今回はFate要素もりもりで行くので、ヒロアカ要素薄いので、ご注意してください。
ヒロアカメインで来てる方申し訳ないです。(切実)
今回は主人公が使える能力のうちのもうひとつのお話になります。
体は剣で出来ている。
血潮は鉄で、心は硝子、
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走はなく、
ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り、剣の丘で勝利に酔う。
故に、その生涯に意味はなく、
その体は、きっと剣で出来ていた。
~~~~~~~~~~~~~~
これはきっと夢だろう。そう思いたかった。だって…この世界は寂しさと後悔しか感じないのだから。
灰色の空に浮かび、回り続ける錆びた歯車。
無数の剣が乱立した、墓標の様に突き刺さった剣郡の丘。
この丘にある剣は様々な気を発していた。聖剣、魔剣、はたまた無銘の剣。ありとあらゆる時代より生み出された神秘の名残り。人々の幻想が束ねられた結晶。
だが、この世界にある刀剣は全て偽物に過ぎない
ここには全てがあり、おそらくは何もない。
故に、その名を『
生涯を剣として生きてきたモノが手に入れた、唯一の確かな答え。
この世界は、一人の男が生涯を掛けて挑んだ、歩みの果て。過去の幸福も、己の死後の安らぎも、全てを投げ出して漸く得られた力。だが、その力の代償は命を失うことより、深く重いものだった。
全ての人を救いたい。
これは一人の正義の味方が、幼い頃に体験したものから生じた理想だった。
視界一杯に焦熱地獄が広がっていた。天高く登る獄炎の柱。
辺りに響く苦痛と怨嗟の声。
この光景を芸夢は知らない。
気がつけば、彼は灼熱の世界へと迷い込んでいた。
見たこともない街が、猛火に焼かれ、朽ち果てていく。
この空間は絶望の色しか存在しない。
怨嗟の声は燃え広がる炎に巻き込まれた人々から発せられるものなのか。
それとも、天上の孔より流れ出るあの黒き泥からなのか。どちらにせよ、あの泥は碌でもない愚物。極大な呪詛を帯びた別の何処から来たナニカ。
憎しみ、怨み、妬み、負の感情の全てを押し込められたモノ。
そんな絶望の地獄を一人の少年が懸命に走っていた。
ただだだ、助かりがたいがために走り続ける。耳を塞ぎ、目を閉じて、助けを求める人々の手を振り払う。
責めることなどできない。齢が十にも満たない少年が、この状況下で、他者を助ける余裕などあるはずもない。
少しでも意識を割けば、直ぐにでも死んでしまう。
そして、少年の意識は遂に途切れてしまった。
気がつけば、焼け野原に仰向けになっていた。辺りは火の気が消え、空は厚い雨雲も覆われているのが見える。
もうすぐ、雨が降るのだろう。それでいいのかもしれない。この地獄が洗い流されるかもしれない。
周囲には、倒壊した建物の瓦礫や焼け焦げた人々の死体。真っ黒になった人だったそれは最早原型は留めておらず、指先ひとつで触れただけで簡単に崩れるぐらいに脆い炭の塊となっていた。
ひとつ間違えば、自分もこの人達のようになっていただろう。ただ単に運が良かっただけだろう。
息をするのも苦しい。体には指一本すら動かす力など残っていない。このまま死ぬだろうか。
意識が薄れ、暗闇が少年を死へと導いていく。
刹那。
薄れゆく少年の手を力強く握ってある手があった。
今でも覚えている。目に涙を溜め、自身が生き残ってくれたことを心の底から喜ぶ男の姿を。
月下の誓い。
あの日、あの災害から自身を助けた男の養子となった少年。月明かりの下、その男が憧れた正義の味方の話を聞かされた。
深く心根付く苦難に満ちた人生。正義を貫くことの難しさ。
自身がことを為した後に気づいた過ちを少年へと語る。
しかし、それでも少年は…正義の味方になることをやめない。
月へ拳を突き立てる。
「うん、しょうがないから、俺が代わりになってやるよ。」
「爺さんの夢は」
「俺がちゃんと形にしてやるから」
男が果たせなかった夢を自身が叶える。
それが生き残った自分ができる、唯一の償いだから。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
灰色の世界。
男は剣をひとつ、またひとつとこの丘に突き立てる。血で錆びた剣はこの地へと刻まれる。
この行為は己が殺した人々への償いか、はたまた自身への戒めか。それとも理想に裏切られた愚かな自身に対する皮肉か。
後悔を背負った背中は、より一層重みが増した。逃れる事など出来ない…永遠に続くバットエンドの
その中で覚えていたことは、自身の真名と突如発生した未曾有の大災害の光景、正義の味方になると誓った夜の思い出。
そして、何よりも鮮明に覚えていたのは…あの運命の夜に出会った…一人の少女との邂逅であった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
芸夢はこの光景に深い悲しみを覚えた。無意識に発動した
いつの間にか立っていたこの世界に訪れたことに驚くよりも、この世界を知る事に意識を奪われた。
誰よりも理想に殉じ、多くの人々を助けた正義の味方の悲惨な末路。助けた人々に裏切られ、それでも尚、彼は喜んで死んだという。
馬鹿げている。生前も死後も、人々を救いたいという純粋な願いさえ、世界は容易く否定した。
救われぬ者に救いの手を。皮肉も救われなかったのは己自身だったと正義の味方は狂ったように笑い続けた。
この世界をもっと知りたい。あれほどまでの記憶を見たというのに、神野芸夢という男はまだ物足りないのだ。
知ってしまった以上、その全ての真実を知り尽くす。それが彼の読み手としての義務。
無限に近しいほど、地に突き刺さる剣の墓標の間を避けながら歩く。どこに何があるかも分からぬはずの世界であるはずなのに、この足は歩みを止めない。
この先に何かがある。自身の直感がそう告げていた。
「これは…」
丘の頂。そこにあったのは雌雄一対の双剣と…輝きを失った錆びた剣。互いを支え合うようにして突き刺さっていた。
自動解析を発動する。
「(対象、双剣と西洋の剣。詳細情報をインプット。)」
干将莫耶。
古の名工が作り上げた陰陽の柄が刻まれた宝剣。魔の類を払い、互いを引き寄せ合う性質を持つ。
錬鉄の英雄が好んで使っていた武器。
そしてもう一つの錆びた剣は…
「聖剣、
不意に聞こえる誰かの声。芸夢に語り聞かせるように出された言葉。
芸夢は後ろを振り返る。
「君がこの世界の担い手ということでいいのかな?」
「あぁ。ようこそ、こんな寂れた剣の世界へ。
「こちらこそ宜しくだ、英霊エミヤ。」
正義の味方と世界の邂逅。芸夢は何を思い、何を問うのか。それは彼のみぞ知る。
英霊エミヤ。誰かのために己を犠牲にし、誰かを救ってきた英雄。
上条当麻という憧れた人に似ているからこそ、気になってしまうですよねぇ。
こんな駄作ですが感想、ご意見気軽におねがいします。
主人公のもう一つの能力を決めようと思うので、投票の方をおねがいします。(一つ目は一方通行です。)
-
無限の剣製(オリジナル詠唱)
-
黄金練成
-
現実を潰す右腕、運命を収束する左腕
-
魔女狩りの王(ルーン魔術)
-
歪曲の魔眼