あえて袁家を題材にしてみました。
主人公は一刀ですが愛紗ぐらいの強さを持った一刀です。
どうかあたたかい目でみてやってください。
新たな世界での出会い
どれ位の時間がたっただろうか
ある日突然、
俺はフランチェスカ学園からこの世界に飛ばされてきた。
状況を呑み込めずにいるといきなり女の賊に襲われ
そいつらを撃退した。
それを見ていた人に近くの街に招待され
行く当てもないからとりあえず世話になることにした。
この街を拠点にいろいろ調べたり考えてわかったことがいくつかある。
ここは、中国の三国時代の前の漢って時代みたいだ。
人、文化、環境を見て大方わかってはいたが正直信じられなかった。
また、この現象がただのタイムスリップではない事がわかった。
ここの近くの城の城主は袁紹というらしいが
袁紹と言えばだ、三国無双とかで有名なあの傲慢な貴族っぽい男だ。
そいつがこの世界では女というのだから辻褄が合わない。
そして、この世界が俺たちの歴史で言う乱世に向かっていることを知った。
個人的には劉備玄徳や曹操孟徳に逢って仕えてみたいとか思ったりもしたが
この街の人たちを放ってはおけない。
ここ最近ひと月に最低3回は賊が襲ってくる。
毎回襲われる度に追い返すが、俺が旅に出てしまうとこの街は荒らされてしまうだろう。
その変な使命感からか、俺はこの街から出ることができずにいた。
しかし、その状況が一変した。
黄巾党が暴走したのだ。。。
今までの賊とは桁が違い、俺一人ではどうすることもできない状況で
あっという間に隣の街まで飲み込まれてしまった。
黄巾党ももとは不満を溜め込んだ民だったと知ってはいたが
その民が同じく苦しんでいる民からすべてを奪っていく。
そんな悲しい現実を突きつけられ酷い絶望を抱かずにいられなかった。
だが、現実に絶望している暇はない
何としてもこの状況を変えなければ。そのためにこんなところでは死ねない!
俺は街の人や聖人を集め籠城することにした。
しかし、この城の城主・徐何とかは、黄巾党が来たという知らせを聞いて夜逃げしたらしい。
幸い城に蓄えがあり、一月は籠城できそうだ。
問題はこちらには戦える者が数百人と女と老人を合わせても千に届かない。
相手は数万の暴徒、どう考えても勝機はないが向こうは暴徒、行動から考えてそんなに多く兵糧があるとは思えない。
なら、籠城して相手の兵糧が尽きるのをまつかそれとも。。。。
何て考えていると銀髪の女の子が話しかけてきた。
「自分も戦おう。」
「え?」
俺は目と耳を疑った。
目の前にいるのは体中に傷痕のある女の子。
「気持ちは嬉しいけど、君のような女の子を戦わせたくないなぁ」
「お兄さん、凪を舐めたらあかんで?」
「そうなの!凪ちゃんはすごく強いの!!」
女の子三人が詰め寄ってくる。
よく見ても見なくても美少女にこうも詰め寄られると少し焦る。
あえて言おう、俺は童貞だ。
「わ、わかった!お願いするよ。こちらの作戦をつたえるからついてきてくれ」
俺は彼女たちを連れて城に入った
「なあ、お兄さん。城に勝手に入っていいんかいな?」
「さあな、城主は逃げちまってるから問題ないだろう。自己紹介がまだだったな俺は北郷一刀。」
「うちは、李典や」
「沙和はね、于禁っていうの」
「私は、楽進といいます」
ん?あれさっきから呼び合っている名前と名前が違っているような・・・
「あのさぁ、質問していいかな?」
「なんや?」
「さっき李典のことを于禁が真桜ちゃんっていってたのって字かなにか?」
一瞬空気が凍ったと思ったら楽進が回し蹴りをしてきた
「のわっ!!」
「軽々しく真桜の真名を口にするとは。」
「え?ま、真名??」
「殺されても文句は言えへんで?」
三人が武器を構えた。
彼女たちから発せられる殺気をヒシヒシと感じる。
本気で不味いことをしたらしい、ここはすべて話すしかないか。。。
「すまない!悪気は無いんだ。俺は真名の意味も知らなかったんだ!!」
「真名の意味を知らないなんてそんな事あるの?」
俺はすべて話した。違う世界から来たこと、俺の世界のこと、こちらに来てからのこと、
「一刀はんの言ってることはわけわからんわ」
「ホント、沙和もわからないのー」
