魔法少女ZOË   作:サーフ

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書き上げたので完走できるでしょう。


激闘

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

  周囲を大量のガジェットの残骸に囲まれ背中合わせのティアナとスバルが呼吸を荒く息を整えている。

 

「はぁ……今何機目?」

 

「100から先は数えてないわよ」

 

「倒した数だけボーナスでも欲しいくらいだねっ!」

 

 増援のガジェットを勢いに任せて殴り倒した。

 

 既に二人とも満身創痍であり、スバルの装着しているデバイスにも多数のヒビや破損などが目立つ。

 

「しぶといな……これで終わりにしてやる!」

 

 ウーノが叫ぶと1つの反応が急速に接近する。

 

「あれは……」

 

 二人の眼前に人型の機体が姿を現す。

 

「行け! ラプター!」

 

 ラプターがビームサーベルを振り上げるとスバル達目掛け振り下ろす。

 

「くっ!」

 

「くっぁ!」

 

 間一髪で回避した二人だったが振り下ろされたビームサーベルの余波だけで大量の瓦礫が巻き起こる。

 

「いてて……なんて威力……ティア……だいじょ……」

 

 スバルがティアナの方を見る。

 

 ティアナは瓦礫に下半身が埋もれており体の至る所から出血してぐったりとしている。

 

「いやぁ! そんな! ティア!」

 

 ティアナに駆け寄ったスバルは手を取る。

 

 しかし、その手は力なく垂れる。

 

「そ……そんな……」

 

 絶望しているスバルの背後にラプターが迫り、頭部のバルカンを放つ。

 

「くぅ!」

 

 スバルはバーニアを吹かし、バルカンを回避しながらラプターの足元を滑るようにすり抜ける。

 

 ラプターの背後に回ったスバルは勢いそのまま飛び上がると壁を蹴る。

 

「こっちだ! あおりゃああぁあっぁああああ!!」

 

 勢いよく飛び出したスバルがラプターの背中を右手で殴りつける。

 

「なっ!」

 

 スバルはその場で驚愕する。

 

 そしてラプターが振り向こうとした勢いに吹き飛ばされる。

 

「くぅうう!」

 

 吹き飛ばされたスバルは空中で1回転すると何とか着地する。

 

「いっつ……なんて硬さ……」

 

 スバルは自身の右手に目をお落とす。

 

 スバルの右手部分の装甲にヒビが入っており、そこから血があふれ出している。

 

「あの装甲を貫くのは……きっついなぁ……」

 

 ラプターが右腕部を振り上げスバル目掛けて振り下ろす。

 

「くっ!」

 

 スバルはその場から横に飛びビームサーベルの1撃を避けるが、余波により装甲が焦げる。

 

「このままじゃ……」

 

 まさに防戦一方と言ったところだろう。

 

 ラプターが左腕部を振り上げ、横に凪ぐ。

 

「うぉ!」

 

 スバルはその場で高く飛び横なぎを避ける。

 

 しかし

 

「なっ!!」

 

 そこには既に右腕部のビームサーベルを展開したラプターの姿があった。

 

 このままではスバルの身体はビームサーベルの直撃を受け蒸発するだろう。

 

『避けなきゃ! でも……身体が……うごか……ない』

 

 一瞬の事であるのにスバルにとってはまるで時間が止まったかのように感じている。

 

『あれ……なんで……』

 

 今までの人生での出来事がに浮かび上がり、世界が白黒に支配される。

 

『あぁ……これが……走馬灯ってやつか……』

 

 緩やかに迫りくるビームサーベル()を目の前にスバルはどこか安らかな気持ちですらいる。

 

『あれに当たったら痛いだろうなぁ……いや……痛いと感じずに消えちゃうかな?』

 

 そんなことを考える余裕すらスバルには有った。

 

「ごめんね……ティア……」

 

 スバルが呟き、ビームサーベルの熱が緩やかに装甲を焦がす。

 

 ついにその時が訪れようとしているとき、スバルの視界の片隅に何かが映り込む。

 

 そのなにかはラプターの右関節部に吸い込まれる様に飛び込んでいく。

 

 次の瞬間、ラプターの右関節部に爆発が起こると爆音と同時にセピア色の世界に色が戻り、スバルの感覚が戻りスバルの真横をビームサーベルが通り抜ける。

 

「くっ!」

 

 スバルはバーニアを左方向に吹かし着地する。

 

「モード……ランチャー」

 

 瓦礫から這い出したティアナが巨大な砲身を肩に担いでいる。

 

「ティア!!!」

 

「まだよスバル!」

 

 スバルが振り返るとラプターが再び迫りくる。

 

 スバルはその場で飛び上がるとビームサーベルの1撃を避ける。

 

 そんなスバルを追うように右腕部のビームサーベルが迫る。

 

「同じ手は食らわない!」

 

 バーニアを吹かし空を滑るように移動する。

 

「あれ?」

 

