楽しんでみて!
「失礼します。お嬢様…」
「よく来たな、咲夜。そこにかけていいわよ。」
「?かしこまりました。お嬢様…」
私がお嬢様の食事を作り、お渡しした時にいつもと違う声掛けをされた。
「それでお嬢様?なぜ私はかけることを許されたのでしょうか?」
私がそう聞くと、お嬢様は少し微笑みながら答える。
「それは咲夜、お前が1番知っているはずよ。……そう、あの男のこと」
「……!それで話とは…」
お嬢様から彼の話題になるなんて…一体どうして…?
「そう身構えるな、別にあいつを殺そうってことではないわ。
ただ貴方に聞いてみたいのよ。あいつはどんなやつなのかをね。」
…なんだそんなことか。私は少し安心して彼とのことを話す。
「はい、彼の仕事はとても早く、それだけなくとても丁寧に掃除されています… 正直彼はずっとここで働いて欲しいですね。」
私がそう言うと、お嬢様は少し考えて、
「そうか…咲夜がそんなに褒めるなら本当なのだろうな……だが、あいつがここにいる理由が何故なのか分かっているな?」
「はい……彼がここに居るのは窓ガラスの修理費の為です…」
「そう残念にするな…。 それに私もあいつのことを知りたいのよ…
どうして人間があれだけの破壊力を持ったスペルカードを行使することができるのか…」
「確かに…彼のことはまだよく分からないことが多いですから…」
「そう…だから私はあいつにあのリングを付けたのよ…。あれを付けているあいだは絶対にこの屋敷から出ることは出来ないからね…」
「?そうなのですか?」
それは私もうれしい…、創真くんがここから出られないとなったらずっといられると思ったら、どこか心が踊るような感じがした…
するとお嬢様は釘を刺すように言う。
「しかしだ。あいつは博麗の巫女のお気に入り…あいつをここに閉じ込めたとなれば、必ずこの館に侵入してくる…」
「しかし、あの巫女ならばお嬢様の足元にも及ばないのではないでしょうか?」
「いや、次に戦う時は恐らく巫女の後ろにあの男が立っている。」
その言葉を聞いて、私の思考が止まった。
ど、どうして創真くんが…あの巫女の味方に……?
「まぁ、当然だな。我々と巫女とでは優先順位は巫女の方が高いだろう」
そしてお嬢様は目を少し光らせて言う…。
「しかしだ!我々の誰かが博麗の巫女よりも大切な存在になれば…あの男はずっとこの館にいることになるだろうな…」
そしてお嬢様は私の方へと目を向けて…
「さて咲夜、お前がなぜ私にあの男をここに置いてくれと頼んだのかという理由はあえて聞かないでおこう……。1ヶ月しか猶予はないぞ…
手に入れたいのならば行動しなさい?私は見守ってあげる…」
「お、お嬢様の能力を見た限りではどうなのですか?」
私は聞いてみる…可能性が0ならばそれは無意味なことになってしまうからだ…するとお嬢様はニヤリと笑って、
「無数の運命の中で幾つかお前とあいつが付き合っているものがあった……とりあえず行ってきなさい…私は社内恋愛も許せる方だから。」
「は、はい!行ってきます…!」
そして私はお皿を回収して彼の所へ向かう…
彼は今何をしているのかな?
そんな疑問を抱えて、私は創真くんの居るであろう彼の部屋へと向かうのだった……。
咲夜さんが来たのは、創真くんを返させないためです!
果たして咲夜さんルートが有り得るのか…!頑張れ咲夜ちゃん!!
それでは次回も楽しんでね!