ハイスクールD×D×SHUFFLE!   作:ダーク・シリウス

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Episode5

魔人たち、ラクシャたちと亜空間の中を歩くことしばらくして、とある建物の中に侵入した。

 

「それじゃ、皆お疲れ様。後日パーティでもしましょう。

私たちの力は強大な勢力の一つに通用したのだからね」

 

他の魔人たちにそう言い、去っていく魔人たちを見送ると。

ラクシャは俺に振り返り、抱きついてきた。

 

「期限付きとはいえ、この家にいる限りあなたは私の夫・・・・・」

 

「実感が湧きませんが?」

 

「なら、実感を感じさせるわ」

 

そう言って顔を近づけてきた―――!

 

「・・・・・」

 

でも、途中で止まった。溜息まで吐いて視線を横に向けた。

 

「盗み見、盗み聞きをするとは無粋なことをするのね」

 

あー、そう言うことか。彼女が向けている視線に辿って俺も見れば、

曲がり角のところで半分だけ顔を出している数人の男女がいた。

 

「ははは。いやー、あなたが結婚した殿方はどんな人なのか気になってね」

 

「・・・・・」

 

「この人が兵藤と式森の間に生まれ、魔人の力を宿しているドラゴン・・・・・。

波乱万丈な人生を送ったヒトですか・・・・・」

 

「お前から感じる力の源はそいつのようだな」

 

「残念、女の子だったらフタ―――」

 

「はい、破廉恥な発言は禁止だよ」

 

なんだか、個性的なキャラもいるな・・・・・。ラクシャに誰だ?と視線で訊ねると、

 

「私を含め、若手の魔人たちよ。実力は申し分ないわ」

 

ほほう、この六人は強いのか・・・・・。

 

「ねね、キミ」

 

「ん?」

 

顔に刺青のような紋様がある茶髪にポニーテールの身長が俺より

高い女に声を掛けられた。

 

「もしよかったら今夜、私の部屋に―――」

 

「あら、ミリア。私の夫に手を出そうなんていい度胸ね?」

 

ラクシャから途轍もないプレッシャーを感じるよ・・・・・。

 

「人聞きの悪いことを言わないでよ。

ちょっと、あなたの夫の身体を調べたいだけなんだから♪」

 

「そう言って他の子の男を部屋に連れ込んで、腹上死させたのはどこの誰かしら?」

 

「・・・・・」

 

それを聞いた瞬間にミリアと言う女から距離を取ってラクシャの背後に隠れた。

 

「あー!それこそ人聞きが悪いよ!ただの暇つぶしをしていただけなんだから!

他の子の男の子の方が私より早くダウンしちゃうだけなんだからね!」

 

「煩いわよビッチ。他の女の男はどうでもいいけど、私の夫には手を出させないわよ」

 

「ぶー、その子の力に興味があるのになー」

 

それでも諦めていない目が俺に向けてくる。

 

「なあ、他の女に、男に手を出せないシステムじゃないのか?」

 

「・・・・・それを構築したのはこの子なのよ。

だから書き換えることだって朝飯前ってこと」

 

なんですと?この女がそんなことをしていたのか・・・・・。

 

「んで、お前は魔人の力を覚醒したんだってな?どれ、俺たちに見せてくんねぇか?」

 

「そのミリアってビッチ女を掴んでくれるなら」

 

「ひどっ!初対面に対して警戒心が半端ない!?

もう、これもラクシャのせいだよ!私の第一印象がビッチ女じゃんかぁっ!」

 

「「「「「「自業自得」」」」」」

 

「皆に揃って言われたぁっ!」と嘆くミリア。

そんな魔人たちに魔人化(カオス・ブレイク)の状態になって見せた。

すると、若手の魔人たちが俺を囲み出して凝視してくる。

 

「ほう・・・・・八枚の翼なんて初めて見たな」

 

「尻尾も生えていますね。ドラゴンだからでしょうか?」

 

「とても貴重な素材―――いえ、存在ですね」

 

おい、いま研究素材として言おうとしたな?

