ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode17

 

 

エンシェント・ドラゴンを原始龍がいる世界の牢獄に送って数十分。俺の目的も果たしたことで

ハルケギニアにいる理由もなくなった。

だから、共についてきたシャルロット、ジョゼットをガリア王国とゲルマニアに送っている。

 

「長いようで短い冒険、だったけどとても刺激的な数日間だったわ。

でも、残念ねもうお別れなんて寂しいわ」

 

「旅や冒険に別れはつきものだろう?」

 

「それと良かったの?私までダンジョンの中にあったお宝を分けてもらって」

 

「いいさ。今回の冒険した仲だ。受け取ってくれ」

 

ゲルマニアに訪れていま、キュルケの周囲に黒いケースが数個浮遊している。

 

「そう、それじゃあ、ありがたく頂くわ」

 

受け取ると言う彼女にコクリと頷いて手を差し伸べる。

キュルケからも手を差し伸べてくれて俺の手を握ってくれた。

 

「元気でな、キュルケ。もしよかったら極東の地の日本、光陽町って場所に遊びに来てくれ。

カリンたちも極東の地に来れたんだからお前も来れるだろう?」

 

「かなりのお金と権力者じゃないと行けないって知らない?」

 

「じゃあ、シャルロットやジョゼット辺りに頼んでみたらどうだ?」

 

「それもそうね」とキュルケは微笑んで頷いた。

 

「また会おう。キュルケ」

 

「ええ、イッセー。また何時か会いましょう!」

 

翼を羽ばたかせ、皆を乗せているメリアのところへ戻る。次は―――ガリアだ。

 

―――ガリア王国―――

 

「では、依頼通りにお二人を無事に送りました」

 

「ああ、ご苦労だった。二人とも、見ない間に少しばかり凛々しくなっている気がするね」

 

ガリア王国の宮殿にシャルロットとジョゼットを送り届けた俺たち。

ここでフェアリーテイルとシャルロットたちと別れると思ったんだが・・・・・。

 

「イッセーくん、個人的にしてほしいことがある。簡単なことだけどいいかね?」

 

「してほしいこと?」

 

「ああ、ラグドリアン湖って湖がガリアとトリステインの国境近くにある。

その湖の水が上昇して付近の町が水に浸水しているんだ。

ラグドリアン湖には水の精霊と言う精霊がいてね、どうしてそんなことをしているのか、

空気の塊で湖の中に入って水の精霊に会って聞いて欲しい」

 

と、調査の依頼をされた。まあ、その町の住民が困っているなら助けないといけないな。

 

「フィオーレ王国行きの船は明日の午後に着く予定だ。それまでキミたちは宮殿で過ごしてくれ」

 

「分かりました。お気使い感謝いたします」

 

じゃあ、俺はさっそくその湖に行くとしようかな。踵返して翼を展開したところで―――

 

「イッセー!私も行く!道案内が必要だろう?」

 

「ああ、そう言えばその湖の場所まで分からなかったな。んじゃ、頼む」

 

「ちょっと、主の私を置いていくわけじゃないわよね?」

 

「お前の主でもあるからな?ルクシャナ」

 

「「私も行く」」

 

って、シャルロットとジョゼット?お前たちは久し振りに帰って来たんだからここで・・・って、

なんで睨むんだよ。分かったよ。だからそう強く眼を向けてくるなって。

って、お前たちも来る気満々だな!?

結局、殆どの皆が俺と一緒にラグドリアン湖についてくることとなった。

 

―――ラグドリアン湖―――

 

ガリア王国から飛んでカリンたちの道案内であっという間にラグドリアン湖という

湖に辿り着いた。

 

「なるほど、確かに水が溢れ返って町のが水で沈んでいるな」

 

一度、町の様子を見に来た訳だが、本当に町が水に飲み込まれていた。

 

「今の今まで知らなかったわ」

 

「水の精霊ってどんなやつだ?」

 

「物体のない水の塊」

 

・・・・・ブヨブヨしか思い付かないんだけどシャルロット。ラグロリアン孤に戻って

皆を湖の岸辺に降り立って皆を下ろして人間化になる。

 

「さて、空気の塊で水の中を進めばいいんだな?」

 

「気を付けてね、水の中で水の精霊と戦うのは無謀よ。

一瞬でも水に触れたらあなたの心を奪われちゃうわ」

 

「俺の心を奪っていいのは俺に好意を持つ女だけで十分だ」

 

「うわー、キザっぽいことを言ったぜこいつ」

 

そう言いつつもヴァンの顔が赤いのは何故なんだろうね?

