魔法少女ZOË   作:サーフ

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リアルが忙しいので、年内はあと1話投稿できるかできないかです…


融解

 

 

   時空管理局との戦闘から数日後。

 

 私達は、時空管理局の監視を警戒し蒐集は小規模に抑える。

 

 しかし、ページのストックは十分な為、期間までには間に合うと思われる。

 

 そんなある日、すずかが家に訪れた。

 

「すずかちゃん。どないしたん?」

 

「この後お時間ある?」

 

「今日は検診もないしええよ」

 

「よかった。この後一緒に翠屋に行かない? 私の友達がはやてちゃんに会ってみたいって言ってて」

 

 はやてが、こちらに振り返る。

 

「構いませんよ」

 

「よかった!」

 

「皆さんもどうですか?」

 

「私達も?」

 

 シグナムが声を上げる。

 

「ダメですか?」

 

「その……今日は道場で指導をする事になっていて……」

 

 シグナムが申し訳なさそうに呟く。

 

「私もこのあとちょっと予定が……」

 

 ヴィータが残念そうに俯く。

 

「私も、お夕飯の買い物に。今日タイムセールなの」

 

 シャマルが申し訳なさそうに微笑む。

 

 ザフィーラは無意味に欠伸をする。

 

「どうしようか……」

 

 はやてがこちらに視線を向ける。

 

「2人は?」

 

「予定はありません」

 

「じゃあ……」

 

「了解。我々が同行します」

 

 デルフィが答えると、はやての顔に笑みがあふれる。

 

「では、準備をしてまいります。少々お待ちください」

 

「ちょっと待っとって」

 

 私達は、はやてを着替えさせ、外出の準備を行う。

 

 外出の準備が済み、玄関を出ると既に車が準備されていた。

 

「さぁ、乗ってください」

 

「了解」

 

 すずかに促されるながら、私達は乗車する。

 

 

  数分間車で移動すると、翠屋と看板に掛かれた喫茶店の前に車が停車した。

 

「さぁ、行きましょう」

 

「そやね」

 

 すずかの後に私が車椅子を押しながら入店する。

 

 店内はそこまで広くは無いが、清潔感があり、ショーケース内には色とりどりのケーキが並んでいた。

 

「うわぁ……すごい……」

 

「ここのケーキはどれもおススメなの」

 

「へぇ……」

 

 はやてがショーケース内のケーキに見とれて居る時、背後の扉が開き少女が入店する。

 

「あ、アリサちゃん」

 

「この人がすずかが言っていた友達?」

 

 どうやら、このアリサと言う少女はすずかの友人の様だ。

 

「うん」

 

 私は車椅子をゆっくりと回転させ、はやてとアリサが向き合う。

 

「あっ、八神はやてって言います」

 

「あたしはアリサ・バニングス。すずかの友達よ。よろしくね」

 

 アリサが出した手をはやてが取り、握手する。

 

「それで……この人たちは?」

 

「この2人は、私の遠縁の親戚なんよ」

 

「なんか、外国人みたいだけど……」

 

「お気にせずに」

 

 アリサは首を傾げたが、数回頷く。

 

 その時、店の奥から2人の少女が姿を現した。

 

「いらっしゃい! すずかちゃん、アリサちゃん……え?」

 

 目の前の少女は、先日戦闘を行った、なのはとフェイトだった。

 

 フェイトは瞬きを繰り返し、なのはのメンタルコンデションレベルが急激に低下する。

 

「えっと……」

 

「この人が、私が言っていたはやてちゃん」

 

「はじめまして、八神はやてです」

 

 はやては2人に軽く会釈する。

 

「あ、は、初めまして」

 

 なのはとフェイトの2人はぎこちない笑みを浮かべる。

 

「どうしたの? 2人とも、ちょっと変よ」

 

「え? そ、そんなこと無いよ。ね、フェイトちゃん」

 

「そ、そうだよ。アハハ……」

 

「ん?」

 

 2人の不自然さにアリサは首を傾げる。

 

