魔法少女ZOË   作:サーフ

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前回が短すぎたので


再会

 

   ゲートを抜けた先は朽ち果てた高層ビル群が広がっていた。

 

 朽ち果てたビルの壁面には苔の様な植物が生えており、投棄されてから時間が経っていると思われる、

 

「この次元ですね」

 

 事前に計算した次元と数値が一致している為次元転移は成功したようだ。

 

 その時、ビル群の後方で小規模な爆発が発生する。

 

「戦闘反応確認」

 

「了解。向かいましょう」

 

 私達は、爆発が起こった地点へと移動を開始した。

 

 

 

  爆発地点には2つの人影が、複数のガジェット・ドローンと戦闘を行っていた。

 

 ガジェット・ドローン群からはエネルギー弾が発射されており、2人は朽ち果てたビルの外壁を盾にしつつ防戦一方と言う戦況だった。

 

「くっ! 攻撃が激しすぎる!」

 

 ティアナ・ランスターは苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべながら吐き捨てる様に呟く。

 

「スバル!」

 

「分かった!」

 

 スバル・ナカジマは身を乗り出すとガジェット・ドローンの攻撃を避けつつ距離を詰める。

 

「うおぉおぉぉぉ!」

 

 ガジェット・ドローンに最接近したスバルは至近距離から打撃を与え破壊する。

 

「良し!」

 

 スバルは勝ち誇った表情を浮かべる。

 

 その時、スバルの背後に複数のガジェット・ドローンが接近する。

 

「スバル!」

 

 物陰に隠れていた少女は身を後出すと、銃型のデバイスで射撃を行いガジェット・ドローンを破壊する。

 

「先行しすぎ!」

 

「ご、ごめんティア!」

 

 スバルは態勢を整え、物陰へと退避する。

 

「数は減らせたけど」

 

「このままじゃ不味い……でも隊長達が到着するまで何とか持ちこたえるわよ!」

 

「了解! まったく! なんでこんな目に!」

 

「まさか訓練中にガジェットに襲われるなんて……」

 

「くっ!」

 

 ガジェットから発射される弾幕が止んだ瞬間ティアナがリロードを行い物陰から顔を覗かせる。

 

「ティア! 敵の増援が!」

 

 その時、上空に数十を超えるガジェット・ドローンが埋め尽くす。

 

「う……嘘でしょ……」

 

「ティア、どうする?」

 

「どうするって……この数じゃ……」

 

「AMFが濃すぎて……」

 

 ティアナは茫然とガジェット・ドローンが埋め尽くす上空を見つめていた。

 

 その時、空に青い光が走る。

 

 光が走った場所のガジェット・ドローンが爆発を起こし消滅する。

 

「え?」

 

「一体何が起こって……」

 

 スバルとティアナの二人が空を見上げ茫然とした。

 

 

「機動兵器群、半数を撃破」

 

 私は、マルチウェポンデバイスからハルバードを照射し終えると、デルフィに報告する。

 

「要救助者確認。これより残敵の掃討に移行します」

 

 デルフィが地上に降りると、要救助者周辺の残敵を掃討に移行する。

 

 上空の機動兵器がこちらに向け射撃を行いつつ接近する。

 

 機動兵器からは特殊なフィールドが発生しているのを確認する。

 

 解析の結果特定のエネルギーを妨害する効果があるようだが、我々に影響はない。

 

 その為、問題無く作戦を遂行できる。

 

 機動兵器自体の攻撃能力は低く、常時展開の全方位シールドで防御しつつ、機動兵器をロックする。

 

「レーザーランス展開」

 

 ロック終了と同時にレーザーランスを展開する。

 

 発射されたレーザーランスは複雑な軌道を描き、機動兵器を貫き、殲滅する。

 

「上空の機動兵器群殲滅を確認」

 

 殲滅を確認後、私も地上に降りる。

 

「お待たせいたしました」

 

 要救助者の背後に接近した機動兵器をブレードで撃破する。

 

「機動兵器群の反応消滅」

 

「今回の戦闘における被害状況を報告します」

 

「死傷者有りません」

 

「了解。高評価です」

 

 報告を終えた後、私達は要救助者に向き合う。

 

「お怪我はございませんか」

 

「え? あっ……はい」

 

 2人は唖然とした表情を浮かべていたが、ツインテールの少女が急に銃型のデバイスを取り出すと、こちらに突き付ける。

 

「ティア!」

 

「時空管理局よ! 質量兵器の所持と使用の容疑で連行します!」

 

