ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode3

「いっくんが地獄に落とされた!?」

 

私、兵藤悠璃は兵藤家現当主、実の父からの連絡に愕然とした。

電話の向こうで語る父は物凄く役立たずだと思った日は今日が初めてだ。

いっくんが協力してもらう人物こそ私と楼羅の父なのだった。

自分が囮となって、黒幕が出たところで父がその場に現れ、

 

黒幕及び協力者を一網打尽にする手筈だった。

なのに、いっくんが地獄に落とされるなんて誰もが予想だにしなかった結果になってしまった。

いっくんは生きたまま地獄に落とされたらしいけど、

いつ地上に出て来られるか把握できない現状。

 

「・・・・・ねえ」

 

『なんだ』

 

「地獄に落としたいっくんを向かいに行ってくれる?じゃないと

『父さん』なんて二度と言わないし口も聞かない」

 

絶句するバカ親を余所に通信を切った。

 

「一誠さま、地獄に・・・・・?」

 

「うん、あのヒトに嵌められて落とされたみたいだよ・・・・・」

 

「もしかしたら、一誠さまはこの事を予想して・・・・・」

 

だとしても、いっくんは私たちを心配させ過ぎだと思う。

 

「帰ったら、泣きついて怒るんだから」

 

視線を変える。私の視界に私の話を聞いていた奴らが険しい表情を浮かべている。

 

「地獄・・・・・」

 

「生前、罪を犯した人間が落ちるという異界ですね」

 

「一誠、本当キミってそういうトラブルに巻き込まれるのがうま過ぎて、

呆れを通り越して感嘆してしまうよ」

 

「だけど、どうやって地獄に行けばいいの?それ以前に、どうやって地獄から戻れるの?」

 

思い思いに呟いている。皆、いっくんを心配しているのが分かる。

 

「―――なんだ、彼、地獄に行っちゃっているの?」

 

っ!?

 

聞き覚えのない声が聞こえた。その声の方へ振り向けば、

 

「や、お邪魔させてもらっているわ」

 

魔人の奴が壁に寄り掛かっていた・・・・・っ!

 

「魔人!何をしに来た?」

 

「また彼に会いに来たけど、何だか彼、色々と苦労しているみたいだわね」

 

呆れ顔で肩を竦めるあいつに私は冷たく言った。

 

「他人事を言いに来ただけなら、帰ってくれる?」

 

「まーまー、彼なら生きて地上に戻ってこれるはずよ」

 

意味深なことを言う・・・・・。あいつ、どうしてそんな確信あるって顔をするの?

 

「どういうこと?」

 

「だって、地獄に私たち魔人はしょっちゅう行っているもの。

もしかしたら、いま地獄にいる私の仲間と鉢合わせして、

一緒に地上へ戻っているかもしれないわ」

 

『っ!?』

 

地獄を行き来できる方法を編み出しているの?だけど、そんな方法は当然知らない。

―――その時、魔人の傍に小型の魔方陣が出現した。あいつはその魔方陣に耳を傾けていると、

目を丸くした。小型の通信式魔方陣の類だろうけど、一体何の話を聞いたんだろう。

 

「それ、本当?・・・・・そう、分かったわ」

 

魔方陣が消え、あいつは息を一つ。

 

「彼、無事に地獄から帰って来たらしいわよ」

 

「ほ、本当に・・・・・?」

 

何故だか面白そうに笑みを浮かべるのだろう。だけど、嘘を言っている風には見えない。

本当のことなのかもしれない。

 

「ふふっ、あの子は面白いわね。落ちた罪人は罰を与えられ苦痛を味わわされる場所を、

無事に出てくるなんて・・・・・ますます気に入っちゃうじゃない」

 

魔人が私にとって嫌な予感を感じさせる発言をした時、床に光が走る。

丸く描かれ、紋様と紋章が浮かびあがり―――一つの魔方陣が完成した。

光る魔方陣からドス黒く、禍々しいオーラが迸る。

 

