(ロストワードやってました)
翌日、僕らは昼前に人里に向かった。
「さて…とりあえずは飯だ。奢ってやるよ、着いてきな。」
「分かった。」
そう言って僕らは一件の居酒屋に入った。
「よお、店主さんよ。……昼からやってるのか。」
「お、退魔師の兄ちゃん。いらっしゃい!……それと…そっちの兄ちゃんは?」
「こいつは外来人の創真だ。」
「よろしくお願いします」
「おう、よろしくな。…それと兄ちゃん達、注文はどうする?」
「いつもので頼む」
席につき、僕らは料理を待つのだった……
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昼食を食べ終え、僕は久國に案内してもらってある場所に辿り着いた。
「慧音。今大丈夫か?」
「あぁ…久國か、珍しいな。どうしたんだ?」
「いや……今日はこいつの職を探しにきた。」
「ほぉ…私はここの講師をしている上白沢慧音だ。君は?」
「僕は少し前に幻想郷に来た創真といいます。よろしくお願いします。」
「それでは君のような外来人に紹介できそうな仕事は……」
軽く挨拶を済まし、僕は慧音さんに幾つかの仕事を紹介される。
その中から僕は3つほど選び、慧音さんに
「すいません。これとこれが気になるのですが……」
それは昼間の警備と貸本屋の店番…それと香霖堂と言われる古道具屋
での手伝いだった。
「ふむふむ……しかしこれらの仕事に就くのなら結構労力が必要になるが大丈夫か?……特に警備と香霖堂での仕事は特に。」
「……はい。大丈夫だと思います。」
恐らく、僕の体つきが里の人よりも細いと思ったからそう言ってくれたのだろうが、まぁそこまで心配される必要もないだろう。
「あぁ、慧音。そいつ他の外来人とは違う。だいたいの力仕事はこなせるだろうから心配するだけ無駄だと思うぞ。」
付け加えるように久國がそう慧音さんに言った。
それを聞いた慧音さんは
「そうか、私の杞憂であったか。分かった…。それなら仕事の紹介の方はこちらから声をかけておくよ。」
「すいません…わざわざありがとうございます。」
「君が気にすることじゃないさ。それじゃあまた後日……3日後にまた
来てくれるか?」
「わかりました!」
それだけ言って、僕と久國はその建物を後にした。
「ねぇ、久國。」
「なんだ」
僕は気になったことがあったので彼に尋ねる。
「あの……慧音さんって何者なんだい?」
彼女から僅かだが妖力らしき物を感じ取っていたからだ。
「……半分だけ人間だよ。」
「……!それって……」
彼女も僕と同じで半妖って事なのか……?!
「僕と同じってこと…?」
「は?何言ってるんだよ……」
「え?だって彼女も僕と同じ半妖ってことじゃないの?」
はぁ……と彼はため息をつく、それから続け様にこういうのだった。
「お前は半妖じゃ無くなってる。今のお前から妖力は一切でていないぞ。」
次回に続く