「にわかに信じられないことだ。」
「信じてくれとは言わないでも、殺すにしてもこの戦いが終わってからにしてもらえないか。この街を守れたらどんな罰でもうけるから!!」
三人は顔をあわせて少し話をして答えた。
「一刀はんのこと信じたるわ!」
「ありがとう。」
三人を連れ作戦会議室に入った。
「これがこの街の地図だ門が三つあるんだがあと8刻までに門を封鎖しなければならないんだ」
「でもでも封鎖したら、出れないんじゃない?」
「ここにはざっと見ても一月分の食糧が蓄えられてるからそれは心配いらない。」
「封鎖ならうちにまかせとき!」
「真桜は工作が好きなので役に立つとをもいます」
「助かる!まず、三人で西門を封鎖、次に東門そして最後が南門だ」
俺がそういうと于禁が質問をしてきた。
「一個一個やるより一斉にやった方が早いと沙和は思うの」
「いや、それだと奴らの行動が早かった場合間に合わず全方面から攻められすぐに落ちてしまう一か所一か所確実に封鎖するんだ」
「了解や、隊長」
「た、隊長?」
「あはは、隊長。了解なの」
「了解しました。隊長」
「・・・・・・まいっか。」
各々作戦の準備に取りかかった。
俺は街の人々に話をして、生き残るために士気を高め戦いの準備をした。
黄巾党から乱世が始まる。
こんなところで死ねるか!!
時間は光の如く去り夜が明けた。
しかし、完璧に補強できたのは東と西の門だけ南門に手間取っていた。
というのも南門は東門や西門に比べ大きな門で
李典曰く補強するには時間とそれ用に大きく加工したものが必要とのこと。
そこらへんの木材や鉄では突破を遅らせるぐらいしか出来ないらしい。
「旦那~!!黄巾党の奴等がみえてきやした!!」
街の偵察が走ってくる。
悪いことは重なるのが常と言うがこうも絶妙なタイミングがあるだろうか。
「投石機と弓、それと武器をありったけ用意しろ!女と子供は後方で火を起こせ!」
「何故、火を起こすのですか?」
「火なんて起こしたら自分たちの居場所を教えてるようなものなの」
「いい所に気がついたな。火で水を沸騰させ奴等の上からぶっかけるのさ。それで戦意を多少はそげるはずだ。」
「うひゃー、隊長もエグい事思いつきはるわー」
「それと保険として俺たちがここで戦っていることを知らせるためだ、もしかしたら他の軍がきているかもしれない。」
そう、たとえ可能性が低くとも全て手を打っておいても損はない。
「楽進は俺と共に門の上へ、李典は投石機を指揮、于禁は後方支援を指揮してくれ。」
「「了解!」」
「なんやなんや!隊長らしくなってきたやん!」
「まぁ、命懸けだからなしっかりしなきゃと思ったんだよ。」
俺たちは持ち場についた。
補強は不完全だから何日持ちこたえるかが勝負の分かれ目だろう。
あとは奴等が疲弊するか隙を見せてくれれば。
「大人しく門を開けろ!逃げ道もねぇんだからよー」
「別に殺しはしねぇよ。女はなキヒヒヒヒ。」
「黙れ!虫以下の下衆共が!!貴様らは、天の御遣い・北郷一刀がいる限りこの門はくぐらせんぞぉ!!」
「「おおおおおおお!!」」
城内の兵達が俺の声に答えるように声をあげる。
「隊長、天の御遣いというのは?」
「ああ、はじめてあった人が俺が光ながら空から落ちてくるのを見たらしくて、俺をそう呼んだからさ。使えると思って」
「御遣い様が味方だ!!」
「俺たちには天が味方しているぞーーー!!」
楽進は士気がさっきとは見違えるように上がっているのに衝撃を受けた。
「ね?俺もこの世界にどうやって来たなんて分からないし、俺が天の御遣いかなんてわからないけど…みんなが幸せになれるなら、御遣いにだって神にだってなる覚悟はあるよ。」
「・・・なるほど」
ボォ~~~~
貝の笛が鳴り響き戦闘のあいづを告げる。
「やれやれ、ぶち抜いちまえ!!」
丸太を担いだ数十人の男たちを中心に突撃して来た。
陣形もなくただの暴徒という攻め方だ。
「于禁!熱湯を運ばせてくれ!李典!投石の準備だ!」
二人に指示をしていると梯子を持った兵に気づく。
「李典、岩であの梯子破壊出来ないか?」
「隊長!私が破壊します!」
「どうやっーー」
「はあぁぁぁぁーーーーはっ!!」
ドゴーーンッ!
