モチベが無かったよごめんね
「そんな……」
あの時、美鈴が逃がした際。
人間では確実に死んでしまう程の威力だったのだ。
それに後日に発行された天狗の新聞でもそのクレーターから
恐らく命は無いと思っていた……。
でも、彼は生きていた。
ここで生きていたのだ。
「そうよ……」
なら……私にもやる事があるじゃない。
「私は……」
彼に言わなければいけないことが沢山ある。
話したい事も沢山ある。
しかし……その為には……
「鈴仙……貴女が邪魔よ……!!」
仕込んでいたナイフを取り出し、それを鈴仙に向けて放った。
ナイフは真っ直ぐ直線状に飛び、鈴仙はそれを打ち落とそうと弾幕を
はる。
「…………。」
「…残念。」
「ここでは私の世界よ。」
「誰も、この世界に干渉することは出来ない。」
何度でも何度でも私は時を止めてやる。
そして無数のナイフを彼女の周りに投げ込んだ。もはや回避は不可能。もはや手段は選ばない。勝つ確率を確実なものにする。
「これで終わりよ。」
時間を動かす。
止まっていたナイフは動き出し、彼女の身体に突き刺さっていった。
「これで良かった…のかしら…」
思考は止まっていた。
「お嬢様の元へ行かないと……」
ゆらゆらと歩き始める。
一刻も早くこの異変を終結させて、私はここにいる彼に会いたい……
そんな事を思っていると……
「…タダで負けれるものですか……!!!」
倒したはずの鈴仙が突如起き上がる。
「……?!!」
不味い……!時間を停止させて……
「させない……!!」
「……なっ、しまーー」
彼女の眼を直視する。
すると直ぐに身体の方に異変が起こった。
グワングワンと頭の中が混乱して、そのまま立つことができなくなり
そしてそこで力尽きるように倒れこんでしまう。
◇
「……ここは?」
気が付けば何もない空間に私は居た。
真っ暗な場所で、そこが何処なのかは分からなかった。
「どうしてこんな場所に」
辺りを歩いて回る。
探索することで、ここが何なのかを知りたかった。
「…………!貴女は…」
見慣れない場所で、私は見つけた。
彼を。
「創真くん!」
彼の名前を呼ぶ。
しかし彼は反応しなかった。
「創真くん!!」
気が付けば走っていた。
彼の元へ…彼の所へ一緒にいたい。
願うのなら……彼の……隣へ…
「……!?」
進めなくなった。
……正確には、どれだけ走っても、彼との距離は縮まらなくなった。
「ごめんね。」
すると彼は振り向いて、悲しそうな顔でそう言った。
「え…………」
何が起こったのかは分からなかったが、彼の背中には翼があった。
「僕は咲夜さんとは違うから…一緒には居られない。」
「そ…そんな……」
「咲夜さんもお元気で。」
それだけ言って彼は消えていった。
また何も無い空間に一人残された私は悲しみに暮れながら瞼をゆっくりと閉じた……
◇
「なんとか…なった……」
目の前で倒れているメイドを見て、私は安堵の息をつく。
彼女の能力は多分時間に関する能力で間違いないだろう。
そのためのこの時計なのかもしれないし……
そして私は持っていた海中時計を彼女のポケットに戻した。
「さて……と」
私も限界…みたいね。
「ま、あとはみんなに任せましょ…」
出血量があまりにおおすぎて、これ以上は手に負えないと思った私はその場で意識を手放すことにしたのだった。
これにてメイド戦~完~
そろそろ本丸の戦いが始まっていきます。
それでは次回もお楽しみに