インフィニット・ストラトス ─名も無き武者は悪鬼となる─   作:4696猫

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 初めて多機能フォームってやつを使ってみました...。面白いですね。今回、主人公のキャラがブレブレで、オリジナル解釈・説明だらけでグダってるかと思います。ご了承ください

 それでは、どうぞ!


第三話:武者は戦鬼になっていく

 第三話:武者は戦鬼になっていく

 

 セシリアと織斑との試合が終わり、次は織斑と景秋の試合が始まろうとしていた。

 

「アイツの武器が刀一本だけってのはわかったが...厄介なのは零落白夜だな。シールドエネルギーを貫通する絶対攻撃。コピーするまで面倒だ」

「なら私の正宗を...」

「使用者の負担が大きすぎる。それに正宗はお前の劔冑だろ」

 

 円香の提案を否定しながら景秋は腰を上げる。

 

「けど、アイツの使う篠ノ之流がどんな剣術なのか知ってるだけ読み合いが有利に運べるのは利点だ。さて、どうやって潰してやろうか」

「取り敢えず、奪えるもの奪ってコテンパンのギッチョンギョンで良いと思うよ。アイツの鼻っ柱粉々に粉砕してやろうよ、兄さん」

「そうだな。その意見には賛成だ...時間だ、行ってくる」

「いってらっしゃい、兄さん」

 

 景秋は円香の頭を撫でて微笑みながら歩き出した。

 

「よぉ、織斑。調子はどうだ?」

 

 先程と同じようにピットの端に立ち、ズボンのポケットに手を突っ込んでいる。

 

「さっき、どうしてオルコットとの戦いであんな卑怯な事が出来たんだよ!」

「卑怯?あぁ、コピーの事か?使えるものは何でも使う。戦の基本だろ」

「それでも卑怯な事せずに正々堂々戦うのが男ってもんだろ!」

「あのな?これは戦いなんだよ、命の危険が伴う戦いなんだよ。それに正々堂々とか抜かす奴は正直、ぶっ潰してやりたいもんだ」

 

 織斑の問いに景秋は丁寧に答えるも、呆れる答えが返って来たことに景秋は頭が痛くなる。景明は「もういいや」と一人呟く。

 

「千日の稽古を(ちから)とし、万日の稽古を(まもり)まもりとす。以って此れ我が劔冑なり!」

 

 セシリアの時とは違い、腕を天へと伸ばし口上を唱える。

 

「お前にゃ俺は倒せねぇよ」

「やってみなくちゃわからないだろ!」

「ならやってみろよ」

 

 織斑の雪片と景秋の大太刀がぶつかり火花を散らす

 

「どうだ!」

「どうだ...ってまだ刀がぶつかっただけだろ?それで自慢されてもなぁ」

 

 景秋は溜め息を吐きながら織斑の右脇腹を蹴って距離を取る。景秋は大太刀を中段に構えた。

 

「お前、空中戦苦手だろ」

「だったらどうした」

「邪険にするなよ。お前の苦手な空中戦でお前を倒したとして『俺は空中戦苦手だから負けたのは仕方がない』なんて言い訳されても嫌なんでな、だから陸で戦ってやろうって言ってんだ。まぁ、陸で負けても『俺は初心者だから負けても仕方がない』って言い訳出来る訳なんだが」

 

 景秋の言葉に腹を立てたのか、織斑は血相を変えて景秋へと迫る。

 

「ウルセェ!ならお望み通り、陸戦でお前を倒す!」

「お前じゃ俺は倒せねぇよ。剣士としてもIS乗りとしても!」

 

 織斑の雪片と景秋の大太刀が再度火花を散らす。だが、織斑が少しだけ押している。

 

「どうした!押されてるぞ!」

「お前は...利用するって言葉を知らない」

 

 押されていた景秋が小馬鹿にするように織斑に告げる。織斑の顔が更に険悪へと変わっていく。

 

「だったら利用してみろよ!」

「あぁ、そうさせて貰う」

 

 景秋は大太刀を手放し、織斑の首を掴んで背負い投げの要領で地面へと背中から叩きつけた。

 

「グエッ!」

「これが...利用するって事だ。突っ込むだけじゃぁ勝てはしない。女の子だってそうだろ?押すだけじゃぁ靡かない。引くことも覚えなきゃな」

 

 叩きつけられた織斑は蛙の鳴き声の様な悲鳴を上げ、地面に突っ伏す。

 対する景秋は手放した大太刀を拾い、織斑の周りを回りながら演説の様に言葉を発する。

 

「もうギブアップか?情けないなぁ...それでもかの有名なブリュンヒルデの弟君か?

