ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode9

ギンガ・ナカジマの家に連れて来られた俺は、彼女の父親、ゲンヤ・ナカジマと挨拶を終えて、

何故か可愛らしい部屋へと招かれた。

 

「今日はここで寝てね?」

 

「・・・・・」

 

心中唖然となる。マジで?俺、この女性の部屋で寝ろと?タンスやベッド、机、

束ねられた書類らしき物や収納されている本、写真立てもある。椅子に座るよう促され、

俺は椅子に座るとベッドの縁に腰を下ろした彼女が自己紹介をし始めた。

 

「改めて名前を言うわね?私はギンガ・ナカジマ。よろしくねイッセーくん」

 

「・・・・・よろしく」

 

若干警戒が含んだ声音で言うと、

 

「警戒しなくてもいいの。ここにいる人・・・・・って私とお父さんしかいないけど

とても優しい人よ?私もあなたに危害を加えたりしない」

 

優しく微笑みながらそう言うのだ彼女は。俺が黒尽くめの奴だって知ったら、

こいつは管理局として態度を切り替えるだろうなぁ・・・・・。

 

「さて、あなたのことを色々と聞かせてくれるかしら?」

 

「・・・・・」

 

難色を示すと自分が失言したことにバツ悪そうに言った。

 

「あ・・・・・ごめんなさい、記憶がないのよね・・・・・お父さんとお母さんの記憶もないって

言っていたし・・・・・」

 

いや、結構覚えていますけどね?あの二人が楽しんで誤報をしているだけだから。

 

「・・・・・気にしていない」

 

「そう・・・・・?」

 

コクリと頷く。ギンガ・ナカジマはホッと安堵で胸を撫で下ろす。

 

「じゃあ・・・・・私のことをギンガさん、またはキギン姉と呼んで頂戴ね?」

 

「・・・・・」

 

なぜ?と小首を傾げると、彼女は俺が首を傾げる意図に気付き、こう言った。

 

「しばらくの間、あなたは私が保護をするの。だから私のことをそう呼んでほしいの。

それに―――」

 

「・・・・・」

 

「妹のスバルって女の子がいるけど、私、男の子の弟もできたらいいなーって思っていたの。

イッセーくん、私より年下のようだし、私のことを姉として接してもらいたいの」

 

・・・・・なんで俺の周りは姉属性が多いんだ!

妹属性なのはプリムラしかいないんじゃないか!?

同年代の清楚やイリナ、ヴァーリみたいな女もいるけどそれでも年上が多いなおい!

 

「ギン姉・・・・・」

 

「うん、イッセーくん」

 

嬉しそうに彼女は笑った。腰を上げて、ベッドから離れたと思えば俺に近づき、抱きしめてくる。

 

「あなたのことは私が守ってみせる」

 

「・・・・・」

 

―――弱いくせに、とは言わない。その想いはより強くしてくれるから。

彼女の言葉を耳にしても返事はしない。ただただ沈黙で貫く。

 

「それじゃ、夕飯にしましょうか」

 

ギンガ・ナカジマはそう言う。

夕飯か・・・・・あっ、あいつらの夕飯・・・・・リーラがいるから大丈夫か?

 

 

―――ギンガside―――

 

「ふんふんふーん・・・・・」

 

鼻でリズムよく鳴らしながら私、ギンガ・ナカジマは台所に立ち料理を作っています。

今日はなんたって初めて(仮)弟ができたから嬉しくてしょうがない。

男の子だからたくさん食べるよね?

当のイッセーくんはお父さんと一緒に待っている。

ちょっと尻目で二人の様子を見ていると・・・・・。

 

パチッ・・・・・。

 

「王手」

 

「おいおい・・・・・マジかよ」

 

二人は遊んでいてなんだか楽しそうだった。お父さんがたまに一人でしている

娯楽道具の遊び方を説明したらあっという間に覚えてお父さんに勝っちゃった。

お父さん自身が強いのか弱いのか私には分からないけど、お父さんはお父さんで

一緒に遊べれることができて楽しそうだから問題はないよね。

 

「(妹も帰ってくればもっと賑やかに・・・・・)」

 

でも、妹は仕事先の宿舎で生活している。だから帰ってくるのはあんまりない。

妹もいっぱい頑張っているし、私も仕事を頑張らないと。

 

「―――よし、完成っと」

 

今日の夕食はカレー。たくさん作ったし男の子だからたくさん食べるよね?

