幻想郷の世界へと誘われて【不定期投稿】   作: 白黒魂粉

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おまたせしました。

やる気の問題です。


VS月の賢者 3

展開された結界の中に閉じ込められた永琳だったが、それに関しては

焦る様子などは全く見られず、それどころか未だに余裕の表情を

そこに見せていたのだ。

 

結界には霊夢と紫の二人かがりでの妖力と霊力がかかっている。

更に付け加えるのなら結界の出来に関しても幻想郷随一と言える程の

実力者達による攻撃なのだ。

多少なりともダメージがある……それどころか決定打になるであろうも

二人は思っていた。

しかし状況は違っており、永琳は多少動き辛そうにしているだけで

今にも反撃の為に弓を引こうともしていた。

 

結界を張った二人は永琳を押さえ付ける為に霊力を流し続けるが

それでも永琳はその重量をはねとばすかのように弓に手をかけた。

 

そうして…………

 

「霊夢!一旦離れて!」

 

完全に結界が破られる。

弦を引いた永琳はまた弾幕を発生させた。

 

今度は確実に二人を完全に満身創痍にする為に相当の数の弾幕が一斉に

発生した。

 

「また……!」

「もう終わらせてもらうわよ。」

 

反撃はさせまいと、その場で直ぐに追い討ちをかけるべく

スペルカードの発動を決める永琳。

 

(姫があの魔女の子と戦闘をしているのでしょうけど……

それならさっさとこの侵入者達を一掃して姫の加勢に行かなくては……その為にも……!!)

 

「遊びは終わりよ?侵入者さん。」

 

弓を手放す。

彼女にとって弓は自身の力をセーブするためのものであり、それを

手放した……という事は彼女が多少なりとも本気を出した、ということを形で表したことになる。

 

「……?!まだ本気じゃないってこと…?」

「そうらしいわね。……くるわよ、霊夢。」

「えぇ……!!」

 

霊夢たちも迎撃の覚悟をきめる。

 

そう……これからが本番だ。

 

霊夢にも、永琳にも…互いに譲れない理由がある。

 

だからこそ……負けられないこそ少女達は武器を構えるのだった。

 

「ラストワード『天網蜘網捕蝶の法』」

 

瞬間、空間全てに霊夢と紫を逃がさせないかのような配置で

レーザー型の弾幕が発生した。

 

「なっ……?!」

 

「さあ、躱して見せなさい。……動けば動くだけ、貴女の移動選択肢は

消えていくわよ。」

 

レーザー型の弾幕は更に増え続けている。

霊夢も紫も上手く躱しているのだが、それでも躱す範囲はどんどん

縮まっていく……

 

「……やば………ッッ!」

 

霊夢の奮闘も虚しく、遂に弾幕に被弾してしまう……。

鋭い痛みが霊夢を襲うが、それでも霊夢は打開策を練り続けていた…

 

そして…紫が隙を盗み、隙間を展開させた。

 

「貴女の出番よ。この弾幕を発動者ごと消し飛ばしなさい。」

「私に指図するとはな…まぁいいだろう。」

 

「焼き払え……『新槍 スピア・ザ・グングニル』!!」

 

隙間から出てきたその吸血鬼は、その場でスペルカードを発動させて

そこに自身の妖力で造り上げた槍をその場に現界させた。

 

「フンッ……!」

 

レミリアはグングニルを振り回し、レーザー弾幕を斬り裂くのであった。

 

隙間の中から現れ弾幕を打ち消しているレミリアを横目に、霊夢も自身の能力で状況を打開できる策を思いついた。

 

「これなら……」

 

陰陽玉を飛ばして、自分自身に結界を展開させて、

霊夢は永琳のレーザー型の弾幕を空間ごと遮断して切り抜けた。

 

「博麗の巫女である貴様が何をしている……さっさとケリをつけて

しまうぞ」

「悪かったわね。でも……私に命令とは気に食わないわよ。」

 

なんて言葉を交わして、2人の人妖が目の前の標的に狙いを定めた。

 

「さて……これで決着が着くでしょうけど…何か質問はある?」

「そんな情は捨ててしまえ、以前のお前には無かったものだ。」

 

レミリアは質問をする霊夢にそう言って、すぐに永琳に目掛けて槍を構えた。

 

「……そうね。ま、終わった後に聞きましょう。」

 

そしてお祓い棒をもち、霊夢は全力のスペルカードを発動させた。

 

「ラストワード『無想天生』」

 

霊夢の周りから幾つもの陰陽玉が列を作って発生した。

 

「……いけ……」

霊夢が指示を飛ばす。

 

瞬間、列を作っていた陰陽玉が一気に永琳に向けて発射された。

 

「…………なっ」

 

永琳は一軍めの陰陽玉を躱し、次に飛ばされてきた陰陽玉に構える。

 

しかし、霊夢の攻撃にだけ気を集中させすぎた永琳の隙をレミリアが

逃すはずも無かった

 

「どこを見ているのかしら?」

「なっ……」

「貴様に躱せることができて私に躱すことができないと思った?」

 

そう言ってグングニルを至近距離で放った。

 

その攻撃を流すことができずにそれに喰らう永琳。

そしてそこから体制が崩れた彼女に追い討ちをかけるように

霊夢の無想天生が襲うのだった。

 

「くっ……ここまで…」

 

ーーピチューン

 

そうして、永琳の身体が弾けるのだった。




ありがとうございます。

次回がエピローグです。

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