俺が言葉を発する前に楽進の手から火の玉?が発射され梯子は消し飛んだ。
何これ?何でもありっすか?中国数千年の歴史っていうやつっすか?
「楽進それはあと何発撃てる?」
「十発は軽くいけるかと。」
こんなのを何発も撃てるのかよ。。。
と、ひきそうになったが今の状況では寧ろ嬉しい誤算だ。
「なら楽進は、そのまま敵の攻城兵器を破壊してくれ!そうすれば流れがこちらにくる!」
楽進のチートのような攻撃と門の上からの熱湯と投石、そして相手のこちらに対する油断。
そのせいなのか奴らは日が沈む前に撤退した。
「奴らが撤退していく。」
今が反撃の時!と言いたいけどこちらには戦力がない。
それに加えこの撤退はどう考えてもおかしい、おそらく増援がくるのを待っているのかも知れない
奴らに対して籠城戦をしかける者も少ないそれゆえ攻城戦の戦い方を知らないのだろう。
「この隙に伝令を出す。」
「伝令?誰を送るんや?」
「伝令は速さが命だだから若い人がいいな。君と君に行ってもらいたい。」
俺は街の若者を伝令として送ることを決めた
すると街の長老らしき人が
「なら、儂が文を書こう…これくらいしか手伝えぬからな。」
「ありがとう、長老。ここから一番近い国と城主はわかるかな?」
一刀がそういうと李典、于禁、楽進の三人が話し始めた。
「近い城主は袁紹やな、あとは・・・」
「少し遠かったけど曹操様の街はとても景気がよかったかも」
「あとは小さい街がいくつかありますが援軍を要請できそうなところはないでしょう」
三人の発言を整理すると近いが取り合ってくれるかわからない袁紹。
街に活気があるのは民への配慮が出来ているということになる。
ということは伝令をうけてくれる可能性が少なからずもあるということ。
もともと、勝つ気はないができるならこの乱を早めに収束したい。
「三人ともありがとう。なら、その二人に送ろう。それと楽進は日が沈んだら俺と偵察にでる。」
「なんで凪ちゃんだけ?」
「うちらは要らんてことかいな!」
「それは違う。于禁は隠密行動にむいていない、そして李典は武器が目立ちすぎるからだ。要らないなんてことは絶対にない。二人がいなかったらこの先戦えないよ」
二人は渋々了解してくれた。
伝令が出発したのを見届けると楽進が声をかけてきた。
「何故、私だけ偵察に?」
「ああ、それは君が冷静に行動できると思うからだよ」
俺がそういうと楽進は話を聞いてきた。
「今回の偵察の目的は何ですか?」
「一つは奴らの潜伏場所に兵糧があるのかと規模、司令官が居るのか?そして。。。。。」
「最後はなんですか?」
「正直、君にはいうべきでないかもしれないけど。。。捕虜、慰安婦の数だ。」
「・・・・・」
「奴らは街から街へ攻め入り、食糧、金、女を奪い破壊の限りを尽くしている。攫われた女は連れ回され慰み者になるのが奴らの行動だ、獣と変わらない……。」
「なら今夜救いに行くのですね?」
「いや、明日だ。」
この答えに楽進は納得がいかないようだった。
「なぜですか!?すぐそこで救える人がいるのに、何故、助けないのですか!!!」
「今日、行動を起こせば数人は助けられると思う。でも明日くるだろう増援に連れてこられる女性たちはどうなる?一回、行動を起こすと警備が厚くなり警戒されるんだそうなると一人を救うのも困難になる。」
「クッ・・・・」
「それに彼女たちを救うのが目的だと知られれば人質にされるだろう。そうなってからでは誰も救えないんだ!だから、一日だけ我慢してくれ」
楽進はやはり知将で、一刀の考えと計画、思いを知り納得した。
「わかりました。隊長を信じます。」
「うん、ありがとう」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
その頃、曹操の陣営では
「華琳様、何やら伝令が来ております。」
「伝令だと?我らは野営をしているのだぞ?」
「いいわ、通しなさい。」
天幕に呼ばれ跪く伝令。
運良くも一刀が送った伝令は黄巾党討伐のために進軍中の曹操軍と合流したのだった。
「お、お初にお目にかかります。私は北郷一刀様の使いのものです。一刀様より親書を預かってまいりました。」
曹操は伝令から親書を受け取り読み始め
親書をよみ終えると曹操は笑い出した。
「あははははは」
「華琳様、いかがなさいました?」
「秋蘭、読んでみなさい」
隣にいる青い髪の武将が読み始める。
