ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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異世界の魔法少女と異世界のデビルとドラゴンの遊記
Episode1


 

 

―――???―――

 

「この辺りにあの子が住んでいるのよね・・・・・えっと、どこかしら」

 

「やあ、そこの綺麗なお嬢さん」

 

「ん?」

 

「こんな天気のいい日だ。どこか喫茶店でお茶を飲まないかい」

 

「あー、遠慮します。・・・・・そうだわ、一つ尋ねたいことが」

 

「なんだい?」

 

「―――式森和樹が住んでいる家ってどこかしら?」

 

―――○●○―――

 

皆と再び暮らしてそれなりに日が経った。正式に俺の生存は公表されず、

一部の者以外が俺の死亡と認知し、もしかしたらすでに記憶から抜けているかもしれない。

だが、それがどうしたというんだ?俺は新たな家族を増やして愛しい家族たちと暮らせて

これ以上の無い幸福感を得ている。片時も離れようとしない家族とのんびり過ごし、

朝昼晩と共に食事をし、風呂に入ろうとすれば問答無用に女風呂へガイアに連行され、

就寝時には当然のように俺の周りに集まって寝る。まあその際、誰が俺のどの身体にしがみ付く

権利に様々な方法で決め合っているがな。今日も学校には行かず、家にいる皆と過ごしていると、

不法侵入をしたアザゼルにグレイプニルで縛り上げ、事情を聞いた。

 

「事情を話す前に、これ解け!」

 

「玄関から入れと何時も言っているんだけど?」

 

「面倒くさい!」

 

「よし、蝶蝉に連絡―――」

 

「すまん!これから絶対に必ず玄関から入るからそいつだけは勘弁してくれ!」

 

芋虫のように体を動かして懇願してきた。あいつに畏怖の念を抱いている様子だった。

あの時は本当に面白かったな。うん。

 

「で、どうしたんだ?」

 

「・・・・・あの魔石の件だ」

 

グレイプニルを解いてやると、アザゼルは言った。

 

「結論から言えば、前も言ったように似て異なる魔力の結晶だ。

俺が今まで感じた魔力とはまた違う魔力が検出されているが、

現時点で俺たちグリゴリがあの魔石について調べ上げられるのはこれが限界だ。すまんな」

 

「そっか。分かった、ありがとうな」

 

「気にすんな。こっちも未知な魔石を調べられて言い経験になった。ほら、返すぞ」

 

魔方陣を展開して、もう一つの赤い結晶を発現した。それを手にして手の平で弄んでいると、

この空間にエイリンとユーミルが現れた。

 

「むっ、その結晶・・・・・」

 

「ん?」

 

「イッセー、その結晶はどこで見つけたものなのじゃ?」

 

なんだか、知っているような口振り。

 

「鉱山を掘っていたら見つけたんだけど?」

 

「ほう、あの鉱山にか?意外なところにまた見つかるとはのぉ」

 

また・・・・・ということは、この二人もこの赤い結晶を持っているという事だ。

 

「持っているのか?この赤い結晶を」

 

「うむ。わしらのお気に入りとして大切に保管しておるからの。

その赤い結晶をどんな武具に利用しようか検討しておったからな。

かなりの魔力を秘めておるから、武具にすれば、物凄い力を秘めたものになるじゃろうし」

 

「ユーミル姉とわちらの分、二つあるのじゃ」

 

「ってことは、あのリゼヴィムとお前らの分を合わせると五つあるってことか。

こりゃ、いったいなんなんだ?」

 

アザゼルが怪訝に眉根を寄せる。さて、もう一つは・・・・・アジ・ダハーカ。

そっちはどうなんだ?話しかければ、手の甲に黒い宝玉が浮かんだ。

 

『そこの堕天使と大して変わらん。変わった魔力を持った魔石。それだけだ。

これがどんな用途に仕えるのか定かではないな』

 

「・・・・・千の魔法を使役する邪龍でさえも分からんか。

だったら、他の奴にも聞いてみるか」

 

「誰にだ?これ以上聞いても変わらないと思うんだけど?」

 

「魔石に魔力が籠っているんだ。

だったら、魔力に関して詳しい奴ならもしかしたら違う意見が出るかもしれないぞ?」

 

結局、その他の奴とは誰なのか俺は分からなかった。―――と、インターホンが鳴った。

リーラかグレイフィアが応対してくれるだろうから動かず、ユーミルとエイリンに赤い結晶を

持ってきてほしいと頼んで自室に向かわせた。二人と擦れ違うようにリーラが現れた。

 

「一誠さま、お客さまです」

 

