「どこだここ……」
あれから里をでた僕は、竹で覆われた竹林にて遭難していた。
もときた道を戻ろうとしても既に戻ることは叶わず、ひたすらに歩き回っていたら既に当たりは真っ暗だった。
「なにも見えない…どうする?…………っ?!!」
多少焦りを感じ始めた頃、頭を打ち付けるような痛みに襲われた。
「な……なんで…?!羽がァ……!」
背中を見ると、そこには羽が背中から生えていた。
それと同時に目や身体にも稲妻のような衝撃が走り、その場でたつことも出来ず倒れてしまった。
(意識を保つことが……できな…い……)
ドサッと僕はその場で力尽きてしまった。
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「…………………………!」
意識が覚醒する。立ち上がり背中を確認するが、痛みはまだするが羽は既になくなっていた。
「僕は………あ、そうかここで力つきて…」
まだそんなことを考えられるだけの体力は残っていたので、そのまま探索を開始した。
太陽に当たるのはダメなので、影の中を進んでいった。
「……何かあるぞ?」
何時間か進んだところで、僕はとある建物に辿り着いた。
その建物を見ていたら、突然その中から人影が飛び出してきて……
「止まりなさい、どうしてただの人間がこんな場所にたどりついたのか説明しなさい。」
「…………ァッ……人……」
その人物を確認し、安堵感を感じたのか、僕の体は限界を迎え、その場で意識を失った。
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「ちょ?!なんで倒れるのよ!」
私は侵入者であろう人物に警告するために赴いたのに、まさかで会った瞬間に倒れるとは予想していなかった。
「大丈夫なの?ねぇ!」
私はその人物の安否を確認するため、彼の元へ駆け寄った。
先程の攻撃で既に意識は切れてるだろうから、そのまま彼の近くまで来て、心拍等を確かめる。
「……この人、なんでこれで生きてるの……」
服をよく見れば至る所に血痕が付着しているし、心拍だって不安定だったからだ。それに骨も数箇所折れている。
「とにかく、永遠亭に運んでおかないと…………ちょっとてゐー!手をかしてー!」
そうして私たちは彼を永遠亭へと運び込むのだった。
「うどんげ。」
……あれから、何時間か経過したとき、私は永遠亭の表向きの主であり、ここのトップである、八意永琳様に呼ばれた。
「はい?どうしかしましたか?師匠。」
「あなたが連れてきたあの男のことなのだけどね……」
「えっ……?意識が戻ったんですか?」
「一応はね……でも、出血が多すぎるし、身体の方もボロボロで今はまともに動くことも出来ないのよ。だからしばらくはここで治療を受けさせることにするから、世話とかは連れてきたあなたがやりなさい。」
「は……はい。分かりました。」
まぁ、それはそれで好都合か…彼のことも気になってはいたし……
そうと決まれば……
「師匠!私、彼の所へ行ってきます!」
「えぇ……行ってらっしゃい…」
そうして私は彼の元へと向かうのだった……
これからもこんなペースで続いていきます。