話の内容的に前回や前々回の内容(物語自体に関係ない)を若干修正変更した部分があります。気になる方はお手数ですが確認してみてください。
出来は……あーもう滅茶苦茶だよ。
――はッ!?
気が付けば俺はアパート裏の背の高い草むらの中に倒れていた。急いで立ち上がってみれば俺の寝転んでいた場所に血が付着している。
「殺されたのか……」
思わず体がぶるりと震え、首元を摩ってしまう。
俺を殺した犯人の全貌は確認できなかった。奴がどんな手段で俺を殺したかは定かではない。また対面するのはまずい。確実に蹂躙される。
今のうちに逃げよう。そして今は元ヒーロー支部にいるだろう姉貴に助けを求めようそうしよう。幸いにもここからアパートの玄関口とはかなり距離がある。あそこはアパートの五階でここはアパートの裏手だ。
「ほんと世知辛い世の中……」
死ぬことは怖くない。しかし殺されることは怖い。特に一人のときには。
そんな恐怖をかき消すためか、今この静かな廃墟街で口を動かすことは悪手であるが、声を発してしまう。
「フゥ……フゥ……コワッ」
移動時に音が出てしまうため草むらから出て隣の民家の塀を越えようとしたとき、アパート前の道路にいる追手らしき黒い後ろ姿がちらりと見えた。
まだこちらには気付いていないようで見当違いの方を見回している。今の内にさっさと移動しよう。元ヒーロー支部はこの家を越えたちょっと先だ。
塀を乗り越え民家の庭先に入る。自分と相手の間に壁ができたことで少し安心する。
「見つけたぞ」
「ヒエッ」
突然、瞬間移動の如く背後に奴が現れた。咄嗟に前方へ
このとき強引に殴り壊したことで民家の一部が崩れ、障害物となって奴と俺の距離を開いた。
「このッ、待ちやがれッ!」
「待てと言われて待つ馬鹿がどこにいんだよ! このクソカスがァ──ッ‼」
恐怖で頭がどうにかしていたようで無意識の内に怒声を上げていた。
民家を抜け、住宅街の道路に出る。背後を確認すると追ってくる奴の姿が確認できた。
全身黒のアーミー装備。顔が分からず、その全身至る所に投げナイフが装着されている。そしてその右手には何やらエネルギーを纏ってライトセーバーみたいになっている太刀が一本握られている。リボルクラッシュされそうでやばい。
と、そんなことを考えていると奴はおもむろに腰のポーチからナイフを数本取り出し、エネルギーを纏わせて投げつけてきた。
「危ねッ」
咄嗟に飛んできたナイフを大振りに避ける。するとまたナイフが数本飛んでくる。
こんな逃走劇の最中だっていうのに奴のナイフは正確に俺を狙ってくる。じぐざくと不規則に走ってもその移動先を正確に読み取ってくる。
俺は悪足掻きとしてそこいらに落ちているコンクリート片や石ころを拾い上げ、散弾銃ばりに投擲した。人間の腕力ならいざ知らず、レギオンの腕力ならばただの石ころでもかなりの威力が出る。
だが奴は石に当たっても何ともないようでそのままナイフを投げ続けながら走っている。
「ウッソだろお前……ってヴォエッ!」
驚いた不意を突かれ、飛んできたナイフの一本が膝関節に突き刺さった。そして最悪なことにその付与されていたエネルギーが爆発し、脚が吹き飛んだ。身体が堅いコンクリートの上を転がり、顔や手が擦れて痛い。
「弱すぎるな……」
「うおッ!?」
俺が地面を転がっている間に早くも追いついた奴が顔面目掛けてレーザーブレードを振り下ろすのを横に転がることで避ける。だが完全には避けきれず、右腕を肩から肘にかけて切られてしまった。くそ熱くてくそ痛い。涙が溢れる。死なないとわかっていてもこれ以上痛いのとかマジ勘弁。
「あ、あっ、ゆ、許して……」
今見上げている奴の顔はフェイスマスクやゴーグルで見えないが、その身から溢れる気迫は膀胱が緩みそうな程凄まじく情けなくも命乞いをしてしまった。だが願い叶わず、奴は先程よりも高エネルギーを纏ったその太刀を上段に構える。完全に止めを刺す体制だ。怖すぎるッピ! 許し亭ぇ、許してぇ……
「クソレギオンが……死ねッ」
「うあぁッ!」
ついに振り下ろされた光子剣。確実に殺されてしまうと意識させられる恐怖から両目を瞑ってしまう。
死んでも生き返る。だから今死んでも問題はない。むしろマーキングした地へと一瞬で飛ぶことで逃げる機会が生まれるし、千切れた脚も再生される。更にいえば、それなしでもどっちみち脚の再生のために後で自殺することになるのだ。確実に今殺された方が合理的だ。
ああ、でもやはり、それでも殺されるというこの瞬間は怖い。どんなにふざけたり言繕ったりしても、この他者から命を害されるという感覚は何よりも怖い。
だからこんな形で死にたくはない。絶対に死にたくはない!
「いゃ……嫌ぁ――」
「――アウトローが……私のネムに何をする」
「ウガハァッ!?」
暗闇の中、唐突に響き渡る轟音。目を開いて辺りを見回すと先程俺を殺そうとしていた奴は、道路脇の大きく崩れたブロック塀に埋まって伸されていた。そして先程奴が太刀を振りかざしていた位置、つまり俺の目の前には、凛々し気な背の高い女性が悠然と立っていた。
「ヌエさん!」
大きく見知ったその姿に恐怖や不安を瞬く間に吹き飛ばされ、喜びの声が上がる。希望が今、舞い降りたのだ。
一瞬で敵をノックアウトし俺を爽快と救出した、白髪に青白い肌、淡く発光する赤眼と、先の鋭いコンセントのような形状をした尻尾が臀部から生えているのが特徴的なレギオン――ヌエ。そのバストは豊満であった。
俺の命の恩人であり、理解者であり、超絶優しくて超絶頼りになる姉貴である。
「う゛お゛ぉ゛お゛ヌ゛エ゛さ゛ぁ゛ん゛!」
あまりの感動っぷりに自ずとヌエさんの脚に思いっきり抱き着いてしまう。
やっぱりヌエさんはいつでも俺の超絶かっこいい無敵のヒーローなんだなぁって、自分勝手にもそう思ってしまう。あぁ、ヌエさんが傍にいるだけで安心感が違う。
「ネム、こんなにボロボロに……すまない、私が不甲斐ないばかりに……」
「そんなことない! 姉貴はいつだって俺を助けてくれるヒーローだもん!」
「ネム……」
はーッ尊ッ。ヌエさんの謙虚はにかみ笑顔からのハグとか。俺もう死ぬの怖くねぇわ! 寿命ねえけど寿命が超伸びた。尊死しそう。もう元気百倍パンパンマンだわー(ガンギマリ)もう何も恐くない。勝ったッ!第3部完!
今後文章量はどれくらいがいいか?
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2000前後(現状)
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5000前後
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7500前後(きつすぎるッピ)
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10000前後(許して)
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ちくわ大明神