「俺に?・・・・・知らない気を感じるんだけど?」

 

気を探知すれば、俺が感じたことがない気を感じた。リーラは俺の疑問を解消してくれた。

 

「正確には和樹さまの知人ですが、和樹さまは学校におりますので」

 

「和樹の知り合い?分かった。ここに連れてきてくれ」

 

リーラは頷き、俺の前からいなくなった。

少しして、再びリーラが和樹の知人を引き連れて現れた。

背中にまで伸びた茶髪に青い瞳の女性だ。それなりに背が高く青い瞳は強い意志が籠っている。

 

「こんにちは。突然、訪問してごめんなさいね。私は蒼崎青子。以御お見知りおきを」

 

「よろしく。ところで和樹の知り合いと聞いたが、一体どんな関係で?」

 

「うーん、師弟関係ね」

 

その言葉に俺は思い出した。和樹には師がいた事を。

 

「・・・・・ミス・ブルーってあんたのことだったんだ?」

 

「あら、あの子が私の事を教えていたの?」

 

「師匠がいるとしか言っていないけどな」

 

蒼崎青子は「そう」と言ってアザゼルと俺の間にあるソファに座った。

 

「和樹を会いに?」

 

「ええ、最近のあの子を見たくなってね。どう?あの子は」

 

「魔力と魔法に関しては和樹が世界一だと俺は断言する」

 

「へぇ、ちゃんと成長しているようね。まあ、一勝負して確かめないと分からないけど」

 

そこへ、アザゼルが口を開いた。

 

「お前さんが有名な魔法使いの一人か。こいつは驚いたな」

 

「確か・・・・・堕天使の総督だったわね?写真や新聞で何度か見聞させてもらったわ」

 

「おう、堕天使の総督のアザゼルさまだ、よろしくな」

 

アザゼルと蒼崎青子が握手を交わす。

 

「よろしく。まさか、あの子がこんな有名な人と知り合いなんてね。あの子も凄いじゃない」

 

「いやいや、そこのイッセーの方がよっぽど凄いぜ?訊いてみたらぜってぇ驚く」

 

「ふーん?そうなの?」

 

「いや、驚くようなことはないと思うけど?」

 

「嘘吐け!色んな神と交流を持っている人間、ドラゴンが何人もいてたまるか!」

 

アザゼルに鋭く突っ込まれた。

 

「色んな神と?それ、一体どんな神と?」

 

蒼崎青子が好奇心に聞いてきた。俺は色んな神の名前を告げたら、

 

「・・・・・」

 

ぼーぜんと開いた口が塞がらないでいる蒼崎青子が完成した。

 

「あなた・・・・・何者なのよ?」

 

「イッセー・D・スカーレット。本名は兵藤一誠だけど」

 

「兵藤・・・・・一誠!?」

 

いきなりソファから立ち上がって愕然とした面持ちで叫んだ。

 

「・・・・・一香さんの子供・・・・・」

 

「知っているんだ?俺の母さんの事」

 

そう言うと、蒼崎青子が詰め寄ってきた。

 

「知っているも何も、あの人の旧姓は式森一香。

元式森家当主でその時の式森家の魔法使いの中では魔法に関して右に出る者はいないと

称されるほど伝説的な魔法使いなのよ!?魔法使いの世界じゃ、

式森一香は千の魔法を使いこなす『千の魔法使いの男(サウザント・マスター)』の魔法使いと同等の

有名人!その名を聞いた下級魔法使いは恐れ戦き、

どんな優れた魔法使いが式森一香と対峙しただけで戦意がなくすというほどの魔法使いよ!」

 

「・・・・・なに、その逸話。初めて聞いたんだけど」

 

「寧ろ、あの方の息子であるあなたがそんな事を知らないなんて事が驚きよ。

今までどんな風に過ごしていたのよ?」

 

「えっと・・・・・色んな神さまと会わしてくれたり、色んな町や国に連れて行ってくれたり、

人間じゃ絶対に入れない場所にも一緒に行ったな。冥界とか天界とか、あと真っ暗な世界も。

骸骨のお爺ちゃんがいた世界だったな」

 

思い出しながら言っていると、アザゼルと蒼崎青子が目を見張っていた。

 

「お、お前・・・・・その頃の歳で冥府に行っていたのかよ・・・・・!?」

 

「なにこの子・・・・・そんな経験を何度もしていたの?別の意味でこの子は怖いわ」

 

いや、そういわれても・・・・・。と、その時。ユーミルとエイリンが戻ってきた。

 

