~鬼滅の刃~転生鬼断譚   作:天龍寺

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第3章「天龍行脚」
第1話 「水光接天」


 

あれだけ暑かった夏も、紅葉が美しかった秋も過ぎ、年も越して、雪が降り積もる冬。

 

周囲を山に囲まれ、その間に、白銀となった田畑が密集している。

 

まだ汽車も通っておらず、移動手段は徒歩か馬しか無い、そんな田舎。

 

旅行者にしては、やたら大荷物を背負い、真っ黒な外套と三度笠に白い雪を乗せた者が土手沿いの道を歩いていく、その者は……。

 

やぁ!天龍寺旅龍ことリュウだよ!

 

おやっさんの事件から、年越しして、しばらく経ったぜ!

 

今は明治40年2月!

 

真冬です。

 

寒いです。

(ガクブル)

 

原作1話開始まであと四年……。

 

長いようで短い期間やろなぁ……。

 

それまでに色々やっとかなあかん事があって、今それに向かっとる所です。

 

それにしても、こんなくっそ寒い時期でも、鬼は元気元気いっぱいいっぱい。

 

今日もお食事に勤しんでいるようです。

 

やから用事のついでに今も鬼退治じゃアホんダラー!!

 

幸い、まだこの明治の時代は田舎でも旅館が結構あって、旅にはあんまり困らんかったりします。

 

そんでも外は寒い!!

 

暖房が効いた部屋のこたつで、のんびりみかん食いてぇ……。

 

まぁ、そうも言ってられんわけで。

 

今回の鬼は、選別におった雑魚鬼の上位版。

 

中鬼とか言われるタイプの鬼。

 

あっ鬼の階級は

 

上から

 

鬼舞辻 無惨。

 

上弦

一般隊士では、どんなに数を揃えても勝てない。

壱、弐、参、肆、伍、陸。

 

下弦

一般隊士では、数を揃えても勝つことが難しい。

壱、弐、参、肆、伍、陸。

 

上鬼

無惨に血を多くもらった鬼で、下弦に近い血気術と、身体能力をもったベテランが多い。

一般隊士では一対一でほぼ勝てない。

響凱とか。無限城の雑魚鬼とか。

 

中鬼

無惨に少量の血を与えられたが、人を多く食ったことにより、力をつけた鬼。

一般隊士で苦戦する。

手鬼とか、沼鬼とか、木鬼とか。

 

下鬼

いわゆる雑魚鬼。

無惨に少量の血しか与えられず、ほぼ獣と同じ思考しかできない。

一般隊士で普通に倒せる。

 

ってカテゴライズしたらしい。

 

これはレイちゃんが、過去に無意識助言した事で、出来たらしい。

 

お陰で鬼殺隊の運用がちょっと楽になったそうや。

 

そんな中、中鬼がこの辺でなんかしとったみたい。

 

まあ、中鬼程度なら、最近は難なく倒せるようになったからな~。

 

もちろん情報収集はしっかりやって倒してます。

 

たまに中鬼程度と聞いとったのに、情報集めたら上鬼の時あるからな。

 

油断出来ん。

 

ほな、民家に聞き込みいってきまーす!

 

うぅ、さっむぅ!

 

 

~翌日~

 

はい、ソッコーで任務終わったぜ!

 

お疲れさーん。

 

昼間に情報収集して、その情報を元に対策を考えて、夜に討伐。

 

暖かい布団で眠らせてもろて。

 

真の目的地に向かっとります。

 

え?どんな鬼やったって?

 

なんかハガレンの強欲みたいに皮膚を鉄みたいにするやつやった。

 

まぁ慢心しとったから普通に首取ったけどな。

 

そうそう、先月ぐらいに藤襲山で一緒に入隊したモブ組と偶然遭遇したぜ!

 

めちゃ久々やったから、けっこう話し込んだんやけど、奴ら徒党を組んでやがった!

