いよいよ、明日は決闘の日。一夏は箒ちゃんに鍛えてもらいギリギリ打ち合えるぐらいまで出来上がっている。
私はというと決闘が決まって次の日の放課後に山田先生や千冬姉さんに頼んで打鉄で戦う際に鎌を使って良いかと訊いたところ。
「用意できるのなら構わん」
そう、千冬姉さんが答えてくれた。
用意もなにも私の愛用のペンを使うのですが。
まあ、そんな事は些細なことだろう。それよりも、気になるのが千冬姉さんが言っていたことだ。
3日前ぐらいのことかな。千冬姉さんの部屋、寮長室を掃除に行った時のことだ。
私は寮長室の前に立ち、ノックをする。
「誰だ?」
部屋越しに千冬姉さんが声をかけてくる。流石に此処は返事をするべきかと思っていたら扉が開いた。
「………」
千冬姉さんは訪ねてきたのが私だと確認すると開けた扉を無言で閉めようとする。私はそれを見て
「閉めないで」
言葉の力を使った。動きを止めた千冬姉さんを見て私は寮長室の中に入ろうとする。
「千夏、待て!まだ入って───」
私は千冬姉さんの制止を訊かず、入る。予想していた通り、部屋は汚かった。空の缶ビールが散らかっており、必要なスーツ以外の服は出しっぱなし。
私はそれを確認した瞬間、掃除を開始する。
掃除を開始しから1時間後、ピカピカになった部屋を見渡す。我ながら良い出来だと思う。この掃除スキルもある意味千冬姉さんのお陰なのだ。
「うう、また千夏に格好悪い所を……」
扉の前で嘆いている千冬姉さん。
『そんな事を言うぐらいなら少しずつで良いからするようにするればいいのに』
「それが出来たら苦労はしないのだが」
『それなら、出来たらご褒美を上げるとか』
内心、こんなのでやる気を出すはず無いだろうと思うと突然千冬姉さんがやる気を出し、口を開き言う。
「これからは掃除をする事にしようか(千夏からのご褒美)」
これはご褒美に釣られたのかな。
「ああ、それと千夏の専用機の事なのだがな」
千冬姉さんは先程のプライベートの雰囲気とは変わり、真面目な雰囲気に変わる。私は自分の専用機の事と言われ、どうしたのだろうと思う。
「実は研究所から盗まれた」
『盗まれた?犯人はわかっているんですか?』
「ああ、分かっている。盗まれた際に犯人はこんな紙切れを置いていったらしい」
不機嫌そうに答える千冬姉さん。何故、そこまで不機嫌になるのだろうと思った。
千冬姉さんは机の上にあったパソコンを操作し始める。そして、盗まれた際に置いていったらしい紙切れの画像を文字が見えるように私に見せる。
内容は
『決闘の日に間に合うようになーくんの専用機は私が完成させてあげる。というよりは私しか出来ないと思うんだよね。何せ、なーくんの得意な武器を知ってるんだから。全く私ってば、なーくんの事一杯知ってるね。ちーちゃんが知らないことも知っているよ。これはちーちゃんに一歩リード、いやいやもっとリードしてるかも。そう思うとちーちゃんに勝った気がする。それよりも、なーくんのシャワーを盗撮する時になんで曇りがかかるんだろうかな。後ろ向きはかかんないのに、正面になると────』
そこで私は見るのを止めた。犯人はわかった。それ以上に知りたくないことを知ってしまった。まさか、ルームメイトの姉に盗撮されていたなんて知りたくもなかった。
頭を抱えていると千冬姉さんが私の頭を撫で
「安心しろ千夏──」
優しい声でそう言った。そう、優しい声だったのだ次の言葉が放たれるまでは
「次会ったら全力で握り潰してやるから」
何を?そう思ったのは私だけではないはずだ。
◇◇◇
キーングクリームーゾッ!?
油断をすればこれですよ。電波なんぞプチィっと切ればいいんですよ。ブチッと発信源からね。
まあ、いいでしょう。さて、今日は決闘の日ですよ。
順番は一夏対オルコットさん(漸く知ることが出来た。)次に私対オルコットさんで最後に私対一夏の順だ。
問題は私のISがどうやってくるかがわからないのだ。束さん曰わく今日届けると紙に書いてあったが。
そんな事を考えていると山田先生が急いで走ってきた。
「い、一夏くんに千夏くん!ISが届きました!」
一夏は私のISと訊いた瞬間、驚いていたが慌てている山田先生に
「山田先生、落ち着いてください。はい、深呼吸」
そう言う。山田先生は言われた通りに、深呼吸をする。
「は、はい。す~は~、す~は~」
「はい、そこで止めて」
何をし始める。それに山田先生は年上なんだぞ?
