インフィニット・ストラトス ─名も無き武者は悪鬼となる─   作:4696猫

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 原作を読んだのが随分と前なので原作キャラの口調ってこんなんだったっけ?と思いながら書いてる今日この頃です。原作と口調が違うかもしれませんが、どうかご了承下さい

 それでは、どうぞ!


プロローグ.II

 プロローグ.II

 

 束に助けられてから早いもので、景秋も14歳になった。助けられてからは、束不在の間の家事全般。束が居るときは勉強を見てもらい、ISについての訓練も積んだ。

 

「たっだいま~!かー君、帰ったよ!」

「おかえり、姉さん。いつもよりテンション高いね」

「そりゃ、良いことあったからね!」

「それは珍しい。いつもなら仏頂面で帰って来るのに」

 

 景秋は料理をしながらそう言った。

 

「ねぇ~!ご飯まだ~!」

「少し待ってよ。予想より早かったからまだ出来てないんだ」

「えぇ~」

 

 束の催促を聞き流しながら黙々と調理を続ける。料理を完成させ、席に座っていた束の前に皿を置いた。

 

「ほら、これ食って静かにしててくれ」

「いっただきま~す!」

「全く...現金な人だこと...」

 

 景秋はキッチンに戻り、調理に使った器具を洗う。

 

「あ、そうそう。後で呼ぶから来てくれない?」

「姉さんの部屋?」

「うん。それまでは自由にしてて良いからさ」

「わかった。それよりも、早く食べてくれ。皿が洗えない。」

「はいはい」

 

 そうして洗い物を済ませた景秋は筋トレをして時間を潰していた。

 

「...99...100!...終わったぁ~!」

「かー君...丁度良い感じだね。来て良いよ」

「解った。今行くよ」

 

 束に呼ばれた景秋は束の部屋に入る。そこには銀髪の少女がベッドに座っていた。

 

「彼女は?」

「彼女はクロエ、クロエ・クロニクル。今日、施設潰した時に保護した子だよ」

「初めまして、景秋様」

 

 クロエと呼ばれた少女は綺麗に腰を折り、頭を下げた。

 

「様付けで呼ばれる程、立派な人じゃないから普通に景秋で良いよ」

「わかりました、景秋」

「う~ん...仕方無いのかもしれないけど、敬語も違和感あるなぁ」

「まぁ、追々慣れてくよ。くーちゃん、少し外してくれないかな?プライベートな話になるから」

「わかりました。話が終わりましたら、お呼びください」

 

 クロエはそう言って部屋から出ていった。

 

「それで、話って?」

「くーちゃんの事。彼女は目が見えないんだ」

「何となく予想はしてたけど...そうか、治せないの?」

「不可能ではないさ、この天災に掛かればね」

 

 束は自信ありげに自分の胸を叩いた。

 

「まぁ、それだけ自信ありげに言うんだ。可能に出来るって信じるよ」

「それとね、かー君には妹がいるのです!」

 

 束の言葉に景秋は首を傾げる。弟と姉は居た。だが、妹がいるなんて事は一度も聞いた事が無かった。

 

「姉さん、冗談止してくれよ。俺には弟しか居ない」

「厳密には姉のクローンだけどね、名前はマドカ。今は亡国企業にいる」

「......」

「会ってみるかい?」

 

 束は景秋のどうすれば良いのかわからない表情を読み取って言葉を放った。束の言葉に景秋は答える。

 

「...あぁ、会って話してみたい」

「なら早速明日会いに行こうか。彼女達の協力が無いと君はIS学園に行けやしないんだから」

「わかった。話は以上かな?」

「うん。おやすみ、かー君」

「おやすみ、姉さん」

 

 こうして、景秋は眠りについた。

 

─────────────────────

 

 翌日早朝。景秋と束、クロエは亡国企業が隠れ蓑にしている企業、エヴァンスエレクトロニクス社に来ていた。

 

「おぉ~デケェビルだな」

「そりゃ、普通に大企業だもん。IS以外の電化製品は大体がここの会社の物だったりするし。まぁ、いざ売るときは会社名変えちゃうから、誰も解らないけど」

「なんで名前変えるんだ、姉さん。そのまま売りゃ良いのに」

 

 景秋の問いに、束が答えようとした時にクロエが横から答えた。

 

「それは...」

「それはバレないようにだと思いますよ、景秋。大企業とは言え、亡国企業が隠れ蓑にしている。何かの拍子にそれが露呈すれば困る...と言う事かと」

「言われてみれば、確かにそうだな...」

 

 そんな会話をしながら社内に入る。ロビーには社長とその秘書の様な女性が座って待っていた。

 

「待っていたよ、博士。それに景秋君もね」

「どうして俺の名を?」

「マドカから報告は受けていたからね。心優しい兄だといつも言っていた」

「そ、それは...どうも」

 