 あぁ、もう一人の弟君のが才能優れてたんだっけ?

「あんな...あんなヤツと一緒にするな!」

「あんなヤツ?おいおい、もう一人の弟君に失礼だろ?...ッ!」

 

 景秋の言葉に腹を立てた織斑は馬鹿の一つ覚えの様に直線的に突っ込む。だが、景秋は軽口を叩きながら雪片の振り下ろし終わりに合わせて片足で踏みつけた。がら空きなのにも関わらず、景秋は攻撃せずに言葉を続けた。

 

「お前は弱い、弱すぎる。さっきも言ったな、突っ込むだけじゃぁ勝てはしないってよ、これがそのザマだ。

 自分のコンプレックスだか図星だか突かれて逆上して、突っ込んだ挙げ句に自分の武器を片足で踏まれてあしらわれてる。俺だったら刀手放して殴るぜ?」

 

 景秋の言葉にハッとして雪片を手放すも時既に遅し。景秋は左拳で織斑の顔面目掛けて殴るも、ISのシールドに阻まれ織斑は吹き飛ばされる。雪片を手放した事で、雪片は景秋の足元、いや足の下敷きになっている。

 

「ハァ...最低なヤツだよお前は」

「チクショォォォ!!」

「意味ねぇっての!」

 

 景秋は左手に小太刀を持ち、織斑へと投げる。投げられ、槍の如く飛ぶ小太刀は織斑を掠め、地面に突き刺さった。

 

「ッ...」

「そこで攻撃辞めるのもナンセンスだ」

 

 景秋は足の下敷きになっていた雪片を拾い織斑へと投げる。雪片は無様に転がり、織斑の足元で動きを止めた。

 

「ほら、掛かってこいって。周りから見たらさぞや無様に見えるだろうよ。この会話すら聞こえてんだろうしな。

 まぁ、仕方無い。一撃だけ斬らせてやるよ。切り落とさなきゃ何処だって良いぜ。ほら、ご自慢の零落白夜使って斬りかかって来いよ。ほら!」

 

 景秋は言葉と共に自分の胸を叩く。織斑は雪片を拾い、俯いている。

 

「ねぇ~ま~だ~か~な~?」

ウルセェ...ウルセェ...ウルセェ...ウルセェ...ウルセェ!

 

 景秋の挑発にキレた織斑は景明の言葉通り、零落白夜を使用して景秋へと突っ込んでいく。

 

「これが!俺の剣だ!」

「ッ!」

 

 宣言通りに斬られて『あげた』景秋は胸を袈裟斬りされ地面に大の字に倒れる。

 

「どうだ!これが、これが、これが!俺の剣、零落白夜だ!」

 

 「先程までの項垂れようはどこ行ったのか」皆がそう聞きたくなる程の掌返し。観客席にいる生徒も呆れてしまい、声援が途絶える。

 

「いってて...これ、ビームコーティングしてても痛いもんなんだな」

 

 景秋は斬られた胸を押さえながらゆっくりと立ち上がる。

 

「全く...その威勢はどこから来るんだよ。さっきまで俺にボロクソ言われて項垂れてた癖によぉ。あ、そうそう。お前に一つ良いこと教えてやるわ。───剣の間合いと欠点は把握しとけ、ボケナス」

「は?な、なんで無事なんだよ!」

「逆に聞くが、お前は俺に何かある様にしたって事だよな?怖いことするねぇ......武州五輪、零落白夜をコピーしろ」

《諒解。だが、御堂。なぜこのような?》

「何故?これはある種の復讐みたいなもん。心配すんな」

 

 武州五輪との会話を終わらせると、景秋は織斑の問いに答えた。

 

「お前のISと雪片の欠点を解説してやるから、耳の穴ドリルでも何でも良いからかっぽじって聞きやがれ」

 

 景秋はそう言って演説者の様に歩きだす。

 

「お前のIS...白式って言ったな。白式には雪片以外の武装は無い。俺はこれまでの戦闘でそれを理解した。つまりは刀一本で戦わなけりゃいけないって事だ。これが白式の弱点、欠点だな。加速力、機体性能は流石、篠ノ之博士が作っただけの事はある。

