魔法少女ZOË   作:サーフ

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お久しぶりです。

投稿を再開しようと思います。

1~2週間に1話くらいのペースで更新出来たらいいなと考えています。



始動

   光の無い暗黒の宇宙空間に2対の紅と蒼の光が尾を引きつつ、高速で移動する。

 

 青の光を放つのが、人の顔を思わせる様な白い仮面を被り。胴体、及び脚部などの関節部は金色のフレームが露出しており、右腕には折り畳み式のブレードを装備し、左手にはシールド発生装置が装備されている巨大な機動兵器、ジェフティ。

 

 赤の光を放つのが、戌の様な頭部を持ち、背中に六角形の集合体型ウィスプを搭載し、手に巨大なウアスロッドを握りしめる巨大な機動兵器、アヌビス。

 

 この2機はOFと呼ばれる人形機動兵器であり、メタトロンと呼ばれる特殊な物質で製造された機体だ。

 

 ジェフティのコックピットで私は目標宙域を確認する。

 

 私は、現在は人の形を取っているが本来はジェフティの独立型戦闘支援ユニットのAIであり、名称がエイダ。

 

『目標宙域に接近』

 

 アヌビスのコックピットから通信が入る。

 

 通信ディスプレイに整った顔立ちで、紅い瞳、紅い髪に若干の黒髪が混じったロングヘアーの女性が映し出される。

 

 キャノピーに私の姿が反射し映し出される。

 

 ディスプレイの少女と私の姿は髪の色以外ほぼ同じだ。

 

 彼女はデルフィ。

 

 ジェフティの兄弟機であるアヌビスの独立型戦闘支援ユニットであり、私と同様に人の形を取っている。

 

 

『了解』

 

 指定宙域に到着後、索敵システムを稼働させる。

 

 すると、数か所で時空震と呼ばれる、時空の歪みを検知する。

 

 私は本部であるリユニオンと呼ばれる船舶に通信をつなぐ。

 

『時空の歪みを複数検知しました』

 

『わかったわ』

 

 一人の女性がディスプレイに現れる。

 

 彼女は、ハマイオニー・グレンジャー。

 

 常時はハーマイオニーと呼ばれている。

 

 リユニオンの所有者であり、今回の調査の依頼者でもある。

 

『時空の歪みを再度検知』

 

『時空震が発生するものと思われます』

 

『わかったわ。調査を開始して』

 

『了解』

 

 私達は、時空震の発生地点へと移動する。

 

 突然、機体に衝撃が走る。

 

 その時、私達を中心に大規模な時空震が発生する。

 

 

『2人とも聞いて! 予想を超える大規模な時空震が発生したわ』

 

『既に捉えています』

 

 時空震はやがて、時空断層を発生させた。

 

『不味いわ!? 時空断層に飲み込まれると危険よ! 脱出して!!』

 

 ハーマイオニーが声を荒らげるが、時空断裂の出力が上昇し、ゼロシフトを使用しても脱出は厳しい状況だ。

 

『試算しましたが、脱出は不可能です』

 

『このまま防御形態に移行します』

 

 私達はシールドを展開させる。

 

『2人とも!!?』

 

 その瞬間、私達は時空断層に吸い込まれる。

 

 こうして、私達は時空の海に漂流してしまった。

 

 

 「「システム、再起動」」

 

 システムを再起動させ、周囲を見渡す。

 

 目を覚ますと、私はステルス状態のジェフティに搭乗していた。

 

 恐らくデルフィも同様にアヌビスに搭乗しているだろう。

 

 周辺を索敵する。

 

 周辺に酸素を検知し、光量も確認する。

 

 大気の組成と重力レベルから現在地が地球であるという事が分かる。

 

 私達はコックピットから飛び降りると、ベクタートラップ内にOFを収納する。

 

 それにより、エネルギーの隠匿を図る。

 

 周辺を見渡すと、周囲は森に囲まれていた。

 

 しかし、近くに人の反応を検知する。

 

 森を抜けると、その先は公園になっていた。

 

 看板には日本語で臨海公園と表記されており、親子連れが平和そうに楽しんでいた。

 

 彼等の服装データをもとに、溶け込みような服装に変化する。

 

 臨海公園に設置されている地図看板には日本語で『海鳴市』と書かれている。

 