「曹操殿、私は城主の北郷一刀です。こちらは軍が無く市民と義勇兵数百人で戦っています。しかし、敵は数万を超えておりますのでどうかそちらで、山中のあたりにある兵糧庫を攻めてほしいのです。もちろん、今回のすべての功績並びに名声は差し上げますのでどうか、御手をお貸しください。」
「秋蘭、それはどういう意味なんだ?」
「この北郷とかいう奴は、兵糧庫を攻撃してくれたら功績と名声をすべて我らに与えると言っているのだ姉者」
「何!それはこちらをなめているのか!!」
二人の武将の怒る姿をみて青くなる伝令。
しかし、曹操は顔色一つ変えずに伝令に訪ねた。
「その北郷の城はどこにあるのかしら?」
「ここから500里位の場所にあります」
「その城の城主は徐礼ではなかったかしら?」
「徐礼様は黄巾党が近くに来たとの知らせを聞いて私兵団を連れて逃げてしまいました。もう、終りかと思っていたところに一刀様が風のように現れ民をまとめ、籠城戦の指揮をしております」
「そう・・・・」
城主の席に目がくらんだ馬鹿でも、英雄気取りの無能でもないか・・・
面白いじゃない。
北郷一刀。あってみたいわね。
「その申し入れ受けましょう。ただし、この戦いが終わったら直接会いに来ることを前提にすることを北郷に伝えなさい」
「はっ!ありがとうございます!!」
曹操は翌日、黄巾党の兵糧庫へ向け進軍を開始した。
そして袁紹からの伝令が戻り袁紹もこちらに向かってくれているらしい。
この知らせが届いたのは辰の刻だった。
しかし、状況は一変した。
黄巾党はやはり増援を呼んだらしい。
敵の兵数は倍とまではいかないにしても数は城を囲むほどだった。
「援軍の兵糧攻めが終わるのは早くても翌々日...なら夜襲をかけるなら今夜しかないが、この死地を生き抜くぞ!!」
「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」
「基本戦術は変わらないが、今日は三方向から攻めてくる。それ故、投石機は南門のみに配置し東と西には弓と弩弓を使う。東門には李典、西門には于禁、南門には楽進に任せる」
「はいなの」
「了解や」
「了解しました」
「戦いは怪我したり、するかもしれないけど。戦いは勝敗ではなく本当の勝利は生き残ることだ!!だから絶対に死ぬな」
黄巾党の攻撃が開始された。
多方面攻撃は兵数が少ないこちらには不利だが、やるしかない
ここで敗北すれば敵地の捕虜やここの街の人々は殺されてしまうだろ。
必ずこの戦いを勝ち抜いてやる。一刀はそう決意し戦いに臨んだ。
「楽進、状況は?」
「敵は負傷兵を運ぶことに精一杯のようで戦う力がそがれているようです。」
「わかった。そのまま頼む」
街の中の移動は馬に乗って時間を短縮する。
すると、于禁が門の上で数人の黄巾兵と戦っているのが見えた。
「于禁!!大丈夫か!!」
俺は黄巾兵を蹴り落とした。
「大丈夫か?于禁」
「はぁ、はぁ、怖かったの~」
梯子の破壊の術が于禁の守備する西門はなかった。
甘かった。俺はやはり素人だ敵の能力を低く見すぎていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「何だ!?」
黄巾党の群れの後ろから金色の鎧を付けた軍が攻撃している。旗には袁の文字。
ほとんど突撃に近い戦法でとてもじゃないがまともな戦法だとは思えない。
だが、数で圧倒しているので敵は浮き足立っている。
「援軍なの〜!」
「敵が浮き足立っている。ならーーーー」
「旦那ぁーーー!!」
李典と楽進から伝令が来た。
二つの門でも袁紹軍が黄巾党を撃退しているらしい。
なかでも、李典のところの門は敵が撤退したらしい。
「楽進の方は現状維持で敵が撤退はじめたらまた伝令をくれ。李典の方は敵が撤退したのならこっちに人を回してくれ!」
セオリーではここで打って出るのが定石だが今回の目的は街を守ることと生き残ること。
できるだけ損害は少ない方がいい。
「よーく狙って〜はなつの〜!!」
「手があいているものは石を落とせ!怪我人は下がらせろ!」
敵軍は攻城をやめ撤退を始めており
この戦いは運で勝てたようなものだ恐らく次は無いだろう。
しかしこれで奴らの陣に乗り込むチャンスが生まれた。
「おお〜黄巾の奴らが逃げて行くだよ〜」
「うおおお!俺ら生きとるどー〜〜!!」
生き残ることができた喜びと村を護った達成感で歓喜の声が上がる。
「たーいちょ。あれやるの〜!」
「え?あれって何のこと?」
「ええっ!隊長知らないの!?」
于禁は目を真ん丸くして驚いている。
あれの?あれってなんだ!?