 

俺が藤襲山で教えた集団行動を元に、さらに最適化されて、まるで軍隊みたいになってやがった。

 

上鬼討伐するとか言っとったから、俺が心配して、付いてったんやけど……。

 

人海戦術で情報集めして、1人の時に遭遇しても、すぐに隠れたりしながら撤退して集まり、作戦会議。

 

鮮やかに鬼を自分らが有利な所に釣り出して、罠にかける。

 

最後は集団で鬼をタコ殴り。

 

息ぴったり。

 

ヤバイわ……。

 

とんでもない片鱗をみたぜ……。

 

誰や?あんなこと教えたの……。

(お前だよ)

 

まぁ、強くなるのは鍛えるだけやないってこったな!

 

原作の那田蜘蛛山みたいに無策で突っ込んだりせんで良かったわ。

 

さあ、任務も終わったし、目的地に行くとするかねぇ。

 

実は今、ある場所の近くにおるんですぁ。

 

その場ズバリ。

 

狭霧山。

 

そう、今は引退して育手になっとる

元水柱、鱗滝 左近次さんが住む場所の近くなんすよ!

 

そこがほんまの目的地!

 

任務はついでやで!

 

本当は任務のついでやけどな!

 

まぁ、案の定、鱗滝さんに宛てた爺さんの手紙があるから、持ってきたわけよ。

 

え?スクナに任せたらええやんって?

 

残念ながら、遺言で直接手渡せとさ。

 

何でかはしらん!

 

まぁ、行かない手はないよな!

 

ついでに太刀筋もみてもらおう~。

 

 

~狭霧山の麓~

 

うぉぉ、寒い……。

 

降り積もる雪の中。

 

長い時間歩いとると、せっかく宿であっためた身体もガンガン冷えるぜ……。

 

ともかく、近くの村で、鱗滝さんの家を聞き込んで、やっとこさ家の場所が分かって、それらしき家を見つけました。

 

さて御在宅だろうか……。

 

と言っても、誰かおるのは、俺センサーでわかっとりますけどな。

 

広範囲モードにしとるから、誰がおるかは分からんけど。

 

コンコン

 

「すんませーん!誰かいらっしゃいますかー!」

 

「すまない!今でる!」

 

ん?声が若い…。しかも、なんか聞いたことある気するなぁ。

 

ガラ

 

!?

 

「リュウ!リュウじゃないか!!久しぶりだな!馬車の洋館以来だな!どうしたのだ?こんな所まで。」

 

「おお錆兎!久っさしぶりやなぁ!あん時は助かったぜ!任務のあと寝ちまってたから全然話し出来んかったしな!今日は鱗滝 左近次さんに会いにきてな!御在宅か?」

 

おお!誰かと思ったら錆兎やないか!

 

前に会ったんは、おやっさんと一緒に任務をこなした、馬車屋敷ん時に、援軍で来てくれた時以来や!

 

ホンマは同期組とかで新年会とか飲み会とか定期的にやった方が、生存確認も出来てええんやけど。

 

鬼はゴキ見たく増えるからなぁ。

 

隊士も軍隊ほどはおらんから、年がら年中人手不足なんすよ…。

 

その辺、ちょっと耀にぃに相談した方がええんかなぁ。

 

「師匠に?師匠なら……。」

 

ん?なんや?俺の後ろになんかあるんか?

ん?後ろに気配が………。後ろ!?

 

「ふむ、ここで気が付いたか、中々やるな。」

 

まじか!残り五メートルまで近づかれて気がつかんかったぜ……。

 

確かに、錆兎と会話してて、あんまりセンサーに集中しとらんかったけども……。

 

マジかぁ、俺もまだまだやなぁ。

 

「びっくりした………。すいません、初めまして。天柱、無上鬼断の義子で、天龍寺 旅龍といいます。皆にはリュウとよばれています。会えて光栄です!」

 

会えて光栄なんはホンマです!

 

何せ原作鬼滅世界の師匠的な人やからな。

 

炭治郎とか、完全なド素人やった子らを、僅か数年で立派な隊士にする人やからな…。

 

「そうか、君が……。上がっていけ、積もる話もあるのだろう。」

 

「え?でも錆兎も来ていますし……。」

 

そう、今錆兎が居るって事は、なんか相談事とかあったんやろ。

 

ちょっと邪魔したかね?

