えー、最近人が神隠しに合う、と言われる、彼岸花が有名な町に槇寿郎さんと一緒にやって来ました。
どうもリュウです。
ごきげんよう。
隊員家族用医院から、歩きと交通機関を駆使して、とある地方の町にやって来ました!
山々の間にある平地を利用した町で、人口もそこそこ居そうやけど、繁華街があるような街ではない感じやな。
そんな町なんやけど、早速なんかおかしい。
さっき町に入ったんすけど、ちょっと空気が重い感じがしやす。
それと、町に入った瞬間に、何か違和感があったんだよなぁ。
人通りも、町の規模からして、もうちょいおってもええはずなんやけど。
それに、町の中心に近づくほど、違和感は強くなる……。
うん、一旦槇寿郎さんに伝えた方がええやろ。
「槇寿郎さん、ちょっとこの町、違和感があります。それも中心の広場に向かって行く事に強く。ただ、まだ朝方なので、鬼はまだ活動してないはずなんですが……。」
「うむ、確かに、鬼のような気配はあるが……、とりあえず、その違和感がある方向へ行ってみるか。そうだな、まだ朝方だから、まだ鬼はいないだろう。それでも、何か手掛かりがあるかもしれん。」
槇寿郎さんも感じてたか……。
俺のセンサーレーダにも引っかからんしなぁ。
多分上手いこと、何かしらで隠れれるんやろうな……。
ま、とりま町の中心へGO!。
~町内広場~
町の中心は、広場になっとって、さっきよりは人通りもそこそこありそうやけど……。
こんな所に鬼はいるんやろうか?
よし!全集中で広範囲レーダー発動!
…………………………。
んん?
鬼の気配はないぞ?
いや、全く無いこともないんやけど……。
なんかこう、うすーく広場から広がってるかんじ?
ほとんど町を覆ってるなこれは。
「槇寿郎さん、かくかくしかじかしかくいむーぶ、まるまるうまうままーるいぱっそ、なんですが……。どう思われますか?」
「うーむ、どうやら鬼が血気術を使った名残のようだな……。だが、やはり肝心の鬼はいなさそうだ。仕方ない、2手に分かれて聞き込みをするか?ここで血気術を使うとしても恐らく夜だろう。夕暮れ前に町外れの藤の紋屋敷で合流しよう。」
「了解です!俺は先に藤の紋屋敷に顔を出して、事情説明とこの町の情報を聞いてから、町の外周を回ります。」
と言うことで、一旦2手に分かれて情報を集めることに致しました。
初任務の時より、町の規模が大きいし、鬼の隠蔽も巧妙みたいやからな、畑仕事のおっちゃんみたいにパッとは情報落ちんやろ。
どっちにしろ、この広場にも、強力な鬼は、まだ居ないっぽい。
基本、無惨の血が多いほど、センサーには、かかりやすいはずやからな。
まぁ、この町全体に気配があるって事は、それほど力があるって事でもある。
それでも絞れんのは、町中やと、人が多いから、分かりにくいんかな?
夜だと鬼が活発化するから多少絞れるかも知れん。
そんじゃ、槇寿郎さんは広場周辺から調べるみたいやから、俺は町の外周へ行くかぁ~。
と言うことで、先に集合場所である、町外れの藤の紋屋敷にきましたよー!
