クリフォトを迎撃、天界を防衛するため、知恵の実と生命の実を奪取されないため、
第四天までの道は、それぞれの階層の門を通らねばならない。
しかし、第三天から侵入した父さんたちは第二天と第四天に通じる門を占拠していて、
そこからさらに第四天の後門も奪っていると言う。
つまり、現状、第二天から第五天まで攻め込まれている。
第二天は前線基地足る第一天に近いため、天使の軍勢にてどうにか持ち堪えているが、
第三天から第五天まではクリフォトが優勢だろうと皆は見ている。
天使の本拠地である第六天は、ミカエルをはじめ、ガブリエルが抜いたセラフの皆が何名か
待機していたおかげで侵入を許していない。
先ほど第五天にセラフの天使が部下を連れて向かったと報告を受けている。
だが、邪龍の数はどう見てもミッドチルダと同等の数と思わせる。
こっちは人間界との門を閉じられているため、ユーストマをはじめとする増援は届かず、
天界に残った戦力で邪龍たちに当たらなければならない。俺たちは第二天の前門から突撃して、
第三天に通じる門に向かって駆けだす。
各層に通じていたエレベーターも停止させられており、
上へ行くには各層を直接通らないといけなくなったからだ。第二天は暗闇が支配する世界。
ヤハウェが説明してくれた階層だ。天界とは思えないほど、暗い世界が続く。
ただ、プラネタリウムのごとく、空から星々の煌めき届くので完全な暗黒と言うわけではない。
「どけ!」
「はっ!」
俺たちは邪龍を蹴散らしながら先を進んでいく。
その途中で、天使たちが邪龍に向かって光力を放っているのが伺える。
そこで何体か分身を作り、真紅のドラゴンをなってもらい、天使たちの援護をさせに行かせた。
この階層は無事に突破できそうだ。
「邪魔」
こっちには純粋無垢でマスコットの龍神さまがいるからな。
手元を光らせたオーフィスは襲いかかる量産型邪龍に奔流と化となった
波動を放って吹き飛ばした。
「我、原始龍のおかげで完全回復」
だな。オーフィスの頭を撫でる。
「頼もしいですねー」
ガブリエルがほのぼのと緊張感なさすぎる・・・・・。
さて、量産型邪龍を倒しながら第三天に向かって進んで最初に相対したやつは―――。
封龍剣を亜空間から出して第三天に通じる門が見えるところまで、来た時だった。
暗闇の中から、邪気を放ちながら立ちふさがる影があった。
『これはこれは、お久しぶりですね』
木の幹が幾重にも重なって形を成したかのような異様な生物。
ドラゴンの形をした樹―――いや、邪龍ラードゥンが現れやがった!
その周囲には大群ともいえる邪龍の数々。門まで、完全に邪龍で塞がれていやがる。
『ひとつ、私と遊んでください』
「雰囲気読まないから無理だ」
『
そうすることで異能、魔力が使えない空域、地域、空間となった。
当然、ラードゥンの結界もこの中じゃ使えないわけだ。ご自慢の結界ができないことに
目を細めるラードゥン。
『厄介ですね。ある意味、私の結界よりそちらの無力の結界の方が面倒です』
「そうでもないさ。これ、この結界の中じゃ俺ですら
使うことだってできないんだ」
『それでは、意味がないのでは?それに魔力が使えなくとも、
こちらは数の暴力であなた方を押し潰すことができますよ』
現に、量産型邪龍たちが襲い掛かってくる。
「俺にはこいつがある」
封龍剣を大きく振るった。天界の上空で不振った際に生じた斬撃が、空間を裂いた。
「時空を超え、開け扉よ。目の前のドラゴンを牢獄に投獄せよ!」
強く発したその時だった。空間の裂け目が一気に広がり、左右に開かれた。
その開いた空間の奥底から―――大量の触手みたいなものが鋭く、量産型邪龍の体に巻き付け、
裂けた空間の奥へと引きずり込まれる。あらかた引きずり込まれたかと思うと、
今度は巨大なドラゴンの手が出てきた。
『なっ―――!?』
驚くラードゥン。呆気なく握るように巨大なドラゴンの手に捕まった。
そんで、ラードゥンは引きずり込まれる。
『くっ!こ、これは一体なんなんですか!?』
「ああ、お前らは牢屋行きだ。じゃーなー」
『おのれ!』
空中に魔方陣が描かれる。
すると、
「―――っ!う、嘘、あの
その色に覚えがあるようで、様子を見守っていると
そこから現れたのは―――黒い鱗を持つ巨大なドラゴン。
『ゴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!』
空気を震わせる声量。魔方陣から現れたのは―――グレンデル!?
