鬼滅2章5話
~下階~
どうも、馬車洋館からお送りしているリュウで、す、が……。
SANチェック
成功で1
失敗で1d3
成功
SAN-1
眼前に広がるのは夢かな~?
誰もこんなエログロ望んでないんですけど……。
部屋は霧で充満しとるし……。
てか、こぅから屋敷全体に、さらには馬車の外にも溢れるようにしてそうやな。
被害者を逃がさん為か?
拘束らしい拘束はされとらんが、血鬼術には自信があるんやろなあ。
室内は大広間なだけあって、小さめの体育館みたいな広さはあんなぁ。
にしても、被害者達、めっちゃ整列されとって、変な触手に頭噛みつかれとるし、全裸やし、傷だらけというか、色々と体の1部がとれとるし……。
ははは……。
趣味わっっるぅ!
あーもう許さん。
「あれー?あたらしーかち」
シュン
ブチン
急に後ろに出現した鬼の分体の首を速攻で切り落とす。
だが、それは溶けて消滅する。
「…………。」
「あーら、ひどいで」
シュン
ブチン
前に出現した鬼の分体の首を速攻で斬る。
「…………。」
「「なによもー、しゃべ」」
シュシュン
ブチチ
左右に出現した鬼の分体の首を速攻で斬る。
「…………。」
「なによ!せっかくやさしくちょうきょうしようとおもったのに!ゆるさな」
「十握の雷鳴、一閃」
シャン
ブチン
遠くに出現した鬼の首を斬る。
あーめんどくさ。
今、この被害者達にゃ、なんも出来ることはない。
俺のセンサーがそう言っている。
この鬼の様子から、逃亡防止の策は他にもされてそう。
恐らく、このまま頭の触手を無理やり外そうとしたり、斬り落としたりすれば、脳の中に大量の霧が注がれて破壊され、良くて灰人、悪かったら……。
そんで、薬で眠らせてしまっても、体は元に戻らなんだろう。
そもそも動かすことが出来ん。
無くなっている体の部分には、転移的血鬼術の痕跡がある。
と言うことは、もしかすると感覚は繋がったままかもわからん。
やけど恐らく、この能力を持った鬼を倒せれば、体は元に戻るかもしれん。
まぁ、血鬼術ではなく、すでに鬼に物理的に食われたところは、戻らんかもしれん。
それに、触手と転移の血鬼術は別々の鬼のもんみたいや。
体が戻ったとしても、頭についた触手を操る鬼も倒さなければ、正気に戻らないんやろうしな。
そんで、さっきから現れる、このメイド服を着た女の鬼の分体は、霧と触手を操る鬼。
触手から霧が吹き出るのが見える。
これで被害者達を洗脳してるんやろな。
その目的は恐らく食料の維持。
特に血を集めていそうや。
時折触手が何かを吸っている動きをしている。
その血は何処に行ったのかは、わからんがな……。
「おこりまーしたわー!あなたはー!そっこくかいたいでーす!」×10体
「十握の雷鳴」
ズザン!
ブチン×10
槇寿郎さん。
いくら雑魚でも、どれ程長く持つかわかりません。
この鬼自体も血鬼術は操るが、力は下鬼と変わらんがな。
極力、最小限の動きでやっとりますが、周りには被害者達が並んでんねん。
これ以上、傷つける訳にはいかん。
頼みましたよ。
斬!
~上階~
俺は今、急いで上階へと続く階段を登っている。
だが……。
「…………、この階段は……、どこまで続く?まさか空間がかわった?」
リュウと別れ、玄関から二階に上がる階段を上がり、そこにある二階の扉を抜けると、今度はどこまでも続く階段が姿を表した。
まるで、上がってくるな、といっているかのように……。
永遠に続くかと思った階段だが、しばらく進むと扉は見えてきた。
「やっと階段が終わったか……、余程警戒している様だ。扉の奥に気配はある……。鬼がいるな……。よし、押し入ろう!」
バン!
「おやおや、こちらへ来てしまいましたか……。下の階に会場は有るのですがねぇ……、仕方ない、私が接待して差し上げましょう!」
そこは洒落た西洋酒場のような風貌の部屋で薄暗く、酒用の仕切り台がある。
周りの壁には、何が入っているか分からない、酒瓶や杯が所狭しとならんでいた。
そしてそのカウンターの裏に、玄関に居た、あの鬼がいた。
鬼は変わらず執事の服を着ていて、
何か容器を振っていた。
リュウ曰く、違いそうだが、一応聞いておこう。
「御託はいい、お前がこの血鬼術の元凶か?」
「さあ、どうでしょうねぇ?どうです?一杯……。」
鬼はそう言うと、振っていた容器から真っ赤な液体をグラスに注ぎ、それを仕切り台の上の前へ差し出してきた。
「ふざけているのか?まぁいい……。斬ればそれでわかるだろう!炎の呼吸、壱の型、不知火!」
爆発的な踏み込みで鬼に迫り、刃が鬼に当たる直前、グラスがツララのように変形し、まるで生物のように俺に向かってきた。
「!?」
が、何とか回避し、少し距離をとる。
先程のツララを避けたのもあるが、鬼の後ろにある酒瓶に異様な圧力を感じたからだ。
「あら、残念、お口に合いませんでしたか?、まだまだ沢山ありますから……、召し上がっていってください!」
鬼はそう言うと、机いっぱいにグラスを並べ、後ろの棚から液体のビンを取り出し、すべてグラスに注いだ。
こいつ!?