私もたくさん食べるけどね。出来上がった料理を二人のところへ持って行き、

 

「夕飯にしましょ?」

 

「おっ、今日はカレーか。・・・・・にしても、少し多くはないか?」

 

「イッセーくんは男の子だし、いっぱい食べるだろうと思って」

 

「俺的にお前が一番食べそうな気がするけどな」

 

お父さんからの指摘に何も言い返さず準備を進める。

だって、本当のことだし美味しい食べ物をいっぱい食べたいじゃない?

準備を終えると、私も席に座って手と手を合わせて合掌する。

 

「「いただきます」」

 

「・・・・・」

 

イッセーくんも無言で合掌する。それから私とお父さん、

時々イッセーくんと話し合いながら夕食の時を楽しんだ。

こんな気分は久々。夕食が終わったらイッセーくんが寝る布団を用意しないとね。

 

 

 

 

夕食を終えて、私はお父さんに食器洗いを任せてイッセーくんが寝るために必

要な布団を用意する。昔、ギンガが使っていた布団がまだあって良かった。

 

「よいしょっと」

 

イッセーくんはお風呂に入っている。先に入らせてその間に準備を済ませる算段。

今日は彼をお父さんに説明して認めてもらうためにこの家に帰って来たようなもの。

明日は私が使わせてもらっている六課の施設内の部屋に―――と考えていれば、

この部屋の扉が開いて、イッセーくんが入って来た。

 

「・・・・・」

 

声を掛けようとしたら言葉が出て来なかった。

彼の着替えがないから今日だけ私のワイシャツを着てもらった。

―――腰まで伸びた真紅の髪が少し濡れていて、ワイシャツのボタンを留めないでワイシャツから

覗けるイッセーくんの上半身。水に滴る良い男・・・・・と、

いつか見た雑誌で恰好良い男性が載っていたけど、

その男性より目の前にいるイッセーくんの方が恰好良いと心から思ってしまった。

 

「・・・・・どうしたの?」

 

「えっ?う、ううん!なんでもないわ!ほら、ちゃんと髪を拭かないと風邪引いちゃうわよ?」

 

部屋にあるタオルを手にして彼の頭を拭いた。あ・・・・・サラサラしている。

まるで女の子みたい。体を改造されたって報告を聞いたけど、

こうして対峙しているのにそうは思えないなぁ・・・・・。

 

「ん・・・・・ありがとう」

 

「うん、どういたしまして」

 

ちょっとドギマギしたけど、もう大丈夫。さて、私はお風呂に入りに行こうかな。

 

「眠かったら先に寝て良いからね?」

 

「・・・・・分かった」

 

うん、良い子だね。

 

―――○●○―――

 

ナカジマ家で寝泊りして翌日。俺は再び機動六課の施設に連れ戻されて、

窮地に立たされた気分になった。

 

「へえ・・・・・この子が誠さんと一香さんの子供・・・・・」

 

「髪が真っ赤ですね・・・・・エリオくんみたい」

 

「中々いい面をしているな。意思が強そうだ」

 

珍獣の気分で機動六課の連中に囲まれて顔を覗きこまれたり、髪を触れられたりとされている。

 

「ギン姉がこの子を保護するんだって?」

 

「ええ、そうよ。大人しいから大丈夫だろうと思ってね」

 

「操られていないから大人しいんでしょうね」

 

既に変な設定が知れ渡っている。そんな設定をした二人は―――良い笑顔で俺を見ている。

そんな二人に少なからず怒気を孕まして睨むと、周りが一歩遠ざかった。

だが、ギンガ・ナカジマが近づいてきて俺の頭を撫でる。

 

「イッセーくん、怒っちゃダメ」

 

「・・・・・」

 

完全に子供扱いされているんだけど・・・・・。ここで事を起こす訳にもいかないか。

怒りを抑えて自然になる。

 

「うん、良い子ね」

 

そう言いながら彼女は俺の頭を撫でる。何だか調子狂うな・・・・・・。

 

「あ、あの・・・・・」

 

「・・・・・?」

 

「あの女の子はどうなったんですか?」

 

赤い髪の少年が訊ねてきた。ヴィヴィオのことか・・・・・うーん、あいつを利用しよう。

 

「攫われた」

 

「・・・・・え?」

 

