ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode7

―――イリナside―――

 

おばさまが、爆発でまた・・・・・死んだ。

爆発に巻き込まれたイッセーくんは、ボロボロな状態で首だけとなったおばさまに

跪いて震える腕と手で伸ばした。

 

「あっ、いっけねぇー。これ、おっちゃんの方にも爆発しちゃうんだった。

まあ、別にいっか!うひゃひゃひゃっ!」

 

―――おじさまも、おばさまと同様に爆発で死んじゃった・・・・・?

信じがたいことを耳にして私は、考えることができなくなっていた。

 

「・・・・・」

 

呆然としている私を余所にリーラさんが悠然とした態度で歩を進め出した。

 

「・・・・・リゼヴィムさま」

 

「ん?なんだい、メイドちゃん」

 

「一度ならず二度までも・・・・・一香さまと誠さまを殺して・・・・・、

一誠さまの目の前で殺して・・・・・私は―――」

 

銀色の書を手にし、銀色の光を発光させた。

 

「あなたが地獄に行っても許しません!」

 

刹那。リーラさんが銀色の光に包まれ、姿が変わり、

黒い両翼を生やしてリゼヴィムに白銀の魔力での砲撃を放った!

 

「およよ?そいつは神器(セイクリッド・ギア)かなぁ?無駄無駄、俺っちに神器(セイクリッド・ギア)なんか―――」

 

「ならば、食らってみれば分かることです」

 

リーラさんの一撃は、リゼヴィムを呑みこんだ―――。

 

「なにをしているんだまったく」

 

呆れた声が聞こえたと思ったら、白銀の魔力が軌道を反れて遠くに着弾した。

リゼヴィムは無傷、それに―――リゼヴィムの前には何時の間にかリリスがいた!

 

「おろ、リリスちゃんじゃん。どうしたの?」

 

「誠が勝手に爆発をしたから元凶のお前に訊きに来たんだ」

 

リリスの片手に・・・・・おじさまの頭部があった。

 

「あーあー、やっぱり?失敗しちゃったなー。こんなことなら、

別々に発動するようにしておくんだったぜい」

 

「まったく・・・・・」

 

あの子はゴミのようにおじさまの頭部をイッセーくんの方に放り投げた。

イッセーくんの膝にまで転がって止まると、おじさまの頭部をイッセーくんは

おばさまの頭部と一緒に抱きかかえた。

 

「・・・・・許さない」

 

オーフィスが小さい身体から魔力を迸らせた。つぶらな瞳は真っ直ぐリゼヴィムに向いている。

 

「お前、許さない。絶対に、許さない」

 

「おっと、龍神さまがお怒りのようだ。リリスちゃん、相手をしてやってくんねぇか?」

 

「リゼヴィムを守るこそが私の仕事だからしょうがない・・・・・」

 

渋々と、リリスはオーフィスちゃんと対峙した。

 

カッ!

 

その時、第四天の階層に魔方陣が出現した。―――龍門(ドラゴンゲート)

どこまでも黒く光る魔方陣だった。

 

「・・・・・母さん・・・・・父さん・・・・・」

 

イッセーくん・・・・・!?

 

「せっかく・・・・・せっかく・・・・・二人と暮らせるかと思って嬉しかったのに・・・・・」

 

おじさまとおばざまの首を抱き抱えたまま立ち上がるイッセーくんから、

禍々しいオーラが迸る。顔を俯いたままだから、

どんな表情をしているのか・・・・・分からない。

 

「ふざけるなよ・・・・・どうして、二人が死なないといけないんだよ・・・・・」

 

黒い魔方陣から・・・・・上半身が人間、下半身が蛇のような尾、

背中に黒い両翼を生やす巨大な生き物―――堕天使であり、ドラゴン、サマエルが出現した!

 

「久し振りの故郷だろう、サマエル・・・・・。お前の遊び相手が目の前にいるぞ」

 

俯いた顔が上がった。

イッセーくんの顔を覗きこんだら・・・・・金の目が真っ黒な瞳になっていた!

