~鬼滅の刃~転生鬼断譚   作:天龍寺

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第10話 「大団炎」

 

~隊家医院瑠火の病室~

 

バッ!!

 

煉獄 槇寿郎により、カーテンがめくられる。

 

恐る恐る、足元から煉獄 槇寿郎は見上げていく……。

 

恐ろしい……。

 

あれだけ元気だったのに、何故……。

そう思いながら……。

 

そして、煉獄 槇寿郎の目に瑠火の姿が飛び込んできた。

 

そこにいた『者』は……。

 

金髪で、末端が赤く。

 

ライオンのように跳ねた、長い髪。

 

眉毛は黒く、途中で2本に枝分かれしている。

 

まるで煉獄男子のような姿をした……。

 

 

【瑠火だった!!!】

 

 

「ぬぅあ!!!???」

 

「ぶふぅあ!!!くっくっ!くは!はははは!」

 

「これで、私も本当の家族になれました。」(真顔)

 

そう!この演出は、山場を超えた煉獄 槇寿郎を驚かす為に、原作を知っていた零華と、ちょっとお茶目な煉獄 瑠火が仕掛けた、

 

壮大なドッキリだったのだ!!

 

ババン!!

 

「ちょ!な、なぜその様な姿に!!あれか?!俺のせいか!?(ぐるぐる目)俺が子種を与えすぎてそんぐほぉ!!!」

 

混乱し、他人の前ではしたない言葉を口走ろうとした煉獄 槇寿郎のみぞおちに、煉獄 瑠火の右ストレートが炸裂する。

 

パシャ

 

「さすが最新式のカメラ、よくとれます。」

 

パシャ

 

零華は、脳内が混沌と化し、醜態を晒す煉獄 槇寿郎を激写する。

 

「子供たちの前で、それに他人様の前で、その様なことを言ってはいけません!!」

 

「ぐふっ、ずびばぜん。」

 

油断していたのか、いくら強靭な炎柱の腹筋でも、柔らかい時に喰らえば相当効いたのか、顔からあらゆる液体を流しながらそう答える。

 

「ぶふっ!!もう、もうダメ!!ははは!あーはははは!!」

 

「こwこらww千寿郎!ww笑ってはだめだ!ww 父上は母上を心配してwwぶふぁ!!」

 

「きょう(杏寿郎)よ!くくっオメーももう笑ってらぁー!!ははは!」

 

その様を見ていた三兄弟(仮)は我慢の限界を迎え、大爆笑しているのである。

 

「お、お、ま、え、ら……。」(怒)

 

「零華さん、後で写真焼き増ししといてくださいね。」(真剣)

 

「もちろん!」(良い笑顔)

 

「や、止めてくれ!恥ずかしい!」

 

「「「ぶわっははははは!!」」」

 

そんな中、瑠火は最新のカメラで撮った写真を要望し、零華はそれに答える。

 

ちなみに、このカメラは産屋敷耀哉が子供の為に購入した物を零華が借りてきている。

 

「嫌です~、悪かったですね~?小娘が医院長してて~。」

 

「ぐはぁ!!」

 

そう、零華はこの間言われた悪口を教えて貰っており、少々イラッとしていたのである。

 

「ぶふっ、ち、父上!また人の悪口を言ったのですか!そういう所、ダ、ダメだと思います!ふふっ!」

 

「ぐほぉ!!う、うるさい!!柱はなぁ!うっぷんがたまるのだ!たまにはいいだろう!それと笑いを堪えながら言うでない!!」

 

かつて、ここまでけちょんけちょんにされた柱はいただろうか……。

 

いや、無い。

 

「ぶっ!ははは!、し、死ぬ、ふふっは!!」

 

「ぶふぁ!リュウ兄さん!杏寿郎兄ぃ様!だ、だめです!あはははは!つられて!!息が!」

 

「ぶふぁ!はははは!すまん!はははは!」

 

「お前ら!笑いすぎだ!!」

 

死にかけの息子3人を怒鳴りつけるその背中は、もうただの親父でしか無かった。

 

「こら槙寿郎、誰のせいだと思っているのですか!あなたのせいですよ!」

 

「え?あ、はい、すいません、ん?俺のせいか?」

 

「「ぶふぉ!!!息が・・・!」」(びくんびくん)

 

「リュウ!?www千寿郎!?www大丈夫か!!」

 

そして、窒息寸前のリュウと千寿郎を心配する杏寿郎。

 

この日、日が落ちるまで、笑い声が部屋中にこだましていた……。

 

 

~夜~

 

いやー笑ったぜ。

 

戦いで死ぬんじゃなくて、笑い死ぬところやったわ。

 

煉獄一家は先に帰った。

 

煉獄のおやっさんは、なんやかんや言っても、晴れ晴れとした顔で、瑠火のかーちゃんに項垂れてたわ……。

 

どういうことだってばよ……。

 

キョウは、疲れはてて、眠ったセンくん(千寿郎)をおぶってたな。

 

さすが兄ちゃん。

 

いやぁ、ええ家族やなぁ。

 

ちょっと羨ましく思ったぜ……。

 

さて、俺はレイちゃんに呼び止められてまだ医院におります。

 

なんやろ?

