ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode3

次の日―――。

その日は午前中をトレーニングに当てた後、午後はクリスマス企画のために動き出していた。

俺とオーフィス、ゼノヴィア、イリナ、ロスヴァイセ、セルベリア、イリナの父さんという

メンバーで、地元の駅から二つの町まで赴いていた。この町にある大型家電量販店や品揃えの

良い本屋などでプレゼントの下調べをしてきた。実際に流行のものを確認して、

店員さんにも品物などについて訊く。クリスマスで配るプレゼントも一部

まだ決めかねているものは、今回の下調べを参考に用意していこうと皆で判断したんだ。

やっぱり。ある程度新しくて需要のあるもののほうが、プレゼントされて嬉しいだろうしな。

住民のリサーチをできなかったのが。若干辛いところだが・・・・・。

 

「貴重な時間を付き合わせてしまって申し訳なかったね」

 

イリナの父さんが俺たちに謝る。

 

「気にしないで、学校を行っていないから丁度良いよ」

 

「イッセーさまを守護するのが我らヴァルキリーの務めでもありますし、

気にしないでください」

 

セルベリアが軍人のように言う。ヴァルキリーとしての務めが中々できなかったため、

俺が外に出かけると知ったら、ロスヴァイセを引き連れてお供しますと張り切っていた。

イリナがメモ書きを確認しながら言う。

 

「あとは、コスチュームを下調べするだけね。

コスプレ衣装が置いてあるショップに向かいましょう」

 

イリナがそう言うなり、先導してくれた。サンタのコスチューム。やっぱり、女性が多いので、

その辺り気になるのだろう。道を歩く中、不意にロスヴァイセが訊いてくる。

 

「と、ところでイッセーさま。

こ、これは一つの参考として訊くんですけど・・・・・あくまで参考ですよ?」

 

と、断わった上でロスヴァイセがもじもじしながら言う。

 

「私たちの勇者であるイッセーさまを悦ばすのもヴァルキリーのつ、務めです。

ですので・・・・・イッセーさま的に女性が着る

サンタのコスチュームは・・・・・従来のズボンか、

それとも・・・・・・スカートでしょうか」

 

ズボンか、スカート。うーん・・・・・穿くものによって動きやすさが違うからな・・・・・。

 

「スカート・・・・・かな?動きやすさを重視に考えれば、ミニスカート。

うん・・・・・ロスヴァイセは、サンタのスカートが似合いそうだ。

セルベリアはミニスカートかも」

 

俺がそう答えると、ロスヴァイセは顔を真っ赤にした。

 

「―――ッッ!も、もう!そっだらこど、むやみに女子に言うもんじゃねぇしっ!」

 

お、怒られた!?しかも初めてロスヴァイセから聞く方言!

だが、すぐに咳払いして改まり、小声で呟く。

 

「そ、そうですか。スカートですね、スカート。

・・・・・足、細く見えるかしら・・・・・いまから準備しても間に合うわけ・・・・・魔法で

誤魔化す?けれど、そんなことしたって男子の目は誤魔化しきれないって、

前にばあちゃんが―――」

 

・・・・・ロスヴァイセ、何だか変。俺の腕に優しく叩く感触が伝わる。振り返れば、

セルベリアが口を開いた。

 

「彼女は田舎にいる祖母と長らく住んでいたため、お祖母ちゃんっ子なんです」

 

「ああ、そうなんだ?びっくりしたよ。初めて彼女が方言を言うもんだから」

 

「ふふっ、ロスヴァイセはイッセーさまに変な姿を見せたくないと前に言っていましたからね」

 

「ちょっ、セルベリア!なに言っちゃっているんですかぁっ!?」

 

ロスヴァイセがセルベリアに顔を赤くしたまま怒った。

 

「大丈夫だロスヴァイセ」

 

「ふぇ・・・・・?」

 

「どんなロスヴァイセでも、俺はロスヴァイセを受け入れるから」

 

微笑みながら言うと―――ロスヴァイセは首と耳まで赤くした。

 

「あう・・・・・あ、あの・・・・・そ、その・・・・・・ありがとうございます・・・・・」

 

照れているのか、顔を俯いてセルベリアの背後に隠れた。その仕草が可愛くて愛くるしかった。

 

「イッセーくんの笑う顔・・・・・やっぱりイイわね」

 

「うん、こっちまで安らぐぞ」

 

「ふふっ、小さい頃と変わりない笑顔だね、イッセーくん」

 