「そう・・・・・彼は、あの子は完全に覚醒したのね・・・・・っ!」

 

言葉を震わせながらも目が歓喜の色を浮かべている。魔方陣から数人の男女が現れた。

その内の一人を見て、私は言った。

 

「いっくん・・・・・!」

 

―――○●○―――

 

 

地獄から生還した俺は悠璃に抱きつかれた。その後、他の皆に纏わりつかれ、

心配の声を掛けられた。その最中、俺の背後にいる連中はなんだと、聞かされた時に言った。

 

「家族だ。今日からな」

 

『・・・・・は?』

 

案の定、唖然と呆けた顔を浮かべた。

その時、俺の視界になんでここにいるんだ?と思う魔人がいた。

 

「ラクシャ、どうしてここに?」

 

「あなたを会いに来たの。・・・・・いまなら感じるわ。あなたから魔人の力をね」

 

ふっ。コントロールするのも苦労したよ。

 

「ああ、地獄で頑張って身につけたよ。修行の場には最適だった。

地獄に行き来できる方法も知れたし、また行こうかなって思っている」

 

「へぇ、そうなんだ。じゃあ、一緒に修行する?」

 

おどけた風に言うラクシャ。そんな彼女には苦笑を浮かべるだけで他の皆に顔を見回す。

 

「悠璃、兵藤当主からは?」

 

「黒幕を捕まえたって、黒幕と一緒にいた名無とバカも事情聴取している」

 

「あっそ、そいつらに関してはどうでもいいな」

 

どうせ、この町に戻ってくるだろう。後で当主に声を掛けよう。

 

「一誠、魔人の力をコントロールできたってのは本当?」

 

「地獄の環境がそうさせた。・・・・・あそこ、物凄くキツいって。

臭いし熱いし鬼も強いし、なにあれ?」

 

「いや、そう言われても・・・・・鬼?」

 

「ああ、しかも最強の鬼にしごかれたよ。当然だけどガイアとオーフィス、

クロウ・クルワッハよりは強くなかった。―――この力をコントロールできるまではな」

 

自分の意思で魔人化(カオス・ブレイク)となった。背中に紋章状の四対八枚の翼、

真紅の髪は黒く染まり、金色の双眸は黒と変わり、顔中に紋様が浮かびあがり、

腰に尾が生える。両腕は黒い装甲みたいなものに成り―――。

 

「こいつは魔人の力を覚醒したというより、禁手化(バランス・ブレイク)に至った感じだ」

 

「バ、禁手化(バランス・ブレイク)!?一体、なんの神器(セイクリッド・ギア)なの!?」

 

「『強奪』だ」

 

未だに至れなかった神器(セイクリッド・ギア)。あれがようやく俺に応えてくれたわけだ。

 

「『強奪』って・・・・・そう言えば、あなたが禁手(バランス・ブレイカー)していない

神器(セイクリッド・ギア)はそれだけだったわね?」

 

「そうだ。ようやく至ったんだ。魔人の力が、父さんと母さんの力が俺に応えてくれたよ。

あの二人の力は俺の中に宿っている・・・・・」

 

『・・・・・』

 

皆がしんと静かになった。

 

「この力で俺はあのヒトを倒す。絶対にだ」

 

そんな空気の中で黒い手を強く握りしめた。それは決意。必ず成し遂げてみせる―――。

 

「―――気に入ったわ」

 

・・・・・?

 

「はぁ~・・・・・私ダメね。こんなものを見ちゃったら堕ちちゃうわよ」

 

ラクシャが唐突に話しだした。

 

「私の予想を遥かに超えた、魔人と異なる魔人・・・・・、

有り得ない存在・・・・・やばいやばいって、ドストライクって

きっとこんな感じよねきっと」

 

いきなり何を言い出すんだ?って、どうして写真を撮りだす。そして近づいてくる?