 

「失礼」

 

そう言って眼鏡を掛けた青年が拳を突きだした。

その手を片手で防いだ瞬間、青年の目が丸くなった。

 

「くっ・・・・・!?」

 

膝を屈しだした。慌てて手を放すと様子を窺った。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「ええ、少々驚いただけなので。・・・・・掴まれただけで魔力が

ごっそりと奪われてしまいましたよ」

 

「マジか?」

 

『強奪』の禁手(バランス・ブレイカー)状態だからな。

どうやら能力はこの手に触れた対象の力を、能力をコピーしないで奪い続けるようだな。

 

「私たちが対象の魔力と気を吸収する形で無力化にしますが、

彼も吸収だけじゃなく、根こそぎ奪うようですね」

 

「じゃあ、私ならどうかな?」

 

ラクシャが徐に俺の手を握った。・・・・・だが、彼女には変化がない?

 

「ふーん、魂と力を共有しているからかな?奪われないわ」

 

「マジで?んじゃ、お前しかそいつに触れることができないってことかよ。おっかねぇな」

 

「ふふっ。それはそれで嬉しいわ♪」

 

腕を絡めで抱きかかえるように抱きつくラクシャ。

 

「ふふん、ミリア?おいそれと彼に触れることはできなくなったわね?」

 

「それは魔人の状態だけだよ。普通の状態だったらべったりとくっついてやるんだから」

 

「イッセー。その状態で三日間保っていなさい」

 

「「あんたは鬼かっ!?」」

 

ミリアと一緒に突っ込む。俺は何かの魔除けか!?その後、六人の若手魔人と

別れてラクシャについていく。

幾つの扉を無視し、通り過ぎて行く最中に俺は問うた。

 

「この建物って家なのか?」

 

「そうよ?言ったでしょ、人間の時はシオリって名前で通っているって」

 

「学校にも行っていると言っていたな。人間に紛れこんで生きているのは分かったけどさ、

他の魔人たちはいつもどうしているんだ?」

 

「んー、一緒に学校行っていたり、修業したり、のんびりと暮しているわ」

 

おい、想像していたのと全然違うぞ。てっきり切磋琢磨、

毎日修行を励んでいるのかと思った。や、修行をしているようだけどさ。

 

「この建物がある場所って人間界・・・・・だよな?」

 

「当然じゃない」

 

だよな・・・・・少し安心した。また異界かと思ったぞ・・・・・。

 

「ここが私の部屋よ」

 

ラクシャが扉を開けて中に入ると、女の子らしい部屋が俺の視界に飛び込む。

ぬいぐるみが点々と置かれていたり、化粧台、

清楚なカーテン、シンプルな椅子とテーブル、本棚に置かれている数々の本・・・・・。

写真立てもある。ベッドは大きくお嬢様が好みの天蓋付きだ。

 

「風呂は?」

 

「共同よ?男用と女用の風呂は設けているの」

 

「って、あいつらもこの建物に住んでいるのか?」

 

そう訊くと、ラクシャは小さく笑んだ。

 

「家族だもの。当然じゃない」

 

―――○●○―――

 

翌日―――。ラクシャに抱き枕された状態で起きた。

その後、ラクシャも起き上がって羞恥心が無いのか俺の目の前で着替えをした。

 

「襲ってもいいわよ?」

 

「扉の向こうにあいつらがいるから」

 

「・・・・・」

 

「よいしょっ」と彼女が徐に椅子を掴んで―――扉に向かって放り投げたのだった!?