「変な奴らに攫われた。そいつらを追っていたところをあの場にいた」

 

嘘だが、そんな嘘を吐いていると赤い髪の少年が食って掛かった。

 

「ど、どうして誰にも言わなかったんですか!?」

 

「俺の話を信じてくれるとは思えない。ましてや身分も証明できない人間の話はな。

それに俺はこの世界のことを知らない。見たことも聞いたこともない場所で、文字も読めない。

会話はできるが信用できる人間はこの世界に一人もいない」

 

『・・・・・』

 

周りは沈黙で包まれた。そんな場の雰囲気を壊すかのように、ギンガ・ナカジマが口を開いた。

 

「大丈夫、ここにいる人たちは皆、信用して良い人たちだよ。

だから、イッセーくんは私たちのことを信じてほしい」

 

「・・・・・出会ったばかりの奴にそんなことはできない」

 

「うーん、そうかもしれないけど・・・・・でも、イッセーくんを悪くお思う人はいないよ?」

 

「・・・・・どうだか」

 

ぷいっと顔を逸らす。こんな俺の態度に周囲は当惑し、顔を見合わせる。

 

「だったら、信用が得られる方法をするのはどうかな?」

 

―――父さんが意味深なことを言いだした。俺も含め周りは怪訝な面持で父さんを見つめる。

 

「というと・・・・・?」

 

「一誠を知りたいなら、この子と戦ってみれば良い。

戦うなかで少しは分かるかも知れないだろう?それに俺と一香の子供だから皆は一誠のことを

気になっているようだしね」

 

『・・・・・』

 

ギンガ・ナカジマたちは顔を見合わせる。

 

「どうします・・・・・?」

 

「そりゃ、二人のお子さんのことは気になってはいるけどなぁ」

 

「だけど、戦って分かるものかな?」

 

「でも・・・・・そろそろ仕事も迫ってきているし、フォワードの訓練もある」

 

色々と相談をし始める面々だったが、話が付いたようで俺に振り向く。

代表としてなのか高町なのはが一歩前に出てくる。

 

「イッセーくん。私たちとちょっとだけ訓練をしよう?残念だけどイッセーくんとお話できる

時間はあんまりないからね」

 

「・・・・・」

 

別に話をしなくてもいいと思うが・・・・・暇つぶしになるか。

 

―――○●○―――

 

―――なのはside―――

 

誠さんと一香さんの子供、兵藤一誠くんは並はずれた身体能力とスタミナの持ち主のようで・・・・・初めてやる訓練をフォワードの皆より早く終わらせた光景を見させてくれた。

 

「これで終わり?」

 

ケロリとした態度で私に問いかけてきた。それには思わず頬を引き攣らせ、

ぎこちない笑みを浮かべてしまった。でも、これからすることに彼はきっと驚くだろう。

 

「それじゃ、機動六課フルメンバーとイッセーくんの模擬戦でしよっか」

 

そう切り出した私に、皆が唖然となった。

 

「え、えーと・・・・・なのは隊長?流石にそれは・・・・・ねぇ・・・・・?」

 

「ぼ、僕も流石に気が引きますよ・・・・・」

 

「私もそう思います・・・・・」

 

「右に同じく・・・・・」

 

フォワードの皆が戦慄している。あれ?そうかな?

フェイトちゃんにそう視線で乗せて訊ねると。

 

「なのは、それは鬼だよ」

 

「せやなぁ・・・・・いくらあの二人の子供だからってフルメンバーはないやろ」

 

フェイトちゃんだけじゃなく、はやてちゃんまで窘められた。ええー?だって・・・・・。

 

「あの子、物凄くその気でいるんだけど?」

 

ほら、準備運動しているし、まだやらないのか?って視線を時折送ってくるよ?

 

「イッセーくん、誰と戦いたい?」

 

「ん・・・・・全員」

 

『・・・・・』

 

ほらほら、あの子もそう言っているじゃない。だから、ね?

 

「・・・・・フェイトちゃん、それに他の皆。手加減しぃや」

 

「うん、流石にね・・・・・」

 

「分かりました」

 

「へいへい、分かったよ」

 

呆れ顔のはやてちゃんの指示に皆が首を縦に振る。

 

「それじゃ、合図は俺がしよう」

 

審判を買って出てくれる誠さんが私たちとイッセーくんの間に立った。

 

「―――模擬戦開始!」

 

刹那。イッセーくんの姿が消失した。あまりの速さに私は唖然となったけど、

 

ゴンッッッッ!