 

「いや、俺のことは気にするな。数日前から泊まりで再び修行をしている。ちょうど良い、リュウにも相談したい事があったのだ。それに、鱗滝さんが上がっていけと言ってるのだ。上がってくれ。」

 

「あらそーお?ならお邪魔しちゃおうかしら…。」

(猫撫で声)

 

「ぶふっ!おまっ!」

 

そんなら遠慮なく上がらせて貰うか。

 

積もる話があるんはホンマやからな。

 

お邪魔しまーす。

 

おん?なんや錆兎、そんな目で見てもなんも出んぞ?

 

出るんはおめぇの笑い声だけやで。

 

見た感じ、鱗滝邸はそんなに大きくない。

 

玄関を入って直ぐ、土間兼台所があって、一段上がった所に囲炉裏のある居間がある。

 

昔の建物は小さい家は大体こんなん。

 

便所も外にあるし、風呂はそもそも一人暮らしなら、火の加減が出来んから、ない事の方が多い。

 

奥にも部屋がある感じがするけど今は閉まっとるな。

 

それにしても、育手なんやから、もうちっとええ設備にしとかんと、困るんやない?

 

つっても、毎年何人も鬼殺隊に入る子がおるわけでもないから、こんなんでええんかなぁ?

 

それにしても、後四年で主人公兄妹が奥の部屋で寝る。

 

今は錆兎が使っとるんかな?

 

「それで、わざわざここまで何の用だ、ただ気まぐれで訪れた訳ではあるまい?」

 

鱗滝さんは囲炉裏の前に座り、俺はそれを挟んだ反対側に座らせてもらう。

 

うほぉ!あったけぇ!

 

あ、錆兎は俺の少し後ろに座った。

 

ふむ、早速本題に入ろうか。

 

「はい、我が義父であり、師匠から鱗滝さん、元水柱に言付けを持って参りました。お読みください。」

 

「無上殿から………。わかった、受け取ろう。」

 

そういって受け取り、封を切って読んでくれた。

 

「……………………。」

(プルプルプル、涙ダバー)

 

「う、鱗滝さんが泣いている!?」

 

「………。だから爺さんよ……。いったいなに書いてんだよ……。高確率で泣かす手紙書くなよ……。」

 

ま、た、か!!!

 

鱗滝さんが天狗面越しに超号泣してはる!?

 

ホンマ爺さん、何人泣かすんや?

 

全員か?読んだ全員泣くんか?

 

「え?他にこのようなことがあったのか?」

 

「そうなんよ。刀鍛冶の鉄井戸さんとか、炎柱の煉獄 槇寿郎さんとか。さらには耀に、げふん、お館様とかな。渡した人は、ほとんど泣いちゃってんな…。」

 

「そ、そうか、凄いな…。」

 

鱗滝さんは読み終わったのか、 涙でベチョベチョになった、天狗面の内側を、サッと後ろを向いて、近くにあった手拭いで拭いとる。

 

そんで天狗面を被り直し、こちらに向き直ってから、ずっと立ち上がり、遺言状を綺麗に畳んで神棚に供えた。

 

神棚かい!!

 

そんでめっちゃ自然に顔を見られんように天狗面拭いたぞ!

 

て、手慣れてんなぁ……。

 

「見苦しいところを見せた、すまなかった。リュウと言ったか、言付けを持って来てもらい、ありがとう。」

 

「いえいえ、俺も爺さん、ああ、義父の事は、普段は爺さんって呼んでます。俺宛に書いてあった爺さんの遺言状に、言付けを直接手で渡すように書いてあったんです。だから感謝は爺さんにお願いします。今は、産屋敷邸にある隊士墓地に、特別な墓を用意してもらって、そこに眠っています…。」

 