しかも、一体だけじゃない。グレンデルが三体だと!?
『私はここで表舞台から退場と言うわけですが・・・・・一矢報いを果たせてもらいますよ』
それだけ言い残してラードゥンは裂けた空間の奥へと姿を消し、
裂けていた空間もあっという間に閉じた。
「まあ、問題ないけどな」
「まあ、イッセーくんだし、それにヴァーリだって強いもんね」
「まあ、イリナだって強いだろう?私たち三人とガブリエル、ヤハウェが力を合わせれば
量産型と思しきグレンデルなんて―――」
言いかけたヴァーリに、俺たちの目の前に一筋の閃光が降り立つ。
その瞬間、一体のグレンデルが崩れ落ちた。俺たちの視線が前方に集中する。
聖なる波動を放つ槍が、俺の目に映った。
「―――――久し振りだな。兵藤一誠、ヴァーリ」
―――っ!
俺たちはその男の登場に驚愕した。感服を羽織った若い男が同じ感服を羽織った
数人の仲間を率いて、聖なる波動を放つ槍を引きぬいた。それを肩でトントンとさせて、
二体のグレンデルの前に立つ。
「お前・・・・・」
「見ない間に、随分と異質な形になってしまったようだな」
俺たちの前に現れたのはただの槍ではない―――聖槍。
『
「―――曹操っ!?」
「な、なんで!?」
「・・・・・」
三者三様。俺とイリナは叫んで驚いた。ヴァーリは冷静に曹操を見つめる。
英雄派の首魁―――曹操の子孫の曹操。
良く見れば、引き連れている仲間は
「・・・・・なんでお前らがここに?」
曹操は嫌味な笑みを見せる。
「―――邪龍狩りに興じようと思ってね。奴らと同様煉獄の門から上がってきた」
いやいや、あそこはそう、ほいほいと煉獄から天国にこれるもんなの?
後でそこらへんのことを聞かないとな。
「ここの邪龍を俺たちが引き受けよう。―――行け」
あいつは槍の切っ先を第三天の門へと向けた。
「人間を辞めてしまい、異形になってしまったことに残念に思うが、
それでも倒したい相手は変わらないもの。それ以上に倒したい相手が異形になったことで
倒し甲斐があるというもの。―――そう、いつだって、異形を倒すのは、『人間』だ」
「・・・・・」
人間・・・・・か。イリナたちに視線で促し、第三天の門へと足を運ぶ。
「何時でも掛かって来い。英雄の進撃、楽しみにしている」
「ああ、そうさせてもらう」
曹操とそれだけ言葉を交わし、前へ進んだ。
「・・・・・あれが、曹操が言っていた気になる奴?」
「そうだ。まともに戦えば俺たちは負けるだろうがな」
「そんな弱気なことをったら英雄失格だぞ」
「ちっ。どーでもいいが、さっさと片付けてしまおうぜ。
・・・・・いつどこで組織が俺を狙ってくるか、分かりやしねぇんだからよ」
―――○●○―――
門を潜り、第三天―――天国のある層に辿り着いた俺たち。俺たちが走るのは、
第三天の中央通りのせいか、天国の概要は良く分からない。ただ真っ直ぐに次の門まで白い道が
伸びているだけだ。途中、通り過ぎた横道を行けば、天国などに行けるそうだが、
今はそっちの見学をしている暇はない。進むのみだ。
次の門が目前と言うところで俺たちを迎え撃ったのは、
「おほほほほ♪こんにちは~♪燃え萌えさせにきたわよん」
ゴスロリ衣装の女性。構える俺たちにもう一つの影が姿を現す。
「久し振りね」
―――兵藤一香、母さんがゴスロリの女性の横に位置した。
「・・・・・」
俺は視線と共にゴスロリの女性に一言。
「変な服。それにまるでおばさんみたいな口調をするなあいつ」
―――――ビシッ!