 

それにしても、笑い過ぎて、この前ならんかった顔の筋肉まで筋肉痛になりそうなんやけど……。

 

「レイちゃんどうしたん?」

 

「…………リュウちゃん、骨折れてるやろ。」

 

!?バレテーラ!

 

怒られるからってバレへんように誤魔化してはおったんやけど……。

 

さすがに笑ってた時は痛かったから、それで分かったか?

 

「ばれたか……。猗窩座と鉢合わせしてな、レイちゃんにもらった御守りがなければ腹に穴空いてたやろうな……。」

 

あれはホンマに助かった。

 

前の戦いの影響で、対応が遅れてもたからなぁ……。

 

「…………はぁ、ならまぁしゃーない……、嫌な予感しとったから、渡しとってよかった。また渡すな?ここに来る前に手当てはしてきたんやろ?」

 

「おお、藤の紋屋敷でな、薬湯ものんだぞ。不味かったけど……、あと呼吸の常中で、骨はもう繋がってきてな。ワンチャンさっきの笑いで悪化しとるかもしれんけど。」

 

「…………後で薬湯な、……それはそれとして、えらい治るの早いね。」

 

うへぇ……。

 

原作で、あの善逸が嫌っていた薬湯、ホンマに不味かったからなぁ……。

 

レイちゃんプロデュースで、これでもちょっとましになったらしいんやけど、変わらず不味い。

 

まぁしゃーないか……。

 

今もちょっと痛むし……。

 

「はぁ、薬湯はしゃーない。後で飲むわ。治癒に関しては、俺もそうおもう。」

 

「…………実は、鎹烏から報告受けたんやけど、背中に龍の痣があるんやて?」

 

「ん?ああ、赤子の時からあるみたいやけど、それがどうしたん?」

 

痣か……、俺の背中にあるやつなんやけど、背中やから、直接は見れんねんけど、鏡でちょっとは見たことある。

 

日本やし、青龍なんかなと思ったけど、なんか厳つい西洋龍っぽい見た目なんよなぁ……。

 

「……剥いでいい?答えは聞いてない!」

 

ちょっ!メス持ってこっち来ないで!!

 

「え!?なんで!?ちょっ!やめて!」

 

「なんか背中光らせて暴れまくってたらしいやん!絶対なんか起こってるやん!私のリュウちゃんの体に何をしたーー!!」

 

「いやー!やーめーてー!」

 

ほんとやめて!おやっさんが錆兎から確かに光ってたらしいと聞いたらしいんやけど、別に何ともなってへんから!

 

多分別の要因やと思うから!

 

待って!

 

…………。

 

ちょっと間して、何とか窘めれたけど、代わりに噛まれました。

 

疲れた……。

 

これでもまだ完治してへん怪我人なんやけどな……。

 

レイちゃんいわく。

 

転生した時に、神的な何かが俺に取り付いてるんじゃないかと。

 

それが背中の痣なんじゃないかと。

 

なら剥げばいいんじゃないかと。

 

いやや、いたいやん。

 

そんで別に悪影響及ぼしたわけちゃうし?

 

たまに夢で出てくる神的な何かも、別に悪い感じしなかったしなぁ……。

 

わからん。

 

今日はもう遅いから、ここで泊まって炎屋敷に帰ります。

 

明後日耀にぃに報告かな?

 

 

 

~二日後、産屋敷邸~

 

10月に入り、少し肌寒くなってきた頃。

 

報告の為に産屋敷邸にやって来ました。

 

まいど、人里離れた山からやってきた、天龍寺 旅龍こと、リュウです。

 

ごきげんよう。

 

あれから、一旦炎屋敷に戻りまして、キョウと一連の任務について話した後、正式に産屋敷邸に報告に来たわけです。

 

そんで今、まさに報告しているところでぇございやす。

 

「かくかくしかじかしかくいむーぶでした。はぁ、長かった……。色々ありましたけど、何とか生き残りました。」

 

「そうか……。よくやってくれた。援軍は、かなり瀬戸際だったね。それに、槇寿郎とリュウ、二人の任務で、下弦と上弦、どちらも出てくるとは……。私も予想できなかった……。下弦を倒した時、錆兎と胡蝶を次の任務に向かわせたのは、少し早計だった……。すまなかった。それに、馬車屋敷での一件は、物語で槇寿郎が落ち込むのもうなずけるね……。」

 

いや耀にぃ、謝るのはちげーぜ……。

 

ありゃ予想するんは無理や、ただでさえやべぇ下弦やったのに、上弦の、それも猗窩座が出てくるたぁな……。

 

なにそれ無限列車?