「ごめん、本当にわからないんだ教えてくれないか?」
「あのねー、戦いに勝った時に勝ったよ〜〜!ってみんなで叫ぶの!」
ああ、ようするに勝鬨のことを言っているのか。
でもあれは将軍とか総大将とかがやるんじゃ。。。
「ああ、勝鬨をあげよーーってやつね。あれやるの?恥ずかしいんだけど。。。」
「もう!隊長!!しっかりしてなのー!!戦いに勝ったってことをみんなに知らせる意味もあるんだから!!」
「。。。。わかった。やるよー。。。」
俺は息を吸い込んだ。考える暇は無い、簡単に戦いのことをふれて、何かそれっぽいものをくっつけて言えばいいかな。
「みんな!我々は獣にも劣る黄巾党を退け街を守り切った!
この勝利はみんな、一人一人が一つになって戦ったからこその結果だ!
考えなければならないことは多いが今は勝利を喜ぼう!!
勝鬨をあげよおおぉぉーーー!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」」
〜南門〜
「こんな即興もいいところの軍で何とかなるもんやな〜。なあ凪」
「ああ、私達は素晴らしい指揮官に出会うことができたのかもしれない。」
「「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」」
「何や!?」
「勝鬨だな。私達も勝鬨をあげよー!!!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」
〜西門〜
「凪ちゃん達も勝鬨をあげてるーー♪」
「ああ、よかった。本当に良かった。。。」
「あの〜すいませ〜ん!!」
「?」
城門を見下ろすと援軍の将だろか二人の女の子が大きな剣と槌を担いで立っていた。
ひとまず李典と楽進にこっちにくるように伝言を頼み俺と于禁は門を開けに下に降りた。
「初めまして、私は袁紹様配下のーーーー」
「っあ。」
顔を見て俺は言葉を失った。
何を隠そう、彼女達は俺がこの世界に来て最初に遭遇した賊である。
「ああっ!てめえは!アタイと斗詩の邪魔をした、いけすかない奴!」
「隊長〜、この人たちと知り合いなの?」
「ああ、少し前に俺を襲って来た賊たちだ。」
「ち、違います!私達はあの辺りに落ちた流星を探しに来たんです!!」
へー流星ねー
んなのあの辺りに落ちたっけなー。
「ふーん、何で流星を探してて俺を襲って来たんだ?」
「落ちた場所に貴方が居たから流星を盗みにきた盗賊と勘違いをしてしまって。」
「本当この世界に来たばかりで丸腰の俺に二人掛かりで襲いかかって来やがって、いい迷惑だ!」
「え?ここに来たばかりって隊長は何処出身なの?」
「俺は違う世界から天の御遣いとしてこの世界にきたんだ。」
訳も分からず村人が言っていた話を信じてもいないくせに言い訳に使う自分が滑稽だった。
「じゃ、じゃあ!あんたがアタイ達が探していた流星の正体なのか!?」
「あなたが天の御遣いなんですか!?」
「隊長って本当に凄い人だったの!?」
「さっきの戦いを見ただろ?御遣いつったって、生き残るのが精一杯なんだ。神の力とか特別なものなんて何も無い。」
俺がそう言うと街の人達が反論してきた。
「そんなことねーです。城主様は逃げてしまって死を待つだけだったオラたちを救って下さったでは無いですか!」
「御遣い様がこられなかったら私達も黄巾党に連れてかれてどうなっていたかわかりません。」
「数百人で数万人の攻撃から城を守り抜く何て神業としか言えませんて!!」
街の人々の言葉に胸が熱くなる。
俺の浅はかな策の所為で重軽傷者がかなり出てしまっているのに俺の功績を認めてくれている。
その姿に俺はこの人達のような人々を護れるようになろうと静かに誓った。
「ふふ、あなたはとても街の人に慕われているんですね。」
「ありがたいかぎりだ。そう言えば自己紹介がまだだったな、俺は北郷一刀だ。よろしく」
「私は顔良と言います。」
「アタイは文醜!」
「沙和は于禁ていうの。」
