~6年後~
やあ、俺の名前は天龍寺 旅龍!
なんか龍2つもついとって、呼びにくいし、変な名前なんやけど、爺さんはリュウってよんでる。
この名前は、俺がくるまれてたおくるみに書かれとったみたいで、爺さんがみつけてくれた。
あの桜の下で転生?してから俺は、拾ってくれた猟師の爺さんに育てられて、今に至ってとります。
爺さんは、この山で暮らす猟師らしいんやけど・・・。
まだ名前、教えてくれん。
聞いたとしても。
「ワシは名前を捨てた、もう名乗ることもない。呼び方は爺でよい。」
とかなんか言ってごまかされる。
多分この感じ、過去に親しい人が死んで山奥で静かに暮らしてる、英雄だった人って感じがするなぁ~。
俺の感がそう告げてる。
そんな爺さんやけども、姿は身長190cmぐらい。
この時代なら巨人な方で、なかなかゴツくマッチョ。
そんで全身何故か傷だらけ。
左片目にでかい傷があって失明しとるらしいし、左腕と左足もない。
いったい何があったというのかね?(汗)
普段は眼帯と義手と義足をつけて暮らしてる。
でも質が良い感じなんだよなぁ。
平成にあっても違和感ないぐらいなやつで予備もちゃんとあるし……。
義手は木だけやなくて、金具や革もしっかり使われとるし、指なんかちゃんと曲がる。
義足も山道とかの悪路まで普通に歩けるよう作っとる。
この時代にこんなもん作れる職人おるんか?
一旦ええわ、どうせ教えてくれんやろうし、聞くんはやめとこ~。
そんなんで生活できんのかって思うぐらいボロボロな体やのに、倒した巨大熊を片手で運ぶし、薪とか片腕で超高速製造してた時は目を疑ったぜ。
獲物の解体もめちゃんこスムーズに残さず処理しとるみたいやしなぁ。
そう、この爺さん、身の回りのことも全部一人できる超高性能爺さんやった。
分かりやすいキャラで言ったら日本版ビックボス(晩年の姿)。
どーゆーことなの!?
腕も足もないのよ!?
てか何と戦ったらこんなことになるのん?!
戦争でもしてたんかな・・・。
まぁでもすげーいい人で、赤子の俺をちゃんと四苦八苦しながらでも育ててくれた命の恩人だぜ。
今は俺も少し大きくなって動けるから、色々手伝いしてる。
俺の容姿は、黒髪黒目。
完全に日本人の特徴をもってて。
顔はシュッとしてて、女と見間違いそうになるけど、まだ六歳やし、そんなこともあるか?。
俺の息子はちゃんとついてる。
うん、将来イケメンになれたら嬉しいです(意味深)。
それと、爺さんから色々話きいたんやけども。
今は明治31年。
森で目が覚めた時は6年前やから25年かな?
多分。
そう、明治。
俺が生きて?た時代から約百年前。
俺は時代を逆行していることが分かった。
通りで電気も水道も通ってねぇーし、大量生産品もほとんど見当たらねぇ。
夜なんか囲炉裏と行灯しかないから真っ暗。
最初頃なんか夜中に目が覚めた時、まだ瞼瞑ってるんか?
って本気で思ったしなぁ。
そんで生活するには全部手作業な訳や。
冷蔵庫も電子レンジも蛇口もない。
辛うじてマッチはあるみたいやが、薪に火を起こして、水を汲んで、飯を炊く。
生きるだけでも一仕事や……。
未来の文明の利器達が目に浮かぶぜ……。
建物も江戸期の様式そんままやしなぁ。
囲炉裏に壺型の汲み取り式便所に竈門……。
竈門?
なんか引っかか……、まぁええは。
でも、何でこの時代に来たのかは、未だに不明。
一応、爺さんに聞いた限りは、俺が知ってとる日本の歴史との差違はあんまし無さそうやし。
まだ変なモンスターとか、魔法とかは見たことないから、今のところ、多分、ただの平行世界(俺が存在してるから)が有力かな?