これくらいの規模の町なら、どの町にも、しれっと存在してたりするみたいやな。
そんだけ鬼の被害があるって事やけど……。
ま、後で来るにしても、アポだけはとっとかんとな~。
「すいません!鬼殺隊の者です!」
「はーい!少々お待ちをー!」
ここの住人の方は、若い夫婦二人と子供二人の四人家族。
旦那の祖父の時代から、鬼殺隊を支援しているそうです。
この町の人で支援者なら、少なからず情報を集めてるやろうしな。
「旦那さん、最近この町で失踪者が出たと聞いて来たんですが、何か詳しい話はありませんか?」
「ええ、鬼殺隊に連絡したのは私共ですから、事件があったあと直ぐに町の人達に声をかけておきました。」
やっぱり情報を集めてくれてたか、鎹鴉で、ある程度情報のやり取りをしてるんやろうけど、詳しくは現地で聞いた方がええしな。
旦那さんの情報は以下の通り~。
1:失踪者が出始めたのは、先々週の初め。
2:失踪したのは深夜、状況的に皆が寝静まった頃。
3:失踪していない人達は皆寝ていた。
4:夜中に外出していたり、よなの室内でも、起きていたであろう人が失踪。
5:失踪者が出た深夜の外の状況を誰も知らない。
6:失踪者は町の中心に近いほど多い。
でした。
うーん、深夜に起きていた人達、それも家の中にいた人達も失踪しているのか……。
寝ている人と、起きている人で差がある?
「旦那さん、その失踪者の家族とかに会うことはできますか?」
「そうだな……、中心近くの茶屋の旦那が消えたって聞いたから、そこの奥さんが1番詳しいかもしれない。店はしまっているが、話してくれるだろうと思う。」
ほう、一家諸共とかでもないと。
これは意図的に何かしてそうやな……。
「ありがとうございました、また夕方寄らせていただきます。」
「わかりました、お気をつけて。」
よし!
とりあえず、外周もまわってから、そこへ行ってみるか。
その時の状況が詳しく聞けるかもしれんしな。
~中心近くの茶屋~
外周も調べてきたぜ!
やけど、旦那の情報以上のもんは無し。
血鬼術を用いた細工のようなもんも見当たらんかったな。
やっぱ町の中心で何かありそう。
というわけで、茶屋に来たんやが。
外用の椅子がしまわれてる。
暖簾もあがってない。
やっぱりやってないんやな。
「すいません!誰かいらっしゃいますか?」
「はい、なにようでしょうか?店はご覧の通りしまっておりますが……。」
うーん。
奥さんは酷くやつれた姿で出て来てくれた。
辛いだろうに、ごめんなさい。
「ごめんなさい、辛いでしょうが、依頼されて、失踪事件について調べている者です。まぁ、失踪や殺人を専門で調査してる探偵みたいなもんでね。とある方から、貴女の旦那様が失踪されたと聞いてやって参りました。出来たらお話を聞かせて下さいませんか?」
「…………、ここでは何ですし、奥へどうぞ…………。」
「ありがとうございます。」
見ず知らずの子供やのに、すんなり通してくれたな。
ほんまやったら、もっと警戒されてもええんやけど、よっぽど参ってるんかね?
それか猫の手も借りたいんか。
奥へ通された俺は、茶と茶菓子を出されて、先に茶菓子をいただきま
うまい!
「おお、この茶菓子美味しいですね。ここでお作りで?」
「ええ、そうです、いつも旦那が夜遅くまで仕込みをしておりました。」
はえー!めちゃウマやんけ!
産屋敷邸でも良い茶菓子はよく出て来てたけど、その上をゆくぞこれは。
まだ助かるなら、これは早いところ助けに行かんと、国家の損失レベルかもしれん。
「そうですか……、詳しく教えて下さいませんか?」
「はい、信じてくれるかは、分かりませんが……。」
~奥さん~
あの日の夜も、いつも通り店をしました。
夕飯を食べてから、旦那と私は仕込みをするために台所で準備しておりました。
この日は、いつもより、色々な茶菓子が多く出たので、遅くまで仕込みがかかりました。
所々で休憩や夕飯を挟みながら、作業を続けていたのですが、さらに夜が深くなって来た時に旦那が……。
「キヨミさん、あとは私がやっておくよ。子供と一緒に寝てやってくれないか?」
そう言われました。
最近、夜に失踪者が出たと聞いていたので、心配していたのですが、外には絶対に出ないと約束して頂いたので、お言葉に甘えて、その日は私と子供だけ、旦那より早く寝ることにしました。
次の日の朝。
旦那は忽然といなくなっていました。
朝早くに買い出しに出たのかな?