 

と物凄い鈍い音で意識を音がした方へ思わず向けると―――悠然と佇んでいるイッセーくんがいた。

でもその場所にはエリオがいたはず。エリオは・・・・・いた。

模擬戦をするために移動した森林があるこの場所、その木の下で横に倒れていた。

 

『っ―――!?』

 

一体、何時の間に・・・・・とそう思った。でも、その考えはあっという間にできなくなった。

今度はキャロがイッセーくんに捕まれて―――思いっきり地面が凹むほどに叩きつけられた。

 

「このぉっ!」

 

「シュートッ!」

 

スバルがウイングロードでイッセーくんに迫り、

ティアナがクロスミラージュの魔法射撃でイッセーくんに放った。

ああ、そんな単調なことじゃ、

避けられちゃう―――と思った私の考えは呆気なく覆された。

イッセーくんは迫って拳を突きだしたスバルを容易く捕まえて

ティアナの魔法射撃をスバルで盾にし、防いだのだ。

 

「ス、スバル!?」

 

「単調な攻撃は仲間を傷つける」

 

何時も何かティアナの目の前に移動して、ティアナの頭を掴んだまま、

スバル諸共キャロのように地面に叩きつけた。―――これでフォワードのメンバーが全滅。

 

「・・・・・」

 

ヴィータちゃんが真剣な面持ちで足を運びだす。

 

「手加減、必要なさそうだぜ。あいつ」

 

「ああ、そのようだ」

 

シグナムも肩を並べるようヴィータちゃんの隣に移動した。

 

「鉄槌の騎士、ヴィーダ」

 

「烈火の将・騎士シグナム」

 

「「いざ―――参る!」」

 

二人が決め台詞を言いイッセーくんに跳びかかった。対してイッセーくんは、また姿を消した。

 

「どこに消えやがった!」

 

ヴィータちゃんは辺りを見渡す。数十秒経っても姿を見せない。逃げちゃった?

有り得ない可能性を脳裏に浮かんだ私の視界に、

異様に盛り上がっているヴィータちゃんの足元が留まった。

 

「―――ヴィータちゃん、足元!」

 

「なっ―――!?」

 

私が警告をした直後、盛り上がった地面から人の腕が飛び出してきて、

ヴィータちゃんの足を掴んだ。

 

「こ、この野郎!」

 

グラーフアイゼン、形状変化した大きなハンマーが地面に振り下ろされるも、

ヴィータちゃんの足が一気に地面へ引きずり込まれる方が早く、生首だけのヴィータちゃんが

そこにいた。その傍に地面がまた異様に盛り上がって―――イッセーくんが出てきた。

 

「て、てめぇ・・・・・っ!」

 

「・・・・・」

 

なにを思ったのか、ヴィータちゃんのデバイスを掴んでそのまま持ち上げた。

それにはヴィータちゃんが顔を引き攣らせ、発する声が震えていた。

 

「お、おい・・・・・それをどうするきだ?」

 

「モグラ、スイカ割り、餅つき、太鼓、鐘―――」

 

「全部、叩くに関する事ばかりじゃねぇか!って、アイゼンであたしを叩く気かよっ!?」

 

「YES」

 

意地の悪い笑みを浮かべた。流石にそれは不味いんじゃないかなぁーって思っていれば、

シグナムが斬りかかった。

 

「悪ふざけはそこまでだ」

 

ギィンッ!

 

「半分は本気だ」

 

アイゼンの柄でシグナムの一閃を防ぎきった。

 

「ヴィータのデバイスで私の一撃を防ぐとはやるな」

 

「そいつはどうも」

 

「ヴィータのように不覚は取らん」

 

シグナムはイッセーくんに跳びだした。対するイッセーくんはヴィータちゃんのデバイスを

後ろへ放り投げて、なんと、無謀にもシグナムを迎撃しに行った。

 

「腕の一本、へし折られる覚悟をしろ!」

 

デバイス、レヴァンティンを躊躇もなく振るった。

イッセーくんは武器も持たず生身でシグナムに跳びだした。

一体どうするつもりなのかと様子を見守っていると―――素手でレヴァンティンを受け止め掴んだ。

 

「なに・・・・・?」

 

「俺の腕一本をへし折るんじゃないのか?」

 

