私があの森で死にかけてから早くも3年の月日が経ち、12歳になった。3年前に比べると私は段違いに強くなった。
旅をして知ったことだが、私の今の強さは異常らしい。普通は下界に降りてきた神様から恩恵《ファルナ》をもらってレベルを上げていく。
その点、私は恩恵ももらわずに3年でレベル5相当の強さだったので、話をした人も私自身もとても驚いたものだ。
そして私はある程度強くなったので今はベルとおじいちゃんを驚かせるために家に帰ってきたところなんだけど……
「そんな……おじいちゃんが死んだなんて……」
そう。私が帰ってきたときにはおじいちゃん死んじゃった後だった。
ああ、あの時何が何でも帰れば良かった。ごめんっ、おじいちゃんっ。
「あのね、ルート」
「ぐすっ、何?」
「僕、オラリオに行くんだけどルートも一緒に来ない?」
「へ?」
「強くなっておじいちゃんが話してくれたような英雄になりたいんだ」
「……」
「それに、オラリオに着くまでの時間1人だとつまんないからさ、ルートの話聞かせてよ。ダメ、かな?」
「……いつまでもくよくよしてちゃおじいちゃんに怒られるよね……わかった、一緒にいくよ!」
「じゃあそうと決まれば準備しないとっ」
「私は特に持っていくものはないかな」
「確かに。3年見ない間に僕よりも身長高くなってるし……うう、2歳も年上なのにっ。ちなみに身長どれくらいあるの?」
「ん〜〜多分170くらい? だと思う」
「いいなぁ」
「もお! そんなこと言ってないで早く準備してよ!」
「ごめんごめんっ。今からするよ」
「準備が出来次第出発だからね!」
「うん!」
っと、あれから準備が終わってオラリオに着いてダンジョンに入るにはファミリアに所属しなければならないと、私たちの担当になったエイナさんから言われたんだけど……
「うーん、全滅だね」
「うう〜これからどうしよぉ」
私たちを眷族にしてくれるファミリアを探してるけどなかなか見つからず、廃教会の前で悩んでいる今に至る。
「君たち、こんなところでどうしたんだい?」
「貴女は?」
「僕かい? 僕は神ヘスティアだよ」
「え? じゃあ僕たちをファミリアに入れてくれませんかっ」
「実は私たち冒険者になりたくて……でも、入れてくれるファミリアがなかったんです」
「……」
「あ、あの? やっぱり僕たちじゃダメでしょうか?」
「っううん! ダメなんかじゃないさ! ……でも、ホントに僕のファミリアでいいのかい? 眷族は1人もいないんだよ?」
「はい! むしろありがたいです! ルートも、いいよね?」
「うんっ。兄共々よろしくお願いします、神さま!」
「うんっ、よろしく! ……えっ今なんて?!」
うん? 私今おかしなこと言ったかな?
「兄共々よろしくお願いします」
「え? 君がお姉さんじゃないのかい?」
「はい。私は妹のルート・クラネル、12歳です」
「じ、じゅうに?! ち、ちなみに身長は?」
「170です」
「…………」
あれ、固まっちゃった。
「あの〜神さま〜大丈夫ですか〜?」
そう言って神さまの顔の前で手を振ってみる。
「あ、ああ。大丈夫だよ。で、そっちの君は?」
「えっと、ベル・クラネル14歳です」
「君は見た目通りなんだね」
「なんかすみません……」
「いやいやっ普通はいいことだよ! と、とりあえず、君たちに恩恵《ファルナ》を授けないとね」
そう言うと神さまは廃教会に入っていったので、お兄ちゃんと一緒に後を追った。