「我、見えない」

 

だからって俺の首に両腕で回して、両足を胴に回して抱きつかないでくれ・・・・・。

ショップに向かう途中、ぽつぽつと空から雨粒が降ってきた。それは直ぐに

土砂降りの様相となり、十二枚の翼で傘代わりにし、近くの公園に会った東屋に駆け込んだ。

 

「止むまで少し待ちましょう」

 

「さっきのように翼で傘代わりにして進まないか?」

 

「ジュリオがいれば、天候を操って雨なんて一発なんだが・・・・・」

 

ゼノヴィアが冗談交じりにそう漏らしていたが・・・・・無暗に天候を操るもんじゃないぞ。

で、俺の考えは雨の状況を見てそうすると保留になった。

皆で東屋にて、雨が止むのを待っていると、ぴちゃぴちゃと雨の中を進む誰かの足音が

聞こえてくる。前方に視線をやれば―――雨の中、傘を差している大勢の存在が立っていた。

皆、黒いローブに仮面をつけていた。禍々しい気を感じさせない。凄まじい闘気だ。

 

「クリフォトか・・・・・?」

 

「気を感じるにそんな風じゃないんだが・・・・・」

 

ゼノヴィアがデュランダルを取り出しながら言う・・・・・って、何だその剣。

俺が見たデュランダルじゃないぞ?俺の視線に気付いたゼノヴィアが不敵に笑みを浮かべた。

 

「ああ、これか?名前はエクス・デュランダル。神王さまに頼んでエクスカリバーと

デュランダルで錬金し、新たなデュランダルにしてもらったんだ。

イッセー、キミが死んだ時にね」

 

「エクスカリバーって・・・・・アーサーが持っている聖剣はどうしたんだ?」

 

「譲ってもらったよ。ルシファーさまを経由してね」

 

い、何時の間に・・・・・。もしかしたら、他の皆も俺が知らないところで

強くなっているのかもしれない。

 

「・・・・・兵藤一誠」

 

「っ!?」

 

傘を差している一人の者が俺に指した。俺を狙っているのか・・・・・?

 

「―――貴様の命、貰い受ける」

 

刹那。バッ!と傘を上空に放り投げ、一斉に駆けだしてきた。

 

「なんで、イッセーくんの命を狙うの!?」

 

「敵が誰であえ、イッセーを守る!」

 

「「主を守護するこそヴァルキリーの務め!」」

 

「イッセーを守る」

 

イリナの父さん以外の皆が敵に掛け出す。手をイリナの父さんに向けて金色の結界を張った。

これで、攻撃を防ぐ―――と思った直後。凄まじい殺気が感じ腕を前に構えたら敵の足を防いだ。

強い―――!なんだ、この敵は・・・・・!?

 

「忌まわしい者よ・・・・・今すぐこの世から消し去ってくれる」

 

「俺が、お前らに何したって言うんだよ?」

 

「お前の存在こそが我らに屈辱を、我らの存在を穢しているのだ!」

 

俺から宙返りして離れ、再度襲いかかってきた。

悪魔や堕天使、天使でもない・・・・・妖怪でもない・・・・・人間?

こんな強い人間が百代以外いたのか・・・・・?

そんな疑問を浮かべながら俺は迎撃する。

 

ドッ!ガガッ!ゴッ!ドンッ!

 

敵の突き出される拳、薙ぎ払われる足を的確に紙一重でかわし、一瞬の隙を見つけて攻撃する。

 

「はっ!」

 

「ぐぬっ!」

 

仙術を纏った拳の一撃を敵の腹部に突き刺した。そうすることで、相手の気を絶ち、

生命ダメージを与えて行動を不能にする。

 

「お、おのれ・・・・・!」

 

倒した敵を放っておいて次の敵に襲いかかる。一番苦戦しているゼノヴィアに援護だ。

 

「ゼノヴィア!」

 

「すまん!」

 

「帰ったら聖剣の能力をマスターしような。特にテクニック方面を重視に」

 

「・・・・・力で押し切る考えはダメかな?」

 

ダメに決まっている!だから相手に押されているじゃんか!金色の軍杖を亜空間から取り出して

呪文を唱え、相手と同じ数の分身を風の魔法で作りだして、指示を下す。―――敵を倒せと。

 

―――十数分後。

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」

 

「つ、強かったわね・・・・・イッセーくんがいなかったら負けていたわ」

 

「というか、なんだかイッセーくんと戦っているような感じでした」

 