扉は頑丈なのか椅子が砕け散った。だが、その衝撃は向こうの廊下まで届いたのか、

廊下にいるあいつらは慌てて気が遠ざかっていくのが分かった。

 

「まったく、本当にいたのね」

 

「なんだ、気付いていたのか?」

 

「見くびらないで、これでも私は魔人のトップを名乗っていないわ。

相手の気とか魔力を探知できるんだから」

 

指をパチンとラクシャが弾く。壊れた椅子が宙に浮き、

光に包まれながら復元していく・・・・・。

 

「魔人の力か?」

 

「ふふっ、魔人はそんな万能じゃないわよ?」

 

「・・・・・まさか、神器(セイクリッド・ギア)か?」

 

有り得ないと思いながらも、そう呟いた。彼女の口から出た言葉は―――。

 

神器(セイクリッド・ギア)―――『奇跡の創造(ミラクル・クリエイション・メーカー)』。私が所持している神器(セイクリッド・ギア)

 

魔人が、神器(セイクリッド・ギア)を宿している・・・・・?どういうことだ?

 

「どうして魔人が神器(セイクリッド・ギア)を宿しているか・・・・・不思議みたいね?」

 

「ああ・・・・・」

 

「それは私たち若手が魔人と人間のハーフだからよ」

 

それを聞いて納得した。ラクシャは扉を開け放って出て俺もついて行く。

ラクシャが向かったのは数多くのテーブルと椅子がある空間。

 

「ここは食堂よ」

 

「作ってくれる料理人がいるんだ?」

 

「とある人たちが協力してくれてね」

 

こいつらの正体を知っている上で協力しているのか?一体どんな人たちなんだろう。

 

「時間はまだあるから適当な場所に座りましょ?」

 

そう言ってラクシャは俺の手を掴んで壁際にまで連れて行かれる。

 

「ところで新世代のお前らがいるなら、旧世代の魔人たちはどこにいるんだ?」

 

「―――殆ど死んだわ」

 

ラクシャがあっさりと言った。

 

「冥界から追い出された当時の魔人たちは本当に弱かったらしいの。

悪魔と同じ寿命が永遠に近くても、身体の構造は人間と変わりない。

自然災害、疫病といったもので命を落とした。今現在古くから生き残っている

旧世代の魔人は片手で数えるぐらいしかいない。

ある意味、私たちを束ねるトップメンバーね」

 

「永い間生き抜いた中でお前たち若手魔人が生まれたってことか」

 

「今の今までいろんな人間を洗脳しては子を孕ませてきたらしいわよ。

だから、私の両親は誰なのかさっぱりわからない。まあ、別に知ろうなんて思いもしないわ。

私には家族がいるもの。同じ血を流す家族がね」

 

その言葉は偽りがなかった。

なぜなら、ラクシャは綺麗な笑顔を浮かべたからだ。それからしばらくして、

この場に続々と少年少女たちが和気あいあいと雑談しながら入ってくる。

 

「適当に貰ってくるわ。待っていてね?」

 

「次は、ラクシャの手料理が食べてみたいな」

 

「・・・・・そうね、夫婦だもの。それぐらいは当然よね」

 

なんか顎に手をやって呟きながら離れて行くラクシャであった。

目の前に空いた椅子が虚しく感じさせる。

 

「・・・・・残り二日か」

 

あいつら、どうしているんだろうか。というかここ最近・・・・・色んな場所に行って

皆と離れることが多い気が・・・・・。うーん、一度どこかへ皆と行くとしようかな。

 

「―――あ、発見した☆」

 

こ、この声は・・・・・!?声がした方へ向いた瞬間―――。

俺の唇に柔らかいものが押し付けられた。

 

「んー☆」

 

「むぅっ!?」

 

がっしりと頭を抱えられ、視界に映る茶髪と目を瞑る昨日知り合った女の顔・・・・・。

 

「(ミ、ミリアァァアアアアアアアアアアアアアっ!?)」

 

口の中でする水音、口の中で蹂躙してくる熱が帯びた遺物、

俺から気と魔力が奪われ続ける感覚、

そして―――!

