ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode4

 

―――銀華side―――

 

今日は魔法使いとの契約の話題となった。魔法使いと言えば、式森和樹。

彼も魔法使いなのだけれど、一体誰と契約を結ぶのか少しだけ気になるが

もっと気になることを聞いた。

 

禍の団(カオス・ブリゲード)』がフェニックス家の関係者と接触。

 

それを魔法使い協会の理事長のメフィスト・フェレス、

番外の悪魔(エキストラ・デーモン)の悪魔が口にした。

その他途端に、皆が怒りを抱いたのは当然だった。

イッセーを殺したのは紛れもなく『禍の団(カオス・ブリゲード)』だから

 

「(テロリストが現れたら生け捕りにしてイッセーを殺した奴らのことを吐かしてやるにゃん)」

 

―――グレイフィアside―――

 

「ユーグリット・・・・・」

 

私とシルヴィアの実弟が生きていたことに驚いた。でも、それ以上に一誠さまのご両親を甦らせ、

イッセーさまを殺させたことも驚いた。ユーグリットが仕出かした行動に私は上層部から

動きを宣言される事となった。何せ、私たち三人は兄弟姉妹で、今でも繋がっているのでは?と

疑惑を抱かれている。家から出ることも、禁じられて・・・・・元々、

あまり外に外出することはないですが、完全に外出することができなくなってしまった。

 

「イッセーさま・・・・・」

 

申し訳ございません・・・・・あなたを殺した弟の責任を私はこの命を懸けて償います。

 

―――プリムラside―――

 

お兄ちゃんが死んだ。その事実に私はとてもショックを受けた。

でも、もっとショックを受けたのはネリネだった。ネリネが声を出せなくなった。

あの綺麗な声が二度と聞こえない。おじさんも励まそうと頑張っていたけど、

魔王としての仕事が急激に増えたようで冥界に帰ってしまった。

 

「・・・・・」

 

だけど、どうして私はこんなにも落ち着いていられるのか分からない。

皆、泣いたり落ち込んだり、怒ったりしているのに、私は今まで通りにしていられる。

―――もしかしたら、と思ったからなのだろうか?

 

「お兄ちゃんは・・・・・」

 

そう、きっと死んでも私たちをどこかで見守ってくれているはずだから・・・・・。

 

―――ソーナside―――

 

「では、これより婚約を懸けたチェス十本勝負をしてもらいます」

 

冥界のとある会場で、私はイッセーくんが知らない事実、

私の婚約者とチェスで婚約を懸けた勝負を始めようとしていた。

 

「ソーナさん、十本も長いから三本勝負にしませんか?先に二本勝ち取ったものが勝利と」

 

「構いません」

 

私自身もそう思っていた。だから、彼の提案に躊躇もなく承諾する。

チェスの駒を動かす。相手も自身の駒を動かす。

 

「ソーナさん、幼馴染が死んでしまってとても辛い思いをしているのが

手に取るように分かります」

 

「・・・・・だから?」

 

「その辛さを私が何とかしたい」

 

「・・・・・」

 

今の私の気持ちをどうにかしたい・・・・・ですって?彼は何を言い出すのでしょうか。

 

「あなたを守った彼の意志を継ぎたい。そう思ってはいけないでしょうか」

 

彼の意志・・・・・?

 

「美しいあなたを守ったのはきっとあなたを命に代えても守りたかった。―――友達として」

 

「―――――」

 

『今までずっと・・・・・こんな俺を好きでいてくれてありがとう・・・・・』

 

あの時の言葉が脳裏に浮かんで、私の心を揺らぐ。

 

「チェック」

 

「っ・・・・・」

 

一本先手を取られた・・・・・っ!

 

「さて、残り一本です。ソーナさん、私はあなたと結ばれたい。

後にも先にも私はあなたしか愛すると誓います」

 

「・・・・・」

 

「結婚の式には―――その左手の薬指に嵌められた指輪を私が用意した指輪と変えてもらいます」

 

―――指輪。私は左手の薬指に嵌めている指輪に視線を向けた。

どこまでも青い指輪。彼が最期に渡してきた箱の中身―――。

 

「玩具の指輪ですか?そんなもの、あなたには似合いません。

きっと、私が用意した指輪のほうが数万倍にも・・・・・」

 

「玩具の指輪ではありません!」

 

つまらなさそうな面持ちで言う彼の言葉を強く遮る。

 

「彼が、イッセーくんが最期に渡してくれた大切な彼の贈り物!