まぁ何が起こってもええように、爺さんにお願いして体は鍛えてます。
俺、6歳やけど。
3年ぐらい前に爺さんに内緒で、一人で鍛練しとったら見つかってもてな~。
まあ、その機会にと思って爺さんに鍛練を手伝って貰えるようにお願いしたんやけど。
その時はすげぇ嫌な顔されて、頭を抱えてたな。
何でかは知らんけど。
まぁ拝み倒したら許してくれた。
感謝感謝。
今日も爺さん監修の元で筋トレと、爺さんと一緒に走り込み。
といっても家の周りだけ、爺さんが許してくれん。
3年前とは別で、ナイショで一人鍛練(マラソン)しとって、ちょっと遠くに行った時は、爺さんが血相抱えて捕まえに来たぜ……。
あん時はびびった。
そんな治安わるいんか?
3㎞ぐらい行かんと、誰とも会わんのんやけど 。
それにしても爺さんが凄い。
片足なくて、義足はいてんのに、息も切らさず、足音はさずかに走っとる。
忍者かなんかか?
走り方も何か武術チックやし。
まぁ、たしかに俺はまだ小さいし、歩幅的にも勝てないのは当たり前やけど。
それでも速い。
あんた本当70歳か?
どっかでサバ読んでねぇか?
爺さんに何か走るときのコツがあるんか聞いたんやけども。
なんか特種な呼吸法があるんだと。
なんかこう、コォォってすって心拍数整えたり増やしたり的な。
擬音多すぎて良くわからん。
でも、何かどっかで見たか、聞いた記憶があるんだよなぁ~。
走り続けても疲れない。
いざというときは力が出る呼吸方・・・。
喉まで出かかってるんやけど。
システマ?
いや違う、あれロシア初やし、まだ出来てへん……。
影武流?
いやそれも武田関係の元家伝やしなぁ、絶対ちゃう……。
わからん、わからん、わからん、わからんことづくしじゃ。
そう、教え方のことやけど。
六年間一緒に爺さんと暮らしとってわかったんが。
爺さん教えるの下手すぎ。
大体が擬音だから、とんでもねぇ。
何年か前に薪がうまく割れなくて、聞いたら。
「ん?こうグゥって降りかぶってストーンってすればほら割れた。」
なんのこっちゃい。
まぁ見てたらだんだん分かってきて、なんか記憶にもおぼろげやけども、やったことあるような気がしてきたから、出来るようになったけど。
まぁ基本、見て覚えるしかないですな。
他にも銃の撃ち方(爺さんはボルトアクションの猟銃を片手で撃つ、どうゆうことだってばよ)とか、山での歩き方含めたサバイバル技術や体術などなど。
爺さんは教えるの下手でも一生懸命教えてくれる。
中には水中で息を長時間止めたり、岩をひたすら殴ったり、崖から蹴落とされたり、死にそうな思いするときもあるけど。
てか岩殴るってなんやねん。
部位鍛錬?
爺さんに意味あるんか聞いたら
「ある。」
「……………………理由は?」
「ある。」
「………………(絶句)。」
意味は!?理由は!?
身体で覚えろ方式にもほどがあるやろ!?
まぁなんとか鍛練をこなしとりまーす。
でも剣術は何故か教えてくれない。
家の神棚にデカイ大太刀(モンハンの大太刀のようなクソデカ大太刀)と小太刀が置いてあるから気になって聞いてみたんやけども。
「あの刀本物?」
「ああ」
「爺さんが昔使ってたやつ?」
「…………ああ……。」
「へぁーすげーぁなぁ、あんなデカイ太刀どうやって使うん?」
「……すまん説明できん。」
「えぇぇ。」
ってな感じでごまかされた。
またかっ……。
剣術教えてってきいても。
「スマンがまだ早い。」
とか
「もっと大きくなったらな。」
とか言われる。
ちゅらい。
俺だって多分日本男子。
かっこよく日本刀、しかも大太刀使いたいんやけどなぁ。
まぁ、どっちにしろ筋力ないと持ち上げることすら不可能やし?
死にそうですが鍛練しますとも。
明日は朝日が拝めるかな?
今日の明治こそこそばなし!
無断で走り込みに出たリュウくんは、麓の村で休憩がてら団子食べてる時に、無表情顔面灼熱全力疾走で突撃してくる爺さんを見て、人生をあきらめたそうです!
次回第3話
龍の孵化
身は小さいながらも鍛えられる龍。
龍はその秘めた力を発揮できるか。
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令和8年7月19日から再編集