幻想郷の世界へと誘われて【不定期投稿】   作: 白黒魂粉

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5章開幕。

まあ、次の異変の繋ぎ的な章です。


人里漂流編
目覚めた場所


「ここは……」

 

目が覚めるとそこは見知らぬ場所だった。

 

周りを見ると、日本の昔の家みたいな造りをしていて、僕は必死に記憶を遡らせる…。

 

そうだ。僕はあの時久國という男にやられて……あれから異変はどうなった……?

 

「異変なら終わった。霊夢達が解決させたよ。」

 

「あ……そう…」

 

突然扉が開いたかと思ったら、そこから僕を気絶させた張本人…久國が

顔を出しながらその答えを僕に伝えた。

僕は少し驚きながら返事をする。

 

「何してたの……?」

 

「薪割りだが?もう時期冬になるからな。その為に色々とやっとかないといけない。」

 

「へぇ…それでここは?」

 

「見て分からないか?この家は俺の家。お前は暫くここで過ごしてもらう。」

 

「ここでって……かってに決めるなよ…!」

 

さすがに勝手がすぎる……と反論をするが、彼は聞く耳を持たずに

 

「どうせ行く宛てなんてないだろ?吸血鬼の元に戻るのか、博麗神社におめおめと顔をだす。なんてことはしないだろ、お前。」

 

ぐっ……たしかにその通りだった…。

僕はここの……幻想郷について何も知らなすぎたのだ。

そのせいで人里が何処なのかも知らなかった。

 

「確かにそうだけども……」

 

「まぁ、時期を見て博麗神社に帰ってもらうがな。それまではここで

この幻想郷について知っておけ。」

 

それに……と続けて

 

「ここでならお前を縛る物は少ない。少なくとも霊夢みたいに神社の中から出さない……なんてことはしないさ。」

 

と、付け加えた。

 

「まぁ……それなら…」

 

「よし、それなら早速俺のお手伝いだ。薪割りを手伝え。」

 

 

 

ということで僕は今、久國に言われた通りに彼が持ってきた薪を

彼の指導の元で割っている。

 

「なあ、これをやって何するんだ?」

 

僕はあまり薪を使うなんてことはしなかったので、これの用途を彼に尋ねる。

彼は少し呆気に取られたような顔をして、

 

「何って…そりゃお前、これで暖をとるんだよ。」

 

「暖……?火を使うのか?」

 

「そうだ。なんなら水も井戸だぞ。」

 

昔の人ってこんなに苦労してるのか……

僕はその昔の人の生活を体験…もといこれからそれをやるのか…と

なんとも言えない気持ちになった。

 

「まぁでも…慣れれば簡単だ。だから……」

 

「だから……?」

 

「さっさと慣れろ。分かったか。」

 

「分かったよ。」

 

そんな言葉を交わしながら僕は薪割りを続けた。

普段から身体を動かしているおかげか、薪割りはそこまで苦に感じることは無かった。

 

 

 

「あぁ、そうだ。」

 

日も傾き、夕食をとっていた僕に久國は突然

 

「明日にでも人里に行くぞ。仕事を紹介してやる。」

 

と、言ってきた。

 

「……へ?」

 

突然すぎることにそんな答えを返すと、彼は

 

「あのなぁ……ずっと家に居られても邪魔なの。それなら少しくらいは俺の経済に貢献しろ。……食費もタダじゃないしな。」

 

「あー…分かった。」

 

突然すぎるが、人里か……永遠亭に行く時はすぐに竹林の方に行ってしまったからな……

 

改めてそこに行けると考えたら、僕も楽しみだと思った。




次回、人里に行くの巻

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