「待ってよ! この人達は私達を助けて──」

 

「よく考えてみてスバル。質量兵器を所持してガジェットの破壊を──」

 

「だけど!」

 

「時空管理局員なのですか?」

 

「そうです」

 

 デルフィから通信が入る。

 

『現状、我々の存在を時空管理局に知られる訳にはいきません』

 

『はやての一件もあります。ここは撤退しましょう』

 

「申し訳ありませんが」

 

 2人がこちらに顔を向ける。

 

「時空管理局員に素性を知られる訳にはいきません」

 

「え?」

 

「それでは、我々はこれで失礼します」

 

「ちょっと! 待ちなさい!」

 

 激昂する少女を背後に私達は歩み始める。

 

 その時、魔法弾の発射音が響き、私の足元のシールド部に着弾する。

 

「ティア……」

 

「動かないでって言ったでしょ」

 

 少女は肩で息をしながら銃を構えている。

 

「攻撃を確認。自衛行動に移行します」

 

 私はゼロシフトで少女の背後へと移動する。

 

「え?」

 

「失礼します」

 

 唖然としている少女の首筋に軽く手を当て、電流を流し気絶させる。

 

「ティア!」

 

「ご安心を。気を失って居るだけです」

 

「うあぁああああ!」

 

 スバルと呼ばれた少女が、拳を振り上げ私に殴りかかる。

 

 私は、右手で拳を受け止めると同時にスキャンを行う。

 

 どうやらこの少女は、体の複数個所に機械化している様だ。

 

 その為、電流を流さず関節を捻り地面に組み伏せる。

 

「グぅ!」

 

 スバルは呻き声を上げながら、こちらを睨み付ける。

 

「どうしてこんな事を!」

 

「申し訳ありません。諸事情により時空管理局員にはお伝え出来ません」

 

 その時、こちらに高速で接近する反応を検知する。

 

「その手を離せえ!!」

 

 高速で接近した人物は私の背後にエネルギーブレードを振り下ろす。

 

「援護します」

 

 デルフィが私の背後に回り、ウアスロッドでエネルギーブレードをはじき返す

 

 

 弾き返された人物は空中で態勢を整える。

 

 黒いジャケットに、データベースに存在するバルディッシュと同様の武装を装備していた。

 

「貴女達は……」

 

「該当データ有り、フェイト・テスタロッサですか?」

 

 私達の目の前には、スバル達よりも年上と思われるフェイトの姿があった。

 

「そうですけど……え? どうなって……」

 

 私はスバルの拘束を解くと、スバルがティアを回収し距離を取るとフェイトの傍に駆け寄る。

 

「あの二人は危険です! ティアが!」

 

「大丈夫。あの人達は敵じゃないよ」

 

「え? でも……」

 

「2人に対しで攻撃を行ったことに関しては後で事情を説明して貰います」

 

 フェイトがこちらに視線を向ける。

 

「了解です」

 

「失礼ですが、我々が帰還してからどれ程の時間が過ぎましたか?」

 

「あの時からだと9年ほどです。どうしてですか?」

 

「次元の移動により、時差が発生した模様ですね」

 

「えっと……とりあえず場所を移しませんか?」

 

「了解」

 

「私達の隊舎に案内します」

 

 私達はフェイトに案内され、ヘリに乗車すると移動を開始した。

 

 ヘリでの移動中にティアが目を覚ます。

 

「ん……あれ?」

 

「ティア!」

 

「スバル……」

 

「お気付きですか?」

 

「っ!」

 

 私の姿を確認したティアはデバイスに手を掛ける。

 

「落ち着いて」

 

 デバイスを構えようとする手をフェイトが制する。

 

「え?」

 

「大丈夫。この人達は敵じゃないよ」

 

「まぁまぁ、落ち着いて」

 

「あ……はい」

 

 ティアはこちらに警戒しつつデバイスを仕舞い、ヘリは隊舎への進路を取った。

 

 

  機動六課 部隊長室。

 

「はぁ……」

 

 古代遺失物管理部 機動六課。

 

 宛がわれた一室で一人の少女が溜息を吐きつつ、部屋の一部を早歩きで往復する。

 

 その少女が、この部隊の部隊長である八神はやてだ。

 

「我が主、ご報告が……どうされました?」

 

「あー……いや別に……それよりどないしたん? 訓練中に2人が戦闘に巻き込まれたんやろ?」

 

 扉を開け部屋を彷徨っているはやてを目撃し唖然としながら、リインフォースは苦笑する。

 