「そうか………。当時同じ柱だったが、無上殿は別格だった。私たち柱の憧れでもあった。何度も命を救ってくれた。あの戦いでもそうだった…。無上殿が引退すると言った時、何度も引き留めたが、本人の意思は固く、結局一人で山へ行ってしまわれた。それから残った柱達で、何とか踏ん張り、苦難を乗り越えてこれたが、あの人が居ればと何度思ったことか…。無上殿がいた時、数多くの理由で、天柱の継子も出来なかったしな…。だがリュウ、よく技を継いでくれた。この手紙には引退してから、他の柱や隊士達への思いと、リュウを拾った時の思い、これからリュウの側に居てやれない無念さ、そして私達にリュウを頼むと書かれてあった。それで思わず涙が出てしまった。」

 

そうやったんや…。

 

何気に他宛の詳しい内容聞いたん初めてやな…。

 

今まで話せんかったこと、全部書いてあるんやろなぁ。

 

「そうですか………。やっぱり爺さんは凄い人だったんですか?」

 

「俺も気になる。歴代最強と言われた天柱のこと。」

 

錆兎も首を突っ込んで来て聞いてきた。

 

そら気になるわなぁ。

 

俺も、遺言状に書いてない、現役当時の爺さんの事は知らんから。

 

「………話が長くなるが………。いいか?」

 

「「!?よろこんで!!」」

 

それから鱗滝さんは、当時のじいちゃん伝説を語ってくれた。

 

鱗滝さんが爺さんと初めて会った時の印象。

 

現役当時の普段の姿。

 

教育者としては致命的な教育能力。

 

そして…。

 

・一刀三殺は当たり前、二刀五殺も

 

・出会い頭キルを頻発

 

・無上にとっての上鬼は雑魚のゴミ

 

・無意識キルも日常茶飯事

 

・無上対下弦+上鬼10体、仲間全員負傷の状況から1人で逆転

 

・障害物裏も余裕でキル

 

・一回の素振りで大太刀が三本に見える

 

・ガードで相手の首を落とすのが特技

 

・無上が来るだけで、相手が泣いて逃げた、心臓発作を起こし日光で死んだ鬼も

 

・首落としで納得いかなければ、全身細切れも

 

・あまりに鬼倒すから、鬼が近寄ってこないことも。

 

・フェイントで両断

 

などなど、まだまだあったぜ!

 

そんなこんなで長い時間語ってくれた。

 

や、やべぇ話を聞いたぜ……。

 

ホンマか?って思う話もあったけど、あの爺さんならやりかねん…。

 

あら?もう夕方やん。

 

宿どうしょ?

 

「ああ、もうこんな時間か。長々と語ってしまった。もう夕方だ、あの子も戻ってくるだろう。リュウ、今日は泊まっていけ。少し狭いが、錆兎、構わんだろう?」

 

「あ、はい、大丈夫です。リュウに相談したかった事もある、ちょうどいい、リュウ、こっちだ。」

 

鱗滝さんがそう言ったとき、錆兎、ちょっとビクッとしとったな。

 

絶対爺さん伝説で愕然としてフリーズしとったやろお前…。

 

「え?いいんすか?ありがとうございます。」

 

「なぁに、無上殿に頼まれたからな、恩返しでもある。」

 

やったぜ!!ありがたやー!!

 

これから遠くて寒い宿に行くんは億劫やったからな!

 

さて、錆兎の相談ってなんやろ?

 

 

今日の明治こそこそばなし!

 

鱗滝さんの若いころには、もう鬼断は柱だったんだ!

それから水柱になっても、力の差は埋められなくて、よく鳴柱と二人で鬼断に挑んでいたらしいよ!

それでも勝ったことがないそうです!

凄いよね!

 

 

次回第2話

 

飲水思源

 

基本を忘れず大切に。

けれども形を変えて強力に。

そしてそれを新しい姿に。

己の持ち得る力の全てを使って。

 

 




さぁ3章が始まらました!
3章はリュウがあちこち歩き回る話になると思います。
3話までは過去書いていたもののストックがあったので、改造しながら投稿していましたが、それ以降は新たに書いていくので、少しペースは落ちるかもです。
ご容赦ください。

お読みいただきありがとうございました。
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