「持ってきたぞ・・・・・と、誰じゃ?」

 

「和樹の魔法の師匠だ」

 

「ほう、師匠なのか。わちはドワーフのエイリンじゃ。よろしくの」

 

「ドワーフ?へぇ、この家にドワーフがいるんだ。珍しいわね・・・・・って、その結晶は」

 

蒼崎青子がユーミルの持つ赤い結晶に意識を向けた。

 

「知っているのか?」

 

「ええ、旅先に見つけたのと同じだわね。他にもあっただなんてね」

 

「マジか。実は俺も持っているんだ」

 

魔方陣を展開して赤い結晶を発現し、アザゼルから手渡されてもう一つの赤い結晶をテーブルに置

いてみせた。ユーミルも二つの赤い結晶を置いた。

 

「四つ!?四つも同じ赤い結晶があったの?」

 

そう言いながら魔方陣を展開した蒼崎青子も、赤い結晶を一つ発現した。

この場に五つの赤い結晶が集まった。

 

「五つ・・・・・いや、あいつのも含めて六つか・・・・・」

 

「六つ?他にも誰かが一つ持っているの?」

 

「ああ、厄介な奴の手にな。あいつが言うには異世界の物だとか

言っていたが・・・・・本当かどうか未だに分からないでいる」

 

「異世界の物・・・・・だとしたら、どうしてそんな物がこの世界にあるのかしらね。

とても気になるわ」

 

俺たちは揃って疑問が浮かぶ。

 

「ところで、これからどうするつもりなんだ?」

 

「そうね、和樹の顔を見て少しばかり雑談してそれから式森家に顔を出す予定よ」

 

「式森家とどういう関係なんだ?」

 

「遠い親戚よ」

 

―――○●○―――

 

「せ、先生!?どうしてこの家にいるんですか!?」

 

和樹たちが学校から帰ってくると、蒼崎青子と出くわした和樹が驚愕した。

 

「弟子のあなたの顔を見にね。

ナンパしてきた魔王にあなたが住んでいる家まで道案内してもらったのよ」

 

・・・・・魔王がナンパって・・・・・本当に魔王なのか?

 

「一誠くん。あの人は一体誰?」

 

「蒼崎青子。和樹の魔法の師匠だってさ」

 

「へぇー、和樹くんのお師匠さまなんだ。綺麗な人だね」

 

「そうだな」と相槌を打って和樹と蒼崎青子のやり取りを見守る。

二人とも、同じ魔法使いだから積もる話もあるだろう・・・・・。

 

「なあ、良かったら一泊していくか?」

 

「い、一誠!?」

 

「あら、いいの?それじゃ、お言葉に甘えるわ」

 

あっさりと蒼崎青子が了承した―――と、和樹が詰め寄ってきた。

 

「き、キミは一体何を考えているの?」

 

「うん?久し振りに会う師匠なんだから、色々と話したいことだってあるだろう?」

 

「そ、それはそうだけど・・・・・」

 

なんだか、様子がおかしいな。それに怯えているような・・・・・?

 

「もしかして、怖いのか?」

 

「・・・・・」

 

俺の問いかけに沈黙した。沈黙は是也。なるほど、和樹にも怖い人がいるんだな。

多分、修行の際に怖い思いをしたのだろう。―――その気持ち、物凄く分かるけどな!

 

「まあ、今日ぐらいはゆっくり話し相手になってやれ」

 

「う、うん・・・・・でも、助けてね?」

 

助けを求めるほど和樹は何かやらかされるのか!?

 

 

 

翌日。和樹たちは学校にいる間、俺は蒼崎青子を光陽町に案内していた。

 

「天使と堕天使、悪魔と人間が交流の象徴の町・・・・・。ほんと、凄い事を考えたわね」

 

「主な目的は種の滅亡を阻止するためだとか。でも、ここの地域しかないけどな。

観光目的で来る人間は多いらしいけど」

 

「確かに、観光目的なのは分かる気がする。こんな綺麗で特別な町だもの、

一度は来てみたいわ」

 

蒼崎青子の言葉に相槌を打って町中を歩く。

平和に日常を送っている風景は何度見ても変わらない。

裏で何が起きているのか露も知らずにな。

 

「なあ、喫茶店に行くか?美味いデザートを作る店なんだけど」

 

「デザートか。うん、あなたのオススメな店なら美味しそうね」

 

満更でもなさそうな反応だった。目的地フローラに足を運んで店内へ侵入。

すぐに店員に出迎えられるが、

 

「すいません。どの席も満席状態なので・・・・・合い席でよろしいでしょうか?」

 

「ええ、構わないわ」

 

そう決めた蒼崎青子に店員が誘導する。店員に続くと男性と女性、

それに幼い子供が座っている席に案内された。

 

「―――って、なんでいるんだよ・・・・・!?」

 

「うん?・・・・・あら、一誠じゃない!」

 

意外は意外でも―――敵が堂々とのんびり満喫しているなんて、どういうことだよ!?