 

「一緒に遊ぼう、サマエル」

 

刹那。

 

「俺の大事な、肉親を、家族を、大好きな父さんと母さんを殺した

悪魔と悪魔を守るドラゴンと―――」

 

イッセーくんから迸っている禍々しいオーラが集束して、イッセーくんを包みこみ始めた。

 

「復讐だ、復讐を再び始めよう・・・・・」

 

包まれる禍々しいオーラの中で、イッセーくんの体が変化する。頭に角を生やし、

顔中に紋様のような刺青が浮かび、背中に三対六枚の紋様状の翼が生え出して、

両腕に黒い装甲を纏った。腰にも尾が生えた。

 

「殺してやるよぉおおおおおおっ!

リゼヴィム・リヴァン・ルシファァァアアアアアッッッ!!!!!

このクソ悪魔がぁああああああああああああああああああああああっ!」

 

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!』

 

怒り狂い、叫ぶイッセーくんに呼応してサマエルも咆哮をあげて、

イッセーくんはリゼヴィム、サマエルはリリスに襲いかかった。

 

「うひゃひゃひゃっ!魔人化(カオス・ブレイク)ってか?

面白いじゃん、坊ちゃん!いいよいいよ。この中年で中二病のおじさんが遊んでやるよ!」

 

「ちょっと待て、私はあのサマエルだぞ!?

ドラゴンの私がサマエルなんかに勝てるわけがないぞ!逆に殺される!」

 

「んじゃ、こっそりといなくなろうとするヴァルちゃんと一緒に戦ったら?」

 

え・・・・・?―――あっ!何時の間にかいなくなっていた!

 

「いやん!無理無理ですぅ、ここは退いた方が賢明ですってリゼヴィムおじさま!」

 

・・・・・なんだか、お笑いコントを見ている感じがするわ。

私たちが手を出すことは・・・・・できないわ。サマエルと今のイッセーくん。

どっちも凶悪で最凶の存在だから・・・・・。

 

―――ヴァーリside―――

 

今のイッセーは、まさしく復讐の塊り、復讐の権化。黒いオーラを纏わせ、

黒い力を放ち憎いリゼヴィムに襲いかかる。神器無効化(セイクリッド・ギア・キャンセラー)

神器(セイクリッド・ギア)の能力を無効化する力は、今のイッセーには通じない。

 

「ほれほれ!どんどんいっちゃうよ!」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

リゼヴィムが連続で魔力弾を放つ。対するイッセーは避けることすらせず、

真っ直ぐ攻撃を受けながら―――いや、あいつの魔力弾はイッセーに直撃する直前で

飲みこまれるように消失し続ける。アレは・・・・・以前現れた魔人の女と同じ能力だ。

 

「んん?魔力を吸収しちゃってんのかな?だったら、肉弾戦で勝負ってか!」

 

嬉々としてイッセーに拳を突き出した。

 

ガッ!

 

呆気なく、リゼヴィムの拳はイッセーの顔面に直撃した。だが、その腕をイッセーは掴んだ。

 

「お?」

 

「――――――」

 

次の瞬間。リゼヴィムから魔力がどんどん吸われていくのが分かった。

魔力が減り続けることでリゼヴィムの顔に焦りの色が浮かんでくる。

 

「ちょ、マジで?坊ちゃんが魔力を奪い続ける力があるなんて聞いたことがないって!」

 

もう片方の手をイッセーに突き付けるが、その手すらも掴んでさらに魔力が吸われる。

手がダメなら足だとばかり、足を振るったが・・・・・逆に足が踏まれ、地中まで沈んだ。

 

「マ、マジかよ・・・・・!?魔人ってのは、ここまで強かったってのかよ・・・・・!?」

 

―――今の私ならばリゼヴィムを倒すことができる可能性まで浮かぶほど、魔力を吸われている。

魔力がなくなると悪魔は行動不能となる。いくら魔王でも魔力は命の源でもあるからな。

それがたとえ魔王の息子だとしてもだ。

 

「・・・・・」

 

イッセーが口を開いた時、口内で光が集束し始める。

 

「うげ・・・・・マジかよ」

 

冷や汗を浮かべたリゼヴィム。身動きが取れない状況で零距離からの砲撃―――。

誰もがまともに食らえば、一溜まりもないだろう。

あのまま、攻撃されればリゼヴィムだって―――。

 

「そうはさせませんよ」

 

横合いから何かが現れ、イッセーを吹っ飛ばした。

 

「リゼヴィムさま、大丈夫ですか?」

 

「おお、ユーグリットくん!ナイスタイミングだぜぃ!」

 

―――ユーグリット・ルキフグスか。姿を見せないと思えば、このタイミングで現れるとはな。

 

「戻りましょう。ここにはもう用はないはずですよ」

 

「素直に退くよ!リリスちゃん、ヴァルちゃん!

