幻想郷の世界へと誘われて【不定期投稿】   作: 白黒魂粉

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お待たせしました


落し穴

意識を失った少年を尻目に俺はその結界を後にする。

……あとの事は当事者である霊夢の問題だ。

半妖の気を焼き尽くしたが、結局後のことは分からないだろう。

 

「さてと……他の敵はどこにいるのか」

 

屋敷の中を探索する。

変わり映えのない廊下を延々と歩き続けていく。

 

「おっと……変身は解いてもいいか」

変身は解除する。

霊力の鎧が剥がれ落ち元の姿に戻った。

 

「あれぇ?変身解いちゃうの?」

後ろから聞き覚えのない声が聞こえる。

 

「……誰だ」

「反応薄いな……ま、いいか。私は因幡てゐ。ここの玉兎よ」

「そうか……。」

 

彼女の頭には2つの耳がでているのを見ると彼女の言っていることは

その通りなのだと分かった。

 

「玉兎か…ならここのボスの所まで案内してくれるか?」

「どうして?」

「さっさとこの異変を終わらせてほしいからな。

こんな鬱陶しい月はさっさと元に戻してほしいんだよ」

「へぇ…ま、それは知らないけどね。」

「なら……戦って居場所を聞き出すだけだ。」

 

そう言って腕輪に霊力を流し込む……

俺がこの幻想郷で力を持つ少女達と唯一戦うことができる人間の切り札だ。

 

「覚悟しろよ?」

「……!まっ、待った!」

 

俺が何をしようとしているのかを察したのか、玉兎は俺を止める。

 

「待って欲しいなら……俺の言ったことをしろ。」

「………うーん…仕方ないわね……」

「……なんだ…やけに物分りがいいな。」

「まぁ、あんな化け物じみた姿になられたら私じゃ太刀打ちできないからね。」

「なんだ、よく分かってるじゃないか。」

 

これなら足りない霊力を無駄使いしなくてもいい。

あまり下手に戦うことはできないからな……

彼女に案内させることで俺はかなり楽に進むことができるだろう。

 

そうして彼女に案内をさせ……

 

ガコンと何かが作動する。不吉な予感が脳裏をよぎった。

 

「……?!……貴様ッ……!」

「悪いわね。やっぱりここを裏切るのはムリ。」

 

すると足元の地面が消失した。

俺は為す術もなく下へと落とされた。

 

「くっ……やってくれたな…お前」

「あはは、ごめんね!後はまぁ生きていたらまた会えるかもね!」

「おい!それじゃあ俺は生き埋めってことか?!」

 

ふざけるんじゃない……!

俺は空を飛べないんだぞ……それなのにこんな深い穴にたたき落とすなんて……

 

「それじゃあねぇ〜」

そんなことを言って玉兎はその場を後にしてしまった。

 

「くそ……してやられた。」

 

自力で上がるか……救助が来るのを待つか……

少なくとも今の状態だと……

 

「待機するか。動きすぎると倒れそうだ。」

 

ちょっと休憩。1ターン休みってことにしておくか。




次回未定です。

ごめんね

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