待たせちまった……!!
あれから1ヶ月……
門番の仕事にも慣れてきた頃の話だ。
僕はいつものように久國の家に帰っている途中で何か強大な力を感じた。
「……?何かあるのか……?」
そちらの方を見てみるが、特にこれといった変化もなく、ただ可笑しい点があるとするのならば…
その強大な力を纏うかのように、一人の少女がそこに立っている…という事だろうか。
その少女は黒のワンピースの上にマントを羽織っており、その出で立ちだけで不思議な雰囲気を醸し出していた。
そして僕はその力に引き寄せられるかのように、その人の近くまでやってしてしまっていた。
「あの」
そう声をかける。
……しかし、彼女は僕に気がついていないのか返事は帰ってこなかった。
「…………あの」
念の為もう一度声をかけておく。すると僕の体から何かが溢れた感覚がした。
「な……?!え…?これは……!?」
それを見ると、背中からは吸血鬼の翼が展開されていた。
何故……?!今までこんなことはなかったというのに…
何故急に今になってこんな現象が起きているんだ……?!
そう思って、直ぐに結論というか…憶測ができた。
この目の前のこの人の影響では無いのだろうか?
そう思い、僕は彼女の方へと視線を向ける。
するとその時だった…
「ねぇ、そこの貴方。」
その少女がいつの間にかこちらに目線を向けて話しかけてきていた。
少し驚いきながらも僕は会話をすることにする…
「どうかしましたか?」
「いや、そこの貴方が先に話しかけてきたのではありませんか。
それで?どうかいたしましたか?」
そういえばそうだった…と思いながら
「いや、こんな所で一体何をしているのかなーーと」
「なに、簡単ですよ。私はここで待っていたのです。」
「…?待っていた?一体何を待っていたんです?」
「……それを貴方に伝える必要はあるのですか?」
……確かにそうだ。
僕は彼女にそう言われて冷静になる。
「すいません、確かにその必要はないですよね」
「えぇ…あ、でも…その翼の原因なら知っていますよ」
「……え?どういうことですか?」
「その翼はもう貴方の体の一部のようになっているのですよ。
……貴方の妖力は過去に朽ちていますが、その翼だけは貴方の体に
くっついていたのです。」
……何だって…?
じゃあこうして翼が飛び出てきた理由っていうのは…
「それは貴方がソレの収納方法を知らないからです。
……それと私が近くにいるからかも知れません。」
「収納方法ですか……?それってどうすれば……」
「?あなたも感じているでしょう?自身の霊力が減っていっていることが」
言われてみれば確かに僕の中から何かが抜けていっている感じはしていた。
霊力が無くなれば自然に消えるということなのだろうか。
それなら放置していても別に問題はないのか…?
「放置していればいいと思いました?それは大きな間違いよ。」
「…え?」
「霊力が無くなればここの付近にいる知性の低い妖怪たちに襲われてしまうもの。……だからそれをしまう方法を見つけなさい」
「…そんな事言われても……無意識のせいだからよく分からないです」
「そう、まぁいいは。今日は直ぐに帰った方がいいわよ。
家に帰る頃には翼は消えているでしょうから」
「分かりました。貴方、お名前は?」
名前を知っていればまた出会う機会があるかもしれない。
そう思って僕は彼女にそう尋ねた。
「私の名前?そうねぇ……貴方達人間に合わせていうのならこんな名前かしら?…私の名前は陽月彗曜。……ちょっとした神様よ。」
……え?
最後、なんて言ったんだろう…
次の瞬間、陽月彗曜は姿をくらましていた。
小さく呟いたその言葉を、僕は聞き取ることは出来なかった。
ここでようやく募集したオリキャラをぶち込むという。
彼女はこの後もちょくちょくでてきます。
コメントしてくれた人、見てくれてるー??見てたらコメントまってまーす!
ということで次回はそろそろ進展させていきます。
それでは不定期またばいばい