 

「謝るのはおやめ下さい、あれは予想できません。俺も油断してました。ですが、今回は原作と違い、爺さんの手紙と、嫁さんの生存で、運命は変わっていたようです。格好良かったっすよ?さすが現最強の柱だけありました。」

 

「……そうだね……。本当に鬼断には頭が上がらない思いだ。引退しても、先を見ていたのかもしれない……。」

 

思えば、俺やレイちゃんは物理で運命を変えて行っているけど、戦えなくなった爺さんも、せめて想いで、運命を変えようとしていたんかな?

 

「……はい、凄い人でした。以上が報告です。」

 

「ありがとう。ああ、それとリュウが話していた、風柱になる不死川兄弟だけど……、調べて見たら、3年前に事件は起こっていたみたいだ。今は元風柱の育手の所で修行しているみたいだね。」

 

そうか……3年前……。

 

今は明治39年で俺14歳やから、明治36年、俺11歳の時に事は起こってたんか……。

 

実弥、助けたかったな……。

 

「……彼の鬼に対しての行きすぎた残虐性や、人付き合いの悪さをどうにかしてやりたかったんすけど……、もう遅かったんすね……、残念です……。」

 

「残念だけど、過去は変えられない。それに、リュウの物語に出てこない者たちを救うことも難しい……。鬼殺隊には、その話に出てこない者達も沢山いるからね……。次に大きな事が迫った時、また頼むよ。それまで力をつけてくれ……。さて、仕事の話は置いといて…………。子供が寝返りを修得したよーー!!!」

 

「な!なんだってー!」

 

なん、だと!!

 

大事件やないかい!!

 

なんでそん時おれんかったんや!

 

くそぉ!

 

これも猗窩座のせいや!

 

あいつが出てきた事で、怪我おったから!!

 

「きいてくれよ!全員がならんで寝てる時に、私が隣で、とうちゃんだよー!って言ったら全員一斉にこっちにくるんって!かわいーー!!その後キョトンとしたよーー!!無表情で全員、じっと見てきてビクンとしたけどかわいーー!!」

 

「なんでそんな大事件が起こった時に教えてくれなかったんですか!見たかった!見たかったよぉー!」

 

えぃくそう!

 

もっと早く、鬼共を駆逐していれば……。

 

もっと鍛錬しなきゃ!

 

「ふふふ、リュウは任務で忙しかったから仕方ない……。任務出したの私だけど…………。だけど喜べリュウ!そんなこともあろうかと!最新鋭カメラを買って、零華に渡してとってもらっているよ!!」

 

「あのカメラ!!そういう事かーー!!」

 

なーにぃ!

 

やっちまってらー!!

 

この時代の、しかも超小型カメラ!まだアメリカとかで試作品しかないようなフィルム式のくっそ高いやつ買ったのか!!

 

てかまだ日本にねーだろそんなもん!

 

今思えば、小型フィルムカメラはなんぼ早くても大正2年からやぞ!!

 

てっきり貸出屋とかで借りてきてたもんやと思ってたぜ!!

 

それを買うとは!

 

そこにシビれる、憧れるぅ!!

 

「ほら、すでにこれだけ!!」

 

ドサッ!

 

ナンジャこの量は!!

 

鬼殺隊の経済状況大丈夫か!?

 

フィルムどこから取り寄せてんねん!!

 

にしても!

 

「うひょー!!厚さが5㎝ぐらいあるアルバムが10本も!?すんげぇ!」

 

「ほらこれとかかわいいだろ?みんな同じ格好になるから!もーーね?」

 

「すげぇ、あ!そう言えば他の家の人たちは?姿がみえんすけど?」

 

そういや、あまねさんやよしのさんは?

 

おったら普通、止めそうな勢いやけと?

 

「ふっ、リュウと子供談義をするために、中働の人は子供の世話、零華は診療所に、妻と祖母は所用で出掛けさせたよ。(ニヤリ)今日はリュウがいるしね!!何が起こっても大丈夫だよね!」

 

「えぇ……うわぁー……。」

 

「引かないで!?」

 

そんなこんなで今日も産屋敷邸は平和です。

 

 

今日の明治こそこそばなし!!

 

瑠火は数ヶ月後に病が完治し退院したよ!

退院した日に、お館様一行とリュウも一緒に退院祝いパーティーをしたんだ!

槇寿郎も杏寿郎も千寿郎も瑠火も一緒に嬉しくて泣いていたよ!

よかったね!

 

 

次回第3章

 

天龍行脚

 

第1話

 

水光接天

 

まだ物語は遠く。

リュウは任務の合間に旅をする。

そして数多くの縁を紡ぐ。

 

 

 




さて、次回、2章のキャラクター説明を挟んでから、3章開幕です。
まだ、原作開始は遠いですが、ちょっとずつ頑張ります。



お読みいただきありがとうございます。
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