何とか敵を倒し、グレイプニルで縛り上げた敵の前で俺たちは佇んでいた。

 

「体術だけで戦っていたからな。そう思うのは仕方がないだろう」

 

「クリフォトではなさそうですが・・・・・一体誰ですかね」

 

ロスヴァイセじゃなく、俺たちも同じく疑問を抱いている。

 

「んじゃ、尋問タイムといこうか?」

 

そう言うと敵は顔を見上げてきた。

 

「・・・・・殺せ」

 

「そう言うのは三流の悪役が言うもんだ。殺しはしない。

―――どうして俺の命を狙う?具体的にいえ」

 

「・・・・・」

 

敵は口を割ろうとはしない。当然っちゃあ当然だ。誰が素直に目的を言うか。

 

「んじゃ、その仮面の裏を見せてもらおうかな」

 

問答無用に敵の仮面を奪い取って顔を覗いた。俺の視界に中年の男性の顔が映る。

その瞳はギラギラと俺に敵意を宿している。俺、こいつらに対して何かしたか?

全然思い当たらないんだが・・・・・。

 

「イッセー、この人たちって一体誰なのかしら?」

 

「命を狙われるほど、イッセーは何かやらかしたのか?」

 

「おいゼノヴィアさん。俺は誰かに恨みを買うような真似はしていないぞ。絶対にだ」

 

言い切ったその瞬間。―――俺たちの足元に魔方陣が展開した。目を見開いて驚く俺たちに、

敵は高笑いした。

 

「はははははっ!我らと共に死ね兵藤一誠!貴様の死は我らの願望!」

 

「だから、どうして俺の命を狙うんだって!」

 

「貴様の存在が憎い!貴様が存在しなければ、我らは―――!」

 

光がさらに強くなり、『幻想殺しの籠手(イマジンブレイカー)』を装着して地面に突き刺そうと

腕を上げた時だった。―――魔方陣の光が勝手に消失し、魔方陣そのものも消えた。

 

「・・・・・イッセーがやったのか?」

 

「いや、俺は何もしていない。・・・・・不発か?」

 

が、疑問は直ぐに解消した。雨の中歩く音が聞こえてくる。―――新たな敵か?

警戒して構えると、向こうから・・・・・。

 

「こんなところで会うなんて、世界は狭いもんだな」

 

「本当ね」

 

『――――っ!?』

 

父さんと母さんが傘を差して俺たちの前に現れた。

しかも、母さんが持つ禍々しい波動を放つ剣の先が、野太い丸太のような大きさが八つも

枝分かれしていて二人の背後に伸びていた。

 

「だが、俺たちにとってはありがたいことだ」

 

「・・・・・どういうことだ」

 

「丁度、式森と兵藤と関わりある魔人のことを調べていたんだ。

だから、他の兵藤と式森家の人間を何人か捕えたかったわけだ」

 

俺の背後にいる敵を父さんは腕を伸ばして指した。

 

「一誠の後ろにいる奴らは―――兵藤家の者だ」

 

「なっ!?」

 

『っ!?』

 

「そんで、さっき魔方陣が出現したけど、それは―――こいつら式森家の仕業だ」

 

八つに枝分かれているものが動き始め、俺たちにその全貌を視界に映す。

ドス黒く強大な邪気の塊と表現がピッタリだ。八つの頭部を持つ巨大なドラゴン!

真っ赤な血の涙を流し、大きな顎の間にはぐったりとしている人間がいた。

 

「貴様ら・・・・・!禁忌を犯した者どもが、

のこのこと我らの前に現れてただで済むと思うなよ!?」

 

「一誠に倒された弱小がなにを言っているんだか。

いや、たかが兵藤家のプライドと自分たちのプライドで

一誠の命を狙おうなんて―――お前ら何時そんなにちっちゃくなったんだ?」

 

「黙れ!禁忌を犯した貴様らが生んだ、この忌まわしい力を覚醒したこの者を抹消しない限り、

我ら兵藤家の存在意義が―――」

 

「黙れよ?」

 

ゾッッッ!