挨拶を終えると楽進と李典が合流し、袁紹に面会に向かった。
そして、今夜の行動の説明をして協力を要請する為だ。
「あなたがあの城の城主ですの?」
「逃げた城主の代わりをしているだけで城主では無いが、そう言う認識で構わない。
援軍心より感謝いたしました。
袁紹様のお陰で街を守ることができました。」
「おーほっほっほっ!!!そうでしょう!そうでしょう!!見てましたか、私の戦術と軍にかかれば黄巾党なんて取るに足りませんわ!!」
ああ、なんて扱いやすいんだろう。
しかも、あの策も無い突撃を戦術と言っているならこの先生き残るのは無理だろう。
率直に俺はそう感じていた。
「それでこの後の行動に少し提案があるのですが。」
「提案ですの?聞くだけ聞いてあげますわ。」
俺はこれからの動きを説明した。
「話はわかりましたが私たちが貴方に従って何か利点がありますの?」
「そうだ、まず黄巾党の兵糧庫に俺たちが奇襲し混乱を誘う。その混乱の中攻撃を仕掛ければ被害を最小限に抑えて勝てる。更に助けた村人たちにより幅広く袁紹の名が知れ渡り名声はあがるはずだ。」
俺がそう言うと何やら一瞬、間を置いて話はじめた。
「しかし、それは貴方も同じはずでは無いかしら?それなら、貴方達の方が得られるものが大きいのではなくて?」
「いいや、今回の作戦の名声と実績は全て袁紹様に差し上げます。」
「「っ!!?」」
李典、楽進、沙和だけでなく顔良、文醜までもが絶句した。
それもそのはずだ、黄巾党を撃退したその功績は漢室から恩賞を賜るほどの実績であり数百で黄巾党の攻撃を防ぐなど神業のような功績はまでも全て袁紹のてがらにしようというのだから驚いて当然である。
「わかりましたわ。その策に乗りましょう。」
「ありがたき幸せ。必ずや獣に落ちた黄巾党を討伐いたしましょう。」
俺たちは天幕をあとにした。
「ふーーなんとかなったなー。」
「なんとかって、全部の手柄袁紹にあげるとか阿呆過ぎるで!!」
「そーなの!沙和もがんばったのになんにも褒賞もらえないのはなっとくいかないの!!」
「あーそれは済まなかった!代わりと言っちゃ変だけどこの戦いが終わったら俺を好きなようにしてくれて構わないからそれで勘弁してくれ。」
「隊長、もう少し自分を大事にされた方がいいかと思います。」
「俺の物を売ったり金を取ったりしていいってことだったんだけど。。。まさか本当に殺す気だったの!!?」
俺がそう言うと三人はドッと笑った。
そして思いがけないことを楽進が口にした。
「隊長、私の真名を預かっていただけませんか?」
「ええ!!急にどうして!?」
李典や于禁なら冗談だろうと笑って流せるが
真面目で冗談をあまり言わない楽進がいきなり大事な真名を預けるなんて言ってくるなんて、初めの時からは信じられないことだった。
「正直、この戦いで武人として命を散らす考えでいました。しかし、貴方は自分達に生きる希望を与え全てをまとめ千人満たない人数で数万の黄巾党を撃退しました。
この事実に未だかつてない感動を感じました。。。」
楽進のベタ褒めが続く。。。
何これ誉め殺し?
女の子に褒められるなんて人生初めてだ。
そんなこと考えていると
「それゆえ、私…楽文謙を隊長の。いえ北郷一刀様の配下に加えて下さい!」
「え?ええ?俺なんかの配下でいいの?」
「隊長だからなのー。」
「三人で話して決めたんや!」
そういって三人は笑みを浮かべる。
「わかった。凪、真桜、沙和、の真名をあずかるよ。」
「おやおや〜?うちらの真名を覚えてるなんて隊長も隅に置けない人やな〜」
「隊長も男なの〜」
「あ、い、いや…その会話の中で気になってたから自然に覚えてーーー」
「こら二人とも隊長が真面目に話しているのに!!」
初めに真名で呼んで殺されかけたのに、妙に軽い真名の預かり方をしたものだ。
2017/5/2
誤字脱字文修正
何かありましたら連絡お待ちしております。
拙く読み辛い文ですがよろしくお願い致します。