ゴスロリの女性の表情が固まった。
「イッセーくん、思っても口にしちゃダメだよ」
「んじゃ、イリナは思わないのか?」
「・・・・・・」
俺から視線を、顔を逸らすイリナ。ああ、思ったんだ。
次から口から出ないように気を付けよう。
「一香さまぁー!あの子、ひどいですのー!」
「一誠、素直すぎてもダメよ。心の中で呟きなさい」
女性が母さんに泣きつく。嘘泣きだろうがな。
「・・・・・一人なんだ?」
「誠のこと?ええ、同じ魔法使い同士。たまにはこんな組み方もいいかなって思って彼女、
ヴァルちゃんと戦おうって決めたのよ」
「ヴァルちゃん・・・・・?」
首を傾げる。母さんはゴスロリの女性に視線を向けながら口を開いた。
「彼女の名前はヴァルブルガ。
―――
「あの一香さまと組めるなんて私、萌えちゃいます♪」
「魔女の業界じゃ、私は有名みたいね。少し照れちゃうわ」
「んで、一香さまのお子様というのは彼ってわけね?」
「だった、のほうが正しいわ。親子の縁を切ったもの」
・・・・・悲しくなんて、ないもん。
「さあ、始めましょうか」
「・・・・・」
先手必勝。『
これで、魔法使いの二人は魔力を放つことはできない。
目を細め、俺が何かしたのを察知したようで低い声音で声を掛けてきた。
「・・・・・やって、くれたわね。私から魔法を取ったら、ただの人妻じゃないの」
「それでいいじゃないか。それに魔力なしでも強いじゃん」
「当然よ」
どちからでもなく母さんと一瞬で拳と拳を付き合わせた。
父さんより、力がないが、油断はできない。
「縛ってやる!」
「SMプレイ!?一誠、私はそんな子に育てた覚えはないわよ!」
「俺がそうなったのは全部リゼヴィムおじさんのせいだ!」
「あの中二病め・・・・・帰ったら問答無用にお仕置きするわ」
と、怒りの矛先がリゼヴィムおじさんに向かった。
敵だけど・・・・・どうか無事でね。
魔法を放てなくなった母さんは肉弾戦で戦うことに強いられ、
父さんとのコンビネーションもできず
俺と戦うことに。この好機を逃す訳にはいかない。―――全力で母さんを叩き潰す!
「くっ・・・・・これはちょっと危ないかも・・・・・」
母さんの顔から苦難の色が浮かぶ。それに、ヴァルブルガからの援護はない。
「私でもなんとか捕まえれたわ!」
「オーフィスがいるんだ。それにお互い
「イッセーくん、こっちは終わりましたよー」
「頑張る」
と、まあ、あんな感じでヴァルブルガが皆に捕縛されているわけで。
「嘘!?こんなあっさり!?・・・・・やっぱり、誠と一緒に来てもらうべきだったかしら」
後悔するのは後の祭り・・・・・だと思うよ?