 さて、次は雪片の欠点を話してやろう。雪片は実体剣でもあり、ビームソードにもなる優れものだ。だが雪片は零落白夜って言う単一仕様能力(ワンオフアビリティ)を使うのにエネルギーを食われる。

 更に、間合いに入る為にスラスターを吹かす。それにもエネルギーを食う。攻撃を食らえばエネルギーを食う。悪循環だな。

 間合いに入る為には攻撃を避け、近付く必要があるが、お前は直線的に突っ込む事しかしない。

 そりゃ攻撃も受ける。んで余計にエネルギーを食う訳だ...」

「だ、だったらなんだって言うんだよ!」

 

 景秋の言葉に織斑は言葉を放つ。それ景明は答えた。

 

「今から説明してやるってんだよ、ボケ!話聞きやがれ。...エネルギーを食らわずに避ける方法は幾つもある。それは搭乗者の工夫が必要になる訳だ。

 さて、雪片の欠点だが、先も言ったようにエネルギーを食う事。それが一番の欠点に思われるがそうじゃない。まぁ、十分な欠点では有るんだが......間合いの変動が一番の欠点だ。

 エネルギーを刀身に集めてビームソード化させる事で多少は刀身の長さが長くも短くもなる。そして、その刀身の長さはエネルギー量によって左右される訳だ。エネルギー量が多ければ多い程長くなり、エネルギー量が少なければ少ないほど短くなり、発動すら儘ならなくなる。それがお前のISと雪片の欠点な訳だ。

 お前は発動してからスラスター吹かして俺を斬った。その間にエネルギーがどれだけ減ったと思う?だからお前が俺を斬っても装甲に傷が付いただけなんだよ」

 

 景秋は説明を終えて満足したのか大太刀を肩に担いだ。

 

「...そんなの...関係ねぇ!!

 

 大声で叫び、零落白夜を発動したまま突撃する織斑。景秋は小さい声でその技の名を呟いた。

 

零落白夜......」

 

 装甲は先程のセシリアと同じように青色と金色に変色。肩に担いでいた大太刀の刀身も青白い光を放っている。

 

「さぁ、皆様お待ちかねのコピーだ。お前より俺のが零落白夜の扱いが上手いって所見せてやるよ」

「俺の弱点は全部お前が言ったんだぜ?それはお前もだ。なら俺にだって勝てる!」

「勝手に盛り上がってる所に悪いんだが、俺の能力はコピーであって零落白夜じゃない。発動するしないは操れる。お前みたいに垂れ流しって訳じゃないんだな、これが」

 

 織斑の雪片と景秋の大太刀がぶつかり合う。お互いにエネルギーは減っていく。尽きるのは時間の問題。そこで景秋は鍔迫り合いと零落白夜を一度切って、逃げる様に距離を取る。

 

「どうした!逃げるのか!?」

「違ェよ、テメェ相手に逃げたらそれこそ恥だぜ」

 

 景秋は投げて地面に刺さっていた小太刀を左手に握り、再度零落白夜を発動した。

 

「二刀流で零落白夜だ、お前よりエネルギー消費量は増える。だが、手数も増える。これなら負けない」

「何を!」

 

 織斑の振り下ろしを左の小太刀で受け、右の大太刀で攻撃。織斑が下がって距離を取ろうとした所に小太刀を納め、大太刀で止めの一撃を食らわせる。

 

「もう終わりだ」

「この距離はお前にも詰められないだろ!」

 

 景秋がこれから放とうとしている技はセシリアの時に放った渾身の一撃。その劣化版。

 

「雲耀────」

「しまっ!」

 

 一瞬で距離を詰めた景秋は振り上げていた大太刀を振り下ろす。

 

轟雷ッ!!」

 

 零落白夜を纏った大太刀、ISの絶対防御すら斬り破る絶対攻撃。その一振りはセシリア戦よりも小さい轟音を伴って振り下ろされた。

 その一撃は織斑のISを解除まで追い込み、織斑の前髪を少し斬り落とし、地面にクレーターを作って止まる。

 

「零落白夜破れたり...」

『白式、シールドエネルギーエンプティ!勝者、東雲景秋!!』

 

 アナウンスの声に観客席は一気に盛り上がり、歓声が景秋へと向けられる。

 景秋はピットに帰ると待っていた妹とセシリアに声を掛ける。

 