帰るよ―――って何時の間にかいなくなっているし!?」

 

「あの二人ならば、さっき戻ってきていましたよ?」

 

カッ!とユーグリットとリゼヴィムの足元に魔方陣が出現した。

転移式魔方陣。この場から逃走しようと図っているのだろうが、

イッセーはそれを許さないと物凄い勢いで飛びかかった。

が、どこからともなく現れた一匹の邪龍に阻まれてしまい―――。

 

「坊ちゃん!今度会う時は本気の本気で戦ってやるからねー!」

 

あと一歩のところで、リゼヴィムが逃げてしまった。

阻んだ邪龍を爆発させたところでイッセーは。

 

「クソォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!!!!!」

 

悔しげに、涙を流して何時までも、何度も天界の空に叫ぶ。

 

「・・・・・イッセーくん」

 

イリナが悲しげにイッセーを見つめる。二度も私の恩人ともいえるイッセーの家族が殺された。

その気持ちは・・・・・計り知れない。

 

「・・・・・あれは、なんだ?」

 

私に声を掛けてくる第三者。声がした方へ振り向けば、

英雄派、曹操たちがこっちに近づいていた。

 

「終わったようだな」

 

「ああ、新人の良い戦闘経験をさせてもらった。ヴァーリ、

兵藤一誠はどうしたのだ?特にあの姿は・・・・・」

 

「・・・・・いまは、そっとしておいてくれ。帰るなり、ここにいるなり好きにしろ」

 

それだけ言って私は転がっているイッセーの家族の首に歩み寄って、

 

「・・・・・一香さん、誠さん」

 

それぞれ声を掛ける。

 

「こんな形で申し訳ございません。あなた方に何度もお礼を言いたかった。

私を助けてくれて、ありがとうと―――」

 

二人の首を手にしてイッセーのもとへと近づく。

 

「イッセー」

 

叫び続けるイッセーに首を見せた。彼は視界に入ったのだろう、叫ぶのを止めて私に振り返る。

 

「この人たちを天国で埋めてあげよう・・・・・」

 

「・・・・・」

 

イッセーの纏うオーラは次第に消失して・・・・・元の姿に戻った。

そして、私からゆっくりと誠さんと一香さんの首を自分の胸に抱かせて。

 

「・・・・・ああ」

 

悲痛に涙を流して、第三天こと天国に重い足取りで歩き始めた・・・・・。

 

「(私とイリナで、イッセーを支えよう・・・・・。

彼は、誰かが支えないと直ぐに崩れ落ちてしまう)」

 

「・・・・・絶対に、あのヒトを許してはならないわ・・・・・っ!」

 

「ええ、必ずやこの世から消して見せます」

 

「あいつ、二人の仇・・・・・殺す」

 

ほら、イッセーを慕うイリナたちが怒りを抱いている。

―――私もその一人だ。個人的な怒りと憎しみじゃない、イッセーに対する非道にだ。

許してはならない。

 

―――リーラside―――

 

第三天、天国にやってきた私たちは、生えている樹の傍で地面を掘っている

一誠さまを窺っており、一誠さまは首だけとなった一香さまと誠さまを完全に

肉体を復元していて、その状態で埋葬しようとしております。

 

「・・・・・」

 

ある程度の深さを掘ったら、一香さまと誠さまを穴の中に。

その際、二人の手を握らせてしばらくその様子を見て・・・・・一誠さまは掘った

天国の土を穴の中へと入れ始めました。

 

「(一誠さま・・・・・)」

 

完全に穴へ土を入れ終えると、手を合わせて無言で黙祷。

その行動に私は一誠さまの横に並び跪き黙祷します。

その直後、足音がこっちに近づいてくるのが耳に入ります。

彼女たちも黙祷しようと思っての行動なのでしょう。

 