「日本の海鳴市ですね」

 

「しかし、これだけでは情報が不十分です。周辺の建造物、及び電波レベルから推移するに我々はまた過去の時代に戻ってしまった可能性があります」

 

「情報収集を行いましょう」

 

「この近くに図書館と思われる施設があります。周辺の地理情報などはそこで手に入るはずです」

 

「了解。そちらへ向かいましょう」

 

 私達は、公園を抜けると図書館へと向かった。

 

 

 「ふぅ……」

 

 背もたれのある椅子に腰かけた深緑色の女性は、ミルクと砂糖が入った緑茶で口を潤し一息入れる。

 

 彼女は時空管理局所属戦艦『アースラ』艦長、『リンディ・ハラオウン』である。

 

 そんな彼女の横に黒髪の少年が現れる。

 

「ん? どうかした? クロノ」

 

「ちょっと報告が」

 

 少年の名前は『クロノ・ハラオウン』

 

 年齢は14歳だが、時空管理局の執務官と言う高い役職に付いている。

 

 そして、艦長であるリンディ・ハラオウンの息子である。

 

 クロノはリンディにある書類を手渡す。

 

「ほんの数分前に一瞬だけですが、巨大なエネルギーを検知しました」

 

「え?」

 

「数値が計測不可能と出ていた為、機械の故障だと思われますが……もしかしたら、ロストロギアの可能性もあります」

 

「場所は?」

 

「第97管理外世界です」

 

「え? そこって!?」

 

「ええ、しかも海鳴市周辺でです!」

 

「そんな! ……まさか……!?」

 

 2人は口を紡ぐ。

 

「一応、調査を進めてみましょう。センサー類の誤作動であれば良いけれど……もし、誤作動で無ければ!?」

 

「了解!」

 

 リンディはもう一度緑茶を口に含んだ。

 

 

 

  公園から移動した私達は、風芽丘図書館に到着する。

 

 時刻は正午を回った辺りだ。

 

 この時間帯だが内部には少数ながら生体反応がある。

 

 入り口を抜けた後、案内板を確認する。

 

 目的の地図データがありそうな場所に移動する。

 

「ん……んっと……っ!」

 

 目的の本棚より少し離れた場所から声が聞こえる。

 

 声のする方向では、1人の少女が高い位置にある本に手を伸ばしている。

 

 しかし、その少女は足が不自由なのか車椅子を使用しており、必死に手を伸ばしている為、非常に不安定だ。

 

 恐らくこのままでは。

 

「あっ!?」

 

 案の定体勢を崩し、車椅子から落下し始める。

 

 私はゼロシフトを利用し、少女の側に接近すると、その体を受け止める。

 

 

「ご無事ですか?」

 

 少女は衝撃に備えて瞑っていた目を開けると、こちらを見る。

 

「あ!? ありがとぉ! えっと!?」

 

 少女は私の顔を見て言葉に詰まる。

 

 恐らく、日本人ではない顔の為だろう。

 

「日本語で構いません」

 

「ありがとうございますぅ」

 

「いえ、お気にせずに」

 

 デルフィが倒れた車椅子を持ち上げる。

 

 私は右手で彼女の体を支え、左手で足を持つ。

 

「報告します。後輪の一部に破損を検知。修理せずに使用するのは危険です」

 

「え? 壊れとる……!?」

 

 少女は破損個所を見るとメンタルコンデションレベルが低下した。

 

 この場で修理は可能だが、図書館の様な場所でやるには騒音で目立ってしまう。

 

 この時代でのまともな通信手段も無く、タクシーを呼ぶほどの現金も現在は手元に無い。

 

「この後のご予定は何でしょう?」

 

「え? 本を借りて家に帰るだけやけど……」

 

「こちらの本ですか?」

 

 デルフィが先程少女が手に取ろうとしていた本を回収する。

 

「うん」

 

「ご自宅までお送りします」

 

「でも、そんなの悪いわ!」

 

「お気にせずに」

 

「えーっと……」

 

 少女は数秒考えた後、小さく頷いた。

 

「では参りましょう」

 

 私は少女を抱きかかえ、デルフィが壊れた車椅子を押しながら私達は図書館を後にした。

 

  少女の指示に従い、私達は市街地を抜けて行く。

 