「お疲れ、兄さん。中々にスッキリする倒しっぷりだったよ」

「おう、俺もそう思うぜ円香」

「お疲れ様ですわ、景秋」

「セシリアもお疲れ...って言う程、動いてはいなさそうだな」

 

 景秋の言葉にセシリアは頷く。

 

「えぇ...それよりも、織斑さんは大丈夫ですの?」

「まぁ、斬っちゃいねぇから死んではいねぇよ。前髪は少しばかりパッツン気味に斬り落としちまったけど...」

「それくらいなら大丈夫だよ、セシリア」

「え、えぇ...そうですわね」

 

 円香の言葉にセシリアはひきつった笑いを見せる。

 

「ありゃ、箒は織斑の方か」

「うん。さっきまで居たんだけど、織斑の方に行っちゃったよ」

「まぁ、箒がこってり絞るだろうさ...。俺は少し織斑先生の所に」

「うんわかった」

 

 景秋はそう言って千冬の元まで歩いて行った。

 

─────────────────────

 

「さて、織斑先生。賭けは俺の勝ちですね。おまけに零落白夜までコピーさせて貰っちゃって感謝しかありませんよ」

「この外道!貴様はどこまで人を侮辱すれば気が済む!どれだけ馬鹿にすれば気が済むのだ!」

「俺は織斑の伸びた鼻っ柱粉砕して心を折ろうとしただけです。まぁ、これで心が折れてるかは解りませんがね」

 

 千冬の怒号の問いに景秋は普通に答える。

 

「逆にお聞きしますが、あの程度の実力・技量で俺に勝てると思ってるアンタの方が俺を馬鹿にして侮辱してるよ。俺があんなのに負けると?いやいやいや...負ける方が難しい」

 

 景秋はそう言って小馬鹿にする様に鼻で笑いながら言葉を発し、その後もケラケラと笑う。

 

「貴様ッ!」

「そんな生温い拳が俺に届く訳が無い」

「ッ!」

 

 千冬の右ストレートにカウンターで左ストレートを食らわせる景秋。千冬は鼻血を出してその場に座り込む。

 

「ありゃ...力加減ミスりました。スミマセン。でも先に殴って来たのそっちだし...勘弁してくださいね」

「貴様、覚えていろ。この借りは必ず返す!」

「楽しみに期待せず待ってますよ~アハハハハ」

 

 景秋は笑いながらその場を後にした。

 

─────────────────────

 

 その日の夜。景秋は箒と屋上に居た。

 

「景秋...」

「ん?」

「私は...解らなくなってきた...。景秋と一緒にいるべきなのか、一夏と一緒にいるべきなのか...。私は解らないんだ」

 

 箒の言葉に景秋は返す言葉を選びながら返す。

 

「箒の心に従ったら良いんじゃないか?箒が私はこうしたいんだって思った事に従ったら良いと俺は思う。まぁ、俺の側に居てくれると俺は嬉しいけどさ。けど、強制は出来ない。あくまでも俺は箒の味方だからさ」

「そうか...」

今はな...」

「何か言ったか?」

 

 景秋の聞こえぬ呟きを気にした箒は聞き返すが、景秋が帰って眠る事を勧める。

 

「なんも言ってねぇよ。もう帰って寝な。冷えるぞ」

「あ、あぁ...おやすみ、景秋」

「おやすみ、箒」

 

 帰っていく箒を景秋は淋しそうな顔で見つめていた。

 

「ん?...もしもし、なんだい姉さん」

『いやいや~かー君も隅に置いておけませんなぁ~』

「見てたのかよ。こっ恥ずかしい」

『お姉さん的にはいっくんよりかー君と付き合ってくれる方が嬉しいんだよね』

 

 束の言葉に景秋は頭を掻く。

 

「それは俺じゃなく箒が決める事でしょうに。あくまでも俺は箒の味方である事が今の俺の立場なんですから」

『フフフ~私に任せてくれれば付き合えるよ?』

「俺が自分で想いを伝えますよ」

『なら私は見届けるとするよ』

 

 景秋の答えを聞いた束は笑って答えて、電話を切った。

 

『それじゃあね~バイビー』

「相変わらず嵐みたいな人だこと...」

 

 

 景秋は星空を眺めながら微笑んでいた。

 

 

 

 




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 次回、インフィニット・ストラトス ─名も無き武者は悪鬼となる─

 『戦鬼でも教えるのは優しい』
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