「(一香さま、誠さま・・・・・あなた方に仕えてこの数十年・・・・・とてもメイドとして、

個人的に充実した日々でした。もう静かにお眠りする事ができます。

やらすかにここで私たちを見守ってください)」

 

―――オーフィスside―――

 

また、誠と一香が死んだ。我、こんな気持ちになるのは久し振り・・・・・。

人間の死、我にはどうでもよかった。我、次元の狭間に帰りたかったから。

でも、我と仲良くなった誠と一香が死んで、とても寂しい・・・・・。

 

「・・・・・」

 

イッセー、きっと悲しんでいる。なんとなくそう思う。

我は、イッセーが泣かないようにどうにかしたい。

何をすればいいのだろうか?我は分からない。

 

「・・・・・」

 

分からない。だから、我はイッセーの背中に抱きついた。

 

「我、イッセーの傍にいる。我は死なない」

 

我は無限。死と言う概念はない。だから、我は今まで生きている。

これからは、イッセーの傍で生きる。

 

「・・・・・」

 

イッセーが我に振り返って抱きしめてくる。変わらない温かさ。我が好きな温もり。

だけど・・・・・イッセーの顔は、我の好きな笑顔がしていない。

 

「・・・・・」

 

何かを我慢しているような、堪えているようなそんな顔、涙はもう流れていない。

身体はずっと震え続けている。

 

「父さん・・・・・母さん・・・・・っ」

 

我・・・・・人間のこともっと知る。そうすれば、きっとイッセーを・・・・・。

 

―――○●○―――

 

「・・・・・」

 

天界での一騒動後、無事にクリスマスに突入して、プレゼントも配り終わった。

少し遅めのクリスマスを皆た堪能している。あの天界での一戦後、俺たちは第一天に戻って、

俺や動けるメンバーは怪我をした天使を治すために動いていた。

天界への門が開いたおかげであの後、人間界から増援も駆け付けた。

 

「・・・・・」

 

皆には買い物を行ってくると言って、一人だけ外へ出た。

天界は無事に守れた。天使たちは安堵で胸を撫で下ろして安心したが、

俺の心は未だに晴れることはない・・・・・。あの時以上の辛さを抱いたままだ。

 

「イッセーくん」

 

コンビニでの買い物帰りで真っ直ぐ帰らず、公園のベンチで腰を下ろして夜空を眺めていた。

そんな俺に俺の名を発する存在―――青白い翼を羽ばたかせて俺の前に降り立ったイリナだった。

 

「帰りが遅いから、迎えにきたよ・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「まだ、なんだね・・・・・」

 

イリナは敢えて指摘しない。俺の心情を知っているからだ・・・・・。

 

「私には両親を二度も失った気持ちは分からないよ。

でも、大切な人を失った痛みはイッセーくんが死んだ時に知ったよ・・・・・?」

 

彼女は悲しげに微笑みながら、自分の青白い翼を触れた。

 

「イッセーくんから与えられたこの翼を、力を貰った時にね・・・・・」

 

「・・・・・迷惑だったか?」

 

「ううん、最初は戸惑ったけど・・・・・イッセーくんの隣で戦えるんだと分かって、

嬉しかった―――」

 

ベンチに座る俺に近づくイリナは手を差し伸べる。

暗闇の中で青白く光りによって照らされるイリナはとても幻想的だった。

イリナの手を握り、立ち上がると―――俺の手を思いっきり引っ張って、イリナの唇と俺の唇が

重なる。その時だった。夜空から雪が降ってきた。

まるで俺たちを祝福しているかのような・・・・・。

イリナは頬を赤く染めて、潤った瞳を俺に向ける。

 

「―――元気・・・・・でた?」

 

イリナはさらにこう続ける。

 

「実はセカンドキスだったりするのよ。初めてもイッセーくんなんだけどね」

 

「・・・・・覚えがないんだけど・・・・・」

 

当然の疑問をぶつける。イリナはイタズラな笑みを浮かべて言った。

 

「うふふ、それはそうよ。だって、子供の頃、イッセーくんの家で寝ている

イッセーくんに不意打ちでキスしちゃったんだもの」

 

・・・・・そりゃ、気付く訳もないわな。

イリナの言い分に俺は内心呆れると俺とイリナの前に、人影が一つ現れる。

 