 

たった一言で、父さんは喚く敵を濃厚な殺気で黙らした。

父さんは頭を掻きながらため息交じりで言う。

 

「はぁー・・・・・どうせ、独断で事を起こしたんだろうな。

あのジジイが一誠の命を狙うような真似はしないからな」

 

「ぐっ・・・・・」

 

「一誠は人気者だな。クリフォトだけじゃなく、

味方だった兵藤家と式森家にまで狙われるなんてな」

 

・・・・・嬉しくない人気だよ。まさか、俺が魔人で魔人から兵藤家が生まれたって聞いて、

式森家までがこんなことをするなんて思いもしなかった。

 

「・・・・・あの時のようにはならないか」

 

父さんは俺を見据えてそんな事を言う。あの時、暴走した俺のことを言っているんだろう。

と、思っていると背後にいる兵藤家の足元に魔方陣が出現して、

グレイプニルを残して光と共に消失した。

 

「それじゃ、また会おうな。まあ、近いうちに会いそうだけど」

 

「行きましょう?都合良く欲しかった物は手に入れたし」

 

あの二人の足にも魔方陣が現れ、俺たちを残してどこかへ転移した。

 

『・・・・・』

 

俺たちはなんとも言えない雰囲気、空気になって

しばらく父さんと母さんがいた場所を見つめた。

 

―――○●○―――

 

「―――兵藤家と式森家に襲撃されただとぉっ!?」

 

目玉が飛び出んばかりにアザゼルが叫んだ。遠出から帰った俺たちは

ユーストマ、フォーベシイ、アザゼルを呼んで、事の様を説明したら、

アザゼルは絶叫した訳だ。

 

「独断で行ったようだった。勝手に自白したよ」

 

「マジかよ・・・・・あの一族がお前に襲撃するなんてよ・・・・・んで、

誠と一香に連れ去られたと」

 

「ああ、魔人のことを調べているみたいだ」

 

「・・・・・そいつらはもう死んでいると思った方が良さそうだな。

力と血を抽出するだけして、殺すに違いない」

 

テロリストだし、そうだろうな。同情もしないがな。

 

「今頃、兵藤家と式森家は騒がしくなっているかもしれないな」

 

「ああ、今まであの一族が自分から襲撃なんてしなかった。

ちっ、面倒くさいことになりやがって・・・・・!」

 

「歯痒い思いだけど私と神ちゃん、冥界と天界が人族である

兵藤家、式森家に手を出せない・・・・・」

 

「手を出したら、宣戦布告と取られちまいそうだからな。

そうなったら、またあの時の戦争の続きをしかねないぜ」

 

真剣な面持ちで言う。確かに、その代表が自ら攻撃したらそうなる可能性は大だ。

人間には人間でやりあうしかない。

 

「因みにだが、この事は兵藤家のあいつらには?」

 

「いや、まだだ。だけど―――」

 

ドドドドドドドッ!!!!!と走る足音が聞こえ、扉が勢いよく開け放たれ。

 

「いっくん!」

 

「一誠さま!」

 

「一誠!」

 

イリナたちから知らされたんだろう、悠璃と楼羅、和樹が入って来て俺に抱きついてきた。

 

「ああ、お前の言いたいことはよーく分かった。―――このリア充め」

 

最後、妬みにしか聞こえないぞ?

 

「大丈夫!?怪我ない!?」

 

「兵藤家と式森家に襲撃されたと訊きました!」

 

「いっくん!いっくん!」

 

心配してくれているのは嬉しけど、ちょいと離れてくれないカナ・・・・・マジ、苦しい。

 

「ああ、イッセーちゃんから離れて離れて、顔が青ざめているよ」

 

悠璃と楼羅がバッと離れてくれた。フォーベシイ、サンキュー。

 

「大丈夫かい?」

 

「なんとか・・・・・それと、俺は大丈夫だよ。悪いな心配掛けて」

 

「いえ・・・・・元々は兵藤家が悪いんです」

 

「式森家もね。でも・・・・・どうして一誠の命を狙うんだろう・・・・・皆、優しい人たち

だったのに」

 

和樹が物凄く落ち込んだ。和馬さんは俺の命を狙うようなことはしない。

だけど、人の心には闇がある。その闇が大きくなればなるほど、

人は変わってしまうんだろう・・・・・。

 

「人は心に光と闇の二種類の顔がある。

イッセーちゃんを襲ったものは闇に負けてしまったのだろう」

 

「だから、お前たちが悩み、気にするようなことじゃない。いいな?」

 

「「「・・・・・」」」

 

そう言われても、意識をしてしまうのが人間なんだよ。

 

「また、襲撃される可能性はあるかもしれない」

 

「イッセー殿?」

 

「たとえ、元同じ一族だとしても。俺はイッセー・D・スカーレット。

愛する家族、仲間を守りたいからこそ強大な力を欲し、得たいんだ。

―――俺は敵を倒す。だから」

 