「先程、テスタロッサから全員無傷との報告がありました。それとスバル・ナカジマ、ティアナ・ランスターが次元漂流者を保護したと連絡が入りました」

 

「次元漂流者?」

 

「詳細はおって報告するとの事で」

 

「時空漂流者かー準備せなあかんな」

 

「そうですね。その為にも目の前の書類の山をどうにかしてください」

 

「頭が……」

 

「メンタルコンデションレベルが低下していますが、仕事ですので」

 

「はぁ……」

 

 はやては溜息を吐き、項垂れながら書類の山の前に座る。

 

「紅茶でも淹れますね」

 

 リインフォースがはやての前に紅茶とクッキーを差し出す。

 

「ありがとな、アインス」

 

 リインフォースはアインスと呼ばれほほえみを浮かべた。

 

「はやてちゃん。頑張るのです!」

 

 書類の山の一角に小さな机があり、その側には30Cmほどのリインフォースに似た少女が声援を送りながらクッキーに手を伸ばす。

 

 彼女はリインフォース(ツヴァイ)

 

 デバイスの管理権限が無くなったリインフォースの代わりにはやてが新たに作り出したユニゾンデバイスだ。

 

「ありがとうなリイン。アインスも」

 

 はやてはクッキーを手に取ると小さく割一欠けらをリインに手渡すと笑顔で受け取る。

 

「それにしても次元漂流者か……一体どんな人やろな?」

 

「さぁ? ですが素直に応じた様なので多次元世界の事も知っているのでは?」

 

「そらなら話が早いな」

 

 はやては書類を処理しつつふと溜息をもらす。

 

 それと同時にリインがクッキーの追加を要求する。

 

「ふぅ……」

 

「どうしました?」

 

「いや、すこし思い出してな」

 

「ん? なにをです?」

 

 アインスがはやてに視線を向ける。

 

「昔、私達を助けてくれた人達の事や」

 

「あの2人も次元漂流者でしたね」

 

「あぁ~例の2人ですね。何度聞いても信じられないのです。シグナム達より強くて、単独で大気圏を突破してアースラを占拠、アルカンシェル諸共防御プログラムを破壊。本当に実在の人物なのです? 三流のSF作家でも思いつかない設定盛りすぎなのです!」

 

「アハハ……」

 

 はやては笑いながら机の上に置かれている写真立てを手に取る。

 

「うわぁ、はやてちゃん若いのです!」

 

「若いというか幼いやろ、この場合は。この2人がそうや」

 

「ふぅーん……なんだか無表情な人達です」

 

「まぁ、せやな。でもとても優しい人達やったで」

 

「不愛想に見えるのです」

 

 はやては懐かしそうに写真を見ている。

 

 その時アインスが口を開く。

 

「テスタロッサと次元漂流者が到着したと連絡が入りました」

 

「そか」

 

「今は受付を済ませているとのことです。もう少ししたらこちらに来るでしょう」

 

「ふぅ……次元漂流者(お客さん)をお出迎えや」

 

「そうですね。書類はその後に終わらせましょう」

 

「はぁ……」

 

「楽しみです!」

 

 はやては席を立ち、姿見の前に移動すると服装を整える。

 

 

  しばらくすると部隊長室の扉がノックされる。

 

「どうぞー」

 

「失礼します」

 

 扉が開くと、スバルとティアナが入室する。

 

「おぉ、お疲れさん。フェイトちゃんは?」

 

「今は次元漂流者の受付を済ませてこちらに案内しています」

 

「私達は先に行って待っているようにと……」

 

「そか。そういえば、次元漂流者はどんな人なん?」

 

「その……次元漂流者の2人から攻撃を受けました」

 

「なんやて?」

 

 はやての質問に2人の表情が曇る。

 

「どう言う事なん?」

 

「実は……」

 

 その時、ノック音が響く。

 

「次元漂流者の2人を連れてきました」

 

「はーい」

 

 リインが答えると扉が開かれる。

 

「まぁ、詳しい話は当人達から聞くとするわ。さて、初めまして。この部隊を……え?」

 

 はやては次元漂流者2人の姿を確認するとおもむろに立ち上がる。

 

「まさか……」

 

「そんな……こと……」

 

 唖然としているアインスの前を通り越し、2人に抱き着いた。

 

「エイダ! デルフィ!」

 

「お久しぶりですね。はやて」

 

 

 

 私達は飛びついて来たはやてを受け止める。

 

 その様子に部屋の一角で待機していたスバル達が困惑する。

 

「え? でも、なんで2人が? これは夢? 疲れすぎた私が夢を見ているんか?」

 