 

「人の夫に手を出すんじゃないわよぉっ!!!!!」

 

ラクシャの怒声!ミリアが俺から離れるとようやく

俺は解放された時、ラクシャが俺を庇うように現れた。

 

「よくも私の夫を・・・・・!」

 

「私は諦めたわけじゃないよ?それに・・・・・」

 

ミリアが俺を見つめてくる。

 

「結構・・・・・いいわ。ちょっと力を吸ったけど、

ここまで力が上がるなんて予想外もいいところ」

 

確かに、彼女から感じる力は昨日より数段パワーアップしている。

俺自身がドラゴンで、真龍と龍神の力を宿しているからだろう。

 

「ずるいわ。そんな極上な子を一人占めして強くなるなんて。

ねえ、ラクシャ。私にもその子ちょうだい?」

 

「渡さないわよ!いくらあなたがあのシステムを構築した張本人だろうとも、

この子は絶対にあなたの餌食なんかさせない・・・・・!」

 

「餌食なんて失礼じゃない?ちょっとその子に気持ちのいいことを

教えてあげようかと思っているのよ?ふふっ、さっきの反応からしてその子はまだ―――」

 

「あー、俺は経験しているんで問題ないぞ」

 

「あら、意外と・・・・・プレイボーイ?」

 

愛おしい女性が傍にいるからな。当然だろう?

 

「因みにラクシャはまだ処女だから♪」

 

「なっ・・・・・!」

 

顔を真っ赤にするラクシャ。あっ、そうなんだ?

いや、別にどうとも思っていなかったんだけど・・・・・ラクシャから感じる

怒りのオーラを察して・・・・・そろそろ止めた方が良いか?

 

「ミリア・・・・・ちょっとここじゃなんだし、表に出ないかしら?」

 

「その子と一緒なら♪」

 

「おい、ラクシャ」

 

「イッセー、ちょっと―――」

 

ダキッ、←俺がラクシャを抱き締める。ナデナデ、←抱きしめながら頭を撫でる。

「怒ったラクシャを見たくない、落ち着いて?」←耳元で囁く俺。結果―――。

 

「・・・・・」

 

別の意味で顔を赤くするラクシャはコクリと小さく頷いてくれた。

怒気のオーラも無くなって彼女は席に座ったのを見てミリアにも声を掛ける。

 

「ほら、ミリアも自分の席で食事をしてきなよ」

 

「う、うん・・・・・分かった」

 

ミリアは意欲がなくなったのか、あっさりと素直に聞いてくれて俺たちから離れた。

 

『(すごい!これが愛の力だというのかっ!?)』

 

この場にいた魔人たちが何を考えているのか分からないけど、

俺たちをいつまでも見ていた。

 

―――○●○―――

 

食事を終えると、俺はラクシャの部屋に戻った。これから彼女が学校に行くそうだ。

 

「そう言えば、ラクシャって何年生だ?」

 

「三年生よ?」

 

どこかで見覚えがある白い制服を身に包む。

 

「俺より年上か」

 

「ふふっ、そうなるわね」

 

どこかで見覚えがある白い制服を身に包んだ彼女が笑む。

 

「ところで、その制服を発注している学校はどこだ?」

 

俺は問わずにはいられずに、彼女に訊いたのだった。彼女は笑みを浮かべ、言った。

 

「川神学園よ?あなたたち駒王学園が一時期、川神学園に通ったあの学校」

 

―――川神学園―――

 

「って、どうして俺までここに来てしまったんだ!?」

 

「あら、愚問じゃない。ミリアが私がいない間にあなたを襲う可能性が深海のように深く、

山のように高い可能性があるもの」

 

「それ、百%って言いたいのか?つぅーか、他の魔人たちは?」

 

「皆、一緒だったり別の学校に通っているわ。一種のスパイ活動をしてね」

 

ガッチリと俺の腕を絡めてくる腕。

幻術で姿を隠しているからって俺もこの学校に行かないとダメなのかよ。

 

「川神鉄心はお前の正体に気付いているのか?」

 

「気付いていないと思うわよ?いまの私は人間のシオリ。

だから魔人としての力を自分の意思で封じているから、相手からは気しか感じないわ」

 

堂々と校舎の中を歩く。

知り合いとは出くわさずに―――三年S組の教室に足を運んだのだった。

 