そう思って見ていると山田先生の顔が酸欠のせいか顔が真っ赤になっていく。
「ぷはぁ、まだですかあ?」
「目上の人間には敬意を払え、馬鹿者」
千冬姉さんはそう言い、一夏に主席簿アタック。バァンという打撃音を鳴らす。
「千冬姉……」
バァン!
「織斑先生と呼べ。学習しろ。さもなくば矯正するぞ」
私はそんなやりとりをしている間に私は何故か不思議と足が動いた。
あっちの方に何かある
そんな気がした。
そして、足を止め、あるものに目を惹かれた。そこにあったのは2台のIS。おそらく、白の方が一夏のだろう。そして、もう一方の黒のISの方が私のIS。名前は───
───『silent scythe』(サイレント・サイズ)
静かな大鎌。
silentは私。scytheはIS。
このISが私の専用機。良く考えたものだ。私にピッタリのISではないか。
そんな事を思い、目を閉じ、触れる。頭の中に情報が流れ込んで来る。このISは私を呼んでいるのだ。そして、ISに包まれた。
◇◇◇
目を開くとそこは古城らしき所に私は立っていた。周りを見渡すと2人の女性がいた。1人は、黒髪でポニーテール。私よりも身長が高い。もう1人は銀髪でロング。私と瓜二つの顔立ちの女性だ。ちなみに、私の方が身長は高い。
「貴方が私達の主」
そう言い放つ黒髪の女性。
『私と瓜二つの主』
地面にそう浮かび上がる。私は驚いてしまったが表情に出さない。すると、銀髪の少女が近付いて来た。
『私は貴方の力』
今度は空中に文字が浮かび上がる。
「私は貴方の身体」
黒髪の女性も近付いてくる。そして、2人は私の目の前に立ち
『「そして、私は貴方の剣」』
そこで意識が途切れる。
◇◇◇
目を開けば私はISを纏っていた。あれは、ISの意志なの?
そんなことを考えていると遅れて一夏達が入ってきた。全員が私がISに乗っていることに驚いていた。
「……千夏、何故勝手に起動しているのだ?」
千冬姉さんがそう言い放つ。私はISを纏っている状態なので紙に書けない。どうしようと考えていると頭の中にこのISの機能が入ってきた。先程の銀髪の女性がやっていた空中に文字を浮かび上がる機能があるらしい。私は半信半疑で使う。
『気になったから入って何となく触ったらこの状態』
どうやら出来たらしい。皆は更に驚いたという感じだ。私としてはISの時のコミュニケーションの心配がなくなった。けど、遠くの人とはプライベートチャンネルだろうな。
「……追求は後でするとして一夏お前の機体は隣のだ」
千冬姉さんに言われ、一夏は私の隣にあるISの方へ歩く。私はISを待機状態にして、箒ちゃんの近くに行く。待機状態は左腕にガントレットだ。
……何でガントレットになるんだろうか
待機状態はアクセサリー系のはずなのだが、私の待機状態ガントレット。大きいにも程がある。しかし、重さは無いし、動きにくい分けでもない。まあ、別に良いかという感じだ。そんな事を思っている間に一夏はISに乗っていた。
「一夏、気分は悪くないか?」
一夏を心配する千冬姉さん。流石にISとなると千冬姉さんでも心配するんだな。
「大丈夫、千冬姉。いける」
一夏はそう言った。私はチラッと千冬姉さんの方を見ると少しほっとした顔で
「そうか」
「夏兄、箒」
ハイパーセンサーがあるため一夏は後ろを向いたまま声をかけてくる。
「なんだ?」
「行ってくる」
『負けたらチョココロネ買ってね』
オルコットさんを見てから無性にチョココロネが食べたくて仕方がないのだ。
「じゃあ、オレが買ったら夏兄の声聞かせてくれよな」
そう言い、ゲートが開かれ戦いに行った。
◇◇◇
一夏の戦闘は割愛させて貰おう。理由は負けたからだ。けれど、あの言葉は格好良かった。もう一度聞こうと思い、偶然撮ってしまった音声を再生する。
『オレは世界で最高の姉さんを持ったよ。オレはあの日何も出来ずに、無様に逃げたんだ。夏兄を残して。……けど今は違う。守る為の力があるんだ。だから、今度はオレが家族を守る!』
「あぁぁ!止めてくれ、夏兄!そんなの録音しないでくれよ!?」
一夏は恥ずかしそうに叫んでいる。それも当然の筈。何故ならこの後、自爆して負けたのだから。
けどさ、一夏は恥ずかしくても私にとっては格好良かったし、頼もしいと思ったんのだ。だからこれはそんな一夏に言うのだ。