初めて、初めて彼が私に送ってくれた唯一の贈り物を・・・・・あなたは私の気持ちを

理解しようとしていない・・・・・!」

 

怒りと悲しみが混じり、全身から魔力が漏れてしまっている。でも、これだけは譲れない。

 

「あなた言いましたね。後にも先にも私だけを愛すると。なら・・・私は―――!」

 

駒を一つ、動かす。

 

「例え、この世からないからいなくなっても私は後にも先にも彼を、

兵藤一誠を一生愛し続けます!」

 

そのためには、この婚約を懸けた勝負を勝たなければなりません。イッセーくん、

見ていてください。私は必ず勝って見せます。あなたをいつまでも想うために―――!

 

―――椿姫side―――

 

会長の付き添いでやってきた私は、会長の言葉に改めて気付かされた。

私、真羅椿姫は兵藤一誠と言う少年に恋をしているのだと。あんな真摯に言う会長が

とても羨ましい。小さい頃から想っていたと言うほどで、生徒会の仕事の曖昧に、

私たちに内緒で密かに恋愛の類の本を呼んでいることを会長以外の私たち眷属は

知っていましたけどね。

 

初めて異性に恋した時にはどうすればいいのか分からなかった。

でも、そう難しく考えずに接することが大事だと知り、彼とは友達以上恋人未満な

関係でいました。ですが、私の初恋は呆気なく終わった。彼の死と言う形で。

 

「・・・・・」

 

藍色の指輪・・・・・彼が最期にくれた贈り物。

 

―――アレインside―――

 

彼が死んで、もう二週間も過ぎたか・・・・・。

 

「皆を悲しませ、若くして死んだ貴様はマイナス100万点だぞ」

 

そう言わずにはいられない。出会ったあの時から私はあの男を鍛えていた。

―――逆に逆手に取られて私の方が鍛えられている方が多かったが。

 

「・・・・・私は、これからどうするべきであろうな・・・・・」

 

―――一誠side―――

 

砂漠を越え、ハルケギニアに入国した。他の国と世界と隔離した国とよく言ったものだ。

現代の機械らしきものが一切なく、遠乗りする際には馬か

ドラゴンに引っ張られる竜籠と言う乗り物で行くらしい。夜の際に町中を照らす街灯も無く、

店の明かりのみで道が小さく照らす。雨の日は傘と言う雨具がない代わりに、

フード付きのローブで雨を凌ぐようだ。そして、俺たちがいる国、ガリアもそうだった。

 

「ここがガリアという国か・・・・・」

 

「私も初めて来たが・・・・・綺麗だな」

 

白と青が基調とした建造物がちらほらと見える。町の建物はレンガや木造で作られた店や建物が

多い。違う国は自分が住んでいる国とまるで違う事実に突き付けられる。

 

「そして、俺たちが向かうのがあのガリアダンジョンか・・・・・」

 

どこまで高いのだろうか、百メートル以上はあるデカい塔だ。

柱のように白く特に装飾が凝った塔でもない。

 

「というか・・・・・ヴァン、今さら何だけど聞いて良いか?」

 

「なんだよ?」

 

「自分を言う時に『俺』じゃなくなっているけど、どうしてだ?」

 

初めてで会った時から、俺と一緒に死んだ時まで自称『俺』と言っていたヴァンが『私』と

言うようになった。その心の心境は一体・・・・・。

 

「はっ、自分をどう呼ぼうが気にすることか?」

 

「うん、だってヴァンには感謝しているし」

 

「・・・・・感謝だと?」

 

「―――俺を一人にはしない。一緒に死んでやる。そう言って俺にキ―――」

 

俺の言葉は途中で止まった。ヴァンが俺の首元に光の槍を突き刺したからだ。

 

「それ以上言ったら、もう一度殺すぞ」

 

顔を薔薇色に赤く染めて脅迫された。

 

「へぇ・・・・・2人ってもしかして、恋人同士?」

 

「「いや、違う」」

 

「へっ?」

 

ルクシャナは勘違いしている。

 

「此間まで、俺はヴァンを殺そうとしていたし」

 

「私はこいつに殺されそうになった」

 

「・・・・・2人ってどういう関係なのよ・・・・・」

 

何故か呆れられちゃっている。

 

「俺たちって、どういう関係だ?」

 

「知るか。まあ、一度共に死んだ仲だ。分かるとすればそれぐらいだろう」

 

「―――最期に女の喜びを知りたい」

 

「よし、もう一度殺してやる!」

 

光の槍が突き出された!真剣白刃取りで防いで拮抗する!