金色の錫杖を手にして俺たちの周囲に金色の膜を張り、いざ―――水の中へ沈んでいった。

 

「こーして水の中でいるとまるで水族館のようだな」

 

「水族館って?」

 

「色んな海の生物を建物の中で見聞することができる館だ」

 

「へぇ、面白そうね」

 

「フィオーレ王国にはないのか?」

 

俺の問いに「見たことも聞いたこともない」とルーシィ・ハートフィリアが答えた。

 

「そうか、だったら日本に来てみるか?フィオーレ王国にはない物がたくさんあると思うぞ」

 

「行きたいところだが、依頼を完遂したら帰らなければならないのだ」

 

「そうか・・・・・んじゃ、後で良い物を渡すよ」

 

「良い物?」

 

「おう、良い物だ」

 

それ以降、話はしなくなり水の精霊を探し続ける。湖中を彷徨っていると、

俺の視界に一点だけ光る光が視界に入った。気になってその光に近づいてみた。

 

「なにようだ、単なる者たちと単なる者ではない者たちよ」

 

光が喋った!まさか・・・・・こいつが水の精霊?

 

「水の精霊と認識しても?」

 

「肯定だ、単なる者ではない者よ」

 

精霊って水の体でできているんじゃないのか?心の中で怪訝でいながら、口を開いた。

 

「質問だ。どうして水嵩を増やすんだ?その理由を教えてくれ」

 

「聞いてどうする?」

 

「理由もなく水嵩を増やそうとしているわけじゃないんだろう?

お前はそんな精霊ではないと思っているけど違うか?」

 

「・・・・・」

 

水の精霊は沈黙したが、さらに言い続ける。

 

「俺に出来ることがあったら何でもする。お前の願いを必ず叶えてみせる」

 

そう言った時、光が近づいてきた。

 

「その言葉、誠だな?」

 

「二言はない」

 

光が点滅する。

 

「任せて良いものか、我は悩む。しかし、単なる者ではない者の言葉を賭けてみようと思う」

 

水の精霊は光を点滅した後、語り始めた。

 

「数えるほどもおろかしいほど月が交差する時の間、我が守りし秘宝を、

単なる者ではない別の者が盗んだのだ」

 

「秘宝?」

 

一体、どんな秘宝なのか。聞いて見たら、

 

「『アンドバリ』の指輪。我が共に、時を過ごした指輪」

 

カリンが呟く。

 

「『水』系統の伝説のマジックアイテム。書物で読んだことがある。

たしか、偽りの生命を死者に与えるという・・・・・」

 

「そのとおり。誰が作ったものか分からぬが、単なる者ではない者よ。お前の仲間かもしれぬ。

ただお前たちがこの地にやってきたときには、すでに存在していた。死は我にはない概念ゆえ

理解できぬが、死を免れぬお前たちにはなるほど『命』を与える力は

魅力と思えるのかもしれぬ。しかしながら、『アンドバリ』の指輪がもたらすのは偽りの命。

旧き水の力に過ぎぬ。所詮益にはならぬ」

 

「そんな秘宝を、誰が盗ったんだ?」

 

「単なる者ではない者は単なる者の風の力を利用して、我の住処にやってきたのは数個体。

眠る我には手を触れず、秘宝のみを持ち去っていった」

 

「名前とか分からないの?」

 

「分からぬ。だが、個体の一人が髪の色が銀であった。その者は悪しき存在であることも」

 

悪しき存在・・・・・髪の色が銀・・・・・。

 

「悪しき存在って悪いヒト?」

 

「悪い人間なら水の精霊は『単なる者』と言うと思うわ。その存在は人間とは違う存在?」

 

「もしかして・・・・・悪魔?」

 

―――――っ!

