それでは!
「そろそろ昼食の準備をしますので、戻ってきて貰っていいですか?」
美鈴と霊力の扱いの精密さを上げる鍛錬をしていたら、咲夜さんが僕を呼びにきた。
「……何してるんですか?宙に浮いて…瞑想?」
「あ、咲夜さん。今から昼食を作るんですか?今行きます。」
「それよりもそれは何をしていたの?」
「それは私から説明しますね。今やっていたのは宙に浮きながら霊力を高める鍛錬で、これをやると空で戦いながら弾幕を撃つ時のスピードが早くなるんですよ。」
そう言う美鈴に咲夜は少し意地悪そうな目付きで
「そう…それよりも美鈴?貴方がしっかりと門番しているなんて珍しいこともあるのね。創真くんの影響?」
「えぇ……まぁ、この子の前で職務放棄する訳にはいかな……って何言わせるんです?違いますから。」
「そんなことよりも早く準備始めましょうよ…」
そんな言い合いをする二人に創真が会話をきりだす。
「…えぇそうね。それじゃ中に戻りましょうか。美鈴、準備が出来たらまた呼びに来ますから、創真くんが居なくてもしっかりと門番をしていなさいよ。」
「わかってますよー…それじゃ咲夜さん、創真くんまた後で。」
「あぁ、それじゃまた。」
「それじゃあ行きますよ創真くん。」
そして二人は再びキッチンにやって来る。
「それじゃ次はこれを切ってて下さい。」
咲夜さんに渡された食材を黙々と切っていく。切っている途中、僕は先程掃除をしている時に出会ったこあという子のことを思い出した。
「あの咲夜さん、ここには図書館があるって聞いたんですけど…どうなんですか?」
「……どこでそれを?」
ー私は教えてませんよーと言いたげな目付きで咲夜さんは僕にそう尋ねる。
「いや、さっき掃除していたらこあって子に出会ったんですよ。それでその子に図書館のことを聞きました。」
「あぁ、なるほど…こあに出会ったんですね。まぁ、図書館は有りますよ。読書に興味があるんですか?」
「読書に興味がある…と言うよりはどんな所なのかな…っていう気持ちがありますね。」
「なるほど……では午後はそちらの手伝いに行ってきてくれますか?
掃除はもう創真くんがすべて終わらせてくれたので。」
「分かりました。それじゃ昼食を片付けた後に行ってきますね。」
昼食を食べ終えた後。僕は地下図書館の近くへ来ていた。そして……
「ここが地下図書館…。入ってみるか…」
扉を開けて中に入る。するとそこは異空間の様な所だった……。
「ひろいな…ここに…あ、居た。おーいこあー!」
僕はこあを見つけたので彼女に声を掛ける。すると彼女は
「あ、創真くん!いい所に!ちょっと手伝って貰えますか?」
「?別にいいけどどうしたの?」
「本の整理なんですけど数が多くて…この本をそこの棚に閉まっておいてくれませんか?」
「いいよ。」
渡された本を僕は棚にしまっていく。
(おおいな…こんなのをしまっているのか……)
全ての本をしまい、僕はこあに再び声を掛ける。
「終わったよー。」
「あ、ありがとうございます!それじゃここの管理人のパチュリー様に挨拶して貰っていいですか?」
そして僕はこあに連れられ、パチュリーと言う人の所へ向かう。
「パチュリー様ー!この人がさっき話した創真くんでーす!」
「あら、貴方が博麗創真?私はパチュリーノーレッジ。ここの図書館の管理人。どうしてここに来たのかしら?」
「僕は博麗創真です。午後はここの手伝いをしてと咲夜さんに頼まれて来たんです。」
すると紫の服を羽織ったパチュリーは フフっと微笑みながら、
「気持ちは嬉しいんだけど…ここは別にこあ一人で回せるのよねぇ…
あ、なら暇つぶし程度に本を読んでいたら?」
「なるほど…分かりました。じゃあ読書させていただきますね。」
「どうぞお好きに…あと私には敬語は使わないで。そこにいるこあにもね」
「え?何故です?」
「別に貴方は部下って訳でも無いから敬語を使われると距離を感じるのよ…とりあえず敬語はやめてね?」
「なるほど……分かった。それじゃあ本を選んでくるね。」
そうして敬語を外してパチュリーと話すことにする。
(さて……僕の目的の本はどこにあるかな……?)
僕はとある本を探しに、本棚へと向かうのだった…。
はい!25話目終了です。
それでは次回も
楽しんでください