 

「くそ、どうして私はあんなことをしてしまったんだ!」

 

「知るか!でも、嬉しかったけどな!」

 

「私にとってはアレが人生一番の黒歴史だ!」

 

「うわ、傷つくな・・・・・」

 

苦笑を浮かべ、光の槍を粉砕した。

 

「取り敢えず、塔に行こう」

 

「・・・・・そうだな」

 

不毛な攻防は終えた。デカい塔へ目指して歩く。

 

―――???―――

 

「ついに、この日が来てしまったか」

 

「そうだな・・・・・」

 

「兄上、この日のために依頼した者たちは大丈夫なのでしょうか?」

 

「娘たちの護衛をするには相当な実力ではないとダメだ。フィオーレ王国一というギルドに

懸けるしかあるまい。ガリアダンジョンの攻略を娘たちとともにしてもらう」

 

―――ルクシャナside―――

 

私はルクシャナ。エルフで蛮人=人間を研究する学者。

いま、悪魔の塔に向かっているところだけどイッセーと堕天使の関係に驚いたわ。

殺し合う仲だったって言うもんだから、そりゃ誰でも驚くわよね。

でも・・・・・今はそんな危険な仲じゃなさそう。

 

「なぁ、ヴァン。秘宝って何だろうな」

 

「宝ではなさそうだな。・・・・・何か強力な武器とかじゃないか?」

 

「武器か・・・・・じゃあ、いらないな」

 

こんな感じで不穏な雰囲気を感じさせないほど、雑談しているんですもの。

 

「・・・・・あー」

 

不意に、イッセーが声を発した。気のない声だけど、どうしたのかしら。

 

「門番がいる。こりゃ、普通に堂々と入れなさそうだな」

 

塔のところに辿り着いた私たち。塔を中心に囲むように建物が建てられていて、

どうやら広場でもなっている。蛮人が大勢行き来する最中、イッセーが塔の門のところに目を

向けていた。彼の視線を辿ってみれば、蛮人二人が鎧を着込んで佇んでいた。

 

「どうするんだ?」

 

「んー、とりあえず、尋ねてみよう。通訳、頼む」

 

「分かった」

 

聞くのね。まあ、何もしないよりはいいでしょう。私たちは蛮人の兵士に近づいた。

 

「すまない、尋ねたいことがある」

 

「なんだ?」

 

「私たちは旅人の者でこの塔は何なのか知りたい。教えてくれるか?」

 

堕天使がそう尋ねると、蛮人の兵士たちが顔を見合わせる。

 

「まあ、聞くだけなら大丈夫だろう。―――この塔は六千年前、始祖ブリミルさまが創造した塔だ」

 

「門があるようだが、中に入れるのか?」

 

「入れるが平民を入れることは許されていない。王族が許した者しか許されない」

 

「塔の中に侵入した者たちは?」

 

「昔は大勢いた。だが、塔の中に入ったら最期。二度と出られない。皆、死んだと云われている」

 

話を聞いた通りね。やっぱり悪魔の塔だわ。この塔は・・・・・。

 

「興味あるなぁ、入っちゃダメか?」

 

「ダメだ」

 

あれま、やっぱり断われた―――。

 

「と、本来は言うところだが、王族がこのガリアダンジョンを攻略するそうだ。

その際、ダンジョン攻略に傭兵を募集している。命を捨てる覚悟があるのならば、

これから言う建物に向かえ。ダンジョン攻略は二日後だ」

 

って、入れちゃうんだ?しかも募集って・・・・・悪魔の秘宝を手に入れたいのね、蛮人って。

・・・・・そう言えば、イッセーたちはどうして悪魔の塔に行きたがっているのかしら。

秘宝には・・・・・興味なさそうだったけど。何故なのかしら。そして、

 

「じゃあ、教えてくれ。その建物の場所を」

 

私たちはダンジョン攻略の募集している建物の場所を知るのであった。

 

―――ヴァンside―――

 

人間から聞いた場所へ訪れれば、屈強な人間どもがわんさかいた。

どうみたって、ろくでもない奴らしかいない。ダンジョンの中はどうなっているのか知らないが、

ただの人間が六千年間も攻略できなかったと聞く。ならば、今回もそうなんじゃないか?