 

そうか・・・・・そういう事か!俺はようやく気付き、水の精霊に尋ねた。

 

「水の精霊。そのアンドバリンの指輪の力で甦った単なる者は偽りの命で甦るんだったな?」

 

「そうだ。本来の魂とは違う偽りの魂が宿る。そして偽りの魂を宿した者の命で動く」

 

・・・・・ははっ・・・・・そうか・・・・・・それを聞けて嬉しいよ。

 

「イッセー・・・・・・?」

 

「お、おい。どうして泣いているんだよ」

 

おっと・・・・・泣いていたか。頬に濡れた涙を拭いて。水の精霊に頷いた。

 

「必ずアンドバリンの指輪をお前に返す。だから、水嵩を増やすのを止めてくれ」

 

「誠だな?」

 

「ああ、約束する」

 

「・・・・・わかった。お前を信用しよう。指輪が戻るのならば、水を増やす必要もない」

 

ありがとう。これで町も元に戻るだろう。

 

「何時まで取り返せばいい?」

 

「お前の寿命が尽きるまでで構わぬ」

 

「気の長いことだな」

 

「我にとっては、明日も未来もあまり変わらぬ」

 

そうか、水の精霊って寿命がないのか。水の精霊に別れを告げ、湖中から出た。

 

「イッセー、あんなこと言っていいのかよ?誰が指輪を奪ったのか分からないんだぞ?」

 

「いや、ヴァン。俺たちはもう知っているぞ。指輪を奪った張本人と」

 

「なんだと?」

 

湖面から岸辺に上がって金色の膜を解く。

 

「アンドバリンの指輪を持っているのは―――ユーグリット・ルキフグスだ」

 

「「なっ!?」」

 

ヴァンとカリンが目を丸くした―――その時だった。俺たちの上空に穴が開いた。

敵の襲撃か?と思って警戒していると。

 

「う、うわああああああ!ど、どいてくださぁぁぁあああああああああいっ!」

 

「―――へ?」

 

見覚えのある姿と声に思わず間抜けな声を出してしまった。

穴から出てきた人物に押しつぶされる形で地面に倒れた。

 

「いった・・・・・なんなんだよ」

 

「あたたた・・・・・一度ならず二度までも・・・・・あのバカ龍!絶対に帰ったら説教よ!」

 

その瞬間。

 

「「え?」」

 

俺と金色の瞳で青い髪の少女の顔の唇が重なってしまった。

 

「「―――っ!?」」

 

反射的に離れて向こうが赤く染めた。

 

「な、ななななななにするんですかっ!?」

 

「いや、今のは事故だろう!というか、どうしてお前がここにいるんだよウリュウ!」

 

そう。ドラゴンの世界にいた原始龍のメイドが俺たちの目の前にいた。

 

「ううう・・・・・・私のファーストキスがこんな形で、

事故で奪われてしまうなんて・・・・・絶対にあのバカ龍を

お仕置きしないといけないわね・・・・・・!」

 

「いや、だからどうしてお前がここにいるんだって?」

 

「・・・・・そうですね。先にお伝えしましょうか」

 

咳を一つ。ウリュウは俺に向かって言葉を投げてきた。

 

「エンシェント・ドラゴンは無事に送られてきました。

そのことに原始龍さまはあのドラゴンを調―――もとい説得して忙しいため、

あなたに労いの言葉を送れないので代わりに私が感謝の言葉を言いに来たのです」

 

「いま、調教と言おうとしなかったか?」

 

「いえ、何のことでしょう♪」

 

笑顔ではぐらかそうとするな!あいつ、龍を大切にしているのか本当に!?

 

「それで、その封龍剣をあなたにそのまま授けると原始龍さまが仰っておりました」

 

「いいのか?まあ、くれると言っていたけど返してくれっと言われたら

返すつもりでいたんだけどな」

 

「問題ございません。こちらにも同様の大剣がもう一本ございますので」

 

そういうことなら・・・・・このまま俺の愛用の武器として振るわせてもらおう。

 

「それとアルビオンとドライグがルーマニア、吸血鬼がいる根城にいます」

 

「アルビオンとドライグ?―――ヴァーリと成神か。でも、なんでルーマニアに吸血鬼?

