それでは!
「お嬢様…そろそろ…様子を見に行くべきでは……?」
創真くんが妹様の部屋に入って半日が経過した…。
私は気が気ではなく、早く創真くん安否を確認したかった。
「ふむ……そうね、そろそろ1度様子を見に行きましょう」
お嬢様もその気になったらしく直ぐに妹様の元へ向かうことになった。
「お嬢様……創真くんは……」
「心配しすぎよ咲夜。あいつがそう簡単に殺られるわけがないでしょう?」
「しかし……」
とにかく彼が心配だった。
お嬢様も平静を装ってはいるが、足取りが少し早くなっていることから恐らくは彼のことを心配しているのだろう……。
私はお嬢様の後に続きながら、先日のことを思い出していた。
〜前日〜
「なぜ創真くんに妹様の世話係などをさせるのですか?!」
「仕方ないでしょ、私たちはフランに嫌われてて、妖精メイドたちはそもそも地下には行かない。だからあいつが1番適任だと思ったのよ。」
「そ、それでもっ!創真くんは人間です…。もし妹様に襲われたら……」
「咲夜、あいつがただの人間でないことはお前も知っているはずだろう?奴は単騎で森を踏破し美鈴を破り、お前のとの戦いを装って私を攻撃するなんて芸当をする奴だぞ?それに最近のあいつは面白い技をここで沢山覚えていじゃない…それに……」
「それに……?」
お嬢様は私の方を向いてハッキリと告げた。
「あいつは吸血鬼になりかけているの」
「……え?」
その言葉に私はそう返すことしか出来なかった……。
様々な思考が私の頭を過ぎる。
(どうして……)(創真くんが吸血鬼に……?)(だから地下に配置したの……?)
「じゃ、じゃあお嬢様は……」
「そう、私はあいつがまた美鈴の所へ行って太陽の光を浴びるのを防ぐためと言うのもある。でもやっぱりこれはおまけ、一番の理由は彼がフランの心を開いてくれると思ったからなの」
「創真くんが……ですか?」
「そう、あいつには人と親しくなる不思議な力がある…。だからそれを使えばフランの狂気も多少は和らいでくれると思ったの。」
「そう……なんですか……」
……驚きが隠せない。創真くんが吸血鬼になるなんて、そんな急なお嬢様の言葉に私はなにも考えられなくなった……
それだけ私には急でびっくりする内容だった。
「さて、そろそろ着くな。」
「はい、お嬢様」
さて、運命のとき……ここの中に彼がいる……私の大切な部下であり、大切な話し相手の博麗創真が……
遂にフランの部屋の前まで来た。
中から聞こえるのは……なにもない?!
お嬢様はそれに気が付いていないのか、そのまま私の方をみて
「さて、開けるぞ?準備はいいか?咲夜」
そう私に聞いた。だから私も
「はい、出来ています……」
と返した。
「よしっ…なら入るわよ……」
「はい……」
2人は小声でそう言い合って、扉
を開ける……。
そして目に映ったのは、
2人で仲良く談笑しながら部屋の模様や人形などを作る二人の姿だった……
心配のしすぎなんですよね、あと咲夜さん結構怒るなぁ……
そんな感じです。そろそろこの章もラストスパートにかかっています。
それにしても長すぎる。
書きたいことを書いてたらこの章だけで10話くらい使ってた……
てな感じですかね(笑)
それでは次回もお楽しみに!