 

「・・・・・不思議だったな」

 

「何がだ?」

 

「俺、ハルケギニアの言葉が分からないって思っていたんだけど、普通に分かったんだよ」

 

「じゃあ・・・・・通訳していた時からずっとか?」

 

こいつは頷いた。んだよ、そう言うことならさっさと教えろよな。

しかし、元人間が他国の言葉を理解できるようになったんだ?

 

「でも、会話ができても、文字は書けないかもしれない。ルクシャナ、書いてくれるか?」

 

「ええ、分かったわ」

 

それもそうだな。会話と文字は別物だ。文字で伝えたいが、

文字を扱えれないならその時点でダメだな。

その点、あのエルフがこの世界の文字を書けることができるならば、大助かりだ。

イッセーとルクシャナと一緒に受付でダンジョン攻略の参加をルクシャナが記入してもらった。

これで二日後のダンジョン攻略に参加できる。

 

「―――おいおい、女子供もあの塔に行くってのか?」

 

明らかに見下す声がどこからか聞こえてきた。

 

「止めとけ止めとけ、子供があの塔を攻略なんかできないって」

 

「ははは!ちげぇーね!」

 

途端にゲスな笑い声が私たちを包む。

 

「・・・・・はぁ・・・・・」

 

イッセーはただ溜息を吐いた。

 

「行こう。相手するほど、暇じゃないしな」

 

そう言ってここから私たちを引き連れて出ようとする。それについては同感だ。

 

「おいおい、ちょっと待ちなって」

 

「・・・・・」

 

出入り口をチビ、デブ、ブスが塞ぐ。

 

「ガキ、お前、その背中に背負っている大剣を置いて行けって。

その大剣はお前みたいなガキじゃ、震えることはできないだろう?」

 

封龍剣のことか。確かに、ここじゃあの大剣は目立ち過ぎる。鞘なんて差していなかったから

周囲の目が明らかにイッセーの大剣に向けていた。

 

「これは大事なモノなんだ。悪いけど、置いていけない」

 

「俺たちは怖い大人だぜ?言うことを聞かないとこわーい目に遭っちゃうぞぉ?」

 

各々と武器を手にしてイッセーに脅迫か・・・・・。無知とは愚かだな。この人間ども。

 

「そこ、どいてくれないか?」

 

「その大剣を置いたらな」

 

「・・・・・」

 

この人間ども・・・・・いや、目の前の人間どもだけじゃないな。

明らかに周りの人間どももイッセーの大剣を狙っている。隙あらば、奪おうと魂胆か。

 

「・・・・・はぁ、しょうがない」

 

右手を背負っている大剣の柄を握った。

 

「―――これは何の偶然だろうな?お前がここにいるなんてさ」

 

・・・・・なに?イッセーは何を言っているんだ?そう思った私の疑問はすぐに解消した。

 

「ドラゴンの臭いがしていたからどこのどいつかと思ったら・・・・・、久し振りじゃねぇか」

 

ドゴンッ!

 

「ぐおっ!?」とデブが勝手に吹っ飛んでイッセーに向かったが、

タイミング良く振り下ろされた大剣の腹で床に叩きつけられた。

 

「久し振りだな。ナツ・ドラグニル」

 

「おお、久し振りじゃないか。兵藤一誠」

 

出入り口から桜色の髪に銀色のマフラーを巻いた人間がいた。

 

「取り敢えず、立ち話も何だ。後の二人も潰す」

 

「オーケー。んじゃ、俺はブスだ」

 

「俺はチビだな」

 

「「ひっ!?」」

 

次の瞬間、チビとブスはイッセーと桜髪の少年によってボコボコにされた。

 

―――○●○―――

 

―――一誠side―――

 

「お前!死んだんじゃねぇーのかよ!?」

 

久々に再会した戦友、ナツ・ドラグニルにそう言われ、

 

「色々と遭ったんだよ。訳あって甦った」と言うしかないだろう?