「一夏、格好良かったよ」
僅かだが微笑んでしまった。私はしまったと思った。そんな事、思っているとその場は静寂に包まれていた。そして───
「山田先生。訓練機の用意をしてくれ、今すぐにだ!私が千夏の微笑みを独占するのだ!」
鼻を抑えながら山田先生に指示をする千冬姉さん。それに対し、山田先生は千冬姉さんの指示が聞こえていないのかずーっとぼーっとしている。箒ちゃんは何故か一夏のことを睨みつけており、小声で何かを呟いている。
「……名前で呼ばれたこと無いのに。何故、一夏は。やはり弟だからなのか?……ふふふ、この鬱憤は訓練で……」
一夏はというと千冬姉さん同様に鼻を抑えながら頬を染めて私から目を逸らしている。
……え?この原因って私が喋って表情変えたせい?
そして、そんな状態が長く続いた。幸いのことに次の試合はオルコットさんの補給が終わるまで時間があるので良かった。
オルコットさんの補給が終えたということを知らされ、私はゲートに向かう。
私は目を閉じ、ISを展開させる。
「千夏、勝ってこい」
箒ちゃんがそう言う。私は頷き、飛んだ。
そして───
ドォォォン!
────止まれずに反対にあるアリーナの壁に衝突した。
ちなみに、このアリーナの直径は200メートルだよ。
「え?」
おそらく、その場に居た全員が突然のことで驚いただろう。私も驚いている。飛んだと思った瞬間、余りの速さに驚き、止まれなかった。
「あ、あの大丈夫ですの?」
心配したのかオルコットさんが声をかけてきた。
私は壁から這い上がり返答する。
『大丈夫。心配してくれてありがとう』
そう空中に文字を浮かび上がる。オルコットさんは突然空中に文字が浮かび上がったのに驚いていた。
「い、いえ」
オルコットさんを見れば何やら吹っ切れた感じをしていた。おそらく、一夏と戦って何か変わったのだろう。加え、惚れたのだろうな。
それよりも、このISだ。明らかに速度がおかしいだろう。けど、体がついて行かないわけではない。先程は突然の出来事だから、ああなったわけで、油断しなければ……
『ち、千夏くん初めて大丈夫ですか~?』
少しおどおどした声で訊いてくる山田先生。どうやら、壁に衝突したことにより、心配させたようだ。
私は大丈夫と頷く。
試合が始まる。
私は先程の一夏とオルコットさんの試合を見ていたのである程度は対応できる。
そう思い、オルコットさんの放ったビームを横に移動し、避ける───
ドォォォン!
再び壁に衝突。
「自滅ですの!?」
むう、慣れない。それよりも武器は………表示されない?どういうこと?殴れと。私の武器は拳か。……まあ、幸いペンを持ってきて良かった。
そう思いながらもオルコットさんが自立機動兵器『ブルーティアーズ』を使ってくる。
確か、このピットと自身の攻撃は併用出来ないんだよね。オルコットさんは。
「食らいなさい!」
オルコットさんがそう言うとピットから放たれる閃光。私は回避行動をする。が、ISが思うように速すぎるため上手く止められなく、壁ギリギリで止まる。しかし、ピットの攻撃は回避した。
「なんですの!?その出鱈目な速さは!?」
オルコットさん、それは私にも言えることですよ。慣れるのに時間がかかる。そう思い、オルコットさんの攻撃を回避し続ける。
◇◇◇
夏兄の試合開始始まって15分が経過した。相変わらず夏兄は回避しか行っておらず、一度も武器を出してない。
「……早いな」
千冬姉がそう呟く。オレもそれに同意して言う。
「確かに夏兄のISのスピード速いな」
率直な感想だ。やはり、夏兄のIS装甲が薄いから速いのかな。見た感じ、薄い鉄板なんだもんなあの装甲。
そんな事を考えていると千冬姉から
「私が言った“はやい”はISの事ではない」
そう言われた。オレはどういうことだと思う。すると、箒が説明するように言う。
「千夏があのISのスピードに慣れてきているのだ。見ろ、一番最初に飛び出した時は壁に衝突した。その後も衝突したが、今はどうだ?」
そう言われ、夏兄を見ると衝突せずに止まっていた。それだけではない。移動中に方向を変えていたのだ。
「もしかして、早いって」
「気付くのが遅すぎだ馬鹿者。それよりも千夏の体が心配だ」
本気で心配している千冬姉の顔だ。何を心配しているのだ?