 

「ねえ、魔人は子を作る時、同じ魔人とかじゃないとダメなのよ。

他の種族と子を作ることも可能だけど、出産率が極端に低くなる。

その際、魔人同士が結ばれる時にとある事をするのよ」

 

「・・・・・何をだ?」

 

「―――こうするのよ」

 

ずいっと顔を近づけてくるラクシャが俺の唇に自分の唇で押し付け、

舌を入れてきたかと思えば、俺の舌を絡め取り、

ラクシャの口から液体みたいなものが送り込まれる。

 

ドクンッ!

 

「っ!?」

 

「―――ん」

 

足元に魔方陣が現れる。光が俺たちを包みこんだかと思えば、それだけで光は消失した。

それを満足気に見たラクシャは俺から離れ―――嫉妬で狂う皆の攻撃をあっさりと防いだ。

 

「お前、いっくんに何をした!?」

 

「マーキングよ。言葉は悪いけどこの人は私の物、ってね。

それをすれば、マーキングした互いの魂と力が共有し合って―――魔人はさらに強くなるのよ」

 

「なっ!?」

 

何て便利な・・・・・。と言うか共有って・・・・・マジかよ。

 

「ふふっ、凄い・・・・・力がどんどん溢れてくるわ。

今回、誰かとこんなことをするのは初めてだから分からなかったけど、彼とできて良かった」

 

「お前―――!」

 

悠璃が大鎌を手にして飛び掛かる。

 

「ああ、止めた方が良いわよ?私の死は彼の死に繋がるんだから」

 

「っ!?」

 

ラクシャの言葉を聞いた瞬間、鎌の刃先はラクシャの首筋に停まった。

 

「言ったでしょ、魂と力が共有し合うって。そう言うことも含まれているから」

 

「くっ・・・・・」

 

「それと・・・・・相手に対する想いもね」

 

唐突に、恍惚の表情となるラクシャ。熱い吐息を吐き、瞳が潤う。

 

「あなた、彼女たちに対する親愛、愛情が深いわ」

 

「ちょっ、そんなことまで共有されるのか!?」

 

「ふふ。ええ、そうよ?そこの悪魔に対する愛情も大きいわね」

 

リアス・グレモリーに向かって言う。それを聞いたリアス・グレモリーは

「え・・・・・」と、頬を朱に染めた。ぐおおおおおっ!

知られたくなかった事実が知られてしまった!

 

「ほ、本当に・・・・・イッセーが私のことを・・・・・?」

 

「本当よ。口から言わなくても、心はあなたのことを心配していたり、

好意を抱いているわ」

 

「・・・・・っ」

 

暴露したラクシャにリアス・グレモリーは顔を紅潮させた!

 

「頼むからこれ以上俺の心を代弁するな!というか、俺の心を読めれるのか!?」

 

「勿論♪しかも、相手が浮気しているなら一目瞭然よ?

魔人同士が交わすこれは一種の儀式。まあ、魔人同士の結婚みたいなものよ」

 

『結婚っ!?』

 

・・・・・今のが結婚の儀式?あっさり過ぎて実感が湧かないんけど?

 

「因みに、死ぬまで解除不可能だから。それに結婚した魔人は、

他の魔人と性交は絶対にできない。

無理矢理でもね」

 

ラクシャと言う魔人としか成功できないってことか・・・・・。まあ、それは置いといて。

 

「いいのかよ、俺とこんなことして」

 

「咎められるようなことはしていないわ。それに後悔なんてしていない。

私はもともとあなたのことを気に入っていた。そして、完全に魔人の力を覚醒、

コントロールしているからあなたと結ばれることに嬉しく思っているわ」

 

―――愛しているわよイッセーくん。

 

「・・・・・」

 

口に出さず、心から愛されていることが分かった。

それから彼女は手を振って家から立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「♪~♪~♪~」

 

「・・・・・やけに上機嫌だな」

 

「あら。分かる?今日、いいことがあったのよ」

 

「お前から感じる巨大な力と関係があるの?」

 

「ええ、私―――イッセーくんと結婚したわ」

 

『・・・・・』

 

―――――な、なんだとぉおおおおおおおおおおおっ!?

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