「退屈な思いをしちゃうだろうけど、我慢してね?」

 

声を殺して言うラクシャ。俺、彼女の傍で佇まないとダメのようだ・・・・・。

 

―――昼休み―――

 

午前の授業が終わるや否や、ラクシャは布に包まれている二つの弁当を持って俺を屋上に連れ込んだ。

 

「ごめんね、つまらなかったでしょう?」

 

「そうでもなかった。ずっと学校に行っていなかったし、学んでいないことがある。

俺も勉強になったよ」

 

「そう言ってもらえると嬉しいわ」

 

はにかむ笑顔を浮かべるラクシャ―――いや、シオリ。

 

―――午後―――ラクシャside

 

無事に学校生活は終えた。これで何事もなく帰れるかと思ったら―――。

 

「「・・・・・」」

 

廊下に出たところで川神百代が待ち構えていた。

 

「川神さん、どうしたの?何か用?」

 

「ああ、用といえば用だな。

―――どうしてお前は私が知っている男の気を感じさせてくれるんだ?」

 

「誰のことかしら?あなたの知っている男と言うのは?私には知らないわ」

 

「・・・・・兵藤一誠、名前ぐらい聞いたことがあるだろう」

 

やっぱり、感じちゃうか。完全に隠しきれていないようね。

 

「ええ、聞いたことがあるわね。元次期人王でしょ?

詳細は分からないけど死んじゃったってね」

 

「・・・・・」

 

「せっかく神滅具(ロンギヌス)だらけのチームで優勝したっていうのに、

死んじゃったら結局は意味なんてないじゃない。彼は弱かったから死んだ―――」

 

言い切ろうとした瞬間だった。彼女から怒気を感じる。

 

「あいつは弱くない」

 

「でも、死んだんでしょ?」

 

「・・・・・っ」

 

「この世は弱肉強食。弱い者は淘汰される・・・・・そう私は思って今を生きているわ。

言い方は悪いでしょうけど、彼は弱かったから死んだ。死んだのは彼が弱かったから。

原因はそれだと私は思っているの」

 

ドンッ!

 

「っ・・・・・」

 

瞬時で両腕をクロスしてガードしていなかったら、かなりキツイ一撃をもらっていたわね・・・・・。

拳を突き出して私に攻撃をした川神百代を見据える。

 

「あいつのことを何も知らないくせにそれ以上言うな」

 

「随分と肩に持つのね。あなた、彼のなんなの?恋人?」

 

「―――――」

 

私の問いに、川神百代は口を噤んだ。

ふふっ、友達以上恋人未満・・・・・って、ところかしら?

 

「まあ、顔見知りでもない彼の気を感じてしまうのは知らないわ。

直接会ったことすらないものね」

 

悠然とした態度で彼女の横を通り過ぎる。

相手と魂と力を共有している魔人は相手の力を振るうことができる。

全てってわけではないけれど、それでも強大な力なのは変わりないこと。

 

「(さてと、彼女が来ることを察した彼のもとに行こうかな)」

 

それから二人きりで・・・・・うふふ♪

 

―――○●○―――

 

魔人たちが住む建物に戻った。ここはどうやら神奈川県のようだ。

どうしてこんな場所で魔人たちが住みついたのは定かではない。

 

「・・・・・良い風呂だな・・・・・」

 

巨大な湯船に入っている俺。川神学園から帰って一時間後、

この建物の男風呂に入ってのんびりとしている。

 

「おっ、新入りがいるじゃん」

 

「ん?」

 

この場に現れる魔人たち。昨日の奴らじゃないな。

 

「お前が兵藤と式森の間に生まれた魔人だよな?俺はタケルだ、よろしく!」

 

「イッセー・D・スカーレットだ」

 

黒髪に黒い瞳の少年が朗らかに挨拶をしてきた。

 

「んで、こいつはモウリでこいつはレオーネだ」

 

翠の髪に頬に一筋の傷跡がある瞳が青い男と目まで垂れている金髪の長身痩躯の男。

 