それに根城って・・・・・俺がいない間に何が起きているんだよあいつ等は・・・・・」

 

「さあ、私たちにも分かりかねます。

私たちはドラゴンを見守ることが仕事のようなものですからね」

 

ウリュウが徐に腕を振るった。そしたら空間に裂け目ができた。

その裂け目の向こうには雪が降っている町だった。

 

「直接吸血鬼たちの根城に繋げました。ただし、水面から水の底を覗くような感じですので、

本格的に繋げていません」

 

「え、そんな簡単に吸血鬼たちの根城に繋げられるものなのか?」

 

「ドラゴンのオーラの波動を利用して開いているんですよ。

ドラゴンに関する事なら何でもできますからね」

 

流石だな・・・・・と、裂け目から覗ける向こうの町の様子が―――。

と、思った矢先に、数多の黒いドラゴンが現れて町を襲撃し始めたぞ?

 

「な、なんですって!?」

 

ウリュウも驚く。あの禍々しいオーラは・・・・・邪龍か?

 

『ああ、間違いない。俺たちにとって雑魚だがな』

 

内にいるアジ・ダハーカが肯定の言葉を言う。すると、また俺に話しかけてくる存在がいた。

 

『兵藤一誠、原始龍です。いま、こちらでも吸血鬼の根城に起きていることを確認しています』

 

原始龍、俺はルーマニアに行けれないか?

 

『そのつもりであなたに話しかけたのです。あの邪龍たちを屠ってください。

あれは龍であって龍ではない。吸血鬼たちの成れの果てなのです』

 

一体・・・・・あっちで何が起きている事やら。

分かった。俺たちを吸血鬼たちの根城に転送してくれ。

 

『分かりました。では―――』

 

俺の足元を中心に魔方陣が展開した。ヴァン、ルクシャナ、リース、ティファニア、

カリンも魔方陣の光に包まれ始めた。

 

「はっ?ちょっと待って!まだ、さっきの映像に移っていたドラゴンを倒すんなら俺も行くぞ!」

 

ナツ・ドラグニルが魔方陣に入ってきた。って、おい!?

 

「帰りがもっと先になっちまうぞ!?」

 

「だーいじょうぶだって、お前が俺たちを送ってくれればそれでいいんだからな」

 

「そ、そういう問題じゃないだろう?」

 

「いや、そういう問題だと私は思うぞ?」

 

エルザ・スカーレットまで!いや、グレイ・フルバスターやルーシィ・ハートフィリアもか!

ハッピーも!?

 

「待って!こんなお別れはいや!私も行く!」

 

「・・・・・行く」

 

と、シャルロットやジョゼットまで!流石にこの二人はダメだろう!?

魔方陣から追い出そうとしたが一足遅く、魔方陣が俺たちをルーマニアへ転送してしまった。

 

―――○●○―――

 

―――和樹side―――

 

リゼヴィム・リヴァン・ルシファー・・・・・・!何てことをしてくれたんだ!

男尊派のツェペシュ派の町が大量の量産型邪龍に破壊尽くされている。

ギャスパーくんの幼馴染のハーフヴァンパイアの子を助けようと尽力を尽くした。

でも、よりによって亜種で三セットの神滅具(ロンギヌス)だったなんて。

それをあの悪魔が一つを奪ってその上、弱点のない肉体を願った吸血鬼たちを量産型の邪龍に

変化するようにも仕組んでいた。

 

「うひゃひゃひゃっ!どんどん暴れちゃえー!」

 

「リゼヴィム・・・・・!」

 

「おっと、近づけさせないよ?」

 

一誠の父親、誠さんが立ちはだかる。それに母親の一香さんも。

この二人が僕たちに対する絶対の絶壁と言える。この二人と・・・・・。

 

「・・・・・」

 

謎の少女をどうにかしない限り、リゼヴィムには近づくことができない!

 

「リゼヴィム!一誠の仇を取らせてもらう!」

 

「およよ?死んだ坊ちゃんのことをまーだ好きなのかい?」

 

「当たり前だ!あいつは私を救ってくれた唯一の存在・・・・・!

それを、私は彼の傍にいてやらず死なせてしまったんだ・・・・・!

お前たちの手で一誠が死んだ!」

 

「うひゃひゃひゃ、ヴァーリちゃんが泣くなんて久し振りだねぇ?