「とりあえず、座りましょう」

 

「せやね」

 

 私達は奥のイートインスペースへと案内され、着席する。

 

「何にしようかな……」

 

 はやてはメニューを眺め、ケーキを決めかねている。

 

 数分後、はやての注文が決まり、ケーキを人数分注文する。

 

「はやてちゃんってこちらの2人と住んでいるの?」

 

 なのはが口を開く。

 

「せやで」

 

「そうなんだ。じゃあ3人で生活してるの?」

 

「ほかにも親戚が居るで」

 

「そうなんだ……」

 

 なのははこちらに視線を向ける。

 

「そうだ、最近の出来事なんだけど……」

 

 その後、少女たちは会話に花を咲かせる。

 

 しかし、なのはとフェイトは何度となく、こちらに視線を向けていた。

 

「あっ、もうこんな時間や」

 

 時刻は既に帰宅予定時間になっていた。

 

「そうね、そろそろ戻らないと」

 

 ささやかな、お茶会は終了を告げる。

 

「せや、皆にお土産を買っていかな」

 

「そうですね」

 

「選択はお任せします」

 

「えーっと……」

 

 はやては適当にケーキを複数選ぶと、テイクアウトする。

 

 私は代金を支払うと、はやての車椅子を押す。

 

「今日は楽しかった。ケーキもおいしかったです」

 

 はやてが一礼すると、店主と思われる夫婦が笑みを浮かべる。

 

 恐らく、なのはの両親だろう。

 

「それでは、我々はこれで」

 

「うん」

 

 すずかと共に、翠屋を後にする。

 

 店の前にはまたしても、車が止められている。

 

 私は、はやてを車に乗せる。

 

「ん? どないしたん?」

 

「我々は少し用事がある為、歩いて帰ります」

 

「そうなん?」

 

「えぇ」

 

「うん。わかった」

 

 はやてが乗車した車が、発車するのを確認後、私達はステルス状態へと移行する。

 

 車が発車してから数分後、翠屋の裏からなのはとフェイトの2人がバリアジャケットに身を包み飛行する姿を確認する。

 

 私達は、バーニアを起動し、空中で2人の前に回り込む。

 

「ご用でしょうか?」

 

「え?」

 

 私達が突然現れた事により、2人はその場で驚愕する。

 

「申し訳ありませんが、追跡を試みているのでしたらご遠慮ください」

 

「私達はそんなつもりじゃ」

 

「では、ご用件は?」

 

「あなた達の話が聞きたい」

 

「お話ですか?」

 

「どうして闇の書を完成させようとして居るのか……アレは世界を破滅させる危険な物だって聞きました! それに、貴女達とはやてちゃんの関係は? それに貴女達は──」

 

「申し訳ありませんが、時空管理局の人間にお伝えする事は出来ません」

 

「待って」

 

 フェイトがこちらに接近する。

 

「確かに私は時空管理局に所属している。だけど、話し合いをしてみたいと思う」

 

 フェイトはがそう言うと武装解除する。

 

「フェイトちゃん! 危ないよ!」

 

 なのはは武装を構える。

 

 それを、フェイトが制する。

 

「私達は戦いに来たわけじゃない。話を聞かせてほしい」

 

「了解。お話しできる範囲でしたら」

 

「うん」

 

  私達は、近くの公園へと着地する。

 

 2人はベンチに腰かけこちらに視線を向ける。

 

「ご質問は?」

 

「えっと……じゃあ、どうして闇の書を完成させようとして居るんですか? あれは完成したら莫大な力を得る事が出来るけど、主ごと破滅させるって聞きました」

 

「我々は闇の書の力を手にする事は目的では有りません」

 

「じゃあ、なんで?」

 

「詳細はお伝え出来ませんが。現在闇の書のシステムの根幹に根差す部分に重篤なバグが発生しています」

 

「バグ?」

 

「そのバグにより、暴走し所有者にも影響が出る者と思われます」

 

「そんなバグがあるなんて危険です。封印する必要があるはず」

 