「―――いや、最初にイッセーのファーストキスは私が奪ってやったぞ」

 

青い翼を広げた―――ヴァーリだった。ヴァーリの言葉に強くイリナが反応する。

 

「嘘でしょう!私がイッセーくんとキスしたわ!」

 

「私はイッセーに救われてから数日後、

イッセーの家に泊った時に感謝の印と私のファーストキスを捧げたぞ?」

 

「な・・・・・なんですってぇっ!?」

 

「その時は当然、イッセーが起きていた時だ」

 

―――――ああ、男だったっと思った時・・・・・ヴァーリがいきなり唇を押し付けてきたな。

その光景を父さんと母さんが見ていて、何か知らないけどはしゃいでいたし・・・・・。

 

「ふふふ、イリナは何時も後手に回っているな?

このまま私が先に結婚してイリナが私の次にイッセーと結婚するのかな?」

 

「冗談じゃないわよ!私が先にイッセーくんと結婚するわよ!」

 

「ならば、私は先に処女をイッセーに捧げようかな。

・・・・・なんなら、ここでもいいぞ?」

 

恥ずかしげに頬を染めたヴァーリが徐に服を脱ぎ始めた。

 

「―――そうは、させない!」

 

翼から十二の青いレーザーをヴァーリに放って攻撃したイリナ。

でも、白龍皇の名は伊達ではない。威力を半分、半減し続けて無効化した。

 

「いきなりだね・・・・・イッセーに処女を捧げる決闘でもする気なのか?」

 

「そ、外でスるのはダメ!二人っきりでムードがある場所でしなさい!」

 

「・・・・・敵に塩を送られるようなこと言われたんだが」

 

知るかよ・・・・・。―――と、俺はイリナに抱きしめられた。

 

「ううう!ヴァーリが嘘をつくとは思えないけど、

やっぱり私が最初にイッセーくんとキスしたの!」

 

再び俺の唇に重ねだす。しかもヴァーリの目の前でだ。

これではあいつを挑発しているようにしかしていないぞ・・・・・。

 

「これでサードキスね!ヴァーリはまだ二回だけしかしていないわよね・・・・・?

回数だったら今私が超えたわ!」

 

「・・・・・」

 

イリナの誇らしげに発言した言葉を聞いたヴァーリが綺麗な柳眉を吊り上げては、

ズンズンと俺たちに近づき、

 

「回数だけで勝てるとは大間違いだぞ」

 

腕を俺の首に回し、引き寄せられてヴァーリの唇と重なり、

ヴァーリの舌が俺の口を、歯をこじ開けて校内に侵入させて蹂躙してくる。

 

「―――――っ!?」

 

ディープなキスをするヴァーリに絶句の面持ちで見守るイリナだった。

 

「互いが、気持ちよくなり、幸せを感じさせることも大切なんだ。

自分が劣勢だからと、相手より優位になるようになって自己満足していると、

好意を抱いている男は呆れるぞ?」

 

説得力ある。あのヴァーリが珍しく正論なことを言ったぞ。

 

「ううう・・・・・!」

 

ああ、悔しそうに涙目になるイリナ・・・・・。

もう俺が暗くなる暇なんてなくなったじゃないか・・・・・。

 

「イリナ・・・・・」

 

「なに―――?」

 

今度は俺からキスをした。それからすぐにヴァーリの唇にも唇を重ねた。

 

「・・・・・誰が優劣だからと、俺を争って喧嘩をして欲しくない。

できる限り平等に―――二人を愛したい」

 

「「っ!」」

 

イリナとヴァーリが目を見開いた。

 

「二人が俺のことを好きなように、俺も・・・・・二人のことが好きなんだ。

こんな俺を心から支えてくれる二人を・・・・・」

 

そんな二人を抱き締めて、耳元で発する。

 

「これからも、俺の傍にいてくれ・・・・・」

 

「うん・・・・・うん・・・・・勿論だよ・・・・・!」

 

「私もだ・・・・・。イッセーの隣以外、私の居場所がない。

他の男など、目を向けることもしたくない」

 

二人の腕が俺の背中に回り、互いが引き寄せ合い抱きしめあう。

 

「「「大好き」」」

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