お爺ちゃん、ナデナデして慰めたいかも!」

 

軽い口調でリゼヴィムはそう言う。

 

「この、イッセーくんの恨みを晴らすわ!」

 

イリナが青白い六対十二枚の翼を展開して、レーザービームのような青白い光を放った。

その攻撃は誠さんと一香さんが守るかと思ったら。

 

「って、どうして守ってくれないの!?

お願い、僕ちゃんを守って!このままじゃ死んじゃうぅっ!」

 

あろうことか、リゼヴィムアから離れて回避した。

―――でも、彼女の攻撃はリゼヴィムには届かなかった。

 

「なーんてね♪うひゃひゃっ!」

 

『―――――っ!?』

 

イッセーの神滅具(ロンギヌス)が効かない・・・・・!?

どういうことなのだと、僕が思っているとアザゼルが口を開いた。

 

「あの野郎は超越者の一人だ。―――『神器無効化(セイクリッド・ギア・キャンセラー)』って、

神器(セイクリッド・ギア)によるいかなる特性。神器(セイクリッド・ギア)によって底上げされた全ての能力が

効かないんだ・・・・・ッ。だから、イッセーの神滅具(ロンギヌス)神器(セイクリッド・ギア)である以上は、

リゼヴィムに一切ダメージを与えることはできない!」

 

ちょっと待って、それじゃ・・・・・ここにいる神器(セイクリッド・ギア)の所有者は

リゼヴィムに攻撃を無効化されるってことじゃないか!

 

「・・・・・およ?」

 

不意にリゼヴィムが展開した立体映像を見て首を傾げた。どうしたんだ?

と、僕も怪訝に首を傾げ、立体映像を見ると・・・・・映像に真紅の龍が映っていた。

・・・・・ガイアさん?でも、一回りほど小さいような・・・・・・。

 

「なーんで、あんなところにグレートレッドがいるんだぁ?」

 

リゼヴィムの疑問に応えるかのように、真紅の龍が口から真紅の光の柱を放って

量産型の邪龍を一掃し始めた。すると、僕たちの足元に巨大な転移型魔方陣が展開し始めた。

 

「気になるし、見にいこっか」

 

あいつがそう言うなり、魔方陣は眩い光を発して弾けていく―――。

 

 

 

 

目を開けると―――そこは夜の風景。度とだ。周囲に目を配る僕たち。

―――あちらこちらに空中を飛びまわる数多くの黒い龍の姿。転移された場所は―――城にある塔の

一つ。その頂上のようだ。町全域を展望できる場所は、真紅の龍の攻撃で

あっという間に屠られていく黒い龍たちを見えてしまう。

 

「おい、誰かガイアを呼んだか?」

 

「いえ、呼んでいませんよ」

 

「・・・・・じゃあ、どうしてガイアと似ている真紅の龍がいるんだよ」

 

アザゼルが訝しんだ。―――すると、真紅の龍がこっちに顔を向けてきた。

僕とあのドラゴンの視線がぶつかったと感じたら真紅の龍は翼を羽ばたかせ、

黒い龍たちを倒しながら迫ってきた。

 

「―――ほう、私の下僕に相応しい奴がいるではないか」

 

リゼヴィムの隣にいた謎の少女が嬉しそうな笑みを浮かべた。

そして、真紅の龍は僕たちとリゼヴィムたちの間に割る感じで近づいてくると、

 

「皆!」

 

「―――え?」

 

真紅の龍の背中から、ここにいるはずもない少女・・・・・カリンちゃんが顔を出してきた。

ど、どうして彼女がここに!?たしか、故郷に帰ったんじゃなかった!?

 

「カ、カリンさん?どうしてあなたがここに?