 景秋は引き気味に頭を下げた。

 

「まぁ、ここでは込み入った話も出来ません。俺の部屋に」

「こちらです。着いてきてください」

 

 秘書に案内され、景秋達は社長室へと入った。

 

「改めて。この会社の社長兼、亡国企業のメンバーを勤めている大鳥昇(おおとりのぼる)だ。こっちが...」

「社長秘書兼、亡国企業メンバーのスコール・ミューゼル。よろしく」

 

 二人の挨拶を終え、話が始まった。

 

「さて、景秋君。君には僕たちの目的を話しておこうと思う」 「知ってます。世界を元に戻す事でしょう?ISが兵器となる前に」

「丸は与えられないな、少し違う。ISを元の姿に戻す事だ。ISは本来、宇宙開発目的のプラットホームでしょう?篠ノ之博士」

 

 昇の問いに束は悲しそうな顔をしたが、何気無く答えた。

 

「そうだね。元々はそのつもりだった。けど、世界はそれを認めなかった。...そりゃそうだよね、白騎士事件であんなにも人を殺したんだ、兵器として使おうと思う気持ちも解らんでも無いさ」

「そう。だから兵器として使われるISを極限まで減らし、ISを宇宙開発目的として使用させるのが我々の目的。世界を元に戻す事もあながち間違いでは無いけどね」

 

 昇はそう言って息を吐く。

 

「そうだ、君はマドカと話がしたくて来たんだったね。隣の部屋にいる。話しておいで」

「分かりました、それでは」

 

 景秋は頭を下げ、隣の部屋に向かった。

 

「さて、景秋君とマドカをIS学園に行かせるのは構わないが、何をさせる気だ?」

「取り敢えずは私達の味方になってくれる子を探させるのと、かー君を箒ちゃんに会わせる事かな。箒ちゃんなら絶対に仲間になってくれるしね」

 

 束の言葉に昇が疑問を口にする。対する束はあっけらかんとしていた。

「まぁ、仲間が増えるに越したことは無いが...信用出来る仲間を連れてくるんだろうな?」

「さぁ?知らないよ、そんな事。私は天災であってエスパーでもニュータイプでも無いからね」

「それもそうだ」

「でもかー君には人を見る目があると私は思う。なんせ私の箒ちゃんの事好きになる位だし?」

「......今の言葉が無ければ、締まったのに」

「アッハハ~」

 

 昇は溜め息を溢した。

 

─────────────────────

 

「えっと...初めまして...君がマドカ?」

「あぁ...」

「......」

 

 ......会話続かねぇ......

 

 景秋は目の前に座る少女──マドカと自分のコミュニケーション能力の低さに頭を抱えたくなった。

 

 ......なんて言えば良いんだ?...久し振り...というか初対面だ。ご趣味は...ってのも違うよなぁ...見合いじゃ無いし......

「おい、景秋」

「ん?」

 

 話の内容に困っていた景秋にマドカは声を掛けた。

 

「お前は強い人間の筈だ。なのに何故弱く見せる」

「さて、なんの事かな?」

「誤魔化すな。お前が篠ノ之博士に拾われる前、お前は強かった筈なんだ。なのに自分からその強さを捨て、弱くなろうとした。私には理解出来ん」

「なら、しなくても良いさ」

 

 マドカの言葉に景秋はそう言った。マドカはその言葉に驚きを隠せない。

 

「俺と君は兄妹なのかもしれない。けど、だからと言って全部を理解するなんて事は出来ない。でも、理解出来ないからと遠ざけるんじゃ無くて、知ろうと歩み寄る事も出来る筈だ」

「そうか...なら、なんでだ?」

「急だね。もっとゆっくりで良いのに...まぁ、良いけどさ」

 

 景秋は笑って言葉を続けた。

 

「俺は剣道やってたんだ。けど、自分と周りの実力差とか温度差が怖くなった。弟への風当たりは強くなる一方。そしたら勝つ事と稽古する事が怖くなっちゃって...」

「それで辞めたと?後悔は無いのか?」

「無いね。後悔も未練も無い」

 

 マドカの問いに景秋はハッキリと答える。

 

「話はそれくらいにしてさ、二人で戦ってみない?」

 

 話を終えた束と昇、スコールが部屋に入ってくる。

 

「戦うっても、俺にはISが...」

「私が用意しておいたから大丈夫だよ、かー君。さて、マドカちゃんはどうする?戦いたい?」

「私より強いのなら戦いたい」

「かー君は強いよ。少なくとも、この中では私の次に強い」

「なら戦いたい」

 

 マドカの言葉に束は頷く。

 

「うんうん。ならここのテスト用アリーナでやろうか」

「人払いはしておこう。二人とも存分に戦えよ」

 

 こうして景秋とマドカの模擬戦が始まろうとしていた。

 

 

 




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