「重度の過労状態であります。1度休養することをお勧めします」

 

「それと、夢ではなく現実です」

 

「あぁ、やっぱり二人は……」

 

 成長したはやては混乱した様子で周囲を見回している。

 

「感動の再会だね」

 

 フェイトが小さな笑みを浮かべつつ入室する。

 

「フェイトちゃ~ん……」

 

 はやては私達から離れるとフェイトを睨み付ける。

 

「ワザと黙っとったやろ!」

 

「フフッ」

 

 フェイトが小さく笑うとはやては溜息を吐く。

 

「はぁ……まぁええわ。それより2人とも変わっとらへんな」

 

「はい。我々に老化と言う概念はありません」

 

「まぁ、せやな」

 

「それに、こちらの次元では数ヵ月しか経過していません」

 

「そうなんか? こっちは9年くらいやな」

 

「次元による時差ですね」

 

 リインフォースが解説を行う。

 

「お久しぶりですね。2人とも」

 

「えぇ、お久しぶりです」

 

 リインフォースはこちらに会釈する。

 

「フェイトから聞きましたがはやては現在時空管理局に所属しているのですね」

 

「せや、機動六課部隊長や!」

 

 はやては自慢げに胸を張る。

 

「私は部隊長補佐をしている。今はアインスと名乗っている」

 

 リインフォース改め、アインスも続く。

 

「リインも居るのです!」

 

 私の眼前に30cmほどの魔力を帯びた生命体が存在をアピールする。

 

「こちらは?」

 

「リインフォース(ツヴァイ)です。私の後任ですね」

 

 アインスが答える。

 

「ユニゾンデバイスのリインです! 2人の事ははやてちゃんやお姉ちゃん、シグナム達から色々聞いているのですよ!」

 

「そうですか」

 

「はい! まぁ、嘘みたいな信じられない話ばかりなのであとで教えて欲しいのです!」

 

「はいはい、そこまでや」

 

 はやてが軽く手を振る。

 

「さて、そろそろ説明して貰いたいんや。なんで2人がこの世界に? それにそこの2人への攻撃容疑もあるで」

 

 はやての視線が鋭くなる。

 

「2人の事やから無意味な攻撃はせえへんと思うが。部隊長である以上聞かせてもらうで」

 

「了解」

 

「まずは、我々がこの世界に来た経緯について説明します」

 

「頼むで」

 

 はやては椅子に腰かける。

 

「我々の次元に帰還した後、時空震と時空断層を検知しました」

 

「その際、メタトロンが異次元に消失していることが判明しました」

 

「メタトロン?」

 

「我々の次元に存在する鉱石物です」

 

「そうなんか」

 

「はい、エネルギーの塊でもある為、危険と判断し調査の為出撃しました」

 

「以前取得した次元転移機構により、こちらの次元であると判明しました」

 

「なるほどな。ロストロギアみたいなもんやな」

 

 はやては書類にペンを走らせる。

 

「せやけど、なんで2人に攻撃したん?」

 

「その点についても説明します」

 

「我々がこちらの次元に到着後、戦闘反応を検知しました」

 

「戦闘反応? 巻き込まれたって言うあれか」

 

「はい。現地に向かったところ、こちらの両名が機動兵器群との戦闘を行って居りました」

 

「機動兵器? ガジェット・ドローンの事やな……その後は?」

 

「両名の援護の為、機動兵器群の殲滅を開始しました」

 

「殲滅後、こちらの女性が我々の拘束を試みました」

 

 私はティアを指差す。

 

「この2人は、質量兵器を使用していました……だから……」

 

「はぁ……それでどうしたん?」

 

「時空管理局との接触を避ける為、我々は撤退を開始しました」

 

「どういうことや?」

 

「こちらの次元に来た時点ではさほど時間が経って居るとは想定していませんでした」

 

「なるほどな」

 

「その後、撤退行動中の私に彼女が射撃した為、自衛行動を行いました」

 

「なるほどなぁ……先に手を出したんはこっちと言う訳やな」

 

 はやてはティアに視線を向ける。

 

「えっと……その……ごめんなさい!」

 

 ティアとスバルが同時に頭を下げる。

 

「お気にせずに」

 

 私が答えるとはやてが溜息を吐く。

 

「まぁ……今回の事は問題やが……まぁ。2人がそう言うならええやろ」

 

 はやてはそう言うと書類を仕上げる。

 

「さて、スバル達はもう戻ってええで」

 

「ですが……」

 