和樹たちに話しかける。

 

「もしも、また俺が襲撃された時は、お前らは手を出すな」

 

「な、なんで・・・・・?」

 

当惑する和樹に言った。

 

「だって、反逆者になるだろう?特に和樹、お前は両親がいるんだ。

一族の反逆者になったら悲しむはずだ。お前の帰りを待っている一族がな」

 

次に悠璃と楼羅にも告げた。

 

「悠璃、楼羅もだ」

 

「「・・・・・」」

 

「現当主の娘なんだ。今は一緒にいるだけで、咎められないだろうけど―――」

 

俺の口が塞がられた。悠璃の唇によって。直ぐに彼女の唇は離れた。

 

「私は、いっくんの傍にいると自分の意思でここにいるの。

だから、いっくんの敵となる奴は例え、一族でも家族でも・・・・・」

 

「悠璃・・・・・それ以上は言うな」

 

「いえ、言わしてもらいますよ。一誠さまの敵となる者は全て倒します。

―――家族であってもですよ」

 

楼羅が悠璃の代わりに言った。俺は悲しげに二人に訊ねた。

俺みたく、家族と戦う必要がないのにこの二人は敢えて自らしようとしているんだ。

そうする必要はないと説得しているのに・・・・・。

 

「なんでだ・・・・・・」

 

「一誠さまの妻らからです」

 

「もう、いっくんを失いたくないの。死なせたくないの。新しい力を手に入れたとしても、

いっくんを守りたいの・・・・・」

 

俺の胸に顔を埋めて、悠璃が気持ちを伝えようとする。

楼羅も悠璃の隣で俺の胸に顔を埋めてくる。

 

「一誠、僕だってそうだよ」

 

真剣な顔で決意に秘めた瞳を俺に向けてくる和樹が言う。

 

「大切な親友を二度と失わせないよ。魔法使いとしてまだ未熟かもしれないけど、

それでもキミを守る」

 

「和樹・・・・・」

 

親友までもがそんな事を言うのに、俺は止めることができないでいる。

 

ポン・・・・・。

 

「イッセーちゃん彼女たちの気持ちは本物だよ」

 

「イッセー殿がなにを言おうと、意思が固いようだ」

 

フォーベシイとユーストマが俺の肩に手を置いてそんな事を言う。

すると、アザゼルが意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「強大な力を得て、圧倒的な強さで敵を倒すお前が、

身内に甘過ぎて身内に言い負かされるなんてな」

 

「・・・・・うっさい」

 

アザゼルにそっぽ向いた。んなこと、自覚しているよ。

 

「いっくん」

 

「一誠さま」

 

二人に呼ばれ、振り向くと。

 

「「私はあなたを心から愛し、あなたと共に生きたい」」

 

・・・・・そう言われちゃ、何も言えなくなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――devilhuman―――

 

「おい、聞いたか?兵藤一誠が同族に襲われたってよ」

 

「えっ、本当?」

 

「マジマジ、たまたま能力で観ていた奴が言っていたぜ。

魔人の力を覚醒したからって殺そうとしていたって。んまぁ、別の奴がついでに守ったようだ」

 

「そう・・・・・その時、魔人の力は?」

 

「いんや、使っていない。本当に魔人の力を覚醒しているのか?」

 

「私自身も、話を聞いただけだから何とも言えない。そうね・・・・・久し振りに会ってみようかしら」

 

 

 

 

 

 

―――human―――

 

「なんということをしてくれたんだ・・・・・あのバカどもが・・・・・!」

 

「式森家の方にも数名いなくなっていると報告があります」

 

「あの者を放っておけばいいものの・・・・・・。我ら兵藤家と式森家は世界中にいる

人類を見守るこそが役目だと言うのに、目の先のプライドを優先しおって・・・・・」

 

「帰ってこないということはおそらくは・・・・・」

 

「一誠の奴は殺すとは思えない。第三者が介入してバカどもをなにかしたんだろう」

 

「兵藤照たちに要請しますか?」

 

「あやつらを護衛の任をか?まだ未熟の者どもにそんなことできるか。

―――俺が直々に一誠のもとへ赴く、和馬を引き連れてな。羅輝とともに留守を頼んだ」

 

「警戒なされておると思いますが・・・・・お気をつけて」

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ・・・・・良い感じになってきましたね。

当主もいなくなるようだし、もう少し影から煽いでみましょう」

 

 

 

 

 

 

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