いえ、そもそも・・・・・真紅の龍に乗っているんですか?」

 

―――それだけじゃなかった。真紅の龍から続々と顔を出す人物たちが現れる。

 

「おっ、ロンギヌスチームのやつらがいんぞ!」

 

「久し振りだな」

 

「このような状況でなければ、微笑ましい光景だったろうに」

 

「さっさと倒しちゃいましょうよ!」

 

次期人王決定戦で出会ったあの時の人たちがいた!さらに、

 

「さ、寒い・・・・・」

 

「しょうがないわよ。今の時期は冬なんだし・・・・・同感だけどね」

 

「・・・・・私は平気」

 

「うん、私も寒いわ」

 

「・・・・・寒いわ」

 

「リゼヴィム・・・・・・!」

 

見知らぬ少女たちもいた。一人だけ激しくリゼヴィムに睨んでいたけど・・・・・。

中には驚くべき人物もいた。

 

「おー、こんなところで会うなんて、奇遇だなぁアザゼル?」

 

「―――ヴァン!?」

 

そう、一誠の両親を殺したと一斉に言い聞かせていた堕天使の女までもいたんだ。

 

「なんだ、あの面子は・・・・・・」

 

「カリンと一緒にいると言うことは・・・・・・知り合いのようだな」

 

「エルフもいるわよ?でも、どうしてあの人が一緒に・・・・・」

 

皆も困惑している。その中で堕天使のヴァンが真紅の龍から降りて来てアザゼルの隣に寄った。

 

「おい、どうしてお前がここにいる。そして、あの真紅の龍は何なんだ?」

 

「まあー、色々と遭ってな?私たちは一緒にここまで来たわけだ。

―――丁度、探し求めていた悪魔もいるわけだしな」

 

そう言って光の槍を投げ放った。が、誠さんが持つ剣によって弾かれた。

 

「また会ったな、誠」

 

「そうだね。久し振りだ。でも、気になるね。その龍は一体誰なんだい?」

 

「―――こいつを見れば分かるんじゃねぇか?」

 

ヴァンが意地の悪い笑みを浮かべた。その瞬間、一つの魔方陣が展開して、

その魔方陣から―――上半身が人間、背中に黒い翼、下半身が蛇のような体の生物が出現した。

 

『―――――っ!?』

 

その生物には一度だけだけど、確かに見覚えがあった。だって、そうでしょう?

―――ドラゴンに対する絶対的な悪意を持つ元は天使であり、

ドラゴンであり、堕天使でもある『龍喰者(ドラゴン・イーター)』サマエル!

 

「あれれ?サマエルじゃん。どーしてここにいるんだ?

坊ちゃんを殺した後、捨てたんだけどなぁ?」

 

「―――俺が拾ったんだよ。リゼヴィム」

 

真紅の龍が初めて口にした。・・・・・・この声・・・・・・。

 

「・・・・・おい・・・・・まさか・・・・・」

 

アザゼルが信じられないと面持ちで呟いた。真紅の龍は一瞬の光を放った。

光に包まれた龍は見る見るうちに小さくなり、人の形へとなる。

龍の背中に乗っていた人たちは魔方陣の上に乗って佇んでいる。

 

「お前らに殺された後、俺は確かに死んだ。でも―――こうして再び俺は甦った」

 

光が消失し、姿を見せるのは―――腰まで伸びた真紅の髪、金の双眸の少年だった。

だけど、その少年の顔は―――。

 

「イッセー・D・スカーレットとして、俺はお前の前に現れたんだよ。

―――リゼヴィム・リヴァン・ルシファーッ!」

 

「―――一誠・・・・・!」

 

僕の目の前に、僕たちの目の前に、死んだはずの親友がドラゴンの翼を生やして浮遊していた。

信じられない人物にリゼヴィムは目が飛び出そうなほど、驚愕していた。

 

「ええええええええええええええええええええ!?ぼ、坊ちゃん!?嘘、

どうして生きているのさ!?サマエルの呪いと毒で身も心も滅びたんじゃなかったの!?」

 

「俺だけじゃないぞ?」

 

また魔方陣が出現した。そこから―――久し振りに見る『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』オーフィスが現れた!

 

「我もいる」

 

「―――オーフィス!?」

 

オーフィスの出現に彼は本物の一誠だと実感できた。だから、リゼヴィムは珍しく呆然となった。

 

「・・・・・坊ちゃん・・・・・・お前、いったい何者さ・・・・・」

 

「言っただろう。イッセー・D・スカーレットだって」

 

容姿も名前も変わっている。

でも・・・・・僕たちの目の前に紛れもなく親友が生きて姿を現している・・・・・!

 

 

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