「!?貴様っ!」
そのグラスには……。
目玉、耳、鼻、指、さらには男○まで、一つずつ赤い液体に浮かんでいる。
煉獄 槇寿郎、SANチェックです。
「ひゃは!どうです?美味しそうでしょう……。取れたての食材でご用意しましたよぉ。どうぞお召し上がりください?」
出されたグラスは直ぐに変形し、各々入っていた物体が巨大化し、周りに肉を着けて、まるで生き物のように襲ってくる。
惨い……。
こやつらも元は人間……。
何故このような事ができるのか。
「貴様!許さん!」
この異様なツララの様な物、思ったより速い。そして、これらは恐らく元々被害者達の…………。出来れば傷つけたくない。まずあのゲスを始末せねば!
そう思いながら、被害者の肉片の攻撃を刀の峰でいなしながら凌いでいく。
「おやおや、切らないのですか?ひゃは!残念……。これらはまだまだ家畜と繋がったまま……。攻撃を与えれば下階で愉快なことになるはずだったのですが……。ですが時間の無駄ですねぇ……。貴方も液体になってください!ひゃはは!ひゃははは!」
そしてグラスだった物達が同時にツララに具現化し、飛びかかってくる。
「ふん!舐めるな!炎の呼吸、壱の型、不知火!」
この程度の包囲なら、不知火の爆発的な歩法で抜け出せる!
そのまま無防備な鬼に迫るが、鬼は飛んで避けられる。
「さっきと同じ技ですねぇ!覚えちゃいま」
なら別の型を使うまで!
「炎の呼吸、伍の型、炎虎!」
そして、鬼の首は取れた。
~下階~
どれ程鬼を切っただろうか。
50を越えてから覚えていない。
だんだん腕が上がらなくなってきた。
そらそうや、いくら省エネモードでも、大太刀振り回してんやもん。
そんで、残念ながら、小太刀では対象に届かん。
思ったより、このメイド鬼はすばしっこいからな……。
斬っては増え、斬っては増え。
プラネリアかなんかかお前?
やけどそうやな、日輪刀やなかったら、鬼ってこんな感じなんやろなあぁ。
あーしんど。
そんなこんなで首切工場を稼働していた所でなんやけど……。
先ほど無くなっていた、被害者達の体の一部が戻った。
槇寿郎さんが、転移の血鬼術を使っていた鬼を斬ったんやろな……。
やけど、やっぱ戻らん人もいるみたいや。
…………。
これが『鬼』のすることか……。
『人』が『鬼』にされてすることか!
ふつふつとどす黒い物が込み上げてくる。
だがまだ鬼は現れる。
「あれー?つかれてきたのー?あんまりー、うごかなくなってきたねー、はやくごはんになっ」
ブチン
マスクのせいで呼吸がつらい。
被害者達が見舞われている幻覚が押さえられるからいいが……、こればかりは……な……。
この鬼の本体が殺られれば、触手は消えるだろう。
だが、同時に麻酔のような幻覚も消えることになる。
その時、体の一部を失った人は苦しむだろう。
手当てをしてやりたい。
やけど、鬼はまだ湧く。
「あれー?あのじじぃしんでやんのー、まあ、うざかったからいいけどねーほらーちょっとちからをわけたからーこんなこともーできるよー」
急に周りの被害者達が動き出す。
だが、まだ意識は無さそうや。
ここへきて鬼強化か……、つらいぜ ……。
被害者達を避けながら、
鬼を斬る。
正確に、無駄がなく、首だけを……。
恐らく無駄だろう、ここに出てくる鬼は幻のようなもんや。
やけど、切った鬼は消える。
やけどホンマに体力……が……。
!?
「ほーら!へんなふくめん?とれちゃったよー!かいらくにおちちようねー!」
マスクがっ!
ヤバい、意識が…………。
今日の明治こそこそばなし!
リュウは被害者を避けながら、鬼を斬っていたんだけど、原作の柱稽古の太刀筋矯正を実践的に行ってる感じで、だんだん太刀筋がよくなっているんだ!
ぶちギレながらね!
次回第6話
神龍の怒と水の救援
意識を失ったリュウは、また夢を見る。
あの頃の夢を。
お読みいただきありがとうございました
令和8年8月2日より再編集