幻想郷の世界へと誘われて【不定期投稿】   作: 白黒魂粉

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待たせたな。




エピローグ 永夜2

「……?なんでそれを?」

 

霊夢はというもののその御札を見ても対して反応を示しはせず、

少し奇妙な顔をして、そのままそれをスルーした。

 

「まぁまぁまぁ!それは私があいつに渡しておいたものなんだぜ」

 

そう言って魔理沙が輝夜の手から札をスっと横から奪取した。

 

それから小声で

「霊夢にこの話は厳禁なんだ。今は言わないでほしい。」

とだけ釘をさして、すぐにその札をしまった。

 

「ま、そういうことで今回の異変は完全に終了したわね。」

 

お疲れ様ーとばかりに霊夢は空を飛んで神社へ帰ろうとする。

 

それと同時にレミリアの方をみたら、既に彼女の姿も見えなくなっていた。

 

恐らく、自身の従者を迎えに行ったのだろう。

 

「さて……」

そう紫がことばを発した時、そこに今回の異変の首謀者である

八意永琳がそこに復活した。

 

「月をすり替えた貴女の目的はなんだったのかしら?」

「私の…いえ、私達の目的は一つ。月からの追っ手から身を隠すことだけよ。

そのために月からこの地上を観測出来ないようにする必要があった。

 

「その為に今回の異変を起こしたってことか……」

「その通りよ。」

「なんだ、そんな事だったの?」

 

霊夢が話に割って入る。

そのまま霊夢は続けてこう言った。

「この幻想郷は忘れ去られたモノが訪れる最後の楽園よ?

ここにある月はそこにいる賢者が作り出した夜の為のモノであって

本物の月……まぁ貴女の故郷の月とは別のモノって訳よ。」

「……じゃあ、私達のしたことは全部……」

「無駄だった……てことね。ご苦労さま。」

 

バッサリと斬り捨てる。

霊夢はそれだけ言うと今度こそ神社の方へと飛んでいくのだった。

 

「……ま、気を落とすなよ。それよりもさ……」

「……?」

「異変が終わった後なんだ、宴会のひとつやふたつ、開くべきだぜ!」

 

異変が終わって全て元どうりならやるべき宴会!

ということでこのことを永琳に提案してみる。

 

「……どうされます?姫様。」

「面白そうだし、やろうかしら。」

 

「決まりだな、それじゃあ詳しいことはまた知らせにくるから。

とりあえず今日の所は家にかえって夜まで寝るぜ。」

 

そう言って私も箒に跨り、空へと飛んでいくのだった。

 

 

 

「雰囲気が変わったな。」

 

落とし穴から顔をだす。

どうやらここでの異変とやらは終了したらしい。

 

身体を穴からだして、グッと身体を伸ばす。

そして俺は後ろで倒れている男の回収に向かうのだった。

 

「ここにいたのか……。…?」

 

そこに着くと、どうやら先客が居たらしい。

 

「その翼、お前がそいつを変えた超本人か?」

「……如何にも、貴様はただの人間……。何故そんな奴がここにいる」

「それは関係ないだろ?それよりも、だ。何故人間を眷属に変えた。

お前らからしたらそいつはただのエサに過ぎないだろ。」

 

その女はクククと笑いを零して

「そうだな、私からしたらエサとしか考えなかった。だがまぁ……」

 

「私の従者や家族が…彼のことを迎え入れたい、と提案してきたから…」

「逃げないように唾を掛けたってか?……ふざけた真似をするやつだ。」

 

「……好きなだけ言え。どうせ貴様はここで私によってこの世のものでは無くなるのだから。」

「舐めるなよ……蝙蝠……!!」

 

霊力を腕に集中させる。

 

…………変身…!!!

 

あまり長時間は居られないが、俺はいつもの姿を身にまとった。

 

あくまでも人間。変身しなければやはり妖怪達に分があるということを

俺は理解していた。

 

「さぁ、来るならこい。」

 

テンプレみたいな安い挑発を掛けてみる。

が、その蝙蝠はすこし考えた後

 

「悪いがこちらにも待たせている者がいるからな、今宵は見逃してやろう。」

と、言葉を返してきた。

 

「そうか、なら俺も危害を加えることはしない。ここから早く立ち去れ、蝙蝠。」

「私にはレミリアという名がある……!それにその甲冑と声……覚えたからな。」

 

そう言ってレミリアは持っていた男を離し、その場を立ち去るのだった。

 

「さて…」

 

俺はレミリアが置いていった男……創真を担ぎ、この屋敷を後にする。

 

「とりあえずはこの傷を治るまでは家に置いておくか。

それと……」

薬品を幾つか頂戴しよう。持ってて損はないだろ。

 

 

……それから1週間後に、少女たちは博麗神社にて宴会を開催したらしい。




永夜抄[完]。

久國とレミリアは敵対。
創真は久國の家へ……

次回から新章突入!


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