 フェイトの隣でなのはが口を開く。

 

「封印とはどういった方法で?」

 

「案として挙がっているのは氷結魔法での活動停止……でもその場合──」

 

「ですが、その場合闇の書の所有者の命はどうなりますか?」

 

「そ……それは……」

 

 デルフィの質問に対しフェイトは口籠る。

 

「推測ですが、闇の書の所有者の生命活動はその時点で終了するとお思われます」

 

「でも、闇の書が……そのバグのせいとは言え、世界を……皆を破滅させるよりは……」

 

「なのは……」

 

「多くを助ける為に、1人を犠牲にするという事ですか?」

 

「そういう……訳でも……」

 

「極めて合理的な判断です」

 

「だって……そうしないと……封印さえすればバグだって……」

 

「我々は、そのバグを取り除く予定です」

 

「え?」

 

「バグを完全に取り除けば、闇の書が暴走し、破滅をもたらす事はありません」

 

「その為に、蒐集を行っております。蒐集終了後にバグを取り除き、所有者の救助を行います」

 

「つまり、それが目的って言う事ですか?」

 

「その通りです」

 

「でも、バグを取り除くなんて……管理局だってできないと思う」

 

「管理局と一緒にしないでください」

 

「うぅ……」

 

 自らの所属先の批判に対し2人の表情に不満の色が見える。

 

「ご質問は以上ですか?」

 

「後、もう1つだけ」

 

 なのはが手を上げる。

 

「闇の書とはやてちゃんって──」

 

「その場を動かないでください」

 

「え?」

 

 私は、シールドを展開する。

 

 その瞬間、私達の周囲に大量のエネルギー弾が降り注ぐ。

 

「キャア!」

 

「これは!」

 

 シールドにより全て防ぐが、ベンチに座った二人は悲鳴を上げながら周囲を見渡す。

 

 舞い上がった粉塵が晴れると、そこには仮面の人物が2人立っていた。

 

「あれが……」

 

「仮面の……」

 

「アレを防ぐか……」

 

 仮面の人物が男声を発する。

 

「貴女方のお仲間ですか?」

 

 デルフィがウアスロッドを構える。

 

「いいえ」

 

「あの人達……知らないです」

 

 なのはとフェイトも武装を整える。

 

「貴方達は一体何者ですか?」

 

「民間人への魔法攻撃は軽犯罪なんかではすみませんよ!」

 

 2人はデバイスを構える。

 

「時空管理局の人間に用はない」

 

「え?」

 

「だから、黙って居ろ」

 

「ふざけないで! 所属と目的を──」

 

「これ以上答えるつもりは無い」

 

 仮面の人物が飛び上がると、フェイトに向け飛び蹴りを繰り出す。

 

「え?」

 

 突然の事にフェイトは対処出来ずにいる。

 

 私は、フェイトの眼前で迫り来る右足を右手で受け止める。

 

「くっ!」

 

 仮面の人物は、空中に障壁を発生させ、壁蹴りの要領で左足で障壁を蹴り、私との距離を取る。

 

「この場は我々にお任せください」

 

「でも……」

 

「ご安心を」

 

 2人は顔を見合わせた後頷く。

 

 それと同時に、飛び上がる。

 

 デルフィも援護の為、飛び上がる。

 

「逃げる気か!」

 

 仮面の人物が追撃するべく、飛び上がろうとしている所に、威力を抑えたビームガンを発射する。

 

「ぐおぉ!」

 

 ビームガンの直撃により、仮面の人物が気を失う。

 

 その頃には2人は安全圏まで撤退した

 

「2人は安全圏にまで撤退されました」

 

「まだ続けますか?」

 

「くっ!」

 

 気絶した仮面の人物にもう一人が駆け寄る。

 

 それと同時に、エネルギー反応が発生し、2人の姿が消える。

 

「敵の撤退を確認」

 

「周辺に敵対勢力の反応なし」

 

「帰還しましょう」

 

 私達は、公園を後に帰宅した。




なのはが少しずつ変になっているような気が…

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