~鬼滅の刃~転生鬼断譚   作:天龍寺

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第4話「子龍と巫女の夢」

 

~私~

 

私は毎日夢を見る。

 

夢の中の建物は見たことの無い形をしている。

 

周りも、何に使うか分からない物や知らない服装の人ばかりで、とてもとても怖かった。

 

それでも今と変わらない建物が出てきた時は少し安心する事もあった。

 

そして、隣には何時も同じ人が居てくれた。

 

その人とは色々な所に、動く箱に乗って移動していた。

 

大きな神社に行ったり。

 

海を見に行ったり。

 

知らないけど美味しそうな物を食べたり。

 

顔はよく分からないけど、夢に出てくるのは何時も同じ人だと確信は持っていた。

 

その人はいつも優しく笑いかけてくれていた。

 

私は文句をいいながら、同じように笑っていた気がする。

 

 

「貴方はだれ?」

 

 

目が覚めて何度問いかけただろう。

 

酷く懐かしく、でも経験した事の無いはずの夢。

 

ある朝、目が覚めて私は泣いた。

 

理解したから。

 

ふと、夢の中で、あの人と見た物語を知っていた気がしたから。

 

彼とはもう、夢の中でしか会えない……。

 

私の今を生きている。

 

この世界では会えないのだと。

 

静かに泣いた。

 

7歳の誕生日の夜だった。

 

 

 

~俺~

 

俺はある時夢を見た。

 

前を走る軽バスやトラック。

 

田舎の農村に地方都市。

 

世界遺産の城がある大きな街。

 

超高層ビルが立ち並ぶ賑やかな都会。

 

そんな中を自分とももう一人が乗っている自家用車で、あちこち行った。

 

夢だからか車で走っている道中は全カットされている。

 

いつも俺の運転で、隣には大事な人が乗っている。

 

出雲の大社へ。

 

海が見える鳥取の砂丘へ。

 

出石へ蕎麦を食べに行った気がする。

 

仕事で出張の時以外は毎日見る愛しの顔。

 

 

「君は……。」

 

 

目が覚めて呟いた。

 

そして目には涙が流れた。

 

少し思い出せた。

 

まだ詳しく何をやっていたか分からない。

 

ふんわりと。

 

あの時代に、どのように生きていたかは分かった気がする。

 

でも俺は今、この時代に生きている。

 

この世界ではもう会えない。

 

そう理解してしまった。

 

寝ている爺さんの隣で。

 

静かに泣いた。

 

6歳の誕生日の日だった。

 

 

 

 

~???~

 

?は沢山の夢をみている。

 

平凡で不変な世界。

 

人口が増えすぎたことで、地球から宇宙に出たことで、地球と宇宙で人型兵器で争いあう世界。

 

異星人に侵略され、背水で戦う世界。

 

地球と全く違う、海ばかりで海賊が闊歩する世界。

 

魔法と剣撃が飛び交う世界。

 

限りの無い沢山の夢。

 

そんな世界の1つの中で、幼少の頃にいじめられていた二人の男女が、高校の頃出会い。

 

紆余曲折ありながらも結ばれ。

 

喧嘩や困難を乗り越えながらも幸せな日々を送っていた夫婦が、突如その世界から去る夢。

 

まだ別の夢では、病弱で傲慢で愚かな少年が幸運にも鬼になり。

 

長寿を手に入れた少年が、不幸な鬼を自身の為に増やす。

 

全国で増やされた不幸な鬼は、周辺の人々を更に不幸にし。

 

不幸にあった人々は、その身を殺してまでも

 

鬼を斬る。

 

 

?は数ある夢のなかで、偶然見つけた二つの夢を不憫に思った。

 

だから二つの夢を少し繋げることにした。

 

幸い、夫婦は鬼の夢を観測していた。

 

漫画やアニメとして。

 

元の世界から弾き出されてしまった夫婦に願いを乗せて、鬼の世界に送り出した。

 

そして、二つの特別な本も送り出した。

 

それは?の持ち物だった。

 

願わくば、この夢達に幸訪れんことを。

 

?は夢を見続ける。

 

数多くの異世界や平行世界の夢を。

 

巨大な翼の生えた神々しい神龍は。

 

今日も夢を見続ける。

 

 

 

 

「義父さん!義母さん!神社で遊んでたら、草むらでこんな本拾ったよー!!」

 

「本?こらっ!勝手に拾ったらだめよ!持ってた人が探しに来るかもしれないでしょ!もとあった場所に返してきなさい!」

 

「えー、でもこの本、見つけた時に何か光ってたし、やたら綺麗だし、この本を捨てるなんてとんでもない!って勘が伝えてくるんだけど~。」

 

「お前の勘がか?ふーむ!それならお前が持ってたほうがいいかもしれんな……。」

 

「え?あなた、本当にいってるの?」

 

「ねぇ、いいでしょ?義母さん!」

 

「今まで、この子の勘に山ほど助けられて来たんだ。そんな喜十郎が、また勘で言っているんだ。だから許してやってあげないか?」

 

「はぁ、しかたないわねぇ。でも持ち主が探しに来たりしたら、ちゃんと返すのよ?」

 

「!ありがとう!義父さん!義母さん!えーっとなんて書いてあるのかなぁー。」

 

「そういえばまだ字は習ってなかったな……。ええっと『天の呼吸指南書』かな?なにか武術の指南書みたいだな……。難しい言葉ばかりだから、ちゃんと字を習ってから読むんだよ?」

 

「うん!」

 

「喜十郎にぃちゃーん!、遊ぼー!」

 

「にぃちゃんにぃちゃん!まりけろーよー!」

 

「あら、みんなが呼んでるわよ。本はちゃんと預かっておくから、遊んでらっしゃい!」

 

「わかった!本お願いね!いってきまーす!」

 

「みんな怪我に気を付けるんだよ!」

 

「「「はーい!!」」」

 

 

 

 

「お父さん、先ほど神棚へお供えに行ったら、何も無かったはずの場所に、こんな書物が置かれていたのですが……。」

 

「んん?ワシもさっき行った時には無かったが……。誰かが置いたのか?」

 

「どうなんでしょう?ですが、父さんが入ってから僕が入るまで誰も祝詞殿には入って無かったように思うのですが……。」

 

「ううん……。不思議じゃな……。なになに……。『地の神楽』か、どうやら神楽の指南書のようじゃな。」

 

「神楽の指南書……。どうしてそんな書物が置いてあったかは分かりませんが……。これも御祭神、高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の思し召しかもしれませんね……。」

 

「そうじゃな……。今年は天保9年か……、最近は幕府もゴタゴタしてる様じゃし、ならば、いつ、いかなる時に必要になるか分からんが、内容を確かめて、大切に保管しておこう。」

 

「そうですね、わかりました。必要なら内容を覚えて神楽殿で舞ってることとします。」

 

「分かった。ワシもこの書物について、保管して別の書物に何か書かれて無いから探って置くこととする。頼んだぞ。」

 

 

 

 

 

 

今日の明治こそこそばなし!!

 

喜十郎くんは、あのあと頑張って字を覚えて独学で呼吸法をおぼえたんだ!

 

でも、そのあと家族は鬼にやられちゃったけど……。

 

呼吸をつかって鬼を倒し、生きのこれたんだ。

 

強いね喜十郎!

 

次回第5話

 

再開

 

彼と彼女の途絶えた時間が動き出す

 

 

 




宜しくお願いします


令和8年7月27日より再編集
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