女性が俺の姿を見るや否や、立ち上がって抱きついてきた。

 

「・・・・・なんで?」

 

蒼崎青子も愕然としていた。店員は困惑した表情で佇む。

 

「あ、あの・・・・・ご一緒によろしいでしょうか?」

 

「ええ、問題ないわ。あっ、この子たちにロイヤルパフェを二つお願いするわ」

 

「かしこまりました」

 

店員がいなくなると、俺は女性から離れた。声を殺して話しかけた。

 

「随分と、余裕なんだな。三人の実力からしてみれば潜入なんて朝飯前か」

 

「潜入なんて人聞きの悪い。私たちは普通にこの町を訪れているのよ?」

 

「その理由は?」

 

「観光♪まあ、取り敢えず座りなさい。何時まで立っていたら邪魔になるだけよ」

 

そう言われ蒼崎青子に視線を来ると、

コクリと彼女が頷いたから警戒心を抱きながら幼い子供の隣に座った。

 

「吸血鬼の根城以来だな。我が下僕よ」

 

「誰が下僕だ」

 

「では、パーパと呼ぼうか?」

 

黒いワンピースに子供用のハイヒールを履いていた、

褐色肌で背中にまで伸びている黒髪の少女―――リリスが意味深な笑みを浮かべる。

 

「サマエルの毒、そのパフェにかけてやろうか?」

 

「んなっ!?何て非道なことをしようとする!パフェには罪がないだろうが!」

 

リリスはパフェを庇うようにして俺を非難する。

そんな少女から視線を外して目の前の二人に向けた。

 

「ただの観光でこいつも連れていくか?」

 

「その子も興味があったのよこの町をね。私と彼も一度は来てみたかったし、

オフを使って観光をしに来たのよ。それにしても―――久し振りね青子ちゃん。

元気にしているようね?」

 

「・・・・・」

 

女性はニッコリと笑みを浮かべ蒼崎青子に話しかけた。

話しかけられた彼女は当惑した面持ちで答えた。

 

「やはり・・・・・あなたなのですか?式森―――いえ、兵藤一香さん」

 

「ええ、そうよ?一度は死んだけれど再び蘇ったの。

その時、息子と熱ーい抱擁を交わしたものだわ」

 

「・・・・・俺はあんたらに殺されたけどな」

 

「・・・・・っ!?」

 

俺の言葉に蒼崎青子は面を食らった。男性が苦笑を浮かべ出す。

 

「にしても、お前はどうやって甦ったんだい?

サマエルの毒から逃れられるほどの力はなかったはずだけど・・・・・」

 

「それだけは絶対に教えないよ、父さん。教えたら興味持ちそうだし」

 

「自分の息子が甦ったからには興味を持たないわけがないだろう?そ

れに、一誠からグレートレッドとオーフィスの感じがする。

どうやら、肉体はドラゴンのようだね。髪の色も真紅だし。

まさか、反抗期の末、ヤンキーになってしまったのか?」

 

「なるか」と男性―――兵藤誠に言い返していると、リリスがもぞもぞと動き出した。

あろうことか、俺の足と足の間に割り込んでチョコンと座りだした。

 

「ふむ、居心地がいい。しばらくはこうしていよう」

 

「・・・・・」

 

この反応はどうしようか悩んだが、止めた。

 

「・・・・・質問にいいか?」

 

「おっ、なんだ?」

 

「魔力が籠った赤い結晶のことだ。二人は何か知っているのか?」

 

そう問いかけると二人は顔を見合わせる。

 

「あの結晶の事かな?」

 

「そうね。でも、一誠。どうしてそんな事を聞くの?」

 

「彼女がその結晶を持っているからだ」

 

俺たちが四つも持っていると伝えず、敢えて彼女が持っていると教えた。

 

「青子ちゃん、本当なの?」

 

「え、ええ・・・・・確かに持っています。あの結晶は一体何ですか?」

 

「うーん、俺たちも詳しくは知らないが。確かなのは異世界の代物だろう。魔力が違うからね」

 

「どうして、異世界の物だと断言できる?」

 

疑問をぶつけた。あの赤い結晶が全ての始まりでもあるからだ。

父さんは俺の疑問に笑みを浮かべた。

 

