それでは
拳が振り下ろされる…
僕はその狙いを頭だけにしていると分かっていたからか、即座に首を曲げて、その攻撃を躱す。
「……?!」
「狙いが単調過ぎたな、せいァ!」
驚くフランにそう告げ、僕は渾身の一撃を打ち込む。
「……っつ!」
フランは大きく後ろに吹っ飛ぶ
そしてその隙は僕にとって勝敗を分ける瞬間でもある、僕は即座に次の魔法を展開させる。
「……?!あいつはどこに…!」
フランは吹っ飛んだ後即座に創真の僕の方へと視線をやるが、そこに創真の姿はなかった……
「……そうか、次ハかくれんぼノツモリか…」
そういいフランはスペルカードを展開させる
【禁忌 レーヴァテイン】
低く、冷徹な声でその深淵の炎に包まれた武器を具現化させる。
それはレミリアの使うグングニルとは対照的で光のなき黒を彷彿とさせる様であった……。
「さあ、デてキナさィ?」
フランの無差別な攻撃が始まる……
……おいおいおい、あれはやばいだろ!
フランの使うあの武器…殺意の塊じゃないか!!
あんなもん振り回されて溜まったもんじゃねぇ…かするだけでも肉片になってしまう…!
瞬時にそれを感じ取った僕はフランに気づかれないようにスペルカードを発動させる……が、その刹那ーー
フランと目が合った。
「ミツケタよ……」
「…………!」
焦ってはだめだ…あいつに通用するのは最高で最も高密度の弾幕のみ……そしてそれを僕は持っているから……僕は霊力を貯める…そのスピードはここに来る時よりも、およそ3倍ほど早くなっていた……
その時…僕は酷く冷静だった…。
まるで死を乗り越えたかのように、確実にフランに技が当たることを確信している様な感じがした……。
(不思議な感覚だ……僕がこの子に勝てる確率は限りなく少ないってのに……僕は何故か落ち着いていられてる…?)
その感覚の正体は分からないが……それでも、いまの僕ならフランにだって、通用する力を発揮させられる……という謎の確信すら持っていた……
だからこそ僕は…真正面から戦うことにした……!
「こい!フラン!!お前の技……僕が打ち破るっ!!」
「……?!やッてミロォォッ……!!」
フランが持っているレーヴァテインに力を込めている…。
考えろ……それから考えられるフランの次の手段は……!
(吸血鬼の腕力を利用したあの武器の投擲…!そしてそのスピードに追いつく技は今の僕には……ない!!)
持っていたスペルカードを今持つ全ての霊力とともに解放させる…
現れる黒い球体…それは今まで撃っていた全ての技よりも黒くより激しい稲妻を発生させ、その力を象徴させていた……
「コレで……シネェエエエエエ!!!」
フランがレーヴァテインを投げる動作に動く…1度手から離れればそれはもう創真の敗北を意味する。
だからこそ創真は……!
「【 重符 重力光弾】!!」
投げるよりも早くその技をフランに放つ。
吸血鬼でもまともに受ければ怯むような攻撃だ。それの全力バージョンをノーモーションで放たれれば、フランもさすがに回避をとるのだ……
狂気に苛まれていなければ…
まともな判断力が欠けている今のフランに、回避という選択肢はなかった。その球体ごと目の前の人間を貫くことを考えていたのだ。
そしてレーヴァテインは放たれる。
しかし、それは重力光弾に直撃し、そのままそれをかきけした……。
「……っな?!」
そんな声を上げて迫ってくる弾幕を真正面から受けてしまう…。
「キャアアアーーッ?!!」
ーーピチューン!
そんな悲鳴と共にフランは点数と共に飛び散るのだった……。
はい!決着!!
創真くん、なにかに目覚めました!!
まぁ、次にこれに目覚めるのはいつですかね?
それでは!次回も!!