資料を忘れたお陰でお母さんと都会のお店とかを回ることになった。
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*風太郎視点
「よし。なんとか間に合った。」
「係長エントラスで奥さんと抱き合ったって聞きましたが本当ですか?」
あれ?おかしいな?コイツはその場にいないのに何で知ってるんだ?
「何で知ってるんだ?」
「さっきそこで同僚が見かけてそれが広まって...」
「そうか。そいつはどこにいる?」
そいつの記憶からそれだけを消し去りたいぐらいだ。
「そいつなら食事に行きました。」
「何!?今すぐって、やべっ!会議始まる!!」
会議があったせいでそいつには会えなかった。
そして会議が終わり部長に声を掛けられた。
「上杉君今日はもう帰りないさい。」
「え?でも、今日はまだ...」
「奥さんが来たんだ。付き添って上げたら?」
思えば三玖は妊婦している時に来たんだった。確かに付き添ってあげるのが一番なのかもしれない。無理してんだな...
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さて、会社を出たが...まずは三玖に連絡をいれて...
「あ、フータロー...」
「あ、お父さん。」
あれ?おかしいな?なんで会社を出た途端三玖と三鈴がいるんだ?帰ったはずなんだけどなぁ。幻覚か?
「仕事は?」
あ、本物だ。
「部長に帰れと言われた。」
「ま、まさか会社をクビに?!どうすの?!」
「三玖落ち着け!クビになってないから!」
「じゃあ何?!」
奥さんに付き添ってって言えるわけないだろ!恥ずかしいわ!
「お父さん...」
三鈴の上目遣い...可愛いすぎる!
「わ、わかったよ。言うから。」
「やっぱりクビに...」
「み、三玖に付き添って上げたらって言われた...」
俺は多分顔を真っ赤にしてるだろう。三玖も顔を真っ赤にしている。
「フータロー...ありがとうね。お腹の子を考えてくれるなんて。」
「三玖...」
「フータロー...」
三玖とのキスをした。しかし...
「お父さん、お母さんお腹減った!」
三鈴のお陰で俺と三玖は我に帰った。
「そ、そうね!ご飯食べに行こうか!ね?!フータロー!」
「そ、そうだな!ご飯食べに行くか!」
「やった!」
続く