「若い頃、今は一誠が宿している俺の神器(セイクリッド・ギア)で異世界に行ったんだ。

その異世界で七つほど赤い結晶を見つけて持ち帰ったんだけど、

急に赤い結晶が光り輝いて世界中に散らばってしまったんだ。

その内の一つをどうにか散る前に掴んだが、他の六つはどこかに行ってしまった」

 

「・・・・・それ、本当の事?」

 

「おいおい、父さんが嘘を吐いたことはあったか?」

 

「一度はあったな」

 

「うぐっ・・・・・あの時のことか・・・・・」

 

父さんはすまなさそうな顔をする。蒼崎青子は何のことだろうか気になったようで訊ねてきた。

 

「ねえ、なんのこと?」

 

「他愛のない事だよ。何時も忙しい仕事をしている二人に俺の誕生日を一緒に祝う

約束だったけど、二人は仕事で帰ってこなかったんだよ。ただそれだけ」

 

「ああ、そういうこと・・・・・」

 

「・・・・・そういえば一誠。イリナちゃんとあの約束はできているの?」

 

母さんの言葉に首を横に振る。丁度、ロイヤルパフェが二つテーブルに置かれた。

 

「・・・・・家が全焼したんだ。アレがないと行けれないし、

今まで生き別れになっていたから約束は果たしていない」

 

「そう、なら丁度良いわね」

 

魔方陣を展開したと思えば、魔方陣から一つのベルが出てきた。―――それは。

 

「そうだろうと思って、これを一誠に渡そうと思っていたわ。

これでイリナちゃんと約束は果たせるわよね?」

 

「・・・・・なんで、こんなことをするんだ?」

 

「今は敵同士の関係だけど、こうしている間だけでも家族として接してもいいでしょう?」

 

―――――。

 

「はい、これでしっかり頑張りなさい。今のあなたなら約束は果たせれるはずよ」

 

ベルを握らされる。その時の母さんの手の温もりは変わらず温かった。

 

「それじゃ、やることはやったし、帰ろうか」

 

「そうね。こうして話し開いただけでも十分満足だわ。

今度は三人だけゆっくり話をしましょう。家族としてね?」

 

父さんと母さんがた立ち上がると、リリスも俺から離れた。

あの三人は悠然とこの場からいなくなった。

 

「・・・・・」

 

手の中にあるベル。揺らせば小気味の良い音色が鳴る。

 

「・・・・・あなた」

 

「なんだ・・・・・」

 

慰めてくれるのか、励ましてくれるのか、そう思って蒼崎青子に視線を向けると―――。

 

「あの三人、払っていないわよ?」

 

―――その後、会計の時はとんでもない額を支払う事となった。

あの三人・・・・・どれだけこの店のメニューを食べつくしていたんだよ!?

 

 

 

家に帰ると、和樹たちは帰っていた。何やらテレビに釘付けになっている様子。

「どうしたんだ?」と声を掛けたら。

 

「某国で古代の遺跡が発見したんだって」

 

「古代遺跡か。水の都アトランティスなら行ったことあるけど」

 

「・・・・・もう、キミはどんなことをしていたんだい」

 

「父さんと母さんについていっただけだけど」

 

そう答えると、一人の中年男性が映った。古代遺跡を発見した人物だろう。

それから個人で撮影した古代遺跡の映像を見ることになった。保存状態が良く、

見慣れぬ古代文字が壁一面に刻まれていて、

さらに深奥では太陽と月が重なっている絵が描かれていた。

その意味はなんなのかは定かではない。

 

『探検をしている途中でこのような結晶を見つけましたよ』

 

男性は手に赤い結晶を見せびらかした。菱型の赤い結晶―――って、

 

「「あれはっ!」」

 

『え?』

 

魔石!最後の一つが人間の手に渡っていたとは・・・・・。

 

「ナヴィーにあの男の事を調べてもらおう」

 

「情報収集に長けた人間がいるの?」

 

「正確には悪魔と人間のハーフだ」

 

善は急げとナヴィーがいる部屋へと足を運んだ。

きっと父さんたちもこの事を知ったはずだから―――。

 

 

 

「はい、調べたわよ」

 

「ありがとう。それで風間翼ってどんな奴だ?」

 

「趣味はトレジャーハンターね。それと家族構成は妻と一人の息子がいるわ。

年齢はイッセーと同じね」

 

「俺と同い年か。因みに、そいつの名前は?」

 

「風間翔一、川神学園2-Fに所属している」

 

「―――あいつかよ!?」

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