 着地したスバルが呟く。

 

「あいつ……右手の動きが鈍くなってる……もしや!」

 

「どうしたの?」

 

「ティア! もう一度さっきのアレを!」

 

「あれ?」

 

 スバルは地面を滑りラプターに接近する。

 

「ここだぁ!」

 

 飛び上がりラプターの右関節部を殴りつける。

 

 その時、両者の装甲板にヒビが入る。

 

「そこね!」

 

 ティアナが担いだランチャーを構え、右関節部を狙う。

 

 放たれた弾頭は右関節部に見事命中し、大規模な爆発を起こす。

 

「ぐぉぉぉおぉおおぉ!」

 

 ラプターは叫びにも似た機械音を上げ、スバル目掛け右腕を振り上げる。

 

「モードスナイプ!!」

 

 ティアナが叫ぶとティアナの手に大口径の対物ライフルが握られていた。

 

「くらええ!!」

 

 ティアナがスコープを覗き、照準を定める。

 

 スバル目掛け振り下ろされる途中の右関節部を見事に大口径の弾丸が貫く。

 

 撃ち抜かれた右腕がビームサーベルを放ったまま吹き飛ばされる。

 

「これで!」

 

 スバルとは飛び上がると吹き飛ばされた右腕を受け止めるとそのまま着地する。

 

「ぐぅう!!」

 

 あまりの重量にスバルの周囲の地面が凹む。

 

「だぁりゃああああ!!」

 

 スバルはその大質量の腕をラプター目掛け振り下ろす。

 

 対するラプターは左腕のビームサーベルでそれを受け止める。

 

「ぐぅうう!! まだだぁああ!!」

 

 弾き返された腕を再び振り上げる。

 

「ぐぉおぉぉお!」

 

 まるで叫ぶかのような機械音を放ちながらラプターは再び左腕で弾き返す。

 

「ぐぅううぅ!! ティア!!」

 

「えぇ!」

 

 ティアナは両手で巨大な銃身を抱える。

 

「モードレールキャノン。これで終わりよ!」

 

 ティアナが引き金を引くと抱えた砲身から超高速の弾丸が放たれる。

 

 その超高速の弾丸はラプターの頭部ユニットに直撃すると頭を吹き飛ばす。

 

「うりゃあぁあああああ!!!」

 

 スバルは腕を抱えたまま飛び上がると頭の吹き飛んだラプターを真っ二つに切り伏せる。

 

 それと同時に腕部に残されていたエネルギーが尽きたようでビームサーベルが消失する。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「これで止めよ!」

 

 目の前に転がって来たAIユニットにティアナはゼロ距離でレールキャノンの砲身を突き付ける。

 

 ティアナが引き金を引くとレールキャノンが放たれAIユニットを完全に破壊する。

 

「ふぅ……」

 

「あはは……容赦ないね」

 

 スバルは息を切らせながらラプター残骸を背にしながら、瓦礫に腰かけたティアナに近寄る。

 

「ティア? 大丈夫?」

 

「大丈夫……って言いたいけど駄目ね。さっきので両足をやられちゃったみたい」

 

 そう言うティアナの両足は負傷しており立つのは厳しいだろう。

 

「そういうそっちは?」

 

「私も大丈夫って言いたいけどねぇ……さっきから殆ど両腕が動かないんだ」

 

 スバルは笑いながら若干両腕を動かそうとするが、ほとんど動いではいない。

 

「まさか……ラプターまでやられるとは……」

 

 ウーノが驚愕して呟く。

 

「こうなったら……!」

 

 ウーノは踵を返しその場から逃走を図る。

 

「あっ! 待て!」

 

「お前達!」

 

 ウーノが指示を出すとスバル達の周囲を再び数十基のガジェットが囲む。

 

「あいつ……」

 

「どうするのティア?」

 

「状況は最悪ね……私は両足が動かず。スバルは両手が使えないんでしょ?」

 

「そうだね。でも」

 

 そう言うとスバルはしゃがみ、ティアナがおぶさる。

 

「「2人合わせればまだ戦える!!」」

 

 ティアナを背負ったスバルはその場から走り出す。

 

「モードデュアル!!」

 

 ティアナが両手に銃型のデバイスを持ち弾幕を張り、周囲のガジェットを撃ち落とす。

 

「昔もこんなことがあったよね? 懐かしいなぁ」

 

「そうね」

 

 2人は何かを思い出したように微笑んだ。

 

 

「これで!」

 

「ラストぉおお!!」

 

 ガジェット部隊の最後の1機を撃ち落としたスバルとティアナはその場で周囲を見渡す。

 

「おわった……んだよね?」

 

「追加はなさそうね……」

 

 スバルに背負われたティアナが答える。

 

「じゃあ! 逃げた人を追いかけよう!」

 

「そうね!」

 

「このまま行くよ!」

 

「ちょっとスバル!」

 

 スバルを制止しようとするティアナだったがそのまま走り出した。

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