とも思ったのですが……。
昨晩の仕込みが、途中で放ったらかしになっていて、履き物も玄関にそのままでした。
ですが、玄関扉が開きっぱなしになっておりまして、言い含めていたのに外に出てしまったのかと、慌てて町の中を探して回りました。
ですが
「旦那はみつかりませんでした……。どうして?…………、仕事を誇りに持っていて、途中で何処かへ行く人では無いんです。それに私と交わした約束は必ず守る方なのです。必ず何かがあったんです……。」
ふむ。
たしかに不自然やな、この菓子を仕上げる程の腕前。
聞いただけでも、仕事を蔑ろにする人には思えんな。
それに、履物は残されていたか……。
何か危険に見舞われたか?
それにしては、玄関先も荒れたような様子はなかったな……。
それでも玄関扉は開いていた。
外から誰かが入ってきて昏睡させて連れ出した?
うーん、分からん。
まだ可能性が多すぎるな。
「すいません、辛い思いをさせてしまいました。すいませんが、他にも、旦那さんが居なくなる直前、なにか変わったことはありませんでしたか?なんでもいいです。旦那さんの様子とか、周りの環境とか。」
残った作業の様子からして、奥さんが眠った直後の可能性があるな。
もしかしたら、何か違和感を持っているかも。
「ええっと………。旦那の様子はいつもと変わりませんでした。そうですね…………、あの日……、私が寝付く前、とてもじめじめしていた記憶があります。昼間はカラッとしていたので、特にあのじめじめ感は記憶にはありますが、でも他のことは……。すいません。」
「いえ、ありがとうございました。参考になりました。心を強く持ってください。必ずこの事件を解決してみせます。できたら茶屋をまた再開してください。とても美味しかったです。」
普段真面目な人が、仕事を放り出してまで外へ出た。
履物も履かず、出るなと言われていたにもかかわらず、家族になにも告げずに。
そして失踪直前に湿度の上昇?
血鬼術か?
うーん。
状況からして、何者かに、それも不明な手段で連れ去られた。
鍵は……湿度。
帰り間際、奥さんに他の失踪者ついて話を聞いたんやけど、奥さんも気になって、常連さんとかに話を聞いとったみたいや。
その結果、その日の晩は、やっぱり急に湿度が上がっていたらしい。
それと、あと数人の被害者の親族を教えてもらって茶屋を後にした。
失踪者は無事だろうか?
いや、絶望的かもしれん。
最初の失踪者は2週間以上前やし、相手は鬼の可能性が高い。
よっぽど特殊な鬼やないとすぐ食われてまうはず。
どちらにせよ、これ以上被害を出す訳には行かねぇな。
早く解決させんとな。
それから、あと数件話を聞きました。
当日、酒を飲みに出た老人が帰ってこない。
一緒に寝ていたけど、厠に行ったっきり帰ってこない。
夜遅くまで仕事をしていた人が、次の日の朝、全てを放り出して消えた。
等々。
どれも夜、しっかりと起きていた人達が失踪している。
男女、年齢問わず。
湿度が深夜だけ上がっていると言うことは雨が降った?
でも次の日に路面は濡れてなかったそうやから……。
霧か?
そろそろ夕方や、槇寿郎さんも何か掴んどるやもしれん。
藤の屋敷に戻ろう。
それにしても『あれ』頼んで買ってもらっててよかったぜ。
多分必要になるからな。
今日の明治こそこそばなし!
煉獄 瑠火さんは、槇寿郎さんをからかうのが好きらしいよ!
そして今回もなにやら企んでいる様子。
楽しみだね!
次回第4話
鬼炎の争い
そして夜が、くる。
お読みいただきありがとうございました
令和8年7月31日より再編集