「え?なんで?」
「千夏のISの移動は瞬間加速(イグニッション・ブースト)と同じ、いやそれよりも速いかもしれない」
イグなんたらってなんだ?
「瞬間加速の際、急激なGがかかる。ISの保護がないければ意識を失う程だ。しかし、ISを使っていたとしても瞬間加速中に方向転換すると体に負担が掛かり、骨が折れる」
骨が折れるってまた。……あれ、夏兄ってそのイグなんたらっての速度以上のスピードで曲がってた───ッ!?
「って、ことは夏兄の体は大丈夫なんですか!?」
「だから心配していると言っている!…山田先生、念の為に」
真剣な表情でそう言う千冬姉。山田先生はそれに頷き、どこかに行った。
◇◇◇
むう、そろそろ慣れてきたけど。曲がる度に体が痛い。けど、耐えられないわけではない。言葉の力を使った方が痛いからね。
それより、そろそろ攻撃開始と行きますか。
「何故、攻撃をしてきませんの!?」
『反撃開始』
そう文字が浮かび上がり、オルコットさんはそれを確認すると構える。
私は愛用のペンを鎌に変化させ、動く。オルコットさんの方ではなく、ピットの方にだ。
「なっ!?全部!?」
オルコットさんが驚く。理由は私が動いた瞬間全てのピットが切り刻まれたからだ。四方に合ったピットに対してスピードを殺さず、四回曲がり、全てのピットに鎌で攻撃したのだ。
『あとは、貴方だけ』
「この程度の事で諦めませんわ!」
オルコットさんはそう言うと自身で持っていた武器で攻撃してくる。私は回避行動をとろうとする。
しかし、私の体に痛みが走り、動けなくなった。
そして、オルコットさんの攻撃が直撃した。
◇◇◇
「主は馬鹿なのですか?」
突然、目の前に呆れ顔の黒髪のポニーテールの女性が罵倒の言葉を口にしており驚く。
私は周りを見渡す。どうやら此処は先程の古城だ。
「何故、主はスピードリミッターを解除して戦闘を行ったのですか!?」
『知らなかった』
その文字を見た途端、更に呆れ顔になり溜め息をついた。
というよりそんなのあるなら最初っからリミッターを掛けておいてほしい。おかげで体がボロボロだよ。
「主、言っておきますが骨の所々にヒビが入ってますよ」
『治せるから別にいいかと』
思うと文字が浮かび上がる前に黒髪のポニーテールの女性が口を開く。
「主、何を言っているんですか!?自身の体を大切にしてください!!治せるといっても、その痛みが頭痛にあるのでしょう!」
突然、説教される私。何故、こうなるの?それよりも私の力の事を知っている?