「あー、そうです。ところで一香さーん」
ふと、ガブリエルが母さんに声を掛けてきた。母さんは一度攻撃の手を止めて、
ガブリエルに返事をした。
その返事に何故か戦闘中の俺に近寄って・・・・・。
「この子、可愛いので私がもらっていいですか?」
『・・・・・』
背後から抱き締めて来るガブリエルがあろうことか母さんにそんな事を言うのだ。
「なに、言っちゃってんの?」
「だって、イッセーくんは一香さんのお子さんだし、確認をしたかったのでー」
いやいや、親子の縁を絶たされている状況だし、訊くのは野暮じゃないかなー。
と、思っていたら母さんの姿が消え―――ガブリエルの背後から襲いかかってきた。
ガブリエルを守るため、ドラゴンの翼でガブリエルを覆った直後、
彼女と一緒に吹き飛ばされた。
「ちょっと一誠。そこの天然牛乳天使をこっちに渡してくれないかしら?」
剣を持って八岐大蛇を具現化する母さん。
―――ガブリエルに対する暴言!?なんか、怒気を感じるんですけど!
「あははー、一香さんが怒るのって初めて見ましたー。イッセーくん、助けてくださいね」
「煽った本人が押し付けないでくれよ・・・・・」
「煽っていませんよ?私は
刹那。母さんが目の前にまで移動してきて、剣を振るって八岐大蛇を襲いかからせきた。
「玉藻、少しの間だけあの蛇を止めてくれ」
「―――よかろう。早々に決着をつけるが良い」
羽衣狐こと玉藻を具現化させて、八岐大蛇を相手にしてもらった。
彼女は九本の尾で八岐大蛇の首に巻き付けて動きを拘束した。
その瞬間、俺は母さんの懐に飛び込む。
母さんは口元を緩ませて口を開いた。
「九尾の狐を何時の間に?」
「生まれて以来ずっとだよ」
拳を突き出す。母さんは八岐大蛇を宿した剣を手放さず片手で俺の拳を弾いた。
うん、片手だけでも手強いな。―――よし、アレで行くか。
指を弾いたら、俺の体が見る見るうちに小さくなる。
「あら・・・・・」
意外そうに俺を見つめる。そんな母さんに俺は自然体で近づく。
「ぎゅーっと!」
満面の笑みを浮かべて、母さんに抱きついた。
以前、俺を抱き締めてほしいと願っていたから―――。
「~~~~~っ!」
案の定、幸せ絶頂だと多幸感を伝えてくる。そして、俺を抱き締めてきて・・・・・。
「ああ・・・・・久し振りに抱きしめれるわ・・・・・」
そう言われるとこれからする事に物凄く罪悪感が感じてならない。
だが―――やるしかないんだよな。
「母さん、掛かったね」
「なんですって・・・・・?」
怪訝になる母さんの顔は次に目を見開くことになる。
俺の両手に『
「新技、無効化の捕縛」
母さんの体が光る縄によって螺旋状に拘束された。
それでも、母さんは自力で脱出しようと様子を窺わせてくれる。
「こんなもの―――!」
「無駄だよ。母さん」
縄がさらに強く発光し、縛る強度が増す。
「それは縛る対象の魔力を吸うことで強度が増すんだ。ただ、欠点がある。
相手の身体に十秒間密着しないと発動できない。母さんに抱きつくぐらいのね」
「・・・・・やられたわね」
―――初めて母さんに勝った。一息吐いてオーフィスに言った。
「そこの魔女をこっちに連れてきてくれ」
「ん」
―――○●○―――
第三天の門を潜った俺たちは、第四天―――エデンの園に突入していた。
見渡す限り、色鮮やかな草木が咲き誇っている。遠くに見える小山や木々も盛観だった。
「母さん、父さんはどこだ?」
煉獄からここ第三天に侵入したんだ。
ここまで連れてきたヴァルブルガではなく母さんに訊ねた。
「知恵の実を取りに行っているはずよ」
「生命の実は?」
「もう採取したわ。たくさんね」
あの浮島の中にあるということか・・・・・。視線を母さんに戻す。
「母さん」
「親子の縁を切ったと言うのに、まだ私のことを母親だと思っているの・・・・・?」
自嘲染みた発言をする母さんだが、俺は真剣に問うた。
「どうして、リゼヴィムおじさんと組んでいるんだ?間接的とはいえ、
母さんはおじさんに殺されたんだ。父さんとどうして・・・・・」
「・・・・・」
「甦って、何がしたかったの?父さんと母さんらしくないよ。
敵対している俺に昔のように話しかけ、笑いかけ、
俺に式森家の力の封印を解いたり・・・・・敵だったらそんなことはしないはずだ」
俺の問いに何も言わず沈黙を貫く。
「・・・・・色々として、色々と楽しみたかったのかもしれない。
あの
「・・・・・」
「でも、意外と敵になるのって楽しかったわよ?正義と悪の戦いも悪くなかったわ。
いつも正義が悪を倒す話はよく聞くけれど、悪側の話しは聞かないでしょう?