嘘・・・・・。信じられない光景を見た私はイッセーくんが手を離したことで

後方に下がったシグナムを見つめる。

 

「改造されたと言う話しはどうやら本当のようだな」

 

「・・・・・」

 

敢えて答えずどこからともなく刃が備わったトンファーを手にして構えた。

 

「どこからとりだしたのだ?」

 

「企業秘密」

 

「まあいい。素手の相手と戦うのはいささか、気が引く。

―――これなら、思う存分に剣を振るえるというものだ」

 

シグナムは嬉しそうにカートリッジシステムを使い、

刀身に炎を纏いだす。本気で戦うつもりだね。

 

「・・・・・」

 

イッセーくんの武器にも纏いだした。―――雷と氷!?それに体全体に覆う風・・・・・。

 

「魔力変換資質・・・・・それも三つ・・・・・中々手ごわそうだ」

 

「逃げるか?」

 

「逃げないさ。―――久しくである強敵を相手にな」

 

凛々しく、シグナムがレヴァンティンを前に構える。

イッセーくんも武器を構えて―――二人は激突した。

 

―――○●○―――

 

模擬戦を終えて六課の施設内にある食堂で昼食を食べている。

 

「ほらほら一誠。ちゃんと食べないとダメだぞぉ?」

 

「はい、あーん」

 

「・・・・・」

 

満面の笑みを浮かべて敵である父さんと母さんが俺と一緒に昼食をしている。

さらに俺の隣にギンガ・ナカジマが座っている。

 

「イッセーくん、スマイルスマイル」

 

「(できるかぁぁぁぁぁぁっっ!)」

 

何故に二人と食べなきゃならないんだ!?敵同士なんだぞ!一応は!

 

「そう言えばギンガちゃん。一誠のことお父さんに認めてもらったかい?」

 

「はい、お父さんも息子ができたようだと喜んでいました」

 

「あらあら、その言い方はまるで結婚を前提に付き合っている初々しいカップルのようね。

そのまま一誠と結婚したら―――ギンガちゃんは一誠のお嫁さんになるわねぇ」

 

「え・・・・・っ!?」

 

ボフッ!とギンガ・ナカジマが顔を紅潮になった。

 

「そうだな。いやー息子にとうとう春が到来したかー。

ギンガちゃん、一誠のことをよろしくお願いする」

 

「一誠と幸せにね?」

 

「ちょっ、ふ、二人とも!どうしてそ、そんな急な展開になるんですか!?」

 

おー、慌てているな。父さんたち、楽しそうにギンガ・ナカジマをからかっている。

 

「え、ギン姉・・・・・その子と結婚するの?」

 

「ということは、誠さんと一香さんとは義理の両親となるんだねぇ」

 

「めでたいことじゃねぇか」

 

何だか周りからも騒がしくなってきたな。場を収拾しよう。

 

「ギン姉」

 

「え・・・・・?」

 

「からかわれている」

 

彼女はビシッ!と硬直したその時だった。

 

「それにしても、公開意見陳述会はもうすぐだね」

 

「うん、もしかすると襲撃してくる可能性があるからね。ぬかりなく警備をしなくちゃ」

 

公開意見陳述会・・・・・?高町なのはたちの口から意味深な発言が飛び出していた。

そのことに気になってギンガ・ナカジマに問うた。

 

「襲撃・・・・・?」

 

「あーうん、次元広域犯罪者が襲撃してくるかもしれないって可能性が浮かびあがったの」

 

「そうなんだ」

 

「だから、私たち機動六課もその警備をするために中央管理局地上本部へ行くことになったのよ」

 

まー、俺には関係ないが・・・・・ジェイル・スカリエッティがしそうだな。

 

「ほらほらギンガちゃん。一誠にあーんってしてやってくれ」

 

「その瞬間の写真を撮りたいから」

 

「勘弁してください!私はイッセーくんと、恋人関係じゃないんですから!」

 

「大丈夫、もしも恋人関係になったら私たちは二人の中を認めるし応援もするからさ」

 

「早く孫の顔を見てみたいわー」

 

この二人をどうしてくれようか・・・・・。

 

―――セインside―――

 

「んー、イッセーのやつ大丈夫かなぁ・・・・・」

 

