今回も見てくれてありがとう。
それじゃあ…どうぞ
「よく来たわね、まぁ楽にしていいわよ」
部屋に入って固まる僕にそう言ってくれるレミリアさん。
「しかしですね…」
「口答えはしなくていいわよ、楽にして?」
「わ、分かりました…失礼しますね…」
そしてレミリアさんの前に置いてあった椅子に腰をかける。
その椅子はやけにふわふわしていた。
(いい材質使ってるなぁ…)
「ねぇ、落ち着いたかしら?」
座ってから数十秒後、僕にそう問いかけるレミリアさん。
「あ、はい。かなり……落ち着きました。」
僕はそう答えて次に彼女がなにを聞くのかと耳を傾けた。
「そう、それじゃあ…貴方に聞いておきたいことがあるわ…これは命令ではなく単なる誘い。深くは考えずにあなたの答えを聞かせて…」
「わ、分かりました…」
「それじゃあ聞かせてもらうわね……貴方…」
次に彼女が発する言葉に僕は思わず目を見張ることとなる。
「吸血鬼になりたいと思わない?」
「……え?」
理解が追いつかない。どうしてもそんなことを聞くんだ?吸血鬼ってなれるのか?でもどうやって…… しかしなってしまうならば何が失われる…?
等と頭の中が疑問で1杯になる…。
どんどんと頭の中を巡る考えが僕の正常な判断力を削いでいった…
彼に吸血鬼の話をしたのはいいけど……それから固まっているわね…
それではつまらない。はやくこの子の答えを聞きたいのだから……
「ねぇ…答えは決まった?」
「答えはノーです。すいませんがこの誘いは断らせて頂きます。」
「あら……どうしてかしら…?ちなみに博麗霊夢に関連付けずに答えなさい。」
…べつに彼が断るのは知っていた。なぜなら彼は博麗の巫女の所の人間。自ら妖になるわけが無い…。だからこそ博麗の巫女に関係する話をせずに理由を述べて欲しかった。
そして……私の観た運命に沿って進んでいるのならば…ここでこの子は……
「僕は……僕の生き方をしようって…決めてるんです。」
「……!そうか……それは残念だ…だが、これは悪い話ではないのよ?貴方のことはこの館の全員が大切だって思っている。だからこそ吸血鬼になって人間とは比べ物にならない時を皆で過ごしましょう?」
なんかプロポーズを受けている気分だ…。
でも僕は妖怪になるつもりはないし、この命が尽きる時も人間のままで死にたい。
なので僕は……
「それでも嫌です。僕は人間としてこの先も生きて行きたいと思っていますから…」
そう言うとレミリアさんは少し残念そうにして…
「そうかならばこの話はやめよう。それでだ…もうひとつあなたに頼みたいことがあってね…聞いてくれるかしら?」
「できる限りのことはやります。」
「そう…それじゃあ貴方にして欲しいことは……」
レミリアは1拍おいて、僕に喋り始めるのだった…。
はい、吸血鬼のになるかという誘いを受けます。
理由は……分かりますよね??
ま、これも後に分かることですので悪しからず。
まぁ、それでは次回もお楽しみに