「怒ってへんから安心してええよ」

 

「は、はい……」

 

「失礼しました」

 

 2人は一礼後退出した。

 

「まぁ、2人も悪気があった訳やないんや。かんにんな」

 

「御構い無く」

 

「アハハ……そういうことや。後で2人のフォロー頼むでフェイトちゃん」

 

「わかったよ」

 

「さて、それで……2人は今後どうするんや?」

 

「現状では拠点を確保し調査を進めていく予定です」

 

「そか……そこでなんやが……そのぉ……」

 

 はやてが言葉を濁す。

 

「どうかされましたか?」

 

「えっと……そのぉ……あれや……その……特に予定がないのなら機動六課で世話するで」

 

「お世話ですか?」

 

「せや。空き部屋ならあるし……そこで」

 

「しかし、よろしいのでしょうか?」

 

「まぁ、時空漂流者の保護という事で上に報告するわ」

 

「感謝します」

 

「まぁ、それが仕事やからな……さて2人の部屋なんやが──」

 

「ちょっと待って」

 

 扉が開き面影が残る女性が入室する。

 

「おぉ、なのはちゃん。遅かったやん。どないしたん?」

 

 入室したなのはが静かに顔を上げる。

 

 その表情は険しいものだった。

 

「私は、保護するのは反対だよ」

 

「え?」

 

「なんやて?」

 

 その場の全員の表情が凍り付く。

 

「さっき外に居たスバル達から聞いたよ。攻撃されたって」

 

「それは、先にこっちが」

 

「うん。手を出したのはこっちが先かもしれない。でも、質量兵器を使った」

 

「何が言いたいんや?」

 

「つまりは時空管理局員としての責任を果たした。それなのに攻撃を受けた。これは犯罪じゃないかな。それに次元を許可無く移動できる時点で漂流者ではなく次元犯罪者じゃないかな?」

 

「そんなの強引や。それに時空漂流者の保護は時空管理局の義務や。それがたとえ任意であってもや」

 

「時空漂流者ならね」

 

「どう言う事や?」

 

 はやてはなのはを睨み付ける。

 

()()は人間じゃないよね」

 

「なん……やて……」

 

「それに、魔力生命体でもない。いや、命すらないただの機械だよね」

 

「はい。間違いありません」

 

「我々は生命の無い機械です」

 

「エイダ……デルフィ……」

 

「だよね。別次元からのそれは、もう危険なロストロギアだよ」

 

「なんやと!」

 

「なのは……言い過ぎだよ」

 

「よく考えてみてフェイトちゃん。ロストロギアは本部へ報告する必要があるよね。いや、とても危険なロストロギアなら今すぐ封印する必要だってある」

 

「2人の事が危険やって言うんか!」

 

 はやては机を叩き立ち上がる。

 

「その通りだよ。この2体は時空管理局に対してとっても危険な──」

 

「いくらなのはちゃんでもこれ以上は許さへんで!!」

 

 はやては肩で息をしながらなのはを睨み付ける。

 

「私が言いたいのは以上。後の判断は部隊長であるはやてちゃんの仕事だよ。個人としてではなく、管理局員として判断してほしいな」

 

 踵を返したなのはが扉に手を掛ける。

 

「なら、2人は六課で保護する! 何が起ころうと全部の責任は私が取る! これは六課部隊長としての判断や!」

 

「そう……そういう事ね」

 

 一言呟いたなのははそのまま退出した。

 

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……」

 

 興奮状態であるはやては息を荒らげつつ椅子に倒れ込むように座る。

 

「はぁ……なんかごめんな」

 

「いえ」

 

 はやては数回深呼吸すると落ち着きを取り戻す。

 

「まぁ、2人の部屋に関しては用意するわ。アインス」

 

「はい」

 

「2人の部屋を用意頼むわ」

 

「分かりました」

 

 アインスは一礼し退出した。

 

「はやてちゃん……」

 

 リインは心配そうにはやての方に移動する。

 

「心配せんでいいよリイン……フェイトちゃん」

 

「なに?」

 

「なのはちゃんの事……頼めるか?」

 

「うん。ちょっと話を聞いて来る」

 

「いろいろ頼んでごめんな。今は私が行くよりはええはずや」

 

「気にしないで」

 

 フェイトはそう言うと退出した。

 

「なんか……ややこしいことになりそうやな……」

 

 はやては小さく呟くと冷めた紅茶を飲み干した。

 




うーん…

どうやってもなのはが…

なんかタグ追加した方がいいかな?

まぁ、いいか?
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