『なんで、私の』
再び文字が浮かび上がる前に遮られる。
「そもそも、まだ一次移行(ファーストシフト)すらしていないのに戦うのですか」
『それじゃあ武器が表示されないのは』
「……本当に気付いてなかったのですか?」
その問いに私は頷く。すると黒髪のポニーテールの女性は頭を抱えた。すると地面に文字が浮かび上がった。
『私達にも原因があるから主を咎められない』
「む、確かにそうですが」
すると銀髪のロングの少女が近付いてきて私の耳元で囁く。
「私の名は『ユー』」
それに続くように黒髪のポニーテールの女性も口を開く。
「私の名は『セラ』」
「『主、貴方の名は?』」
そう問われる。すると、自然と口が開く。
「私は織斑千夏」
ユーとセラは私の名を聞くと膝を地面に付き、私の手を取り、手の甲にキスをした。まるで、騎士が主に誓いをたてるように。
◇◇◇
「やりました」
オルコットさんの声が聞こえた。生憎、私はまだ落ちていないんだよね。爆発したせいか煙でオルコットさんが確認できていないようだ。煙が晴れる前にスピードリミッターを三段階に掛ける。おそらく、これで良いはず。そして、武器の確認をする。
……ある。ちゃんと表示されてある。《一撃必殺の鎌》そう表示されてあった。すると、頭の中にセラの声が響いてくる。
『千夏殿、その武器を使うときは使いどころを見極めてください。その武器は名の通り、一撃でシールドエネルギーを無くせます。もちろん、デメリットもあります。デメリットは展開した瞬間、シールドエネルギー1にします。満タンの状態でも1になるので覚えておいてください。ちなみに、シールドエネルギーが1の状態では展開出来ませんので』
ようは当てれば勝ちで当たれば負けにある武器と考えればいいんだな。
『それと、展開出来る時間も決まっています。展開出来る時間は3分です』
色々言いたいけど今は試合に集中しますか。私はそう思い、残りのシールドエネルギーを確認する。一割しか残っていない。これは今使うしかない。それにもう何度も攻撃パターンを見たんだ。当たる要素は殆どない。
そう思っていると煙が晴れる。オルコットさんは私を見て驚いく。
「な、なんですか!その髪と目の色は!」
会場にいたすべての人が私を見て驚いている。
髪と目の色?
そう思い、手に持っていた愛用の鎌を鏡にして見るとそこには銀髪赤目の私の姿があった。
『IS起動時に私の目の色とユーの髪の色がトレースされることになるので驚かないでください』
頭の中にそう言われる。私としては別に気にすることではないな。そう思い、先程までの鎌をペンに戻し、ISにある武器を《一撃必殺の鎌》を展開する。
「な、なんですか、その鎌は!」
私も驚いている。刃の部分はビーム状になっており、私の身長の二倍はある大きな鎌だ。この鎌は私の愛用のペンとほぼ同じの重量で刃の大きさ以外は完璧だ。故に───
その場で鎌を高速で回す。ブォンと風を切る音がなる。
────使いやすい。
そう思った瞬間、私は動いた。先程のスピードよりは遅いが、極端に遅いわけではない。一夏の白式並みだろう。
オルコットさんは私を近付けまいと手元にある武器で私を攻撃する。しかし、私はこの試合で何回も見た。オルコットさんの視線の先を確認、撃たれる場所を予測し、避ける。そして、私の間合いになった。
そして、切りかかろうとした時、一夏と同じ状況になった。ブルーティアーズについてある残り2発のミサイルをオルコットさんが放つ。
「かかりましたわ」
そう言われた瞬間、私の口は動いていた。自分自身に『避けて』と。
ほぼ至近距離から放たれたミサイルに対し、私は無理矢理、体を動かしミサイルに当たらないようにギリギリの所でターンをした。
オルコットさんは驚きの声を上げ、私はそのまま鎌を振り落とした。
『試合終了。勝者───織斑千夏』
この勝負は私の勝利で終わった。
◇◇◇
この後、私と一夏の試合が行われる予定だったが千冬姉さんが無理矢理中止させた。理由は私が瞬間加速以上のスピードで曲がっていた為に検査をしろと迫ってきたからだ。私はセラが言っていたことを思い出し、慌てて全身に手を当て、骨のヒビを治し始める。
何とか検査までには治すことが出来た為に異常なしと診断された。ひとまずは安心。安心したせいか急に眠気が襲ってきた。うとうとしていると隣にいた千冬姉さんの方に体を委ねた。
◇◇◇
検査が終わり、千夏の体に異常なしと診断され安心した。普通ならあの速度で曲がるとなると骨が折れるはずなのに千夏は大丈夫だった。もしかしたらISに何かしらの機能があるのではと思い、千夏に声をかけようとすると突然千夏が体を委ねてきたのだ。私は驚いて千夏を見ると規則正しい寝息を立てている。どうやら疲れて眠ってしまったようだ。
私は寝ている千夏を撫でながら頬を緩ませる。
すると、扉が少し開いており、何やら小声で何かを話している生徒が居た。
「こ、これは織斑先生のレアな表情」
「新聞の記事は『弟に恋する姉の表情』よ」
「し、新聞部にこの写真を───」
さて、覗き見をする生徒にどんな制裁をしようか。
取り敢えず決闘終了。書いていてやっとかと思いましたよ。それにしても戦闘描写が難しすぎる。
そして、もう一つ作品を書いちゃいました。もう一つの二次作はFAIRYTAILです。
宜しければそちらもご覧ください。