だから、私たちは逆らえないなら色々と楽しませてもうらったほうがいいかもしれないと
結論を出した。おかげで、本当に楽しい思いをしたわ。自分の息子と戦ったり、
異世界に行けれたりとかね」
母さんらしい・・・・・行動理由だ。
母さんは父さんもそうだけど楽しみながら生きるのが生き甲斐、って昔聞いたことがある。
「母さん・・・・・」
母さんの身体を縛る縄を消失させた。そのことにイリナたちが目を丸くするが、
俺は真っ直ぐ母さんに言った。
「親子の縁を切られたけど、もう一度・・・・・結んでくれないかな」
「どういうこと・・・・・?」
「そのままの意味だよ。もう一度、あの時のように暮らそうよ。
リゼヴィムおじさんの呪縛を何とか俺が解くからさ。
父さんも一緒に・・・・・また一緒に暮らしたい」
「―――――」
目を見開く母さん。俺がそんな事を言うなんて露にも思わなかっただろう。
俺は手を差し伸べる。
「零から始めるんじゃない。一から始めよう。それから楽しい生活を過ごそう母さん」
「一誠・・・・・」
差し伸ばす手と俺を交互に見て・・・・・母さんは口を開いた。
「・・・・・ええ、今は無理だけど、いつかきっと―――」
母さんはそう言いながら俺の手を取ろうとした。
ドンッ!
と鈍い音が俺の耳に届く。手が重なる瞬間、
横合いから飛んできた何かが―――母さんの胸を貫いたからだ。
ぽっかりと穴の開いた母さんの上半身。母さんはごぶっと大量の血を口から吐き出して、
「一誠・・・・・・」
俺のところに倒れ込んできた。
「うひゃひゃひゃひゃひゃっ!そりゃ、ダメっしょ?」
不快な笑いが周辺に響き渡る。その笑いには覚えがあった。
忘れたことは一度もない。独特な笑い方だ。
俺は笑いのした方へ顔を向けた。
そこには、銀髪の中年男性が愉快そうに醜悪な笑みを見せていた。
ヴァーリがその男の名を叫ぶ。
「―――リゼヴィムッッ!」
リゼヴィムおじさんは軽々しく手を上げてきた。
「やっ♪様子見に来たら、楽しい親子喧嘩が、なーんか、感動の場面になっているからさ。
合いの手を入れてみましたっ!」
「・・・・・母さん!」
母さんの傷を治そうと、身体を横たわらせて治癒の力を施す。
だけど、母さんの傷は塞がらない。なんで・・・・・なんで!?
どうして傷が塞がらないんだよ!?
不治の病すら治せた俺の力は甦った身体じゃ塞げれないっていうのかよ!
「うひゃひゃひゃっ!ほんじゃ、もう一つオマケにっと!」
指をパチンと弾くリゼヴィムおじさんに呼応して―――母さんの体が光りだした。
唖然と見ていると、
ドッガアアアアアアアアアアアアアアンッ!
俺は大爆発に巻き込まれた―――――。
「・・・・・」
しばらくして、俺は身体に損傷を負いながらも何が起きたのか分からないと呆然と佇んでいた。
「・・・・・」
横たわっていたはずの母さんが・・・・・小規模のクレーターを残して消失していた。
いや・・・・・上から丸い物が落ちてきた。
それを視界に入れた途端、俺の心は空っぽになった。
「母・・・・・さん・・・・・?」