幻想郷の世界へと誘われて【不定期投稿】   作: 白黒魂粉

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お待たせ


従者の戦い 2

「どこからナイフなんて取り出したの?」

驚いた顔をして鈴仙は私に尋ねてくる。

 

「さぁね、私…手品師なのよ。」

なんて適当なことを言っておく。

 

「へぇ…そうなのね」

なんだか感心されてるし……まぁ、事実だし大丈夫か。

 

「そんなことより、貴女は準備しないの?私は武器を持った。

……貴女の武器は?」

「私はとっくに武装してるわよ?」

 

そう言って人差し指をこちらに向けて彼女は笑った。

「……?武装って……」

「避けないでくれるなら楽で助かるわね。」

 

すると鈴仙の指先がピンクの光を帯びた。

危険を感じた私はすぐに時間を停止させ、目を疑った。

 

……なんと私の目の先に弾幕が飛ばされていたからだ。

「なんてスピード……これは厄介ね」

なるかは判らないが、牽制の意味を込めてナイフを1本投げ込んでから

時間停止を解除した。

 

「……?!」

突如飛ばされたナイフに少し反応が遅れるが、それでも私のナイフは難なく彼女の

弾幕によって撃ち落とされた。

 

「……何かと思ったけど…本当に手品みたいな攻撃をしてくるのね。」

「まぁね……これからが本番よ……!」

 

ナイフを構える。次は外さない。

 

「隙を見せて大丈夫なの?」

鈴仙から弾幕が飛ばされてくる。

その弾幕はスピードこそ無かったが、次は密度が濃く、回避する隙間が

見つからない。

 

「…厄介ね……」

彼女の方を睨むように目線をそちらに移す。

すると彼女と目が合った。

 

「その眼は……!」

すると密度のある弾幕にバラつきが見えた。

 

「…………?」

よく分からないけど、あの眼がこの弾幕にかなり影響を与える感じ

らしい。

 

ならここで勝負にでるのもいいかもしれない。

「それなら…『幻符 殺人ドール』!!」

 

「それが貴女のスペルカード?…その弾幕なら……!」

彼女も回避の準備に入る。完全に避けきるつもりなのだろう。

 

しかし、その直後瞬時に時間を止め二層目のナイフの投擲を開始する。

 

二層目のソレは彼女が対処しようとする弾幕の更に何倍もの数のナイフだ。

そう簡単にはかわしきれないし、回避させないまでの自信はある。

そして全てのナイフの投擲をが完了し、私は再び時間を動き始める。

 

「なっーー」

時間停止が解除された無数のナイフは一斉に鈴仙へと向かった。

彼女はそれを受けるつもりなのかそこから動こうとせず、向かってくるナイフに被弾した。

 

「これで終わり。……なんとも呆気ないわね。」

厄介な能力だろうと、使われる前に倒してしまえば何の問題にもならないわ…

と思いながら結界の出口を探そうと動き出すと、

 

「どこに行くのかしら?まだ決着はついていないのに。」

 

「……?!」

 

突然全く別の方向から飛ばされた弾幕に被弾する。

何故……?!

 

「あら、貴女の攻撃は私には当たっていないわよ。」

「……どういうこと…」

 

確かに彼女の服なんかを見てもキズらしきものは見当たらなかった。

「ま、わからなくても大丈夫よ。どうせここで負けるんだからね。」

「……くっ、減らず口を!」

 

ナイフをとり戦闘体制に戻る……

どうやら一筋縄ではいかない相手らしいわね……!!

そう再び再認識したのであった……。




次回に続きます

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