 

「甦った・・・・・って。でもよ、どうしてお前からドラゴンの臭いがするんだよ。

いまのお前、ドラゴンそのものだぞ」

 

「その認識で問題ない。いまの俺はドラゴンだ。人間じゃなくなっているんだ」

 

「マジでか・・・・・」

 

目を丸くするナツ・ドラグニル。でも、俺よりもお前がこの国にいることが驚いたぞ。

 

「お前、どうしてここにいる?」

 

「ああ、依頼で来たんだよ。あのダンジョンを攻略をして欲しいって依頼が来てさ、

仲間と共に来たんだ」

 

「へぇ、俺と同じか」

 

「なんだ、お前もか。じゃあ、ライバルだな!」

 

いや、ライバルって・・・・・そんな嬉しそうに笑ないでくれるかな?

 

「因みに、ガリアダンジョンの塔だけか?」

 

「んや、トリステインとゲルマニア、ロマリア、アルビオン、全部だ」

 

「なんだ、結局俺と変わりないじゃないか」

 

「お前もかよ!?真似すんな!」

 

真似って・・・・・何だろう。理不尽な怒りを向けられたぞ。

 

「で、お前の仲間はどこにいるんだ?」

 

「ああ、宿にいるぜ。お前は?」

 

「・・・・・まだ宿は取っていないな」

 

「じゃあ、俺たちと一緒に泊らないか?」

 

気前が良いな。そもそも無一文の俺たちにその提案はありがたい。

 

「こっちは男一人と女二人、そっちは?」

 

「俺んとこは男二人と女二人だ。あと猫一匹」

 

猫?まあ、問題ないか。

 

「じゃ、よろしく」

 

「おう!よろしくな!」

 

ガシッ!と握手をして二人に振り返る。

 

「二人とももいいか?」

 

「ああ、別に構わない」

 

「私もよ」

 

ヴァンとルクシャナも同意した。俺たちはナツ・ドラグニルの仲間がいる宿へ赴く。

それから色々と聞いた。

俺と雑談しているナツ・ドラグニルはとても楽しそうだった。死んだ俺が生きていたことに

嬉しそうだった。

 

「ここだ」

 

と、どこかの宿に辿り着いた。『金の玉』・・・・・という、名の宿だった。

中にはいれば、広いフロアが出迎えてくれてナツ・ドラグニルは二階に上がる階段へ上る。

上がりきれば、赤い絨毯が敷かれた廊下を歩き、豪快にとある扉を開け放った。

 

「おい、ルーシィ!エルザ!」

 

刹那―――。

 

ドンガラガッシャアアアアアアアアアアアアアアアンッ!

 

部屋の中から大量の無機質の物体が出て、ナツ・ドラグニルをぶつけた。

 

「「「・・・・・」」」

 

扉の向かいの壁に様々な物が積み重なってナツ・ドラグニルの姿は見えなくなった。

ルクシャナとヴァンに頼んで、中の様子を見てもらうと声が聞こえた。

 

「ちょっと待ってもらえるだろうか」

 

「まったく!ナツったらドアを開けるときにノックしてって何時も言っているじゃない!」

 

どうやら男に見られてはならない状態でいるようだ。

俺が部屋の中を覗き込んだたらナツ・ドラグニルの二の舞になっていたと・・・・・。

 

「ナツ、大丈夫か?」

 

「お、おう・・・・・大丈夫だ・・・・・」

 

―――そんな時、隣の部屋の扉が開いた。

 

「んだよ、うっせーな。またナツの奴がやらかしたのか?」

 

黒い髪に鋭い目つきの少年が現れた。―――全裸で!

 

「ん?お前は・・・・・」

 

「・・・・・どうして、全裸なんだ?」

 

「ふっ、癖だ。気にするな」

 

気にするなってお前・・・・・。呆然とする俺を余所に、

騒ぎの元凶と思った変質者はナツ・ドラグニルが開け放った部屋の中に入った。

 

「おい、ナツの奴が―――」

 

刹那―――。

 

ドンガラガッシャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!

 

ナツ・ドラグニルの二の舞となった変質者。しかもさっきより二倍の物質量で。

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