イッセーが管理局に捕まった(ドクターたちはタイプゼロ・ファーストを

手に入れるためと言っていた)。

それが今日で二日目となる。ご飯はイッセーのメイドってのが代わりに作ってくれているから

食生活に関しては問題ない。イッセーがいない間、チンク姉は任務でいなくなり、

ドクターやウーノ姉は私たちの武装とナンバーズ7、8、12の妹たちの調整で忙しい。

今日も引き籠って調整を行っているし・・・・・暇だなぁ。

 

「イッセーは強いんだから大丈夫っスよ」

 

「まーね。でも、二日も音沙汰も無しだと、どーも気になって仕方がないんだよ」

 

「ドクターも言ってたじゃないっスか。タイプゼロ・ファーストを手に入れるために

動いているって、私たちじゃ、戦わないとじゃなければできないっスからねぇー」

 

そのための戦闘機人、イッセーみたいに自由な行動はできない。

今の私たちは武装の完成待ちで待機。その間は訓練訓練とデータを蓄積し続けている。

そのおかげか、何時もより動きやすくなっている。

 

「それにしても次元世界から来たイッセーの友達は怖ろしいっスねぇ。

一人で私たちと戦ってほとんど無傷で勝つんだからさ」

 

「次元世界とこの世界の力と概念、魔法も違うから当然じゃない?」

 

「いやいや、それにしたってあのちっちゃい女の子とメイドさんは有り得ないっスよ?

なに素手で私たちを勝っちゃうの?って感じでさ」

 

・・・・・た、確かに・・・・・。翼を生やすあいつらはともかく、

戦う力がなさそうな子供とメイドが私たちを相手に勝ったあの時は目を疑った。

 

「まあ、そんな相手を何度も何度も模擬戦をし続けた賜物によって私たちは強くなったと

思うっスよ?新しい武装で鬼に金棒っスね」

 

「まあ、それはそうだけど」

 

だけど、なんか物足りない・・・・・ああ、いつもイッセーといたからかな?

今はイッセーの傍にいないから・・・・・物足りなさ以外にもちょっと寂しさが感じる。

 

「ウェンディってイッセーのことをどう思う?」

 

「うん?イッセーのことっスか?」

 

うんと首を縦に振ってウェンディに問うた。ウェンディは指を一本一本立てながら言い続ける。

 

「次元世界から来た人型のドラゴン・・・・っスかね?それなりに興味はあるっスね。

それに男の子なのに料理が上手で美味い、それと、ドクターの協力者だけあって、

ドクターからの頼み事を全部こなしているし・・・・まあ、一言で言えば

凄いなってイッセーのことをそう思っているっスよ」

 

「そうなんだ・・・・・」

 

何故かホッとしている自分がいた。まあ、イッセーのことを悪く言うとは思っていないけどさ。

それでもちょいと気になっちゃうわけで・・・・・。

 

「そういうセインはイッセーのこと、どう思っているっスか?」

 

「わ、私・・・・・?」

 

「そうっス。さあ、私も言ったんだからセインも話すっス」

 

墓穴を掘ったかな・・・・・?楽しそうにウェンディが迫って来た。

イッセーのこと・・・・・。

 

「・・・・・」

 

改めてイッセーのことを考えたら、顔が熱くなった。

 

「おやおや~?セイン、顔が真っ赤になったっスよ~?一体、

イッセーのことでなにを考えたら顔が真っ赤になるんっスかねぇ?」

 

「な、なんでもない!なんでもないから!」

 

「ふっふっふっ・・・・・そう慌ててはぐらかそうとする態度をすればもっと

怪しく感じるっスよ?ますますセインがイッセーのことをどう思っているのか、

知りたくなったっスよ」

 

ううう・・・・・ヤバいここは何とか回避をしないと―――!

 

『セインちゃーん。ドクターが呼んでいるから来てちょうだーい?』

 

クア姉ぇっ!いまクア姉が天使のよう見えたよ!宙に発現した立体のモニターに映るクア姉こと

クアットロに心から感謝をしつつウェンディから離れる。

 

「ごめん、また後で!」

 

「ああ!逃げたっス!」

 

追いかけられないようにディープダイバーで無機物の中へ潜行し、ドクターのところへ赴く。

はぁ・・・・・もう、こんなことになったのは全部イッセーのせいだ。うん、そうに違いない。

 

「(でも・・・・・イッセーがいないと、なんか暇さを感じちゃうんだよなぁ・・・・・)」

 

早く、イッセーと会いたいな・・・・・。

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