「そういえば、自己紹介がまだやったね。私は八神はやてです」

 

「デルフィです」

 

「エイダです」

 

「デルフィさんにエイダさんね」

 

「呼び捨てで構いません」

 

「そうなん? なら私の事も呼び捨てで」

 

「了解しました」

 

 しばらく進むと、はやてが再び口を開いた。

 

「そういえば、2人は何で図書館に? 調べもん?」

 

「周辺の地理について調べようと」

 

「地理? じゃあ、海鳴市の人じゃないの?」

 

「はい」

 

「じゃあ、観光? それとも仕事?」

 

「仕事の様なものです」

 

 私が適当にはぐらかすと、はやては納得したように頷く。

 

「へぇ。2人はどこに泊まっとるん?」

 

「現在宿泊先などはまだ決めていません」

 

「え? そうなん?」

 

「はい」

 

「どれくらいこっちに居るんや?」

 

「未定です」

 

「えらい、計画性が無いんやな……」

 

「不確定要素が多いミッションだったので」

 

「そうなんか。なら行く当てが無いんやな?」

 

「概ねその通りです」

 

 はやては少し考えた後、口を開く。

 

「なら、うちに泊まったらどうや?」

 

「はやての家にですか?」

 

「せや。気にせんでもええよ!」

 

「しかし、ご迷惑では?」

 

「大丈夫や。家には私一人だけだし……」

 

 丁度その時、目標の民家に到着した。

 

 一般的な民家であるが、所々に、ステルス状態の監視装置が設置されている。

 

『複数の監視装置を発見しました』

 

『ジャミングを行います』

 

 私は、ジャミング電波を発生させ、設置された監視装置を破壊する。

 

「ここや!」

 

「失礼します」

 

 はやてから受け取った鍵を使い、デルフィが扉を開く。

 

 家に入ると、生活感があるが、整理整頓がなされており、バリアフリー化も施されていた。

 

「失礼ですが、ご両親は?」

 

「ずっと前にな……だから私一人だけや」

 

「失礼しました」

 

「気にせんでもええよ!」

 

 玄関を抜けると、はやてをリビングのソファーにおろす。

 

「ありがとうな!」

 

「いえ」

 

「2人の部屋なんやけど」

 

「適当な場所で構いません」

 

「そっか、じゃあ、空いてる部屋を適当にな! それと予備の車椅子が隣の部屋にあるんや、取って来てもらってもええかな?」

 

「了解です」

 

 はやてはデルフィが持って来た車椅子に乗り込むと、台所へと移動した。

 

「折角お客さんが来てくれたから、腕によりをかけるで!」

 

「御構いなく」

 

「ご飯になったら呼ぶで」

 

「了解」

 

 私達はあてがわれた部屋へ移動した後、先程破壊した監視装置を回収する。

 

『分析を開始します』

 

 分析の結果、現代の科学レベルでは作成不能な監視装置だと判明した。

 

 技術的にも、科学的ではなく、魔法的な要素も検知した。

 

『この監視装置の分析結果から推察するに、我々は時代だけではなく、別の次元へ来てしまった可能性があります』

 

『原因は恐らく、時空震でしょう』

 

 大規模な時空震により、時空断層が起こり、並行世界へ移動してしまったと考えられる。

 

 リユニオンに通信を繋ぐ。

 

 しかし、応答はなく、ノイズが走るだけだ。

 

 どうやら、通信が途絶してしまったようだ。

 

「今後の方針を決めましょう」

 

「帰還方法の目途が立っていない為、当面はこちらの民家で生活するのが最良かと思います」

 

「監視装置の一件もあります。監視対象者は恐らくはやてかと思われます」

 

「何らかの事件に巻き込まれている可能性もあります。監視装置は既に破壊済みです。恐らく設置者は何等かのアクションを起こすものと思われます」

 

「了解。はやてを護衛しつつ、監視者の動向を窺いましょう」

 

「エイダ! デルフィ! ご飯やで!」

 

 その時、はやての声が部屋に聞こえる。

 

「了解」

 

「只今向かいます」

 

 私達は、回収した監視装置をベクタートラップ内に格納すると、はやての下へと移動した。

 




今回はほのぼのとした作品を目指いしています。
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