トレーナー業をやったりして忙しいです。
「よろしかったのですか?」
ウーノは研究室に居たスカリエッティに問いかける。
「なにがだ?」
「タブレットの事です。あれには聖王のゆりかごの情報が……」
「あぁ、その事か。それに関しては問題ない。むしろあえて渡したとも言える」
「なぜです?」
ウーノは顔を顰める。
「あれは一種の挑戦状だ」
「挑戦状?」
「そうだ。私が作り上げたメタトロンの傑作が彼女達にどこまで通用するのか……視てみたくなったのだよ!」
スカリエッティは歪んだ笑みを浮かべる。
「気にならないか? 彼女達はメタトロン技術が普及していた世界の住人だ。一体どのように私の技術を超えるのか……それとも越えられないのか……」
「それが……目的ですか?」
「知の渇望だ」
「そうですか……それと、エースオブエースですが……」
「あれはもう駄目だろう。体中にメタトロンが侵食している」
「えぇ。持ってあと1年かと」
「もしくはもっと早いだろうな。それだけあれば残存勢力を掃除するくらいは持つだろう」
「そうですか」
それ以降スカリエッティは一言もしゃべることはなく、ウーノも一礼してその場を後にした。
アースラ奪還から数日後巡航を維持しているとリユニオンから通信が入る。
「こちらは何とかなったわ。そっちは?」
ハーマイオニーの顔がモニターに表示される。
「こちらも無事です」
椅子から立ちあがったはやてが答える。
「それは良かったわ。とにかく一度合流しましょう。そっちへ向かうわ」
「了解です」
アースラとリユニオンは相対速度を合わせると連絡橋を掛ける。
数分後、ハーマイオニー達はアースラの会議室へと集まる。
そこではやてはハーマイオニーからなのはに関しての報告を受ける。
「そんな……まさかなのはちゃんが……」
「えぇ……このままだと危険よ……それに……」
「ゆりかごですか……」
「えぇ……これを見て頂戴」
ハーマイオニーは手元のタブレットを操作すると会議室のモニターに聖王のゆりかごに関する情報が表示される。
「これは……」
「聖王のゆりかごに関するデータよ。これを見るにゆりかごがガジェットの制御の中核をなしているようね。でも厄介なことにゆりかご自体に強固な防御システムとシールドが展開されているようね」
「そうですね……しかしこれをどこで?」
「スカリエッティから盗んだ……と言うよりもあえて盗ませたといった感じかしら?」
「え?」
「挑戦状……とでも言ったところかしら?」
「罠の可能性は?」
「あのタイプの場合はその可能性は低いわね」
ハーマイオニーは一息つき解説を始める。
「この防御システムは空間圧縮技術も使われているわ」
「それならベクターキャノンで突破すればいい話だな」
「いえ、そう簡単にも行かないの、これを見て」
ハーマイオニーはタブレットを操作すると表示が変わる。
「このシールドシステムは4層の空間圧縮からなっているわ。それに2つの衛星……月と呼んでも良いわね。そこから魔力を供給されているから1枚や2枚壊したところですぐに回復してしまうわ……計算したけど残念ながら2人のベクターキャノンを最低限のインターバルで撃ったとしても突破は難しいわ……リユニオンに搭載されているベクターキャノンを使用しても……突破は……難しいわ……」
「つまり……」
「そう。まずはこの2つの月を制圧する必要があるわ……そうすれば活路はあるわ」
「それを……この人員で……」
はやては周囲を見渡す。
「厳しいかも知れないけど……不可能ではないわ」
「そうですね……やるしか……」
全体に重い空気が流れる。
その時、通信が入る。
「通信?」
「繋ぎますか?」
「頼む」
はやての指示でアインスが通信をモニターに出す。
「聞こえるか? こちらは……」
「クロノ!」
モニターに現れた人物に対しフェイトが声を上げる。
「君達の事は話題になっている。なんでも大暴れしたとか……さて、こちらも世間話をするためにわざわざ危険を冒して通信を繋いだ訳ではない」
「用件は一体?」
「我々は今、人員を集めて新生時空管理局に対してレジスタンス活動を行っている」
「レジスタンス?」
「そうだ。あれを良しとしないものは大勢いる……しかし恥ずかしい話だが戦力はあちらが上でこちらは窮地に立たされてる」
「そうだったんか……」
はやては小さく呟く。
「しかし、そんな時に君達の話を聞いた。そこで__」
「協力するという事やな」
「そう言う事だ。こちらも少ないながら戦艦や戦闘員も居る」
「なるほど……」
はやては考えを巡らす。
「これなら……何とかなるかもしれん……」
「え?」
「私に一つ作戦があるんや」
その場の全員がはやての作戦を聞く。
「それは……確かに物理的……いえ、理論的には可能よ……でも危険が多すぎるわ!」
ハーマイオニーははやての立てた作戦に苦言を申す。
「でもこれしか手はないはず……」
「確かに……でも」
「大丈夫や……きっとうまく行く……」
「そうね……」
ハーマイオニーは一抹の不安を抱えつつ頷いた。
またしてもベクターキャノン関係で問題が発生しました。
ワンパターンとか言わないように