「当然だけど、お前らも魔人だよな?」

 

「じゃなきゃ、姐御とここにはいないって」

 

「姐御?」

 

「ラクシャさんのことだよ」

 

モウリが補足する。ああ、そういうことか。

 

「慕っているんだな」

 

「当たり前だ、彼女は俺たちのリーダ。敬うのは当然のことだ」

 

レオーネが髪の隙間から覗く赤い瞳を俺に向けてくる。

 

「いつも姐御からお前の話は聞くよ。一日一回は。これで毎日話を聞かなくて済みそうだぜ」

 

「ははは・・・・・そうなんだ」

 

「まあ?姐御に相応しい奴で安心した。じゃなきゃ―――」

 

タケルは笑みを浮かべながら言った。

 

「俺が闇討ちしていたぜ♪」

 

「・・・・・」

 

こいつ、本気だ!笑みを浮かべている顔と裏腹に、

あいつの背から異様なオーラを感じるんだもん!

 

「お前らも、誰かと結婚の儀式をしたのか?」

 

「ああ、あれ?別に女とじゃなくてもいいんだぜ?

あれは俺たち魔人がさらに力を上げるため、強くなるための力の向上の儀式みたいなもんだ。

女どもはそう認識しているけどな。それに相性もある」

 

「相性?」

 

「お前は知らないだろうが、魔人にも力の相性がある。

間違って不適合なやつと儀式をすれば拒絶反応を起こし、しばらく体中に激痛が起きる」

 

「相性が良かったら問題ないだけで済む」

 

なるほど、俺は元々彼女とは相性が良かった方か。

 

「ん?女とじゃなくてと言うのは・・・・・男同士でもいいってことなんだよな?」

 

「そうだが?」

 

「それって男同士だとそうやって儀式をするんだ?」

 

「「「・・・・・」」」

 

俺の質問に三人は沈黙した。モウリが口を開く。

 

「聞きたい?」

 

「・・・・・いや、なんだか温かい湯に浸かっているにも拘らず

寒気がしてきたからいいや」

 

「うん、賢明な判断だと思う。因みに―――」

 

タケルはモウリとレオーネに指していった。

 

「こいつら、儀式をした魔人たちだから。男同士で」

 

「・・・・・」

 

それ、どう答えろっていうんだよ・・・・・!?

 

「にしても、兵藤家と式森家って意外と弱かったね」

 

「いや、俺たちの能力が負かしたんだろう?俺たち自身が勝ったわけじゃないって」

 

「だが、勝ちは勝ちだ。次は―――悪魔どもだ」

 

こいつらも、冥界に帰りたがっているのか・・・・・。

俺、何とかできそうなんだけど納得してくれるかどうかだな・・・・・。

 

「お前ら、冥界に帰りたいのか?」

 

「帰りたいというか、奪還?それが僕たち若手魔人の宿命なんだって。

小さい頃から教えられたよ。それが当たり前、当然だって」

 

「古の魔人たちにしてきたことは許し難いと俺も思っているぜ。

今と昔は違うだろうが、忘れ去られている共に冥界にいた者を

思い出させるためには丁度良いんじゃね?」

 

「仮に冥界を奪還できたらお前らはどうするんだ?」

 

「冥界で生きていく」

 

幼少から冥界を奪還、悪魔を滅ぼすことが当然だと教育、洗脳が施されているな。

旧世代の魔人たち・・・・・あくどい事をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼を・・・・・会わせろと?」

 

『お前の報告を受けた一件から我々は考えた結果だ。我が一族から抜けた

魔人の末裔は我らが同胞。ならばその末裔の子も我ら魔人の同胞と変わりがなかろうて』

 

『真龍と無限の力を宿す魔人は我らの希望だ。是非ともこの目で見たいと思っておる』

 

『故に、若手最強のお前に命令をしている。彼の者を明日、我らのもとへ連れてくるのだ』

 

『よいな?これは決定事項だ』

 

『待っているぞ』

 

「・・・・・分かりました」

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